スライド 1

アルファ線照射による貯蔵レモンの腐敗抑制
レモンの貯蔵庫内へのアルファ線照射装置の設置・24時間の運転は,貯蔵中の
果実腐敗を低減し,果実着色が低下するのを抑制します。アルファ線照射装置は,
健康への悪影響はないとされ,畜産業界等でも消臭対策に利用されています。
14
対照区(送風のみ)
12
累
積 10
腐
敗 8
果
率 6
(
%
) 4
図1 アルファ線照射装置
累積腐敗果率は,処理後
108日目以降,対照区より
減少しました(図2)。
へた褐変果率は,アル
ファ線照射により減少する
傾向でした(図3)。
アルファ線照射装置は,アル
ファ線を発生する物質を金属
ネットに固着させ,ネットに空
気を通過させることによって空
気中の様々な物質を変化させ
るものです。
*
アルファ線照射装置設置区
腐敗が
減少
ns
ns
ns
2
ns
ns
0
0
30
60
90
120
処理後日数(日)
図2 アルファ線照射装置設置の有無と累積腐敗果率
注)図中のnsは5%の危険率で有意差なし,*はあることを示す。
50
へ
た
褐
変
果
率
(
%
)
へたの褐変
を抑制
40
30
20
10
0
対照区(送風のみ)
長期間の貯蔵において,
腐敗抑制や品質低下抑
制効果が期待されます。
*
アルファ線照射装置設置区
図3 アルファ線照射装置設置の有無とへた褐変果率
果皮色の
劣化少ない
表1 貯蔵庫内へのアルファ線照射装置の設置がレモンの果実形質に及ぼす影響
1果重 横径
縦径
果皮厚 果汁割合
Brix
(g) (mm) (mm) (mm) (%) (°Brix)
対照区(送風のみ)
104
55
77
3.5
37.2
10.1
アルファ線照射装置設置区 110
56
78
3.6
39.9
11.2
t検定
ns
ns
ns
ns
ns
ns
処 理 区
酸度
(%)
8.8
8.7
ns
L
73
74
*
果皮色
a
-1.6
-2.4
*
注)処理開始113日後に調査。1区4果×4反復。t検定の結果,*は5%の危険率で有意差があることを,nsはないことを示す。
2014 広島県立総合技術研究所 農業技術センター 果樹研究部
b
68
68
ns