第2次 健康たまの21計画・玉野市食育推進計画(案).

第2次
健康たまの21計画
玉野市食育推進計画
(案)
平成27年3月
岡山県
玉野市
~
目
次
~
第1章 計画策定の社会的背景 ----------------------------------------- 1
1.健康日本21の推進 ----------------------------------------------- 1
2.食育推進基本計画の推進 ------------------------------------------- 4
第2章 計画の位置付け ------------------------------------------------ 6
1.計画策定の趣旨 --------------------------------------------------- 6
2.計画の位置付けと期間 --------------------------------------------- 7
3.計画策定の方法 --------------------------------------------------- 9
第3章 健康づくりを取り巻く現状 ------------------------------------- 10
1.人口等の動き ----------------------------------------------------- 10
2.市民の健康を取り巻く現状 ----------------------------------------- 14
第4章 これまでの取り組み結果 --------------------------------------- 25
1.健康たまの21計画の取り組み ------------------------------------- 25
2.玉野市食育推進計画の取り組み ------------------------------------- 26
3.健康たまの21計画の目標達成状況 --------------------------------- 27
4.食育推進活動の目標達成状況 --------------------------------------- 30
第5章 計画の基本的な考え方 ----------------------------------------- 31
1.基本理念 --------------------------------------------------------- 31
2.施策の体系 ------------------------------------------------------- 32
第6章 分野別行動計画 ------------------------------------------------ 33
1.生活習慣病予防への取り組み --------------------------------------- 33
2.身体活動・運動の推進 --------------------------------------------- 38
3.こころの健康づくり ----------------------------------------------- 43
4.たばことアルコール ----------------------------------------------- 48
5.歯と口腔の健康づくり --------------------------------------------- 55
6.栄養と食生活 ----------------------------------------------------- 58
7.食育の推進 ------------------------------------------------------- 63
第7章 評価指標(総括表) ------------------------------------------- 70
第8章 計画の推進にあたって ----------------------------------------- 72
第1章 計画策定の社会的背景
1.健康日本21の推進
1.国の動向
わが国の平均寿命は,近年大幅に伸長し,世界有数の長寿国となりました。しかし,
急速な高齢化に伴い,がんや高血圧,糖尿病などの生活習慣病の増加や,寝たきりにな
る人,あるいは認知症により見守りを必要とする人なども増加しており,深刻な社会問
題となっています。
国は,すべての国民が健やかでこころ豊かに生活できる活力ある社会を築くため,平
成 12(2000)年に「21 世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を策定し,
国民運動としての健康づくりを推進してきました。
平成 25(2013)年度より取り組みが始まった「健康日本21(第2次)」では,「健
康寿命の延伸と健康格差の縮小」をはじめとした基本的方向性を掲げ,健康づくりへの
取り組みを推進しています。
健康日本21(第2次)の目指す姿
すべての国民が共に支えあい,健康で幸せに暮らせる社会
○子どもも大人も希望のもてる社会
○高齢者が生きがいをもてる社会
○希望や生きがいをもてる基盤となる健康を大切にする社会
○疾病や介護を有する方も,それぞれに満足できる人生を送ることのできる社会
○地域の相互扶助や世代間の相互扶助が機能する社会
○誰もが社会参加でき,健康づくりの資源にアクセスできる社会
○今後,健康格差が広がる中で,社会環境の改善を図り,健康格差の縮小を実現する
社会
【基本的方向性】
1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小
2.生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底
3.社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
4.健康を支え,守るための社会環境の整備
5.栄養・食生活,身体活動・運動,休養,飲酒,喫煙及び歯・口腔の健康に関する
生活習慣病及び社会環境の改善
1
【目標値の設定】
1.健康寿命の延伸と健康格差の縮小の実現に関する目標
①健康寿命の延伸(日常生活に制限のない期間の平均の延伸)
②健康格差の縮小(日常生活に制限のない期間の平均の都道府県格差の縮小)
2.主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底に関する目標
①がん検診の受診率の向上
②メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少
③特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上
④合併症(糖尿病腎症による年間新規透析導入患者数)の減少
⑤COPDの認知度の向上・・・など
3.社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上に関する目標
①朝・昼・夕の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合の増
加
②ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を認知している国民の割合の増加
③低栄養傾向(BMI20 以下)高齢者の割合の増加の抑制・・・など
4.健康を支え,守るための社会環境の整備に関する目標
①地域のつながりの強化(居住地域でお互いに助け合っていると思う国民の割合の増
加)
②健康づくりを目的とした活動に主体的に関わっている国民の割合の増加・・・など
5.栄養・食生活,身体活動・運動,休養,飲酒,喫煙及び歯・口腔の健康に関する生
活習慣病及び社会環境の改善に関する目標
①適正体重を維持している者の増加(肥満(BMI25 以上),やせ(BMI18.5 未
満)の減少
②食塩摂取量の減少
③共食の増加(食事を1人で食べている子どもの割合の減少)
④日常生活における歩数の増加
⑤睡眠による休養を十分とれていない者の割合の減少
⑥生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(1日当たりの純アルコール摂取
量が男性 40g以上,女性 20g以上の者)の割合の減少
⑦成人の喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)
⑧歯の喪失防止(80 歳で 20 歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加,60 歳で 24
歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加)
⑨過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加・・・など
2
2.岡山県の動向
岡山県では,平成 13 年3月に策定した「健康おかやま21」の最終評価や,国の「健
康日本21(第2次)」を踏まえ,子どもから高齢者まで,すべての県民が健やかに心
豊かな生活をおくるために,県や市町村,関係団体,県民が,健康づくりに関する今後
10 年間の目指すべき方向と基本的施策を示す健康増進計画「第2次健康おかやま21
(健康長寿社会の実現を目指して)」を平成 25 年3月に策定しました。
この「第2次健康おかやま21」では,「全ての県民が健康で生きる喜びを感じられ
る長寿社会の実現」を基本理念として,また,「平均寿命の延伸を上回る健康寿命の延
伸」を基本目標とし,次の3つの方向をもって施策の展開を図っています。
第2次健康おかやま21の基本的な方向
1.生活習慣病の発症予防と重症化予防
2.社会生活を営むために必要な心身機能の維持及び向上
3.健康を支え,守るための社会環境の整備
【目標値の設定】
1.健康寿命に関する目標
①平均寿命の延伸分を上回る健康寿命の延伸(日常生活に制限のない期間,自分が健
康であると自覚している期間,日常生活が自立している期間)
2.主要な生活習慣病の予防に関する目標
①がん検診の受診率の向上
②メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少
③特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上
④糖尿病の合併症による年間新規透析導入率の減少・・・など
3.生活習慣の改善に関する目標
①適正体重を維持している者の増加
②食塩摂取量の減少
③共食の機会の増加(ほとんど毎日家族と一緒に食事を食べる子どもの割合の増加)
④低栄養傾向(BMI20 以下)高齢者の割合の増加の抑制
⑤日常生活における歩数の増加
⑥睡眠による休養を十分とれていない者の割合の減少
⑦生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(1日当たりの純アルコール摂取
量が男性 40g以上,女性 20g以上の者)の割合の減少
⑧成人の喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)
⑨COPD(慢性閉塞性肺疾患)の認知度の向上
⑩歯の喪失防止(80 歳で自分の歯を 20 本以上持っている者の増加,60 代で自分の歯
を 24 本以上持っている者の増加)
⑪定期的に歯科検診を受けている者の増加・・・など
3
2.食育推進基本計画の推進
1.国の動向
生活の多様化により食を取り巻く環境が変化する中,「食育」という言葉は徐々に浸
透しつつあります。しかし,朝食の欠食や孤食及び個食の増加など日常生活の食をめぐ
る課題や,地産地消の推進に向けての生産者の担い手不足,あるいは食の安全性の問題
など,依然として食をめぐる問題点や課題は山積しています。
食育は,国民が生涯にわたって健全な心身を培い,豊かな人間性を育むための重要な
テーマとして,引き続き推進していくことが求められています。
国は,食育基本法に基づき,平成 18(2006)年3月に「食育推進基本計画」を策定し,
その後,平成 23(2011)年3月に「第2次食育推進基本計画」を策定しています。
この「第2次食育推進基本計画」では,そのコンセプトを「周知」から「実践」へと
し,健全な食生活を実践することができる食育の推進を掲げています。
第2次食育推進基本計画の目指す姿
単なる周知にとどまらず,国民が食料の生産から消費等に至るまでの食に関す
るさまざまな体験活動を行うとともに,自ら食育の推進のための活動を実践する
ことにより,食に関する理解を深める。
【重点課題】
1.生涯にわたるライフステージに応じた間断ない食育の推進
2.生活習慣病の予防及び改善につながる食育の推進
3.家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進
【基本的な取り組み方針】
1.国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成
2.食に関する感謝の念と理解
3.食育推進運動の展開
4.子どもの食育における保護者,教育関係者等の役割
5.食に関する体験活動と食育推進活動の実践
6.わが国の伝統的な食文化,環境と調和した生産等への配慮及び農山漁村の活性化と
食料自給率の向上への貢献
7.食品の安全性の確保等における食育の役割
4
2.岡山県の動向
岡山県では,平成 18 年 12 月に制定した「岡山県食の安全・安心の確保及び食育の推
進に関する条例」に基づき,「岡山県食の安全・安心推進計画」及び「岡山県食育推進
計画」を策定し,県民の健康で豊かな生活の実現を図ってきました。計画期間の満了に
伴い,あらためてそれぞれの次期計画を統合することとし,健康な人づくり「生き活き
岡山」の実現を目指し,平成 25 年3月に「岡山県食の安全・食育推進計画」を策定し
ました。
この計画では,県民が,健康で豊かな食生活を営むため,食品の生産から消費に至る
すべての工程に関わる関係者が食の重要性を認識し,それぞれの責務と役割を果たしな
がら食の安全・安心の確保と食育の推進に努めることを趣旨としています。
特に,食中毒や放射性物質が食に与える影響についての正しい情報の提供,そして食
習慣の乱れや孤食・個食化,家族とのコミュニケーションなど,近年クローズアップさ
れてきた様々な問題点や課題に対応する施策内容とし,次のような基本方針を掲げてい
ます。
岡山県食の安全・食育推進計画の基本方針
食の安全・安心の確保
・生産から消費に至る一貫した安全の確保
・安心の定着に向けた信頼の確立
食育の推進
・食を通じた健康な人づくり・地域づくり~「知識」から「行動」へ~
①人と人とをつなぐ
②健康な体をつくる
③豊かな心を育む
【課題】
1.孤食の増加
2.食料廃棄量の増加
3.肥満の増加
4.若い世代の朝食の欠食
【指標】
1.共食の機会の増加
2.朝食を毎日食べる者の割合の増加
3.栄養成分表示の店登録数の増加
4.適切な量と質の食事をとる者の増加
5
第2章 計画の位置付け
1.計画策定の趣旨
玉野市では,平成 16 年度に「健康たまの21計画」を策定し,市民の健康づくりは
市民一人ひとりの努力(個人の主体性)と,健康づくりの環境整備(社会全体での支援)
によって推進するという考え方のもと,「みんなですこやか,みんながすこやか
健康
たまの」という基本理念を掲げ,家庭・地域・行政・企業などが連携しながら,様々な
取り組みを進めてきました。
また,平成 20 年度には「玉野市食育推進計画」を策定し,「~ひろげよう!つなげ
よう!!たまの食育の“わ”~」という基本理念を掲げ,家庭,保育園・幼稚園,学校,
食品関連事業者,農業関係者,地域の組織,行政等が様々な場面において食育活動を展
開してきました。
しかし,生活様式や価値観が多様化する中で,健康・食を取り巻く状況も変化し,健
康・食の大切さに対する意識が希薄化しているなど課題は山積しています。
そこで,本市における健康づくりの現状と課題を明確にし,市民の主体的な健康づく
りと食育を総合的に支援・促進することを目指し,新たな計画「第2次健康たまの21
計画・玉野市食育推進計画」(以下「本計画」と表記)を策定します。
策定にあたっては,これまで取り組んできた「子ども・若者・壮年・高齢者」といっ
たライフステージにおける対策を見直し,分野別の対策を立てて推進していきます。
また,食育推進計画は,本計画の栄養・食生活,食育の分野と一体的に策定します。
特に,本計画の推進にあたっては,市民一人ひとりが主体的に健康づくりに参画し,本
市に暮らすことに愛着が持てるよう,市民主体の活動への支援や協働のための仕組みづ
くりを目指します。
第1次健康たまの21計画
第1次玉野市食育推進計画
1.栄養・食生活
2.身体活動・運動
3.休養・心の健康づくり
4.たばこ
5.アルコール
6.歯の健康づくり
1.食の重要性を正しく理解する
2.食のありがたさと楽しさを知る
3.食を通して健康増進に努める
4.地場産物を積極的に活用する
5.食に関する情報発信に努める
6.人材育成に努め推進体制を強化する
(本計画)第2次健康たまの21計画・玉野市食育推進計画
1.生活習慣病予防への取り組み
2.身体活動・運動の推進
3.こころの健康づくり
4.たばことアルコール
5.歯と口腔の健康づくり
6.栄養と食生活
7.食育の推進
6
2.計画の位置付けと期間
1.計画の位置付け
本計画は,健康増進法に基づく「健康増進計画」と食育基本法に基づく「食育推進計
画」を一体的に策定するものです。国の「健康日本21(第2次)」や「第2次食育推
進基本計画」,岡山県の「第2次健康おかやま21」「岡山県食の安全・食育推進計画」
等の内容を踏まえながら,市政運営の指針となる上位計画「玉野市総合計画後期基本計
画(みんなで築くたまのプラン)」をはじめ,関連する他の部門計画との整合にも配慮
するものです。
◆一体的な策定◆
健康増進計画
食育推進計画
◆健康増進法に基づき,国が定める「国
民の健康の増進の総合的な推進を図る
ための基本的な方針」(健康日本21(第
2次))及び岡山県の「第2次健康おかや
ま21」の趣旨に沿って策定する市町村
健康増進計画。
◆食育基本法に基づき,国が定める「第
2次食育推進基本計画」,及び「岡山県
食の安全・食育推進計画」の趣旨に
沿って策定する市町村食育推進計画。
◆関連計画との整合イメージ◆
根拠法
●健康増進法第8条第2項
●食育基本法第 18 条第1項
国
●健康日本21(第2次)
●第2次食育推進基本計画
県
●第2次健康おかやま21
●岡山県食の安全・食育推進計画
玉野市
●玉野市総合計画 後期基本計画(みんなで築くたまのプラン)
【本計画】
第2次健康たまの21計画・玉野市食育推進計 画
7
調整
連携
【関連計画】
◆玉野市老人保健福祉計画・介護保
険事業計画
◆玉野市障害者基本計画
◆玉野市子ども・子育て支援事業計画
・・・など
2.計画の期間
本計画の期間は,平成 27 年度から平成 36 年度までの 10 年間とします。また,計画
の中間年にあたる平成 31 年度に,それまでの取り組みの中間評価・見直しを行い,平
成 36 年度に最終評価を行います。
なお,社会情勢の変化や制度等の改正,本市の現状の変化等により,随時見直しを行う
場合があります。
平成
27 年度
平成
28 年度
平成
29 年度
平成
30 年度
平成
31 年度
平成
32 年度
平成
33 年度
平成
34 年度
前期
中間
評価
後期
8
平成
35 年度
平成
36 年度
3.計画策定の方法
1.計画の策定体制
計画の策定にあたっては,アンケート調査等を通して実態や意見等を把握するととも
に,学識経験者・各種団体や組織の関係者・市民代表者などから構成される「健康たま
の21計画策定協議会」及び「玉野市食育推進協議会」に諮り,専門的見地から意見を
いただきました。
また,庁内に「健康たまの21計画及び玉野市食育推進計画策定委員会」を設置し,
関係部署との連絡・調整,連携を図りました。
2.アンケート調査の実施
平成 16 年度に策定した「健康たまの21計画」及び平成 20 年度に策定した「玉野市
食育推進計画」について,これまでの計画の実績や現状分析等を行い,「健康たまの2
1計画」において定めた目標達成状況等について最終評価を実施し,本計画を策定する
ための基礎資料とすることを目的として,アンケート調査を実施しました。
アンケート調査は,市民を対象とした「市民の健康づくり・生活習慣に関するアンケー
ト」と,中学生・高校生を対象とした「中学生・高校生の健康づくりについてのアンケー
ト」の2種類を行いました。
市民の健康づくり・生活習慣に関する
中学生・高校生の健康づくりについての
アンケート調査
アンケート調査
調査対象
20~69 歳までの市民
市内の7中学校1年生及び
抽出方法
住民基本台帳による無作為抽出
玉野商業高等学校1年生
調査方法
郵送配布~郵送回収
各学校を通じた配布・回収
調査期間
平成 26 年8月~9月
平成 26 年9月
配布数
2,000 人
701 人
回収状況
724 人
681 人
有効回収率
36.2%
97.1%
調査名称
3.前期計画の点検と評価
平成 21 年度の中間評価に基づき実行している様々な健康増進施策や食育への取り組
みについては,それぞれの取り組み内容の点検・評価を踏まえ,策定しています。
9
第3章 健康づくりを取り巻く現状
1.人口等の動き
1.人口・世帯数の推移
本市の人口は,平成 26 年4月1日現在で 63,246 人と,平成 22 年から 2,500 人あま
りの減少(平成 22 年を 100.0 とした場合 96.1)となっています。
1世帯あたりの人口数を示す世帯人員は,平成 22 年の 2.36 人から平成 26 年で 2.26
人と,緩やかに小家族化傾向にあります。
◆人口・世帯数の推移◆
人口
世帯数
世帯人員(人/世帯)
(人/世帯)
(人)
65,796
60,000
65,004
2.36
64,288
2.33
64,100
2.31
3.0
63,246
2.5
2.28
2.26
2.0
40,000
27,895
27,882
27,867
28,123
27,984
1.5
1.0
20,000
0.5
0
0.0
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
(%)
110.0
100.0
100.0
99.9
100.9
100.4
100.0
98.8
97.7
97.4
96.1
平成24年
平成25年
平成26年
100.0
90.0
人口伸び率(%)
80.0
世帯数伸び率(%)
70.0
平成22年
平成23年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
平成 26 年
人口
65,796
65,004
64,288
64,100
63,246
世帯数
27,882
27,895
27,867
28,123
27,984
2.36
2.33
2.31
2.28
2.26
人口伸び率(%)
100.0
98.8
97.7
97.4
96.1
世帯数伸び率(%)
100.0
100.0
99.9
100.9
100.4
世帯人員(人/世帯)
注:平成 25 年数値より外国人を含む
資料:住民基本台帳(各年4月1日現在)
10
2.人口動態
人口の動きである「人口動態」をみると,出生,死亡の差からみる「自然動態」は近
年マイナスで推移しています。つまり,死亡者数が出生者数を上回っている状態にあり
ます。転入,転出からみる「社会動態」についても,市外への転出者数が市内への転入
者数を上回るマイナスを示し,転出超過傾向が継続しています。
平成 25 年度では,自然動態がマイナス 485 人,社会動態がマイナス 324 人であり,
合計 809 人の人口減少となっています。この人口減少数は,近年では最も多くなってい
ます。
◆人口動態◆
自然動態(c)
出生者数
(a)
死亡者数
(b)
社会動態(f)
転入者数
(d)
転出者数
(e)
人口動態
(g)
平成 21 年度
394
787
-393
1,439
1,720
-281
-674
平成 22 年度
398
788
-390
1,373
1,786
-413
-803
平成 23 年度
372
805
-433
1,391
1,676
-285
-718
平成 24 年度
407
777
-370
1,408
1,718
-310
-680
平成 25 年度
362
847
-485
1,447
1,771
-324
-809
注:(c)=(a)-(b),(f)=(d)-(e),(g)=(c)+(f)
資料:出生・死亡は厚生労働省大臣官房統計情報部「人口動態統計(当該年中から翌年1月 14 日までの届け)」,転入・転出は総務省
統計局「住民基本台帳人口移動報告(各年 10 月1日現在)」
3.年齢別人口構成
本市の高齢化率は増加傾向で推移しており,平成 26 年で 33.1%となっています。一
方,14 歳以下の年少人口は緩やかな減少で推移しており,本市においても少子高齢化の
進行がうかがえます。
◆年齢別人口構成◆
年少人口
14歳以下
生産年齢人口
15~64歳
老齢人口
65歳以上
凡例(%)
平成17年
12.2
平成22年
11.2
平成26年
10.6
62.4
59.0
56.3
25.3
29.7
33.1
資料:平成 17 年と 22 年は国勢調査結果,平成 26 年は住民基本台帳(4月1日現在)
11
年齢を細分化してみると,人口ピラミッドデータにもみられるように,女性の 80 歳
以上が最も多くなっていますが,60 歳代後半のいわゆる「団塊の世代」及びその子ども
世代である 30 歳代後半あるいは 40 歳代前半の「団塊ジュニア層」は,本市の人口の中
でもボリュームの多い年齢層となっています。
◆性別・年齢別人口◆
4,000
3,000
2,000
1,000
2,188
1,698
2,340
2,819
2,627
1,861
1,647
1,656
2,108
1,902
1,619
1,702
1,545
1,460
1,359
【男 性】
1,162
1,018
0
0
1,000
80歳以上
75~79歳
70~74歳
65~69歳
60~64歳
55~59歳
50~54歳
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
10~14歳
5~9歳
0~4歳
2,000
3,000
4,000
4,256
2,133
2,552
2,951
2,719
1,947
1,717
1,734
2,022
1,754
1,462
1,437
1,293
1,404
1,224
【女 性】
979
951
資料:住民基本台帳(平成 26 年4月1日現在)
4.世帯構成の状況
世帯構成を,5年間の推移でみると,「夫婦と子どもの世帯」や世帯人員が多い「三
世代世帯」が減少し,「単独世帯(単身世帯)」や「ひとり親と子どもの世帯」などで
増加がみられます。
◆世帯構成◆
単独世帯
夫婦のみ
の世帯
夫婦と
子ども
の世帯
ひとり親と
子どもの
世帯
三世代
世帯
その他の
世帯
凡例(%)
平成17年
平成22年
22.8
26.5
25.6
29.8
25.1
27.6
8.2
7.2
9.0
6.4
5.6 6.1
資料:国勢調査
12
5.出生数の推移
出生数は,近年増減を繰り返しながら推移しており,平成 25 年度では 362 人となっ
ており,前年との比較では減少しています。人口千人あたりの出生率は,岡山県の平均
を下回って推移しています。
◆出生数の推移◆
(人)
450
500
400
394
398
平成21年度
平成22年度
407
372
362
300
200
100
0
平成20年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
◆人口千人あたり出生率の推移◆
(人/千人)
12.0
玉野市
岡山県
10.0
8.0
6.0
8.7
6.8
8.6
8.6
8.6
6.0
6.1
5.8
8.4
6.4
8.4
5.7
4.0
2.0
0.0
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「人口動態統計(当該年中から翌年1月 14 日までの届け)」
13
2.市民の健康を取り巻く現状
1.平均寿命
本市の平均寿命は,男性が 79.6 歳,女性が 86.2 歳であり,男女ともに岡山県の平均
をやや下回っています。
◆岡山県内市町村別平均寿命◆
(歳)
【男性】
90.0
85.0
80.0
79.6 79.8
80.4 80.3 80.1 80.1 80.0 80.0 79.9 79.9 79.9 79.8 79.8 79.8 79.8 79.8 79.8
79.7 79.6 79.6 79.6 79.6 79.6 79.5 79.5 79.3 79.2 79.1
78.6
75.0
70.0
全 岡 高 倉 笠 浅 鏡 奈 赤 勝 久 井 総 新 備 真 早 西 岡 玉 和 新 吉 美 里 津 瀬 矢 美
国 山 梁 敷 岡 口 野 義 磐 央 米 原 社 見 前 庭 島 粟 山 野 気 庄 備 作 庄 山 戸 掛 咲
県 市 市 市 市 町 町 市 町 南 市 市 市 市 市 町 倉 市 市 町 村 中 市 町 市 内 町 町
町
村
央
市
町
(歳)
90.0
86.4 86.9
【女性】
87.5 87.5 87.2 87.2 87.2 87.1 87.1 87.1 87.0 87.0 87.0 87.0 86.9 86.9 86.9 86.9 86.9 86.9
86.8 86.8 86.7 86.7 86.5 86.5 86.2
86.1 86.0
85.0
80.0
75.0
70.0
全 岡 津 勝 岡 早 久 和 里 矢 新 奈 西 美 倉 笠 総 瀬 浅 吉 備 新 美 鏡 井 真 玉 赤 高
国 山 山 央 山 島 米 気 庄 掛 見 義 粟 咲 敷 岡 社 戸 口 備 前 庄 作 野 原 庭 野 磐 梁
県 市 町 市 町 南 町 町 町 市 町 倉 町 市 市 市 内 市 中 市 村 市 町 市 市 市 市 市
町
村
市
央
町
資料:厚生労働省「市区町村別生命表」(平成 22 年)
14
2.死亡数の推移
死亡数は,近年増減を繰り返しながら推移しており,平成 25 年度では 847 人となっ
ており,前年との比較では増加しています。人口千人あたりの死亡率は,岡山県の平均
を上回って推移しています。
◆死亡数の推移◆
(人)
1,000
800
847
741
787
788
805
777
平成20年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
600
400
200
0
平成25年度
◆人口千人あたり死亡率の推移◆
(人/千人)
15.0
玉野市
13.0
12.0
11.0
9.0
11.1
9.8
10.0
岡山県
12.1
12.5
10.6
10.7
平成22年度
平成23年度
13.3
12.2
11.1
11.0
平成24年度
平成25年度
7.0
5.0
平成20年度
平成21年度
資料:厚生労働省大臣官房統計情報部「人口動態統計(当該年中から翌年1月 14 日までの届け)」
15
3.選択死因別死亡数
平成 24 年における本市の主な死亡要因は「悪性新生物」,いわゆる「がん」が最も
多く,次いで「心疾患」「肺炎」などの順となっています。「悪性新生物」は特に男性
に多く,女性は男性に比べ「心疾患」が多いことが特徴です。
◆選択死因別死亡数構成比◆
悪性新生物
心疾患
肺炎
脳血管疾患
その他計
凡例(%)
総数(N=781)
27.4
17.7
11.3
8.8
34.8
12.1
7.3
35.8
10.4
10.4
【性別】
男性(n=397)
女性(n=384)
32.0
12.8
22.7
22.7
合計
件数
総数(全死因)
33.8
男性
構成比(%)
件数
女性
構成比(%)
件数
構成比(%)
781
100.0
397
100.0
384
100.0
1
0.1
1
0.3
0
0.0
214
27.4
127
32.0
87
22.7
糖尿病
9
1.2
6
1.5
3
0.8
高血圧性疾患
5
0.6
2
0.5
3
0.8
138
17.7
51
12.8
87
22.7
69
8.8
29
7.3
40
10.4
くも膜下出血
14
1.8
4
1.0
10
2.6
脳内出血
16
2.0
8
2.0
8
2.1
脳梗塞
36
4.6
16
4.0
20
5.2
5
0.6
2
0.5
3
0.8
肺炎
88
11.3
48
12.1
40
10.4
慢性閉塞性肺疾患
10
1.3
8
2.0
2
0.5
喘息
1
0.1
0
0.0
1
0.3
肝疾患
6
0.8
4
1.0
2
0.5
腎不全
17
2.2
9
2.3
8
2.1
老衰
55
7.0
16
4.0
39
10.2
不慮の事故
30
3.8
20
5.0
10
2.6
4
0.5
4
1.0
0
0.0
9
1.2
5
1.3
4
1.0
124
15.9
69
17.4
55
14.3
結核
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
大動脈瘤及び解離
交通事故
自殺
その他
資料:岡山県人口動態統計(平成 24 年)
16
4.主要疾病の標準化死亡比
平成 24 年における本市の主要疾病の標準化死亡比(SMR注)は,死亡要因として最
も多い「悪性新生物」の場合,男女ともに全国平均(=100)を下回っていますが,「心
疾患」については,女性において全国平均を大きく上回っています。
◆主要疾病の標準化死亡比(SMR)◆
250.0
男性
196.9
200.0
女性
150.0
93.7
100.0
102.3
99.9
92.9
79.9
79.5
84.5
50.0
0.0
悪性新生物
心疾患
脳血管疾患
肺炎
資料:岡山県人口動態統計(平成 24 年)
注:標準化死亡比(SMR)とは,標準とする集団(=全国)に比べて何倍死亡が多いかを示す値。SMR100=全国
の平均並み,SMR100 より大=全国平均より死亡率が高い,SMR100 より小=全国平均より死亡率が低い。
5.自殺の状況
国内における自殺者数は,3万人近い水準で推移しています。
本市においては,年間 10~20 人程度の推移となっています。
◆自殺者数の推移◆
(人)
20
19
19
15
16
13
12
12
8
4
0
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
資料:内閣府の警察庁統計(年間確定値)の自殺日ベース,発見地ベース(平成 25 年)
17
6.国民健康保険の状況
(1)加入者数の推移
本市における国民健康保険加入者数(被保険者数)は,平成 25 年で 16,751 人,加入
割合は 26.5%となっており,近年は,緩やかな減少で推移しています。
◆国民健康保険加入者数等の推移◆
国民健康保険加入者数(人)
国民健康保険加入割合(%)
(%)
20,000
50.0
17,624
18,000
16,000
26.8
17,464
17,235
26.9
26.6
16,969
26.5
16,751
26.5
40.0
30.0
14,000
20.0
12,000
10.0
10,000
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
0.0
資料:玉野市保険年金課
(2)保険給付費の推移
保険給付費については,平成 25 年で約 57 億円となっており,年々上昇傾向にありま
す。
◆保険給付費の推移◆
(百万円)
6,000
5,500
5,267
5,423
5,490
平成22年
平成23年
5,709
5,739
平成24年
平成25年
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
平成21年
資料:玉野市保険年金課
18
(3)疾病発症状況
国民健康保険の平成 26 年5月診療分における,74 歳までの疾病の発症状況をみると,
受診件数は「消化器系」が4千件近くと最も多く,次いで「循環器系」「内分泌」「筋
骨格系」「眼疾患」「呼吸器系」などの順となっています。いずれも 65 歳以上の高齢
者で受診者が多くなっていますが,「消化器系」や「呼吸器系」は比較的若い年齢層も
多くなっています。
◆疾病発症状況(国民健康保険加入者)◆
0~4歳
0
5~14歳
1,000
15~39歳
2,000
40~64歳
65~74歳
3,000
4,000
5,000
消化器系
循環器系
内分泌
筋骨格系
眼疾患
呼吸器系
精神障害
消化器系
循環器系
内分泌
筋骨格系
眼疾患
呼吸器系
精神障害
皮膚疾患
新生物
尿路系
損傷・中毒
神経系
感染症
耳疾患
その他
血液
先天性
妊娠
周産期
皮膚疾患
新生物
尿路系
損傷・中毒
神経系
感染症
耳疾患
その他
血液
先天性
妊娠
件数(件)
3,903
3,056
1,797
1,331
1,138
1,131
746
598
571
560
547
446
348
227
226
53
23
8
2
周産期
資料:国民健康保険疾病分類統計(平成 26 年5月診療分)歯科診療分は含まない
19
7.各種健(検)診受診状況
(1)特定健康診査受診率
本市における平成 25 年度の特定健康診査の受診率は,女性の 60 歳以上では,ほぼ4
人に1人が受診していますが,男性は各年齢層ともに女性を下回っています。
◆特定健康診査受診率◆
(%)
30.0
女性
20.6
21.3
65~69歳
70~74歳
14.2
12.6
9.3
15.4
14.0
10.0
11.4
10.8
5.0
25.5
17.9
20.0
15.0
25.5
24.9
男性
25.0
6.3
0.0
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
資料:岡山県国民健康保険団体連合会「受療行動・特定健診データ分析による地域健康課題」平成 25 年度
また,本市における特定健康診査の対象者数は,増減を繰り返しながらも,おおむね
横ばいで推移していますが,受診者数,受診率は減少傾向で推移しています。平成 25
年度の受診率は 20.7%となっています。
◆特定健診受診状況◆
特定健康診査対象者数(人)
特定健康診査受診者数(人)
特定健康診査実施率(%)
(人)
14,000
12,305
12,000
12,180
12,138
(%)
25.0
12,117
12,052
23.2
22.2
10,000
22.5
22.2
21.0
8,000
20.7
6,000
4,000
2,850
2,696
2,703
2,531
2,503
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
20.0
17.5
2,000
0
15.0
資料:岡山県国民健康保険団体連合会「受療行動・特定健診データ分析による地域健康課題」
20
(2)特定保健指導
特定保健指導対象者数と実施者数の動向については,次表のとおりです。平成 20 年
度の実施者数合計は 77 人でしたが,平成 25 年度では 60 人と,期間中増減を繰り返し
ながらも長期的には減少傾向にあります。
◆特定保健指導対象者数と実施者数(率)◆
動機づけ支援
平成
20 年度
平成
21 年度
平成
22 年度
平成
23 年度
平成
24 年度
平成
25 年度
対象者数(人)
473
347
310
324
304
279
実施者数(人)
68
71
31
62
52
52
14.4
20.5
10.0
19.1
17.1
18.6
対象者数(人)
96
57
60
77
74
64
実施者数(人)
9
0
4
1
17
8
9.4
0.0
6.7
1.3
23.0
12.5
対象者数(人)
569
404
370
401
378
343
実施者数(人)
77
71
35
63
69
60
実施率(%)
13.5
17.6
9.5
15.7
18.3
17.5
実施率(%)
9.0
15.6
12.5
11.8
12.2
-
実施率(%)
積極的支援
実施率(%)
合計
県平均
資料:岡山県国民健康保険団体連合会「受療行動・特定健診データ分析による地域健康課題」
21
(3)がん検診受診率
本市におけるがん検診の受診状況をみると,肺がんが 29.1%と最も高く,次いで大腸
がん検診,子宮頸がん検診などの順となっています。
◆がん検診受診状況◆
(%)
0.0
10.0
胃がん検診
20.0
30.0
40.0
10.8
肺がん検診
29.1
大腸がん検診
19.4
子宮頸がん検診(女性のみ)
14.5
乳がん検診(マンモ併用)(女性のみ)
10.8
資料:玉野市健康増進課(平成 25 年度)
◆がん検診受診者数と受診率の推移◆
受診者数(人)
平成 20 年
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
胃がん検診
3,144
2,962
2,787
2,765
2,632
2,474
肺がん検診
8,764
7,823
7,338
7,089
6,840
6,642
大腸がん検診
4,821
4,612
4,393
4,270
4,350
4,438
子宮頸がん検診(女性のみ)
2,738
2,834
2,819
2,680
2,529
2,464
675
1,439
1,640
1,680
1,550
1,529
平成 20 年
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
胃がん検診
14.8
13.9
13.1
12.5
11.8
10.8
肺がん検診
41.2
36.8
34.6
32.0
30.6
29.1
大腸がん検診
22.7
21.7
20.7
19.3
19.5
19.4
子宮頸がん検診(女性のみ)
16.9
17.5
17.4
16.6
15.5
14.5
4.9
10.6
12.1
12.1
11.0
10.8
乳がん検診(マンモ併用)
(女性のみ)
受診率(%)
乳がん検診(マンモ併用)
(女性のみ)
資料:玉野市健康増進課
22
(4)子どもの健康
本市における1歳6か月児の健診受診率は,平成 25 年度で 94.9%となっており,近
年は増減を繰り返しながらほぼ横ばい傾向にありますが,岡山県の平均を上回って推移
しています。
◆1歳6か月児健康診査受診率◆
岡山県平均
(%)
玉野市
100.0
95.0
96.2
96.1
94.5
95.0
90.0
91.1
90.7
平成21年度
平成22年度
94.9
92.1
92.7
93.2
平成23年度
平成24年度
平成25年度
85.0
3歳児についても,岡山県の平均を上回って推移しています。
◆3歳児健康診査受診率◆
(%)
岡山県平均
玉野市
100.0
95.2
95.1
95.0
93.1
92.8
93.5
90.0
85.0
86.7
87.4
88.2
平成21年度
平成22年度
平成23年度
90.4
90.2
平成24年度
平成25年度
80.0
資料:玉野市健康増進課
23
8.要介護認定者数の推移
本市の介護保険事業における,要支援・要介護認定者数は年々増加する傾向にありま
す。
◆要介護度別認定者数の推移◆
5000 (人)
4,337
4500
4000
3,651
3500
305
404
3000
2500
2000
1500
671
592
0
345
426
661
617
4,103
405
404
387
430
663
652
要介護4
685
要介護3
941
963
591
630
622
要支援2
要支援1
要介護2
767
518
523
464
523
634
797
870
884
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
579
要介護5
766
872
811
676
391
418
649
605
610
378
423
4,729
697
1000
500
3,862
4,567
要介護1
資料:玉野市長寿介護課
24
第4章 これまでの取り組み結果
1.健康たまの21計画の取り組み
健康たまの21計画では,市民の健康づくりは市民一人ひとりの努力(個人の主体性)
と,健康づくりの環境整備(社会全体での支援)によって推進するという考え方のもと,
“みんなですこやか,みんながすこやか
健康たまの”を基本理念に,市民の健康づく
りの目標を掲げ,地域,関係団体,関係機関,行政などがそれぞれの特性を生かし,連
携して市民の健康づくりを推進してきました。
1.計画期間
平成 17 年度から平成 26 年度の 10 年間としています。
また,計画の中間年に当たる平成 21 年度に中間評価を行い,目標値を見直し,平成
26 年度に最終評価を行いました。
2.計画内容
生活習慣病予防に必要な「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休養・心の健康づく
り」「たばこ」「アルコール」「歯の健康」の6分野について,ライフステージごとに
健康づくりの目標を設定するとともに,数値目標の達成を目指し,各種取り組みを推進
してきました。また,中間評価により目標値の見直しを行いました。
25
2.玉野市食育推進計画の取り組み
玉野市食育推進計画では,市民一人ひとりが生涯にわたって心身ともに健康で豊かな
人間性を育むことができるよう “~ひろげよう!つなげよう!!たまの食育の“わ”
~” を基本理念に,市民の食育の目標を掲げ,地域,関係団体,関係機関,行政など
が協力・連携・相互補完しながら食育を推進してきました。
1.計画期間
平成 21 年度から平成 23 年度の3年間としていましたが,健康たまの21計画との整
合性を図り,それぞれの計画を統合し第2次計画を一体的に策定するため3年間延長し,
平成 26 年度を終期とした6年間としています。また,平成 26 年度に目標値の比較を行
いました。
2.計画内容
「規則正しく,バランスのとれた食生活・食習慣を身につける」を目標とし,食育を
推進していくにあたり,市民の食に対する意識向上を図ることを目的に「市民一人ひと
りが,食と健康に関心をもつ」「市民一人ひとりが,食の大切さを理解し,食に感謝す
る気持ちを育てる」の2点を基本目標として,数値目標の達成を目指すとともに,活動
主体やライフステージごとに基本方針を設定し,各種の施策・事業等を推進してきまし
た。
26
3.健康たまの21計画の目標達成状況
健康たまの21計画の最終評価では,平成 26 年8~9月に実施した「市民の健康づ
くり・生活習慣に関するアンケート調査」及び「中学生・高校生の健康づくりについて
のアンケート調査」のデータ等をもとに,各指標について策定時の値と直近値との比較
を行いました。なお,中間評価時に指標の見直しを実施した項目については,中間評価
時の値との比較を行い,各指標の達成状況は,下記の「判定区分」の基準により評価し
ました。
◆判定区分◆
評価
判
定
基
準
◎
目標として設定した状態を達成しているもの
○
目標に向けて改善がみられたもの
△
現状値が,目標に達しておらず,ほとんど変化がないもの
×
現状値が,策定時より悪化しているもの
-
データがない等の理由で判定不能なもの
◆各分類の評価状況(最終評価)◆
◎
栄養・食生活(20 指標)
○
△
×
-
計
11
1
2
6
0
20
身体活動・運動(13 指標)
0
2
2
3
6
13
休養・心の健康づくり(8指標)
3
0
0
5
0
8
たばこ(5指標)
3
2
0
0
0
5
アルコール(3指標)
1
0
0
2
0
3
歯の健康(9指標)
5
3
0
1
0
9
23
8
4
17
6
58
計
なお,健康たまの21で定める6分野 58 項目について,主な評価は次のとおりです。
◎:食塩・脂肪を控えている人の割合の増加
喫煙者の割合の減少・・・など
○:副流煙の害を知っている人の割合
年1回以上歯科検診を受けている若者・壮年の割合・・・など
×:朝食を毎日食べている中学生・高校生の割合
朝食をひとりで食べている小学生の割合の減少
栄養成分表示をよく見ている人の割合
ストレスを解消できている人の割合
アルコール多量飲酒の割合
60 歳で 24 本以上歯を有する人の割合の増加・・・など
27
◆各分類の目標達成状況評価◆
ライフ
ステージ
子
ど
も
数値目標の指標
目標値
壮
年
高
齢
者
子
ど
も
若
者
資料
等
87.0%
87.4%
86.9%
△
C
中高生
100%
-
86.3%
80.0%
×
B
②朝食を食べない理由
「食べる時間がない」
小学生
減らす
-
55.6%
32.8%
◎
C
中高生
減らす
-
50.6%
47.3%
◎
B
③朝食をひとりで食べてい
る人
小学生
減らす
10.0%
21.9%
16.6%
×
C
中高生
減らす
-
30.9%
31.0%
△
B
増やす
78.0%
66.3%
76.0%
×
A
50%以上
28.0%
31.6%
21.3%
×
A
③食塩を控えている人
増やす
8.0%
34.7%
37.3%
◎
A
④甘いものを控えている人
増やす
14.0%
29.5%
29.3%
◎
A
⑤野菜を多くとるようにしている人
増やす
31.0%
61.1%
70.7%
◎
A
⑥脂肪を控えている人
増やす
15.0%
45.3%
41.3%
◎
A
⑦カルシウムを多くとるようにしている人
増やす
27.0%
57.9%
54.7%
◎
A
⑧ジュース類を毎日1回以上飲む人
減らす
35.0%
43.2%
36.0%
×
A
①家族や友人と一緒に食事をしている人
増やす
50.0%
87.7%
83.2%
◎
A
②食塩を控えている人
増やす
25.0%
53.1%
52.3%
◎
A
③脂肪を控えている人
増やす
25.0%
58.7%
57.1%
◎
A
④野菜を多くとるようにしている人
増やす
79.0%
78.3%
81.0%
◎
A
①食事に気をつけている人
100%
82.0%
89.3%
85.0%
○
A
②おいしく食事が食べられる人
増やす
-
97.3%
96.6%
×
A
77.0%
-
-
-
-
①身体を動かす遊び・
スポーツを週のうち
半分以上している人
小学生
90%以上
中高生
増やす
-
87.5%
87.1%
△
B
中高生
10,000 歩以上
-
-
19.2%
-
B
21.3%
11.4%
×
8.3%
12.5%
△
22.3%
25.4%
○
21.9%
19.1%
×
18.8%
-
10.9%
-
40.0%
41.0%
○
50.5%
21.4%
×
27.9%
-
9.6%
-
①定期的に運動を行っている人
(男性)39%以上
(女性)38%以上
13.0%
(男性)39%以上
①定期的に運動を行っている人
壮
年
②日常生活における歩数
高
齢
者
評価
100%
②日常生活における
歩数
身
体
活
動
・
運
動
今回
小学生
②栄養成分表示をよく見ている人
若
者
中間
評価時
①朝食を毎日食べている
人
①1日3食,食べている人
栄
養
・
食
生
活
前期
策定時
①定期的に運動を行っている人
(女性)38%以上
(男性)9,200 歩以上
(女性)8,500 歩以上
(男性)70%以上
20.0%
-
-
(女性)70%以上
-
(男性)6,700 歩以上
②日常生活における歩数
(女性)6,000 歩以上
28
-
-
A
A
A
A
A
ライフ
ステージ
数値目標の指標
子
ど
も
休
養
・
心
の 壮若
健 年者
康
づ
く
り 高
齢
ア
ル
コ
ー
ル
評価
資料
等
-
65.8%
71.6%
◎
B
②ストレスを感じる人
中高生
減らす
-
52.9%
63.3%
×
B
③相談できる人がいる人
(相談する)
中高生
増やす
-
70.0%
72.8%
◎
B
85.7%以上
70.0%
66.5%
66.8%
×
A
②ストレスを感じる人
49%以下
66.0%
72.8%
72.0%
×
A
③睡眠で休養が十分とれている人
83%以上
78.0%
77.3%
75.3%
×
A
増やす
79.0%
74.4%
74.0%
×
A
※85%以上
-
84.0%
89.0%
◎
A
減らす
-
2.4%
1.5%
◎
B
②禁煙・分煙認定施設数
増やす
2 カ所
50 カ所
82 カ所
◎
D
③副流煙の害を知っている人の割合
100%
92.0%
93.8%
95.6%
○
A
④喫煙者の割合
減らす
26.0%
17.4%
14.5%
◎
A
⑤妊婦の喫煙率
0%
-
8.8%
3.1%
○
E
40.0%
35.2%
36.8%
◎
A
-
4.4%
8.7%
×
②睡眠で休養が十分とれている人
中高生
①毎日飲酒している人の割合
全
体
今回
増やす
①ストレスを解消できている人
全
体
中間
評価時
中高生
①将来たばこを吸いたいと思う人
の割合
た
ば
こ
前期
策定時
①ストレスを解消できている人
①ストレスを解消できている人
者
目標値
減らす
(男性)3.2%以下
②多量飲酒の割合
A
(女性)0.2%以下
子
ど
も
歯
の
健 壮若
康 年者
高
齢
者
-
1.0%
3.0%
×
①3歳児のむし歯のある割合
※20%以下
31.0%
22.3%
20.6%
○
F
②小学生のむし歯のある割合
30%以下
46.0%
32.2%
26.1%
◎
G
③中学生のむし歯のある割合
減らす
29.0%
19.7%
12.4%
◎
G
④高校生のむし歯のある割合
減らす
33.0%
18.4%
13.0%
◎
G
①60 歳で 24 本以上歯を有する人の割合
増やす
55.0%
58.6%
47.6%
×
A
②年1回以上歯科検診を受けている人の割合
50%以上
16.0%
20.2%
26.6%
○
A
③歯間清掃具を使用している人の割合
50%以上
25.0%
23.8%
33.7%
○
A
①年1回以上歯科検診を受けている人の割合
増やす
19.0%
22.3%
29.5%
◎
A
②歯間清掃具を使用している人の割合
増やす
19.0%
28.2%
32.9%
◎
A
〈資料等一覧〉
記号
資料等
A
市民の健康づくり・生活習慣に関するアンケート調査
B
中学生・高校生の健康づくりについてのアンケート調査
C
玉野市教育委員会学校教育課「朝食摂取状況調査」(平成 26 年度)
D
県への登録施設数(平成 25 年度)
E
玉野市妊娠届出書(平成 26 年)
F
3歳児歯科診察時発見率(平成 25 年度)
G
学校歯科検診時発見率(平成 25 年度)
※平成 21 年度(中間評価時)に指標の見直しを実施
29
4.食育推進活動の目標達成状況
玉野市食育推進計画では,平成 26 年8~9月に実施した「市民の健康づくり・生活
習慣に関するアンケート調査」及び市内保育園での保護者や小学生・中学生へのアン
ケート調査結果などのデータをもとに,各指標について現状値の把握を行いました。
対象
1.食育の認知度
2.食生活に気をつけている人の割合
目標値
策定時
現状把握値
市民全体
100%
-
①87%
5歳児保護者
100%
②83%
③84%
市民全体
100%
-
①77%
5歳児保護者
100%
②90%
③95%
①市民アンケート(平成 26 年9月実施:市民対象 N=724)
②5歳児保護者アンケート(平成 20 年 11 月実施:市内保育園 N=272)
③5歳児保護者アンケート(平成 26 年2月実施:市内保育園 N=213)
対象
3.毎日朝食をとる割合
目標値
策定時
現状把握値
5歳児
96%以上
①91%
②96%
小学5年生
89%以上
③84%
④86%
中学2年生
77%以上
③72%
④78%
①5歳児保護者アンケート(平成 20 年 11 月実施:市内保育園 N=272)
②5歳児保護者アンケート(平成 26 年2月実施:市内保育園 N=213)
③小学5・中学2年生アンケート(平成 20 年1月実施:小学5年生 N=518,中学2年生 N=564)
④小学5・中学2年生アンケート(平成 26 年 12 月実施:小学5年生 N=484,中学2年生 N=477)
対象
4. 適正体重の人の割合
40 歳以上
目標値
57%以上
策定時
①52%
現状把握値
②68%
①平成 19 年度基本健康診査
②市民アンケート(平成 26 年9月実施:市民対象 N=724)
対象
5.食事のあいさつをする割合
5歳児
目標値
85%以上
策定時
①80%
現状把握値
②93%
①5歳児保護者アンケート(平成 20 年 11 月実施:市内保育園 N=272)
②5歳児保護者アンケート(平成 26 年2月実施:市内保育園 N=213)
対象
目標値
策定時
現状把握値
6.家族や友人と一緒に食事をする人の
割合
市民全体
56%以上
①51%
②83%
7.健康とはおいしく食事が食べられるこ
とと思っている人の割合
市民全体
73%以上
①68%
②61%
8.食生活の改善について学ぶ機会への
参加意欲のある人の割合
市民全体
55%以上
①50%
②46%
①市民アンケート(平成 15 年 11 月実施:市民対象 N=726)
②市民アンケート(平成 26 年9月実施:市民対象 N=724)
30
第5章 計画の基本的な考え方
1.基本理念
国の「健康日本21(第2次)」の基本的方向性「健康を支え,守るための社会環境
の整備」が打ち出されています。「健康を支え,守るための社会環境の整備」をするた
めには,一人ひとりが主体的に社会参加しながら,支えあい,地域や人とのつながりを
深めるとともに,団体等の多様な主体が自主的に健康づくりや食育の推進に取り組むこ
とが重要です。
第1次健康たまの21計画では,子どもから高齢者まで各年代において,市民一人ひ
とりの努力(個人の主体性)と,健康づくりの環境整備(社会全体での支援)によって
推進するという考え方のもと,いきいきと健やかな生活を送ることができる玉野市を目
指し,健康づくりを推進してきました。
第1次玉野市食育推進計画では,市民の食に対する意識向上を図り,規則正しくバラ
ンスのとれた食生活・食習慣を身につけることにより,市民一人ひとりが,生涯にわたっ
て心身ともに健康で豊かな人間性を育むことができるよう食育を推進してきました。
それぞれの計画を統合し一体的に策定する本計画においては,これらの考え方を継承
し,各種事業のさらなる展開と活動の推進を目指して,両計画において定めた基本理念
を踏襲します。
●
本計画の基本理念
●
~みんなですこやか,みんながすこやか 健康たまの~
食育の推進分野の基本理念
「~ひろげよう!つなげよう!!たまの食育の“わ”~」
基本理念を具体化するため,次の7つの健康分野ごとに,それぞれの現状と課題に対
応した「施策の方向」を定め,その方向性に基づく「具体的な取り組み」を掲げます。
7つの健康分野
【1】生活習慣病予防への取り組み
【2】身体活動・運動の推進
【3】こころの健康づくり
【4】たばことアルコール
【5】歯と口腔の健康づくり
【6】栄養と食生活
【7】食育の推進
31
2.施策の体系
健康分野
1.生活習慣病予防への取り組み
2.身体活動・運動の推進
施策の方向
○健康への関心づくり
○生活習慣病予防の知識を深める
○健康診査の周知と受診促進
○がん予防と早期発見への取り組みを推進
○運動のきっかけづくり
○運動習慣の定着
3.こころの健康づくり
○こころの病気についての理解の促進
○ストレス等の解消法について知る
○家庭や地域でのコミュニケーションづくり
4.たばことアルコール
○たばこが及ぼす健康への影響についての知識を深める
○適正な飲酒を周知する
5.歯と口腔の健康づくり
○歯と口腔についての知識を深める
○歯科検診の周知と受診促進
6.栄養と食生活
○食への関心づくり
○食を通した健康の維持増進
7.食育の推進
○食を大切にする
○食への感謝の気持ちを育てる
○地産地消への取り組みの促進
○食を楽しむ
32
第6章 分野別行動計画
1.生活習慣病予防への取り組み
■■ 現状と課題 ■■
1.生活習慣病予防
現代社会においては,エネルギーや食塩摂取量の多い食事に偏りがちな食習慣,運動
不足,あるいは仕事や生活・社会環境の変化等に伴うストレスの増加などにより,生活
習慣病にかかる人が増えてきました。
このような状況において,生活習慣病を誘発しやすくなる「内臓脂肪型肥満(メタボ
リックシンドローム)」が,近年,問題視され,これに着目した特定健康診査・特定保
健指導が実施されています。
本市における 40 歳以上の特定健康診査の受診率は,女性の 60 歳以上では,ほぼ4人
に1人が受診していますが,男性は各年齢層ともに女性を下回っています。
特定健康診査の対象者数は,ここ数年,おおむね横ばいで推移していますが,受診者
数,受診率は減少傾向で推移しており,平成 25 年度の受診率は約2割(20.7%)となっ
ています。
「市民の健康づくり・生活習慣に関するアンケート調査(以下「市民アンケート調査」
と表記)」の結果によると,「特定健診または健康診査」の受診率は,市で実施してい
る健診を受診した人が 17.0%,職場や人間ドックで受診した人が 55.8%で,合計7割
以上(72.8%)の受診率となっています。
性別でみると,男性の受診率は8割近くですが,女性は7割程度と,男性を下回って
います。年齢別では,40 歳代から 50 歳代の受診率が高い傾向にあります。
◆健診等の受診状況(市民問 49)◆
(N=724) (%) 0.0
①特定健診または健康診査(検尿・血
圧・血液・身体測定・診察など)
②胃がん検診
③胸部(肺がん)検診
④大腸がん検診
20.0
40.0
17.0
10.1
55.8
26.9
40.9
15.2
16.6
⑥乳がん検診(女性のみ)(n=427)
17.6
23.6
22.5
18.7
59.8
38.8
39.1
36.3
市が実施する健診等(集団・個別)で受けた
市が実施する健診等以外(職場健診・人間ドック含む)で受けた
33
80.0
72.8
37.0
18.9
⑤子宮頸がん検診(女性のみ)(n=427)
60.0
また,現在治療中の病気は「高血圧」を筆頭に,「脂質異常症(高脂血症)」「歯・
口腔疾患」「糖尿病」などの順となっており,実際に生活習慣病にかかっている人が多
い現状がうかがえます。平成 21 年 10 月に実施した同調査(以下「前回調査」と表記)
との比較では,「脂質異常症(高脂血症)」に増加がみられました。
◆現在治療中の病気(市民問 10)◆
50.0
40.0
(%)
38.9
全体(n=275)
30.0
22.2
16.7
20.0
16.7
12.4 10.9
10.2
9.8
10.0
0.0
高
血
圧
脂
質
異
常
症
(
高
歯
・
口
腔
疾
患
糖
尿
病
脂
血
症
)
眼
の
病
気
腰
痛
心
臓
病
7.6
耳
鼻
咽
喉
の
病
気
6.2
皮
膚
の
病
気
5.1
ぜ
ん
そ
く
な
ど
気
管
支
の
病
気
4.7
こ
こ
ろ
3.6
2.2
2.2
1.8
1.8
骨
疾
患
腎
臓
病
脳
の
疾
患
肝
臓
病
が
ん
0.7
そ
の
他
無
回
答
生活習慣病の原因の一つとされる肥満について,市民アンケート調査結果から,肥満
度を表す指標であるBMI値 ※をみると,「普通体重(18.5~25 未満)」が7割近くを
占めて最も多いものの,「肥満(25 以上)」の割合は 21.8%と,およそ5人に1人の
割合となっています。
「肥満(25 以上)」の割合は,特に女性よりも男性に多く,また,男女ともに年齢が
上がるほど増える傾向にあることから,加齢に伴うメタボリックシンドロームの増加も
懸念されます。
一方で,女性は 20~30 歳代の若い年齢層において,「低体重(18.5 未満)」の割合
が他の年齢層を大きく上回っていることも懸念されます。
生活習慣病を予防するためには,自分自身の問題としてとらえ,その原因となってい
る日頃の生活習慣の見直しとともに,病気についての理解を深め,無理のない予防を継
続して行うことができる支援や環境の整備が必要です。
本人の生活は家族の生活にも関わることであり,家族全員で生活習慣病対策に取り組
むための啓発も欠かせません。予防としての健診の大切さを周知し,特定健診には特定
保健指導を受けられるメリットがあることなども,これまで以上に周知を促進する必要
があります。
※【BMI(Body Mass Index)】日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会が平成 12 年(2000 年)に定めた肥満度の判定指標を言
う。BMIは「体重 kg/(身長 m)2」により算出し,「BMI <18.5」の場合「低体重」,「18.5≦BMI<25」の場合「普通体重」,「BMI≧
25」の場合「肥満」として判定する。
34
◆BMI値(市民問3より)◆
低体重
18.5未満
普通体重
18.5~25未満
肥満
25以上
凡例(%)
全体(n=706)
10.3
67.8
21.8
【性別】
男性(n=288) 3.5
69.8
女性(n=416)
26.7
15.1
66.6
18.3
【男性年齢別】
20歳代(n=33) 3.0
75.8
30歳代(n=37) 2.7
21.2
81.1
40歳代(n=44) 4.5
16.2
68.2
27.3
50歳代(n=59) 3.4
67.8
28.8
60歳代(n=115) 3.5
66.1
30.4
【女性年齢別】
20歳代(n=39)
20.5
30歳代(n=63)
66.7
22.2
40歳代(n=79)
12.7
50歳代(n=81)
13.6
60歳代(n=154)
13.0
12.8
68.3
72.2
65.4
63.6
9.5
15.2
21.0
23.4
2.がん予防
本市の主な死亡要因は「悪性新生物」いわゆる「がん」が最も多く,次いで「心疾患」
「肺炎」などの順となっています。「悪性新生物」は特に男性に多く,女性は「心疾患」
が多いことが特徴です。
しかし,先に見たとおり,実際のがん検診の受診率は「肺がん」が3割程度,この他
「大腸がん」や「胃がん」の受診率は1割~2割程度と,いずれも高いとは言えず,受
診率は近年減少傾向にあります。
がんによる死亡率を減少させるためには,がん予防及びがんの早期発見が重要です。
がん検診の重要性や受診率向上に向けた,より一層の施策や取り組みが求められます。
また,がんの予防に関しては,がんのリスクを高める要因についての正しい知識の普及
や啓発への取り組みも一層充実させる必要があります。
35
■■ 施策の方向 ■■
○健康への関心づくり
○生活習慣病予防の知識を深める
○健康診査の周知と受診促進
○がん予防と早期発見への取り組みを推進
■■ 具体的取り組み ■■
対象
取り組み内容
個人や家庭で
取り組むこと
●家族で生活習慣病予防について話し合う機会を増やす
●日頃から健康管理の大切さを自覚し,歩くことや運動することなど
健康的な生活を心がける
●定期的に健康診査やがん検診を受ける
●健康診査の結果から生活習慣を見直す
●気になる症状がある時には,早めに医療機関を受診する
地域で
取り組むこと
●地域で愛育委員や栄養委員などが健康づくりや健診について啓
発活動を行う
●地域のイベントなどで,健診コーナーや出張講座等を行い,健診
についての啓発活動を行う
●地域の仲間と一緒に健(検)診を受ける
職域で
取り組むこと
●定期健診の受診と,特定保健指導利用の普及啓発を行う
●職員に,がん検診の受診を促進する
行政で
取り組むこと
●健康づくりに役立つ運動や食事,休養などの分かりやすく具体的
な情報提供を行う
●あらゆる機会を利用して健(検)診受診の必要性についての啓発
活動を行う
●受診しやすい健(検)診体制の整備と,かかりつけ医での個別健
(検)診を推進する
●学校と連携し,子どもの頃から生活習慣病予防について啓発活
動を行う
●生活習慣病予防についての出前講座を開催する
●精密検査未受診者への受診勧奨を行う
36
■■ 評価指標 ■■
番号
目標項目
現状値
男性
42.0%
50%
女性
33.7%
50%
男性
57.7%
65%
女性
61.4%
70%
男性
38.2%
50%
女性
39.3%
50%
子宮頸がん
女性
39.1%
50%
乳がん
女性
36.3%
50%
胃がん
11.8%
30%
肺がん
30.6%
35%
大腸がん
19.5%
30%
子宮頸がん
21.3%
30%
乳がん
16.7%
30%
胃がん
78.1%
90%
肺がん
88.8%
90%
大腸がん
81.8%
90%
子宮頸がん
88.9%
90%
乳がん
95.5%
98%
胃がん
肺がん
がん検診の受診率の向上
大腸がん
1
がん検診の受診率の向上
(玉野市実施分)
2
精密検診の受診率の向上
目標値
3
特定健康診査の受診率の
向上
特定健康診査の受診率
20.7%
35%
4
特定保健指導の実施率の
向上
特定保健指導の実施率
17.5%
45%
20~60 歳代男性の肥満者の割合
26.7%
25%
5
適正体重を維持している
者の増加
40~60 歳代女性の肥満者の割合
20.7%
17%
20 歳代女性のやせの人の割合
20.5%
17%
37
2.身体活動・運動の推進
■■ 現状と課題 ■■
運動やスポーツを通じて身体を動かすことは,健康づくりの柱の一つであり,生活習
慣病の改善や予防対策として,食事に気を配ることやストレス解消などと並んで,欠か
せない取り組みです。
市民アンケート調査結果では,運動やスポーツを「1回につき 30 分以上,週2回以
上行っている」人は約2割(22.2%)で,「月に1回以上」を合計すると,4割近くの
人が定期的に運動やスポーツを行っています。しかし,6割近くの人が「運動やスポー
ツを行っていない」と回答しており,前回調査との比較では,その割合はやや高くなっ
ています。
性別では,男性で運動やスポーツをしている人が多く,女性は男性の割合を大きく下
回っています。また,男性は 30 歳代や 60 歳代で,よく運動をしている人が多くなって
いますが,40 歳代では運動を行っていない人が多数を占めています。女性の場合,若い
年齢層ほど運動を行っていない人が目立つなど,性別や年齢によって顕著な差がみられ
ます。
◆運動・スポーツについて(市民問 26)◆
1回につき30分以上の
運動,スポーツを
週2回以上行っている
月に1回以上,
運動,スポーツ
を行っている
運動,スポーツは
行っていない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
22.2
17.4
58.7
1.7
【性別】
男性(n=293)
女性(n=427)
27.0
20.1
19.0
50.9
15.7
63.9
2.0
1.4
【男性年齢別】
20歳代(n=35)
11.4
40.0
30歳代(n=37)
40歳代(n=44)
50歳代(n=61)
48.6
32.4
11.4
27.0
11.4
72.7
19.7
60歳代(n=116)
35.1
4.5
31.1
39.7
5.4
9.5
47.5
1.6
50.0
0.9
【女性年齢別】
20歳代(n=40)
30歳代(n=65)
40歳代(n=84)
12.5
12.5
15.4
13.1
50歳代(n=82)
23.2
60歳代(n=156)
23.1
75.0
15.4
69.2
11.9
75.0
11.0
64.6
21.2
52.6
38
1.2
3.2
運動やスポーツをしていない理由としては,「時間に余裕がないから」という回答が
突出しています。また,女性の場合,男性に比べて「身体を動かすことが好きではない
から」「費用がかかるから」などの理由も多くみられ,年齢別では,40 歳代で「時間に
余裕がないから」,60 歳代で「病気や身体上の理由から」を行っていない理由とする人
が多くなっています。
◆運動やスポーツをしていない理由(市民問 28)◆
(%)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
時間に余裕がないから
20.9
費用がかかるから
16.2
一緒にする人がいないから
14.6
病気や身体上の理由から
11.3
運動する施設がないから
8.7
必要ないと思うから
6.1
1.4
その他
無回答
70.0
62.4
身体を動かすことが好きではないから
効果があるとは思えないから
60.0
全体(n=425)
9.4
1.2
今後の運動やスポーツについては,過半数が実施意向を示しており,特に男性は若い
年齢層ほど,女性は 40~50 歳代で,その割合が高くなっています。
◆今後の運動やスポーツ活動について(市民問 29)◆
無回答
8.9%
性
別
男
性
年
齢
別
いいえ
33.2%
全体(n=425)
はい(はじめたい)
57.9%
39
女
性
年
齢
別
全体(n=425)
男性(n=149)
女性(n=273)
20歳代(n=17)
30歳代(n=13)
40歳代(n=32)
50歳代(n=29)
60歳代(n=58)
20歳代(n=30)
30歳代(n=45)
40歳代(n=63)
50歳代(n=53)
60歳代(n=82)
はい
(はじめたい)(%)
57.9
59.7
57.1
70.6
69.2
71.9
55.2
50.0
50.0
53.3
60.3
66.0
53.7
平成 26 年8月に,本市の中学校及び高校に通学する生徒を対象に実施した「健康づ
くり・生活習慣に関するアンケート調査(以下「中・高校生アンケート調査」と表記)」
の結果によると,日常生活でのスポーツや運動を行っている割合は7割以上(74.6%)
となっています。
性別では,男子の場合は「野球(硬式・軟式)」「サッカー(フットサル含む)」な
どを中心に,全体の8割以上の実施率ですが,女子は「卓球」「バレーボール」などを
筆頭に,全体の6割程度と,男子との差がみられます。
◆日常生活でのスポーツや運動について(中高生問5)◆
生活にスポーツや運動を
取り入れている
取り入れていない
無回答
凡例(%)
全体(N=681)
74.6
25.3
0.1
【性別】
男子(n=346)
女子(n=325)
84.1
64.3
15.9
35.7
健康な身体を維持するためには,日頃から食事と休養と運動のバランスを図ることが
基本です。このことを広く啓発していくことはもちろん,普段の生活の中で気軽に取り
組める運動の普及や,運動の量を増やすことで得られる健康への効果を周知するととも
に,誰もが運動やスポーツを楽しめる環境を整備していくことも健康づくりに結びつき
ます。
近年,ロコモティブシンドローム ※が注目されるようになってきましたが,運動やス
ポーツを「しない」ことから,放っておくと「歩けない」「立ち上がれない」など要介
護状態になってしまう可能性が指摘されています。
市民アンケート調査結果による「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」とい
うことばや意味の認知については,ことばの認知率はまだ低く3割程度にとどまってお
り,およそ7割が「ことばも意味も知らない」と回答しています。
ロコモティブシンドロームの予防の重要性が認知されれば,運動に取り組む人が増え,
日常生活において,自立できる期間である健康寿命を延伸させることができます。ロコ
モティブシンドロームという言葉や概念の認知度を高めることや,運動やスポーツが健
康に結びつく取り組みであることを,より広く啓発することが重要です。
※【ロコモティブシンドローム】運動器症候群のこと。骨,関節,筋肉などの運動器の働きが衰えると,自立度が低下し,介護の必要性
や,寝たきりになる可能性が高くなる。運動器の障害のために,介護が必要になる危険の高い状態のこと。
40
◆ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ということばや意味の認知(市民問 30)◆
無回答
0.8%
ことばも意味も
知っている
16.9%
ことばは知っているが
意味は知らない
11.9%
ことばも意味も
知らない
70.4%
全体(N=724)
41
■■ 施策の方向 ■■
○運動のきっかけづくり
○運動習慣の定着
■■ 具体的取り組み ■■
対象
取り組み内容
個人や家庭で
取り組むこと
●自分に合った運動を見つけ,運動習慣を身につける
●日常生活で身体を動かす習慣や歩く習慣を身につける
●1日の目標歩数を決めて努力する
●運動の教室やイベントなどに積極的に参加する
地域で
取り組むこと
●誘い合ってウォーキングをする
●市民運動会やスポーツイベントなどを企画する
●一緒に運動できる仲間をつくる
行政で
取り組むこと
●市民運動会やスポーツイベントなどを支援する
●あらゆる機会を利用して,運動の必要性について啓発する
●広報などでロコモ予防の大切さを分かりやすく紹介する
●運動教室等の情報を提供する
●関係機関・団体との連携により,市民の運動機会の増加に努める
■■ 評価指標 ■■
番号
目標項目
現状値
20~64 歳
6
運動習慣者の割合の増加
65 歳以上
中高生
7
日常生活における歩数の増加
20~64 歳
65 歳以上
8
男性
23.3%
40%
女性
18.4%
30%
男性
41.0%
50%
女性
21.4%
50%
10,000 歩
19.2%
25%
男性 9,000 歩
18.8%
25%
女性 8,500 歩
10.9%
15%
男性 7,000 歩
27.9%
35%
女性 6,000 歩
9.6%
15%
16.9%
80%
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の認知度の向上
42
目標値
3.こころの健康づくり
■■ 現状と課題 ■■
近年,わが国では自殺者が年間3万人前後で推移するなど高い水準にあり,うつ病の
増加も社会問題としてとらえられています。社会環境や人間関係,経済的な側面などで
ストレスを感じることが多い現代社会においては,不眠やうつ病等になりやすく,健康
面のみならず生活に支障をきたすことがあります。
市民アンケート調査によると,最近1か月間の「不満,悩み,苦労,ストレス(以下
「ストレス等」と表記)」については,「大いにある」と「多少ある」の合計で7割近
くが「ある」と回答しています。ストレス等を感じる割合は,性別では男性よりも女性,
年齢別では 40 歳代で多くみられます。
◆最近1か月間にストレス等を感じたこと(市民問 32)◆
大いにある
多少ある
あまりない
まったくない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
19.2
49.6
25.6
5.0
【性別】
男性(n=293)
女性(n=427)
15.7
49.5
25.6
21.5
49.4
22.7
46.7
8.5
25.8
2.6
【年齢別】
20歳代(n=75)
30歳代(n=102)
18.6
40歳代(n=129)
50歳代(n=143)
60歳代(n=273)
59.8
27.9
6.7
18.6
54.3
18.9
14.7
22.7
16.3
53.8
41.8
2.0
22.4
35.2
1.6
4.9
7.3
ストレス等を感じる要因としては,「将来・老後のこと」「職場の人間関係」「自分
の健康・病気」「仕事の内容」「家族の健康・病気」など,多岐にわたります。
性別では,男性の場合「職場の人間関係」や「仕事の内容」などが多くみられますが,
女性の場合は「将来・老後のこと」「家族の健康・病気」など,また,20 歳代では「仕
事の内容」,30 歳代は「子どもに関すること」,40 歳代は「経済的なゆとり」,高齢
になるほど「自分や家族の健康・病気」「家族との人間関係」が多くなるなど,性別や
年齢層によって,感じるストレス等の内容に差が目立ちます。
43
◆ストレス等を感じる要因(市民問 33)◆
0.0
(%)
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
25.7
将来・老後のこと
34.3
33.0
職場の人間関係
26.1
26.2
自分の健康・病気
29.0
38.7
仕事の内容について
19.5
21.5
家族の健康・病気
30.7
20.9
経済的にゆとりがない
27.1
12.0
家族との人間関係
28.4
11.5
子どもに関すること
26.7
11.0
近隣との人間関係
6.9
4.7
5.3
生きがいがない
6.8
生活環境のこと
4.0
男性(n=191)
2.6
2.0
することがない
女性(n=303)
3.1
4.3
その他
ストレス等の解消については,全体の7割近くが「できている」と回答していますが,
健康状態が悪くなるほど「できていない」人が増える傾向にあり,健康状態とストレス
等の解消には関連がみられます。睡眠による休養についても,同様な傾向がうかがえま
す。
◆ストレス等の解消について(市民問 34)◆
できている
まあまあ
できている
あまりできて
いない
できて
いない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
18.8
49.4
24.9
5.2
【健康状態別】
よい(n=245)
まあまあよい(n=385)
よくない(n=90)
33.5
12.7
5.6
49.8
53.2
32.2
28.3
44.4
44
11.8
3.3
4.4
14.4
3.3
ストレス等の解消方法については,特に女性の場合,「友人・家族とのおしゃべり」
「相談できる人にうち明ける」「食べる」などが多く,男性は「趣味・娯楽・旅行」「ビー
ル,お酒などを飲む」「運動をする」「たばこを吸う」など,性別による差が目立ちま
す。
◆ストレス等の解消方法(市民問 35)◆
0.0
(%)
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
21.8
友人・家族とのおしゃべりをする
54.3
43.3
趣味・娯楽・旅行を楽しむ
34.7
37.2
35.1
寝る
11.3
相談できる人にうち明ける
37.9
16.0
食べる
33.0
34.8
ビール,お酒などを飲む
10.3
24.2
運動をする
9.8
14.3
たばこを吸う
男性(n=293)
2.8
女性(n=427)
10.2
特になし
7.0
中・高校生アンケート調査では,「ストレス・緊張・不安・あせり(以下「ストレス
等」と表記)」を感じる生徒は,6割以上が「ある」と回答しています。性別では,男
子よりも女子で,ストレス等を感じる生徒が多くなっています。
◆ストレス等を感じたこと(中高生問7)◆
大いにある
多少ある
あまりない
まったくない
無回答
凡例(%)
全体(N=681)
22.8
40.5
27.2
8.1
【性別】
男子(n=346)
女子(n=325)
17.9
37.3
27.4
32.4
44.6
45
10.4
22.2
5.2
中・高校生のストレス等の原因については,「家庭生活」をはじめ「友人関係」「学
校生活」「成績」などが上位にあがっていますが,ストレス等の解消については,合計
で約7割が「できている」と回答しています。一方,およそ4人に1人の生徒が「解消
できていない」と回答しています。
中・高校生のストレス等の解消方法については,「スポーツ」や「スポーツ以外の趣
味活動(音楽・読書など)」「ゲーム」「友人と過ごす」「ごろ寝」の順となっており,
前回調査との比較では,「インターネット」がやや増加しています。
◆ストレス等の解消について(中高生問9)◆
できている
まあまあ
できている
あまり
できていない
できていない
無回答
凡例(%)
全体(N=681)
33.9
37.7
18.5
7.9
【性別】
男子(n=346)
女子(n=325)
38.7
31.8
28.3
17.3
44.6
20.3
10.4
4.9
このように「ストレス社会」と称される現状は,アンケート調査からも顕著にうかが
うことができます。
誰もがストレスを上手に受け止めて生活できるようにするためにも,ストレスの対応
方法や精神疾患に関する情報提供,ひとりで抱え込まないための気軽に相談できる場の
充実,家族や地域でこころの健康を守る取り組みなどが必要です。
また,こころの病気を持っている人が,地域で安心して暮らせる環境を整えるために
は,家族,地域,行政,医療機関その他の関係機関が連携しながら対応していくことが
重要です。また,地域の理解と協力が大切であり,地域の中で,理解者を増やすための
体制づくりも求められています。
近年,増加傾向にあるうつ病の早期発見・早期対応への取り組みも重要な課題のひと
つです。
46
■■ 施策の方向 ■■
○こころの病気についての理解の促進
○ストレス等の解消法について知る
○家庭や地域でのコミュニケーションづくり
■■ 具体的取り組み ■■
対象
取り組み内容
個人や家庭で
取り組むこと
●家族で話し合う時間を増やし,ストレス等のサインに気をつける
●十分な休養や睡眠をとるよう心がける
●相談できる相手を持ち,相談機関を知る
●自分に合ったストレス等の解消方法を見つける
地域で
取り組むこと
●地域で人との交流を大切にし,つながりをもつ
●日頃からあいさつなど積極的に声かけをする
●地域のイベントなどで,こころの健康について学ぶ機会を設ける
職域で
取り組むこと
●メンタルヘルスの不調者に早く気付き,早期に対応するよう努める
●メンタルヘルスの相談体制を整備する
行政で
取り組むこと
●個別相談の実施や,専門機関の情報提供を行う
●広報,講演会,ホームページを通じて,こころの病気に対する正し
い理解を促進する
●早寝・早起きなど,規則正しい生活を啓発する
■■ 評価指標 ■■
番号
9
10
目標項目
現状値
目標値
ストレスにうまく対応できない者の割合の減少
30.1%
減少
睡眠による休養を十分に取れていない者の割合の減少
20.7%
15%
47
4.たばことアルコール
■■ 現状と課題 ■■
1.たばこ
たばこが健康に及ぼす影響については,現在では広く認知されてきました。肺がんを
はじめとする多くのがんや虚血性心疾患,脳血管疾患,慢性閉塞性肺疾患(COPD)※
など,多くの疾患の原因にもなるとともに,妊娠中の喫煙は,低出生体重児の出産や流
産・早産にもつながります。また,受動喫煙が周囲の人々の健康にも大きな影響を与え
ることも問題視されています。
市民アンケート調査結果では,喫煙状況について,「全く吸ったことがない」が過半
数(58.7%)を占めている一方で,喫煙者(現在も吸っている)は 14.5%みられました。
前回調査から喫煙者はやや減少し,喫煙をやめた人がやや増加しました。
性別では,男性の4人に1人が現在喫煙しており,喫煙(経験)者は7割以上を占め
女性を大きく上回っています。また,健康状態が悪くなるほど,喫煙(経験)者が増え
る傾向にあります。
※【COPD】主として,長期の喫煙によってもたらされる肺の炎症性疾患。咳・痰・息切れを主訴として,緩やかに呼吸障害が進行。
かつて肺気腫・慢性気管支炎と称されていた疾患が含まれる。
◆喫煙状況(市民問 37)◆
吸っている
吸っていたが
やめた
全く吸った
ことがない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
14.5
26.0
58.7
【性別】
男性(n=293)
女性(n=427)
26.3
6.6
47.1
11.2
26.3
81.0
【健康状態別】
よい(n=245)
まあまあよい(n=385)
よくない(n=90)
11.4
23.7
14.5
23.3
63.7
27.3
57.7
24.4
51.1
禁煙については,現在の喫煙者の過半数が『やめたい』と回答している一方で,合計
4割以上が『やめるつもりはない』と回答しています。
48
◆禁煙意向(市民問 39)◆
全くやめる
つもりはない
13.3%
無回答
2.9%
ぜひやめたいと
思っている
12.4%
あまりやめる
つもりはない
31.4%
できればやめたい
と思っている
40.0%
全体(n=105)
「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」ということばや意味の認知については,ことばの
認知率は合計 36.5%にとどまっており,特に男性の7割近くは「ことばも意味も知らな
い」と回答しています。
◆COPD(慢性閉塞性肺疾患)ということばや意味の認知(市民問 42)◆
ことばも意味も
知っている
ことばは知っているが
意味は知らない
ことばも意味も
知らない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
24.3
12.2
62.0
1.5
【性別】
男性(n=293)
女性(n=427)
17.7
11.6
28.6
69.3
12.6
1.4
57.1
1.6
中・高校生へのアンケート調査では,将来の喫煙については,大半が吸わないという
意向を示しています。
喫煙率は年々減少傾向にあり,アンケート調査の禁煙意向においても高い数値を示し
ています。引き続き広く喫煙が健康に及ぼす影響について周知し,喫煙率がさらに下が
るような活動が求められます。特に,妊産婦を含めた女性や青少年への禁煙の必要性,
受動喫煙による乳幼児や家族,周囲への影響等,健康教育を様々な機会をとらえて行う
必要があります。
公共施設の禁煙・完全分煙化を目指した環境整備等の働きかけについては,引き続き
重要な課題として取り組む必要があります。
49
◆将来の喫煙について(中高生問 24)◆
どちらとも
いえない
9.3%
はい
(吸いたい)
1.5%
無回答
0.9%
いいえ
88.4%
全体(N=681)
また,禁煙を考えている喫煙者に対しては,禁煙の方法など情報提供し,それぞれの
ニーズに応じてサポートできる環境づくりなど,包括的な対策が重要です。
未成年者の喫煙については,健康への悪影響が大きく,健全な育成を阻む可能性も高
いことから,家庭・学校・地域などが連携して,喫煙を防ぐ必要があります。
50
2.アルコール
適正な飲酒は,食欲の増進や気分転換など良い側面もある一方で,過度の飲酒は身体
の負担となり,健康を損なうおそれがあります。消化器疾患や脳血管疾患・がんなど,
多くの疾患の原因にもなるとともに,本人ばかりでなく家族や周囲にも大きな影響を与
えます。手軽に酒類が手に入る環境にある中,お酒との上手なつきあい方を心掛ける必
要があります。
市民アンケート調査結果では,ふだん飲酒する人は 45.4%で,特に男性で6割以上と
高く,女性では「飲まない」割合が7割近くを占めています。
◆飲酒状況(市民問 43)◆
飲む
飲まない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
45.4
54.4
0.1
【性別】
男性(n=293)
66.6
女性(n=427)
33.1
30.9
0.3
69.1
飲酒頻度については,「毎日」が4割近くを占め,全体の約8割(79.4%)が「週1
日以上」飲酒すると回答しており,性別では男性,年齢別では特に 50 歳以上で毎日飲
酒する人が増加します。
◆飲酒頻度(市民問 45)◆
毎日
週1~6日
月1日~3日
それ以下
無回答
凡例(%)
全体(n=329)
36.8
42.6
12.5
6.1
【性別】
男性(n=195)
45.6
女性(n=132)
24.2
40.4
46.2
9.7 2.6
15.9
10.6
【年齢別】
20歳代(n=32)
30歳代(n=52)
40歳代(n=54)
6.3
37.5
43.8
28.8
46.2
31.5
13.5
55.5
50歳代(n=77)
46.8
60歳代(n=113)
45.1
12.5
9.6
3.7 5.6 3.7
39.0
38.9
7.8
5.2
9.7
3.5
また,飲酒量は若い年齢層ほど「1合未満」の割合が高く,健康状態別では健康状態
がよくないと思う層ほど,飲酒量は増える傾向にあります。
51
◆飲酒量(市民問 46)◆
1合未満
1合~2合
未満
2合~3合
未満
3合以上
無回答
凡例(%)
全体(n=329)
【性別】
47.1
男性(n=195)
23.1
35.4
15.5
29.7
女性(n=132)
【年齢別】
21.0
63.6
20歳代(n=32)
13.6
65.6
30歳代(n=52)
15.4
50.0
50歳代(n=77)
41.6
60歳代(n=113)
40.7
18.5
12.5
11.5
5.8
18.2
30.1
15.0
5.1
12.1
3.1
13.5
18.5
24.7
7.9
8.7
7.6 3.0
15.6
53.8
40歳代(n=54)
6.4
7.4
5.6
7.8
7.8
6.2
8.0
【健康状態別】
よい(n=116)
54.3
まあまあよい(n=175)
22.4
45.1
よくない(n=37)
24.6
32.4
18.9
10.3
18.3
18.9
4.3 8.6
4.6 7.4
21.6
8.1
中・高校生へのアンケート調査結果では,将来の飲酒について,「はい(お酒を飲み
たい)」が約3割(29.1%),「いいえ(飲まない)」が 35.8%,「どちらともいえな
い」が 34.2%となっており,男子に飲酒意向が強くみられます。
◆将来の飲酒について(中高生問 25)◆
はい
(飲みたい)
いいえ
どちらとも
いえない
無回答
凡例(%)
全体(N=681)
29.1
35.8
34.2
0.9
33.2
1.2
35.1
0.3
【性別】
男子(n=346)
女子(n=325)
32.9
25.5
32.7
39.1
過度の飲酒はアルコール依存症に結びつき,身体と心の健康を損なうことになります。
心身ともに健康で過ごすために休肝日を設けることや,適正な飲酒量を知るなどの知識
の普及や啓発活動に取り組み,周知していく必要があります。また,アルコールが身体
に及ぼす影響を知り,健康管理が大切であることを認識して,健康診査の受診につなが
る働きかけも欠かせません。
未成年者の飲酒は,脳をはじめとする身体的な影響や精神的な影響を受けやすくなる
とともに,法的にも許されているものではありません。未成年者の飲酒をなくすために,
家庭や地域,学校,関係団体と連携して普及啓発や飲酒防止教育に努める必要がありま
す。
52
■■ 施策の方向 ■■
○たばこが及ぼす健康への影響についての知識を深める
○適正な飲酒を周知する
■■ 具体的取り組み ■■
対象
取り組み内容
個人や家庭で
取り組むこと
●未成年者や妊婦に喫煙・飲酒をさせない
●受動喫煙が及ぼす健康への影響について知る
●喫煙のマナーを守り,周囲の人への配慮を心がける
●アルコールの適量を知り,適正な飲酒を心がける
●週に2日程度の休肝日を設ける
地域で
取り組むこと
●飲食店など,受動喫煙防止のため禁煙・分煙を推進する
●未成年者にたばこやアルコールを販売しない
●未成年者の喫煙・飲酒防止の呼びかけ運動を行う
行政で
取り組むこと
●未成年者への喫煙・飲酒防止や,妊婦の喫煙・飲酒などの健康
への影響について啓発に努める
●公共施設など,受動喫煙防止のために禁煙・分煙を推進する
●学校や関係機関・団体と連携して,たばこが及ぼす健康への影響
について啓発する
●禁煙を考えている人に,専門機関を紹介する
●飲酒について知識の普及啓発に努める
●あらゆる機会を通じて,適正飲酒について情報提供する
■■ 評価指標 ■■
番号
目標項目
現状値
11
成人の喫煙率の減少(喫煙をやめたい人がやめる)
12
妊娠中の喫煙をなくす
13
生活習慣病のリスクを高める飲酒をしている者(1日
当たりの純アルコールの摂取量が男性 40g以上,
女性 20g以上の者)の割合の減少
14
妊娠中の飲酒をなくす
15
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の認知度の向上
53
目標値
14.5%
12%
3.1%
0%
男性(2合以上)
29.7%
25%
女性(1合以上)
24.2%
20%
2.7%
0%
24.3%
80%
《 参考/節度ある飲酒とは? 》
男性については,1日あたり純アルコール 10~19g,女性は9gまでで最も死亡率が
低く,アルコール摂取量の増加に伴って死亡率も上昇することが示されています。その
ため,通常のアルコール代謝能力を有する日本人においては,
「節度ある飲酒」として,
1日平均純アルコールで約 20g程度としています。
◆1日平均純アルコールで約 20g程度◆
ビール中ビン
1本(500ml)
アルコール度数5%
日本酒1合
(180ml)
アルコール
度数 15%
ワイン
(200ml)
アルコール
度数 12%
ウイスキー
ダブル(60ml)
アルコール度数
43%
焼酎
(100ml)
アルコール
度数 25%
資料:「平成 21 年度たばこ・アルコール担当者講習会」独立行政法人国立病院機構 久里浜アルコール症センター 樋口進氏資料より
54
5.歯と口腔の健康づくり
■■ 現状と課題 ■■
歯の健康と身体の健康には密接な関係があることが知られてきました。歯と口腔の健
康を保つことは,健やかな生活を送るためにも大変重要なことです。また,噛むことは,
単に身体に食べ物を取り入れるだけでなく,よく噛んで食事をすることにより,肥満や
歯の病気を防ぐとともに,脳を活性化させるなどの効用があります。
さらに,高齢者におけるそしゃく機能の低下は,野菜摂取量の低下など,摂取できる
食品の種類が限られることや,虚弱高齢者や要介護高齢者では低栄養を招くリスクにも
つながるおそれがあります。年齢を重ねても自分の歯を多く保つことは,健康な老後を
過ごすための大きなポイントになります。
市民アンケート調査において,歯の本数について尋ねたところ,年齢が上がるほど歯
の本数は少なくなる傾向がみられるとともに,健康状態がよくない層ほど歯の本数は少
ない傾向にあります。
◆歯の本数(市民問 47)◆
19本以下
20~23本
24本以上
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
15.1
16.9
67.3
0.8
男性(n=293)
14.9
18.4
65.9
0.7
女性(n=427)
15.0
【性別】
15.7
68.4
0.9
【年齢別】
20歳代(n=75)
6.7
10.7
81.3
30歳代(n=102) 3.0 7.8
40歳代(n=129)
8.6
50歳代(n=143)
9.1
88.2
12.4
1.0
79.1
18.2
60歳代(n=273)
1.3
72.0
28.2
0.7
23.1
47.6
1.1
【健康状態別】
よい(n=245)
まあまあよい(n=385)
よくない(n=90)
10.1
13.9
16.9
21.1
75.1
17.9
0.8
64.4
18.9
58.9
55
0.8
1.1
歯の健康状態については,「歯間ブラシ・糸ようじ・デンタルフロス」「フッ素入り
の歯磨き剤」などを使用しているといった回答が目立っているとともに,前回調査と比
べ,歯の健康に対する意識が高まっていることがうかがえます。しかし,4人に1人が
「特に気をつけていることはない」と回答しています。
◆歯の健康に気をつけていること(市民問 48)◆
(%)
0.0
10.0
20.0
30.0
歯間ブラシ・糸ようじ・デンタルフロスなどを使用している
40.0
33.7
フッ素入りの歯磨き剤を使用している
29.1
年1回以上,歯科検診(むし歯,歯周病等)を受けている
27.2
年1回以上,歯石除去を受けている
27.2
ガムやあめは,シュガーレスのものを買うようにしている
14.6
喫煙しないようにしている
13.8
年1回以上,歯磨きの指導を受けている
10.2
甘味食品・飲料は,1日1回以下しかとらないようにしている
4.4
その他
全体(N=724)
8.4
特に気をつけていることはない
23.9
こうした現状を踏まえ,歯の健康を保つための意識啓発を行い,具体的な取り組み方
法についても,なお一層周知していく必要があります。また,乳幼児期からの歯科指導
実施体制を継続し,あらゆる世代に歯磨き習慣や定期的な歯科検診の受診など,歯科保
健の重要性を啓発し,関係機関とも連携して,より一層歯科保健の向上に取り組んでい
くことが必要です。
《 参考/「8020」「6024」を目指そう 》
「健康日本21」の方針の1つとして,「8020(ハチマル・ニイマル)運動」と
「6024(ロクマル・ニイヨン)運動」が盛り込まれています。
これは,自分の歯が少なくとも 20 本以上あれば,老齢になってもほとんどの食品を
食べるのに支障がないということから,80 歳で 20 本,60 歳で 24 本以上の自分の歯を
持っている人の増加を目指し,生涯を通じて自分の歯で食べる楽しみを味わうための指
針となっています。
自分が定年を迎えたとき,1本でも多く歯を残せるよう,若い時から歯周病を予防し
ましょう。
56
■■ 施策の方向 ■■
○歯と口腔についての知識を深める
○歯科検診の周知と受診促進
■■ 具体的取り組み ■■
対象
取り組み内容
個人や家庭で
取り組むこと
●かかりつけ歯科医をもち,定期的に歯科検診を受ける
●子どもが歯みがき習慣を身につけるよう,大人が率先してお手本
を見せる
●よく噛んで食べる習慣を身につける
地域で
取り組むこと
●地域のイベントなどで歯の健康についての啓発活動を行う
●健康的な歯の状態を保っている人を表彰する
行政で
取り組むこと
●学校や関係機関と連携し,歯みがき指導を推進する
●広報,回覧,ホームページを通じて,歯の健康についての啓発活
動を行う
●妊婦の歯科健診を啓発する
●歯周病が身体に及ぼす影響について知識の啓発を行う
●かかりつけ歯科医をもち,定期的な歯科検診受診を推進する
■■ 評価指標 ■■
番号
16
目標項目
乳幼児期及び学齢期のむ
し歯のない者の増加
現状値
目標値
3 歳でむし歯のある者の減少
20.6%
15%
小学生でむし歯のある者の減少
26.1%
20%
中学生でむし歯のある者の減少
12.4%
10%
高校生でむし歯のある者の減少
13.0%
10%
27.2%
50%
47.6%
55%
17
定期的に歯科検診を受けている者の増加
18
歯の喪失防止
60 歳で自分の歯を 24 本以上持っている
者の増加
57
6.栄養と食生活
■■ 現状と課題 ■■
「食」は,健康づくりの大切な基盤です。人が健康に生きるために必要不可欠なもの
であるだけでなく,「食」によって人との良好な関係を築く力となる社会性や,コミュ
ニケーション能力も育まれます。子どもの頃から,家庭での「食」を通じてこの基盤を
身につけ,保育園や幼稚園,学校をはじめとする社会生活を通して,望ましい「食」を
選択する力を高めることにより,生涯にわたって健全な食生活を実践できる人を育てる
ことができます。
市民アンケート調査結果では,食生活の意識について合計で8割近く(76.7%)が「食
生活に気をつけている」と回答しており,前回調査との比較では,よく気をつけている
人は大きく増加しています。
しかし,男性や若い年齢層ほど気をつけていない人が増える傾向にあります。
また,食生活に気をつけている人ほど健康状態も良いなど,相関関係がみられます。
◆食生活への気遣い(市民問 11)◆
よく気を
つけている
ときどき気を
つけている
あまり気を
つけていない
気をつけて
いない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
29.7
47.0
20.0
2.5
【性別】
男性(n=293)
28.7
女性(n=427)
44.4
30.4
23.5
49.2
3.1
17.6
2.1
【年齢別】
20歳代(n=75)
30歳代(n=102)
40歳代(n=129)
50歳代(n=143)
17.3
48.0
25.5
28.0
48.0
18.6
55.8
31.5
60歳代(n=273)
46.2
39.2
6.7
23.5
2.9
22.5
2.3
18.9
42.9
16.1
2.8
1.1
【健康状態別】
よい(n=245)
まあまあよい(n=385)
よくない(n=90)
33.5
43.3
28.6
50.1
24.4
45.6
58
19.2
18.7
27.8
3.3
2.3
1.1
ふだんの食生活の状況については,1日3回食事をとることや野菜を多く取ること,
家族と一緒に食事をしている人の割合は高くなっていますが,塩分や甘いもの,脂肪の
多い食べものを控えることや,腹八分目を心がけている人の割合は低くなっています。
◆ふだんの食生活(市民問 14)◆
0.0
(%)
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
①食事は1日3食,食べている
86.9
②塩分を控えている
54.3
③甘いものを控えている
44.1
④野菜を多くとるようにしている
80.4
⑤脂肪の多い食べ物を控えている
58.6
⑥カルシウムの多い食品をとるようにしている
66.4
⑦家族や友人と一緒に食事をしている
82.6
⑧腹八分目を心がけている
55.9
⑨栄養のバランスを考えて食べている
67.7
全体(N=724)
食生活の改善意識については,「今より良くしたい」が 52.9%,「今のままで良い」
が 45.7%となっており,ほぼ二分されていますが,「今より良くしたい」意識は女性で
高くなっています。また,30~40 歳代を中心とする年齢層で「今より良くしたい」意識
が高くなっています。
◆食生活の改善意識(市民問 13)◆
今より良くしたい
今のままで良い
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
52.9
45.7
1.4
【性別】
男性(n=293)
44.7
女性(n=427)
54.6
59.0
0.7
39.6
1.4
【年齢別】
20歳代(n=75)
56.0
30歳代(n=102)
65.7
40歳代(n=129)
34.3
62.8
50歳代(n=143)
60歳代(n=273)
44.0
36.4
55.9
42.0
41.4
57.1
59
0.8
2.1
1.5
朝食の摂取状況については,全体では「毎日食べる」が大半を占めていますが,若い
年齢層ほど,その割合は低下し,特に 20 歳代で目立っています。
◆朝食の摂取状況(市民問 19)◆
毎日食べる
週1~6日食べる
朝食は食べない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
81.4
13.1
4.7
【性別】
男性(n=293)
80.2
女性(n=427)
82.0
12.5
5.8
13.4
4.0
【年齢別】
20歳代(n=75)
60.0
32.0
8.0
30歳代(n=102)
77.5
16.6
3.9
40歳代(n=129)
77.5
17.1
4.7
50歳代(n=143)
81.1
60歳代(n=273)
11.9
90.5
6.3
5.2 3.3
中・高校生アンケート調査結果では,朝食の摂取状況については,8割の生徒が「毎
日食べている」一方で,2割近くが朝食を「毎日食べていない」と回答しており,特に
女子で「毎日食べていない」生徒が多くみられます。
◆朝食の摂取状況(中高生問 15)◆
毎日食べている
週1~6日食べる
朝食は食べない
無回答
凡例(%)
全体(N=681)
80.0
16.5
2.5
【性別】
男子(n=346)
女子(n=325)
82.7
77.2
13.0
20.0
3.2
1.8
朝食を毎日食べない理由としては,「食べる時間がない」「食べたくない」が主な理
由です。
60
中・高校生の食生活の意識については,合計で7割近くが「気をつけている」と回答
していますが,食生活の改善意識については,「今より良くしたい」と「今のままで良
い」がほぼ二分されています。
食生活に「気をつけている」また食生活を「今より良くしたい」生徒は,健康を意識
している層,また健康に気を遣っている層で高くなっています。つまり健康意識の高さ
と食生活意識の高さには関連があると言えます。
◆食生活への気遣い(中高生問 19)◆
気をつけて
いない
7.0%
無回答
0.7%
◆今後の食生活について(中高生問 20)◆
よく気を
つけている
20.4%
無回答
0.7%
あまり気を
つけていない
23.5%
今より
良くしたい
47.0%
今のままで
良い
52.3%
全体(N=681)
ときどき気を
つけている
48.3%
全体(N=681)
アンケート調査からもうかがえるように,食生活の改善意識については,中・高校生
も市民も約半数の人が「今より良くしたい」という意識を持っています。また,若い人
達に向けて正しい食生活のあり方を周知・啓発するとともに,食生活の大切さや食に対
しての意識を高める必要があることもうかがえます。
家庭・学校・地域等が連携し,あらゆる場や機会を通じて食生活や食習慣に対する正
しい知識が身につくよう,周知活動や啓発事業の充実が求められます。
61
■■ 施策の方向 ■■
○食への関心づくり
○食を通した健康の維持増進
■■ 具体的取り組み ■■
対象
取り組み内容
個人や家庭で
取り組むこと
●規則正しくバランスのとれた食生活・食習慣を心がける
●「早寝・早起き・朝ごはん」の習慣をつけ,毎日,朝ごはんを食べる
●自分に合った適切な量と質の食事をし,適正体重を維持する
●栄養成分表示を見る習慣をつける
●薄味を心がける
地域で
取り組むこと
●地域のイベントなどで,栄養・食生活の正しい知識の普及啓発を
行う
●望ましい食生活について学ぶ機会を設ける
●食育教室などを開催し,食についての正しい理解を図る
●飲食店などのメニューに栄養成分を表示し,利用者の意識を高
める
行政で
取り組むこと
●朝食の大切さや栄養のバランスのとれた食事について,情報を提
供する
●乳幼児から高齢者までの栄養相談,健康相談などを通じて,食
生活の情報提供や指導を行う
●「食」の関係機関・団体などとも連携して,各種事業や様々な機
会に,栄養・食生活に関する正しい知識の普及啓発をする
●栄養教室を開催し,食を通じた健康づくりボランティアの育成をす
る
■■ 評価指標 ■■
番号
19
目標項目
朝食を毎日食べる者の割
合の増加
現状値
朝食を毎日食べる児
童・生徒の割合の増
加
目標値
小学生
86.9%
100%
中学生
80.4%
100%
20
栄養成分表示をよく見ている人の増加
39.9%
50%
21
食塩を控えている人の増加
54.3%
65%
22
低栄養傾向(BMI20 以下)の高齢者の割合の増加の抑制
22.5%
22%
62
7.食育の推進
■■ 現状と課題 ■■
1.食事の摂取状況
幼少期の食習慣や味覚は,成人後もその人の食習慣や味覚に大きな影響を与えます。
幼少期からの望ましい食習慣や生活習慣の確立は,将来にわたって健康づくりの基盤と
なることから,食育に注目や関心が集まる理由の一つとなっています。
食を通したコミュニケーションや食事を楽しむことは,豊かな人間性を育むことにも
つながります。家族や仲間と一緒に食事をすること,いわゆる「共食(きょうしょく)」
は,人と人との絆を深めるとともに,良好な人間関係を築きます。
市民アンケート調査結果では,大半の人がふだん「食事をおいしく食べられる」と回
答していますが,朝食を1週間のうち家族と一緒に食べる日数については,「ほとんど
毎日」が4割以上を占める一方で,約5人に1人が「ほとんど食べない」と回答してい
ます。特に,20 歳代の3割以上が「ほとんど食べない」と回答しています。
夕食については,「ほとんど毎日」が6割を占めますが,20 歳代では,「ほとんど毎
日」が約4割(38.7%)となっています。
◆家族と一緒に食べる日数(市民問 20)◆
【朝食】
ほとんど
毎日食べる
週1~5日
食べる
ほとんど
食べない
一人
暮らし
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
43.6
23.7
21.7
9.4
【年齢別】
20歳代(n=75)
28.0
30歳代(n=102)
40歳代(n=129)
50歳代(n=143)
32.0
48.0
16.7
31.8
35.0
4.7
21.0
15.4
週1~5日
食べる
8.8
25.6
32.2
53.5
ほとんど
毎日食べる
18.7
25.5
37.2
60歳代(n=273)
【夕食】
21.4
ほとんど
食べない
8.4
19.4
9.9
一人
暮らし
無回答
22.2
6.1
凡例(%)
全体(N=724)
61.9
8.8
【年齢別】
20歳代(n=75)
30歳代(n=102)
40歳代(n=129)
50歳代(n=143)
60歳代(n=273)
38.7
36.0
63.7
6.7
20.6
55.8
18.7
6.9
33.3
58.0
7.0
26.6
72.2
63
7.8
11.8
5.6
8.4
5.5
9.5
中・高校生へのアンケート調査では,朝食を一緒に食べる状況については,「家族の
誰かと」が過半数を占めますが,「ひとり」の回答も3割以上ありました。夕食につい
ては,ほとんどの生徒が家族の誰かまたは全員と食べる機会があると回答しています。
◆家族と一緒に食べる状況(中高生問 16・問 17)◆
60.0
(%)
52.4
46.5
50.0
40.0
朝食を一緒に食べる相手(N=681)
45.8
夕食を一緒に食べる相手(N=681)
31.0
30.0
20.0
12.6
10.0
0.0
4.7
家
族
全
員
2.3
家
族
の
誰
か
と
ひ
と
り
1.6
そ
の
他
1.6
1.3
無
回
答
2.食生活の改善について
市民アンケート調査結果では,外食や調理済食品の利用頻度については,「3日に1
回程度」が半数近く(48.5%)を占め最も高く,1割が「毎日1回以上」と回答してお
り,「ほとんど利用しない」は約4割(39.4%)となっています。
◆外食や調理済食品の利用頻度(市民問 16)◆
無回答
1.8%
毎日1回以上
10.4%
ほとんど利用しない
39.4%
3日に1回程度
48.5%
全体(N=724)
食品や外食の栄養成分表示の確認は,「見ている」人は約4割みられ,特に女性でそ
の割合が高くなっています。また,食生活によく気をつけている層ほど,栄養成分表示
を確認する人が多い傾向にあります。
64
◆食品や外食の栄養成分表示の確認(市民問 18)◆
見ている
見ていない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
39.9
59.3
0.8
【性別】
男性(n=293)
28.7
70.0
女性(n=427)
47.5
1.4
52.0
0.5
【食生活意識別】
よく気をつけている(n=215)
63.3
ときどき気をつけている(n=340)
あまり気をつけていない(n=145)
気をつけていない(n=18)
36.3
38.2
60.6
11.0
0.5
1.2
89.0
22.2
72.2
5.6
食生活の改善について学ぶ機会への参加希望は,「参加したい」が 46.1%,「参加し
たくない」が 52.5%とほぼ二分していますが,男性に比べ女性の希望者が多くなってい
ます。
◆食生活の改善について学ぶ機会への参加希望(市民問 23)◆
参加したい
参加したくない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
46.1
52.5
1.4
【性別】
男性(n=293)
女性(n=427)
35.2
63.1
53.6
1.7
45.2
65
1.2
3.地産地消意識
市民アンケート調査結果では,生鮮食品等の購入産地について,「国内産のものを優
先して購入している」が過半数を占め最も高く,次いで「こだわらずに購入している」
が約2割程度で続き,以下「地元産のものを優先して購入している」の順となっていま
す。男性や年齢の若い層ほど「こだわらずに購入している」人が多い一方で,女性や年
齢が高い層では「国内産」や「地元産」志向が高く,性別や年齢による傾向差がみられ
ます。
◆生鮮食品等の購入産地について(市民問 17)◆
地元産のもの
を優先して
購入している
県内産のもの
を優先して
購入している
国内産のもの
を優先して
購入している
こだわらずに
購入している
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
14.9
8.8
54.1
20.2
1.9
【性別】
男性(n=293)
女性(n=427)
11.6
8.5
17.1
49.1
9.1
28.0
2.7
57.4
15.0
1.4
【年齢別】
20歳代(n=75)
5.3 1.3
52.0
30歳代(n=102) 4.9 7.8
40歳代(n=129)
50歳代(n=143)
60歳代(n=273)
12.4
41.3
54.9
7.8
16.1
22.0
29.4
54.3
11.2
2.9
24.0
55.9
10.6
1.6
14.7
53.1
2.1
12.1 2.2
中・高校生へのアンケート調査では,「地産地消」ということばや意味の認知につい
ては,「ことばも意味も知っている」が過半数(51.1%)を占め最も高く,「ことばは
知っているが意味は知らない」(21.0%)を合わせると,ことばの認知率は7割以上あ
りました。一方で,「ことばも意味も知らない」はおよそ4人に1人の割合(26.9%)
となっています。認知率は,健康を意識している層,また健康に気を遣っている層で高
くなっています。
◆「地産地消」ということばや意味の認知(中高生問 23)◆
ことばも意味
も知っている
ことばは知っている
が意味は知らない
ことばも意味
も知らない
無回答
凡例(%)
全体(N=681)
51.1
21.0
26.9
【性別】
男子(n=346)
女子(n=325)
47.1
19.9
55.4
31.8
22.8
66
21.2
4.食育の認知
市民アンケート調査結果では,「食育」ということばや意味の認知については,「こ
とばも意味も知っている」が6割近く(58.1%)と最も高く,「ことばは知っているが
意味は知らない」(28.9%)を合わせて 87.0%と,大半が「食育」ということばを認知
しています。
前回調査との比較では,
「ことばも意味も知っている」がやや増加しました。しかし,
男性は女性に比べ認知率が低い状況です。
◆「食育」ということばや意味の認知(市民問 24)◆
ことばも意味
も知っている
ことばは知っているが
意味は知らない
ことばも意味
も知らない
無回答
凡例(%)
全体(N=724)
58.1
28.9
11.7
【性別】
男性(n=293)
42.3
女性(n=427)
35.5
20.1
69.1
24.6
5.6
中・高校生へのアンケート調査では,「ことばも意味も知っている」は 23.5%と,ほ
ぼ4人に1人の割合となっており,
「ことばは知っているが意味は知らない」
(56.8%)
を合計して,約8割が「食育」ということばを認知しています。認知率は,健康を意識
している層,また健康に気を遣っている層で高くなっています。
◆「食育」ということばや意味の認知(中高生問 22)◆
ことばも意味
も知っている
ことばは知っている
が意味は知らない
ことばも意味
も知らない
無回答
凡例(%)
全体(N=681)
23.5
56.8
18.4
【健康意識別】
考えている(n=394)
考えていない(n=280)
29.2
59.1
15.0
54.3
10.2
29.6
【健康への気遣い別】
気をつけている(n=453)
気をつけていない(n=221)
26.7
58.3
15.8
54.8
67
13.5
28.5
食育は人が生きていく上での基本であり,知育,徳育,体育の根底にあるものとして
位置付けられます。様々な場や機会を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力
を習得することで,健全な食生活の実践につながり,それは心身ともに健康な人を育て
ることに結びつきます。
しかし,「食育」の意味を知らない人が約4割(40.6%)いるなど,引き続き周知活
動を促進する必要があります。
また,「食」に関する知識を学ぶだけではなく,豊かな自然によって育まれる命のす
ばらしさを知ることや,「食」を通じてコミュニケーションを図り,豊かな人間関係を
築くことで,豊かな「こころ」も育ってきます。
家庭・学校・地域等が連携し,望ましい食習慣を家族ぐるみで身につけられるよう知
識の普及を行い,実践できる環境の整備や支援を行うことが望まれます。とりわけ幼少
期からの子どもの食育の推進は,重要な課題のひとつです。
68
■■ 施策の方向 ■■
○食を大切にする
○食への感謝の気持ちを育てる
○地産地消への取り組みの促進
○食を楽しむ
■■ 具体的取り組み ■■
対象
取り組み内容
個人や家庭で
取り組むこと
●家族や友人と楽しく食事をする
●家庭で「いただきます」「ごちそうさま」の食事のあいさつを心がける
●残さず食べる習慣や食事マナーを身につける
●旬の食材,地元や県内産の食材を知り,積極的に食べるよう心が
ける
●家族で食事づくりをする機会をつくる
地域で
取り組むこと
●地域の愛育委員や栄養委員などが行う各種事業や一口運動な
どを通じて,食育についての啓発活動を行う
●地域のイベントなどで,食や食育に関する催し物を実施する
●旬の食材,地元や県内産の食材を使用した料理教室などを開催
する
●「親子料理教室」などを開催し,望ましい食生活が実践できるよう
啓発する
行政で
取り組むこと
●親子で参加する教室や事業を通じて,食のマナーや大切さについ
て啓発する
●「食」をテーマにしたイベントなどを支援し,食への感謝や楽しむ意
識を高める
●給食で地域の食材を使った料理や郷土料理を出す
●広報誌などを通じて,旬の食材,地元や県内産の食材やレシピの
紹介を行う
■■ 評価指標 ■■
番号
23
目標項目
共食の機会の増加(ほとん
ど毎日家族と一緒に食事
を食べる子どもの割合の増
加)
現状値
目標値
小学生
83.5%
増加
中学生
64.2%
増加
23.7%
30%
中高生
23.5%
80%
20 歳以上
58.1%
80%
朝食
24
地元や県内産の食材を優先して購入する人の割合の増加
25
食育の認知度の向上
69
第7章 評価指標(総括表)
番号
目標項目
現状値
目標値
男性
42.0%
50%
女性
33.7%
50%
男性
57.7%
65%
女性
61.4%
70%
男性
38.2%
50%
女性
39.3%
50%
子宮頸がん
女性
39.1%
50%
乳がん
女性
36.3%
50%
胃がん
11.8%
30%
肺がん
30.6%
35%
大腸がん
19.5%
30%
子宮頸がん
21.3%
30%
乳がん
16.7%
30%
胃がん
78.1%
90%
肺がん
88.8%
90%
大腸がん
81.8%
90%
子宮頸がん
88.9%
90%
乳がん
95.5%
98%
胃がん
肺がん
がん検診の受診率の向上
大腸がん
1
生
活
習
慣
病
予
防
へ
の
取
り
組
み
がん検診の受診率の向上
(玉野市実施分)
2
精密検診の受診率の向上
1
2
3
3
特定健康診査の受診率の向上
特定健康診査の受診率
20.7%
35%
4
4
特定保健指導の実施率の向上
特定保健指導の実施率
17.5%
45%
4
20~60 歳代男性の肥満者の割合
26.7%
25%
5
適正体重を維持している者の増
加
40~60 歳代女性の肥満者の割合
20.7%
17%
20 歳代女性のやせの人の割合
20.5%
17%
男性
23.3%
40%
女性
18.4%
30%
男性
41.0%
50%
女性
21.4%
50%
10,000 歩
19.2%
25%
男性 9,000 歩
18.8%
25%
女性 8,500 歩
10.9%
15%
男性 7,000 歩
27.9%
35%
女性 6,000 歩
9.6%
15%
16.9%
80%
20~64 歳
身
体
活
動
・
運
動
の
推
進
出典
6
運動習慣者の割合の増加
65 歳以上
中高生
7
日常生活における歩数の増加
20~64 歳
65 歳以上
8
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の認知度の向上
70
1
1
5
1
1
番号
づのこ
く健こ
り康ろ
た
ば
こ
と
ア
ル
コ
ー
ル
健
康
づ
く
り
歯
と
口
腔
の
栄
養
と
食
生
活
食
育
の
推
進
目標項目
現状値
目標値
ストレスにうまく対応できない者の割合の減少
30.1%
減少
1
10
睡眠による休養を十分に取れていない者の割合の減少
20.7%
15%
1
11
成人の喫煙率の減少(やめたい人がやめる)
14.5%
12%
1
12
妊娠中の喫煙をなくす
3.1%
0%
6
生活習慣病のリスクを高める飲酒をしている者
(一日当たりの純アルコールの摂取量が男性 40
g以上,女性 20g以上の者)の割合の減少
29.7%
25%
13
9
男性(2合以上)
出典
1
24.2%
20%
2.7%
0%
6
24.3%
80%
1
3 歳でむし歯のある者の減少
20.6%
15%
7
小学生でむし歯のある者の減少
26.1%
20%
中学生でむし歯のある者の減少
12.4%
10%
高校生でむし歯のある者の減少
13.0%
10%
14
妊娠中の飲酒をなくす
15
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の認知度の向上
16
乳幼児期及び
学齢期のむし歯
のない者の増加
女性(1合以上)
8
17
定期的に歯科検診を受けている者の増加
27.2%
50%
1
18
歯の喪失防止
47.6%
55%
1
19
朝食を毎日食べる児童・生徒の割合の増加
小学生
86.9%
100%
中学生
80.4%
100%
20
栄養成分表示をよく見ている人の増加
39.9%
50%
1
21
食塩を控えている人の増加
54.3%
65%
1
22
低栄養傾向(BMI20 以下)の高齢者の割合の増加の抑制
22.5%
22%
1
23
共食の機会の増加(ほとんど毎日家族と一緒に
食事を食べる子どもの割合の増加)
小学生
83.5%
増加
中学生
64.2%
増加
24
地元や県内産の食材を優先して購入する人の割合の増加
23.7%
30%
1
25
食育の認知度の向上
中高生
23.5%
80%
5
20 歳以上
58.1%
80%
1
60 歳で自分の歯を 24 本以上持っている者の増加
朝食
〈出典一覧〉
NO
出典
1
市民の健康づくり・生活習慣に関するアンケート調査(平成 26 年度)
2
岡山県健康推進課「岡山県の成人保健」(平成 24 年度)
3
玉野市健康増進課(平成 25 年度)
4
玉野市保険年金課(平成 25 年度)
5
中学生・高校生の健康づくりに関するアンケート(平成 26 年度)
6
玉野市妊娠届出書(平成 26 年)
7
3歳児健診時発見率(平成 25 年度)
8
学校歯科検診時発見率(平成 25 年度)
9
玉野市教育委員会学校教育課「朝食摂取状況調査」(平成 26 年度)
71
9
9
第8章 計画の推進にあたって
1.計画の担い手と役割
本市は,本計画の策定主体であり,健康づくり事業や食育に関わる市民参加を促進す
るとともに,地域における健康づくりや食育推進の基盤整備と調整,健診等の適切な利
用を促進する役割を担っています。
一方,市民一人ひとりは,公的サービス等の利用者であるとともに,健康づくり事業
や食育の担い手として主体的に参画することが期待されます。
2.関係機関・団体等との連携による推進
本計画の推進にあたっては,庁内各部署との連携のみならず,行政と関係機関・関係
団体等と密接に連携を図り,健康づくりと食育を推進します。
3.計画の進行管理
本計画を着実に推進するため,PDCAの考え方に基づき,事業や評価指標の達成状
況を取りまとめるとともに,達成状況の分析及び評価等を行い,その結果を踏まえて,
計画の変更や事業の見直しを検討します。
◆参考/PDCAサイクルのプロセスイメージ◆
計画(PLAN)
○目標を設定し,目標達成に向けた
活動を立案する。
改善(ACT)
実行(DO)
○考察結果に基づき,計画の目
標,活動などを見直しする。
○計画に基づき,活動を実行する。
評価(CHECK)
○活動を実施した結果を整理・集
約・分析し,考察する(学ぶ)。
72