カーネーション切り花の保蔵姿勢とエチレン生成 1.試験のねらい カーネーショソのエチレソ生成と花弁の老化には密接な関係があるので,保蔵姿勢とエチレ ン生成の関係を検討し百鮮度を保持するための適切な保蔵姿勢を明らかにする。 2 試験方法 本県生産者のガラス温室で栽培したカーネーショソを1986年9月1日,10月15目の午後 採花した後,翌朝まで室温下で吸水させ,同日出荷箱に水平に詰めて生物資源研究所に搬入し た。品種はスケニァ・ジョリベヅテイの開花初期の切り花を供試した。処理区はカーネーショ ソ30本を一束とし,切り花長を40㎝に切り揃えて実験に供試した。 保蔵姿勢は次の3処理とした。 1区 花器を上にする自然の姿勢(垂直姿勢) 2区 1区の逆の姿勢でチャンパー内の天井から茎の元を結束してつるした姿勢(逆姿勢) 3区 水平に静置した姿勢(水平姿勢) エチレンの測定は生物研で開発したエチレソモニタリソグシステムで,長方形のチャソパ (400名)にそれぞれ保蔵姿勢の異なるヵ一ネーショツを入れて,24時問毎エチレソ生成の経 時変化を測定した。 この装置はエチレソ定量系,チャンバー聞のガス流路切リ換え系及びヵ一ネーショ:■を保蔵 するチャソパー系よリできており,5分間隔で各チャンパー系内のエチレ:■を連続的に定量で きるように設計されている。一目の測定終了後にはチャソパーから材料を取リだし切リ花の水 分損失を測定した。 3.試験緒果及び考察 保蔵1∼2日目まではスケニァ,ジョリベッテイともにエチレン生成量の変化は認められな. かった。保蔵3日目では垂直姿勢のエチレソ生成量が,スケニアではユ2時間経過後,ジョリ ベッテイでは3時問経過後から増加した。逆姿勢,水平姿勢はほぼ同じ生成量であった。 保蔵4日目では逆姿勢の場合エチレソ生成量がやや増大するものの,それでも垂直姿勢の場 合と比べてヱチレソ生成量は半分以下であった。この段階で花弁のp一リングイソ程度にはっ きりとした差が認められ・垂直蒙勢保蔵ではほとんどローリソグイソをひきおこした。 保蔵5日目ではスゲニア,ジョリベッテイ、ともに逆姿勢のエチレソ生成量が少なく,花弁の ローリソグイソ程度も一番少なかった。 図一3はヵ一ネーショソの花器部と茎葉部から生成するエチレソのモニタリソグの結果であ る。エチレンがほとんど花器部よリ生成していることが明らかである。 保蔵期間における水分損失率は保蔵経過目数に応じて多くなリ,保蔵5目目の垂直姿勢の水 分損失率はスケニアで13.9%,ジョリベッテイで11.3%となり他の姿勢区よリ多かった。エ チレ:■生成量は蒸散水分損失が何等かの形で関与していることが明らかになった。 保蔵期間中発生するポトリチスシネリァ菌からは,土チレンの生成は認められなかった。 一ユ19一 4.成果の要約 保蔵姿勢でエチレソ生成を抑制するには,水分損失の少ない姿勢即ち逆姿勢で保蔵するこ とが望ましいと思われる。 . (担当者 花き部 古口光夫) 一.垂直獲劣 2.迦姿勇 3.永平姿労 (帥m) 晶楓スケニ7 ①③③ 軌3ヒ曝則8圓 O,1 工 O.3子 2目8 9、②③ % ・1■ 晶紅 司3 ■塁亙姿菊 ○逆婁劣 水” チ01仁 スケニア ^水平嚢9 分H 狽10 失 g ン o.9: α、ド8目 ① 生、、1 ・② 席叫 量 1刷 ⑨ ㌣ 刎ξ ほ1 φ② 事 8 7 6 5 4 3 : 1,0 一呂目 3目目 s8邑 0.5 288 4圓8 倶28依 一0 15 (H〕 ㌘蓋胤;1ぺ刑 舳1E1目 チo4 % ①③⑨ Ψ}リv u・へ 13 2圓目 12 水 d③③ 租. .ジ・リベティ ・垂口姿劣 ○逆賓勇 ^岬蝪 11 レ ③◎ ①. 3圓團 分 10 捌 ソ 9 失一 48目 生 ①⑧◎ 8 串 7 成 6 量 5 5目圓 ① 4 3 2 1 ◎、 o 』』.]‘‘■一一 188 3目盲 58目 2圓8 4圓目 5 鰯圓匁 15(H) 工o 図一1 保蔵姿勢によるエチレン生成量の 図一2 保蔵姿勢による水分損失率・ 経時変化 エ チ レ ン 濃 度 P脾 図一3 保蔵6日後 品種 スケニア 0.7 0.5 0.3 0.1 茎蟹 5 10 15 カーネーション花器都及び茎葉部のエチレン モニタリング 一120一・
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