GLOVIA smart 会計 BP 債務管理

SMV03-OU72ZP-01(M090630)
会計
V03L10
債務管理
導入マニュアル)解説書
まえがき
◆本マニュアルの目的
GLOVIA smart 会計BPは、一般の営利企業に共通する会計業務を、総合的な情報システムとして構築
することを目的とした汎用業務パッケージです。
本システムは、会計システムの基幹となるシステムであり、日々の記帳から、月末または年末の決算処理
まで、経理の基本となる業務を支援します。
本マニュアルは、本システムをお買い上げいただいてから、実際に業務処理を行うまでの導入作業を
説明しています。
なお、本マニュアルは、次の製品を対象としています。
■ GLOVIA smart 会計 BP 債務管理 V03L10
◆本マニュアルの一覧
本システムは以下のマニュアルを提供しています。
マニュアル名
記載内容
債務管理導入マニュアル)
解説書(本書)
本システムをご購入いただいてから実施に業務を行う
までの導入作業の手順を説明しています。
本システムを導入いただく上で必要な登録票の説明を
しています。導入マニュアル)解説書と一緒にお使いくだ
さい。
債務管理導入マニュアル)
登録票
使用タイミング
本システム導入時
本システム導入時
本システム運用時
◆本マニュアルの読者
本マニュアルは、会計システムの導入を担当される方を対象としています。本マニュアルを参照すること
によって、会計システムの導入時に登録すべき内容を理解できます。
◆本マニュアルの構成
本マニュアルは、次の構成になっています。
◆第1 章 債務管理システムを使いはじめる前に
この章では、債務管理システムの全体の概要をご説明します。
◆第2 章 債務管理システムの基本事項
この章では、債務管理システムを使用するうえでの基本となることがらについて説明をします。
◆第3 章 導入作業とはどんなものでしょう
この章では、債務管理システムの導入作業全体の流れについて説明します。
◆第4 章 導入作業の前に
この章では、債務管理システムを導入する前にあらかじめ確認しておきたいことがらについて説明
します。
◆第5 章 登録票に記入しましょう
この章では、債務管理システムにおいて提供されたセットアップ登録票の記入順序、および記入概
要について説明します。
◆第6 章 登録をはじめる前に
この章では、債務管理システムの基本的な操作を説明します。
◆第7 章 さあ、データを登録しましょう
この章では、債務管理システムにおいて提供されたセットアップ登録票に記入した内容の登録方法
について説明します。
◆第8 章 さあ、並行運用を行いましょう
この章では、並行運用の方法について説明します。
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◆表記上の約束
本マニュアルでは、説明上、次に示すマニュアル名称、略称および記号を使用しています。
マニュアル名称
● マニュアル中で、自身を参照する場合は、『本マニュアル』と記述します。
略称
ソフトウェアの略称について
●GLOVIA smart 会計 BP 債務管理を「本システム」または「債務管理システム」と表記していま
す。
●GLOVIA smart 会計 BP 基本を「基本システム」と表記しています。
● Microsoft® Excel® を「Excel」と表記しています。
オペレーティングシステムの略称について
● 次に示すオペレーティングシステムを総称して「Windows Server 2003」と記述しています。
― Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard Edition
― Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition
● 次に示すオペレーティングシステムを総称して「Windows Server 2008」と記述しています。
― Microsoft(R) Windows Server(R) 2008, Standard Edition
― Microsoft(R) Windows Server(R) 2008, Enterprise Edition
● 次に示すオペレーティングシステムを総称して 「Windows XP」 と記述しています。
― Microsoft(R) Windows(R) XP Professional operating system
― Microsoft(R) Windows(R) XP Home Edition operating system
● 次に示すオペレーティングシステムを総称して 「Windows Vista」 と記述しています。
― Microsoft(R) Windows Vista(R) Ultimate
― Microsoft(R) Windows Vista(R) Enterprise
― Microsoft(R) Windows Vista(R) Business
― Microsoft(R) Windows Vista(R) Home Premium
― Microsoft(R) Windows Vista(R) Home Basic
● Windows Server 2003、Windows Server 2008、Windows XP、およびWindows Vistaを総称して、
「Windows」と表記しています。
仕訳の表記について
本書に記載する仕訳は、特にことわりがない限り、次の形式で表記しています。
借
借方勘定科目
方
貸
借方金額
方
貸方勘定科目
貸方金額
または、
借
方
借方勘定科目(借方内訳)借方金額
貸
方
貸方勘定科目(貸方内訳)貸方金額
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記号
本マニュアルでは、次に示す記号を使用しています。
記
号
用
途
特に注意が必要とすること、または、必ず行わな
ければならないことを記述します。
本文の理解を深めるために、参考となることがら
を記述しています。
本文の詳細説明が記述されている、別の章・節を
示します。
知っておくと便利なことを記述します。
「基本」→「終了」
操作メニューのタイトルを示します。
「基本」
グローバルメニューを示します。
「終了」
プルダウンメニューを示します。
設定
選択ボタンの名称を示します。
[適用]
操作ボタンの名称を示します。
【実行】
キーボードの名称を示します。
◆輸出管理規制について
本ドキュメントを輸出または提供する場合は、外国為替および外国貿易法および米国輸出管理関連法規等
の規制をご確認の上、必要な手続きをおとり下さい。
◆改版履歴
2009 年 2 月 初版
◆登録商標
GLOVIAは日本およびその他の国における富士通株式会社の登録商標または商標です。
Business Professionalは、株式会社 富士通南九州システムエンジニアリングの日本国内における登録商
標です。
Microsoft、Windows、Windows NT およびWindows Server またはその他のマイクロソフト製品の名称およ
び製品名は、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
その他の会社名および製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
Microsoft Corporation のガイドラインに従って画面写真を使用しています。
その他、会社名、製品名、名称等の固有名詞は各社の登録商標または商標です。
本資料に記載されているシステム名、製品名称等には、必ずしも商標表示を付記していません。
お願い
●
本書を無断で他に転載しないようお願いします。
●
本書は予告なしに変更されることがあります。
All Rights Reserved, Copyright © FUJITSU KYUSHU SYSTEMS LIMITED 2009-
目
第1章
1.1
1.2
第2章
2.1
2.2
第3章
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
第4章
4.1
4.2
4.3
第5章
5.1
5.2
5.3
5.4
5.5
5.6
次
債務管理システムを使いはじめる前に
債務管理システムの概要
………………………………………………………………
債務管理システムでできること
………………………………………………………
債務管理システムの基本事項
運用の流れを理解しましょう
基本システムへの連携処理
…………………………………………………………
……………………………………………………………
導入作業とはどんなものでしょう
セットアップ登録票とは
………………………………………………………………
導入作業の流れを確認しましょう
……………………………………………………
登録票の記入の流れを確認しましょう
………………………………………………
データ設定の流れを確認しましょう
…………………………………………………
複数社処理を行う時
……………………………………………………………………
導入作業の前に
どんなふうに使うかを決めましょう
…………………………………………………
コードをつけましょう
…………………………………………………………………
セットアップ登録票を印刷しましょう
………………………………………………
登録票に記入しましょう
登録票にはこの順序で記入しましょう
………………………………………………
取扱銀行の登録票を記入しましょう
…………………………………………………
支払方法の登録票を記入しましょう
…………………………………………………
購買先の登録票を記入しましょう
……………………………………………………
印紙税テーブルを登録票に記入しましょう
…………………………………………
手形分割テーブルを登録票に記入しましょう
………………………………………
6
7
8
19
20
25
28
29
30
32
34
36
37
38
48
54
55
56
57
58
62
63
64
第6章 登録をはじめる前に
6.1
第7章
7.1
7.2
7.3
第8章
8.1
基本操作を覚えましょう
65
……………………………………………………………………
さあ、データを登録しましょう
データの登録を行うには
データ登録時の留意事項
登録内容を確認しましょう
………………………………………………………………
………………………………………………………………
……………………………………………………………
さあ、並行運用を行いましょう
並行運用をしましょう
…………………………………………………………………
66
82
83
84
85
86
87
第1章
債務管理システムを使いは
じめる前に
この章では、債務管理システムの全体の概要をご説明します。
1.1
1.2
債務管理システムの概要
債務管理システムでできること
6
1.1
債務管理システムの概要
債務管理システムは、購買先ごとに未払金を管理します。未払金の計上、決済を行い、基本システムへ
連携する仕訳データを作成します。
債務管理システムは購買から支払を管理します。自社の支払規定や購買先ごとの支払条件を設定してお
くことにより、入力された購買情報をもとに、支払日ごとに支払金額を集計し、銀行支払業務に備えます。
購買情報を他のシステムから取り込んだり、購買仕訳や支払仕訳を基本システムへ連携させたりするこ
ともできます。
7
1.2
債務管理システムでできること
債務管理システムがどんなものかを知るために次のポイントを押さえておきましょう。
■ 購買先との取引形態
取引形態には「継続取引」と「スポット取引」があります。
(1)
「継続取引」
z 定期的に購買が発生する、あるいは支払方法が決まっているような購買先に使用します。
z 支払額は、購買先単位で集計されます。
(2)
「スポット取引」
z 突然に発生する購買先に使用します。
z 支払額は伝票単位で集計します。
z 「スポット取引」用の購買先は1つだけ登録し、全てこの共通の購買先を使うようにします。
■ 支払の自動計算
支払はシステムで自動計算します。自動計算の基準となる支払方法は購買先ごとに設定します。支払方
法には、自社の支払方法を適用する場合(「自社条件」
)と、その購買先固有の方法を設定する場合(「個
別条件」)があります。
(1)自社条件
自社でよく適用する支払方法(条件)を支払方法パターンとして複数設定できます。この支払方法パタ
ーンの1つを購買先登録時に設定します。設定内容には、支払予定日算出方法、支払金種があります。
(2)個別条件
当該購買先に固有の支払方法を購買先登録時に設定します。
設定内容には、自社条件同様、支払予定日算出方法と支払金種があります。
(3)支払予定日
支払予定日の算出方法は、次の3種類の中から選択できます。
支払予定日を算出する場合は、算出された支払予定日が購買伝票入力時に自動表示されます。
z 「日付で算出」
締日と支払予定日(月日)を決めておきます。
月3回40パターンまでの設定ができます。
あらかじめ支払予定日算出パターンを設定し、その1つを支払条件(自社条件あるいは個別条
件)設定時に設定します。
z 「曜日で算出」
締め曜日と支払予定日とする曜日を決めておきます。
支払条件設定時(自社条件あるいは個別条件)に設定します。
z 「算出しない」
購買伝票入力時に支払予定日を入力します。
支払予定日は購買入力時に変更することもできます。
8
(4)支払金種
支払方法の金種としては次の5つが使用できます。
z 「現金支払い」
z 「購買先に自社の口座から引き落としてもらう」
z 「小切手支払い」
z 「銀行振込支払い」
z 「手形支払い」
-----------
現金
引落
小切手
振込
手形
z 「現金支払い」
現金で支払う場合、支払方法の設定で支払金種に「現金」を選択するだけです。
z 「購買先に自社の口座から引き落としてもらう」
購買先に自社の口座から引き落としてもらう場合、支払方法の設定で支払金種に「引落」を選
択するだけです。
z 「小切手支払い」
小切手で支払うには次の情報が必要です。また小切手番号を付けることもできます。
①銀行の小切手情報
②支払方法の小切手情報
z 「銀行振込支払い」
銀行振込で支払うには次の情報が必要です。
①銀行の振込情報
②支払方法の銀行振込情報
z 「手形支払」
手形で支払うには次の情報が必要です。
①印紙税テーブル
②手形分割テーブル
③支払方法の手形情報
④銀行の手形情報
(5)複数の支払金種
本システムでは、支払金種が複数ある場合であっても設定が行えます。
金種設定方法には、次の2つの方法があります。
z 「単一金種」
金種を1つ設定します。ただし、支払金額が少ない場合には、金種変更することもできます。
z 「複数金種」
金種を2つ設定できます。金種を分割する判定基準は「固定額」か「割合」で決定します。
「割合」で分けるときは、「切り捨てる端数単位」と「どちらの金種で切り捨てるか」を指定で
きます。
(6)金種例
z 現金のみの支払いとしている
「単一金種」を選択します。
9
z 銀行振込で支払っているが、支払額が少ないときには現金で支払っている
「単一金種」を選択し、「少額判定」を行います。
z 引落と小切手で支払っているが、引落額は100万円と固定の支払いとし、それ以外
を小切手で支払っている
「複数金種」を選択し、金種1を引落、金種2を小切手として、「固定額」に「100万円」と設定し
ます。
z 支払額を5割ずつに分けて、それぞれ銀行振込と小切手で支払っているが、銀行振
込は10万円単位でのみ支払っている
「複数金種」を選択し、金種1を銀行振込、金種2を引き落として、「割合」に「50%」
「端数切捨
て金種」を「金種1」、「切捨て単位」を「10万円」と設定します。
■ 購買取引の種類
購買取引の種類には、次の3つの種類があります。
(1)自動支払
z 購買時に、未払金や買掛金等に計上し、未払分について後に支払をおこします。
z システムでの支払計算の対象となります。
(2)直支払
z 支払いは済んでいないが、未払金や買掛金等に中間計上せず、経費等を直接支払う場合をいいます。
z システムでの支払計算の対象となります。
(3)支払済取引
z 既に支払っている場合をいいます。
z システムでの支払計算には関係ありません。
z 購買明細の管理のみとなります。
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■ 伝票の種類
購買の入力方法と購買取引の種類ごとに入力画面を用意しています。
購買の入力方法には、次の2つの種類があります。
(1)用途コードを使用する
あらかじめ仕訳用途ごとに設定を行うことで、購買入力時に会計コードを意識することなく入力が行え
ます。購買入力時に、内部では会計コードに展開を行います。
(2)科目コード、内訳コードで入力する
会計コードである勘定科目コードや内訳コードを直接入力します。
11
例)購買入力1(自動支払)の場合
例)購買入力2(自動支払)の場合
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■ 自動計算した支払方法の変更
あらかじめ購買先ごとに設定された条件により、自動計算した支払金額や支払金種を今回に限り変更し
たい場合、支払修正処理により支払方法の変更を行うことができます。
以下のような修正ができます。
z 支払金種の変更
z 相殺
z 支払繰延(合計)
z 支払繰延(伝票単位)
(1)支払金種の変更
自動計算された金種に対し、金額や振込銀行などを修正することができます。また別の金種を追加する
こともできます。
(2)相殺
支払を行う購買先の別の取引と相殺することができます。この時相殺する相手科目を指定します。
(3)支払繰延(合計)
繰延額と次回支払予定日を指定することで支払額の一部を繰り延べることができます。
また、繰り延べ分の仕訳については、作成するかしないかを選択できます。
仕訳を作成する場合の、未払科目は、繰延指定時に設定できます。
(4)支払繰延(伝票単位)
支払対象伝票の支払予定日を変更することにより、伝票単位で支払繰延(保留)を行うことができます。
この場合、繰延仕訳は発生しません。
支払修正を行う場合、画面上に表示される今回支払対象額と一致するよう、運用者による調整が必要で
す。
■ 相
殺
自社の支払額を相手購買先の別の取引と相殺できます。
相殺には、次の2つの方法があります。
z 相殺予定入力
z 支払修正(相殺)
(1)相殺予定入力
支払額の集計をするまでにあらかじめ相殺することがわかっている場合、相殺予定入力で相殺科目、金
額、支払予定日を登録できます。ここで登録された内容は、相殺予定入力より入力した支払予定日の支払
額集計時に反映されます。
(2)支払修正(相殺)
支払額集計後に相殺内容が決まる場合、支払修正処理から相殺科目、金額を設定できます。この時、相
殺額分を他の金種から自動減額は行いません。支払修正処理を行った場合は、利用者による支払額の調整
が必要となります。
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■ 繰
延
自社の支払額を次の支払日に繰り延べることができます。
繰延は次の3つの方法から反映することができます。
z 相殺予定入力
z 支払修正(繰延支払追加)
z 支払修正(支払保留(伝票))
(1)相殺予定入力
支払額の集計をするまでにあらかじめ繰延することがわかっている場合、相殺予定入力で繰延を選択し、
金額、支払予定日を登録できます。ここで登録された内容は、相殺予定入力より入力された支払予定日の
支払額集計時に反映されます。
(2)支払修正(繰延支払追加・支払保留(伝票))
支払集計をした支払額に対して、繰延する場合に使用します。
繰延支払追加では金額を指定し、支払保留(伝票)では対象伝票を指定して今回支払対象外とします。
■ 前
渡
購買はまだ行っていないが、支払だけを前渡として、支払予定日に行いたい場合に行います。支払う名
目の科目、支払予定日を登録しておきます。ただし、購買が発生した場合に、その支払予定日で前渡時の
科目との相殺が必要になります。
■ 担当者の扱い
債務管理システムの運用において、担当者ごとに実行することができる機能を制限したい場合、担当者
運用を行います。担当者運用を行うかどうかは「支払基本条件設定」で設定します。
また、入力された購買伝票の承認を行って有効とする運用を「承認システムを使用する」といいます。
承認システムを使用する場合は、担当者運用が必須になります。
担当者ごとに承認の要・不要および承認処理権限の有無を設定します。
■ 承
認
購買伝票の扱いについては承認機能を使用することができます。承認機能を使用した場合、入力者が承
認を必要とする担当者の場合は、承認権限をもつ担当者の承認処理をもって購買伝票が有効になります。
承認が済んでいない伝票は、支払計算や購買仕訳に反映されません。
承認を必要としない担当者の場合は、入力即有効となります。
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■ 基本システムへの仕訳連携
購買時および支払時の仕訳を債務管理システムから作成し、仕訳連携データ(インターフェイスデータ)
として基本システムに渡すことができます。承認システムを使用している場合、購買時の仕訳は承認済で
なければ連携されません。
仕訳連携を行うには「支払基本条件設定」での「運用形態」にて「会計連動」と設定します。連携時の
伝票番号範囲も「支払基本条件設定」で設定します。
購買取引の種類と支払の取引時点での仕訳内容と、基本システムのコードとの関係は以下の通りです。
(1)購買取引の種類と支払取引時点ごとの仕訳内容
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(2)基本システムのコードとの関係
前項の表のような仕訳内の会計コードと債務管理システムでの設定の関係は以下のようになります。
(3)伝票番号と摘要
伝票番号と摘要は「購買時」と「支払時」で決まります。
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■ 支払用の帳表とデータ(対外用)
支払集計、および支払修正処理により作成できる帳表とデータは以下の通りです。
z 支払通知書
z 振込依頼書
z 振込フロッピーデータ
z 手形データ(データのみ出力します)
■ 他システムからの購買データの受け取り
仕入の入力を他システムで行い、購買情報として債務管理システムに取り込み、支払処理が行えるよう
に、債務管理システムでは購買入力インターフェースを用意しています。
■ 支払グループの設定
「自動振込をしている購買先群としていない購買先群」「所在地により郵送料等が違う購買先群」また
は「自社のどの部門が支払処理をするかによる購買先群」など、支払処理を分けて行うために購買先をグ
ループ分けすることができます。これを支払グループといいます。
支払グループを使用する場合は、
「支払基本条件設定」にて「支払グループ」を「使用する」と設定を
行います。その際、全ての購買先に対して支払グループを設定する必要があります。
■ 支払いの予定を簡単に見る
支払い内容を見るには、2つの方法があります。
(1)購買先を中心に支払いの内容を見る
各購買先への支払い内容を、購買先・支払予定日・支払金種ごとに見ることができます。
(2)支払予定日を中心に支払いの内容を見る
購買伝票を入力する際に決められる支払予定日に支払う内容を、支払予定日・銀行・支払金種ごとに見
ることができます。
■ 消費税の自動計算
科目の扱いを「利用者による取引都度税抜き科目」と設定している場合には、購買入力時に消費税の自
動計算をすることができます。
税抜き方法として「内税」「外税」「非課税」が選択できます。
■ 手数料の扱い
金種が振込の場合、手数料を自動計算することができます。また、手数料を自社負担とするか相手先負
担とするかを選択できます。金額ごとの手数料は、銀行の情報として手数料テーブルで設定します。
支払修正処理から振込額を変更した時は、手数料は自動計算されません。
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■ その他にできること
(1)管理番号の自動採番
購買伝票の伝票番号である管理番号は、システムによる自動採番と利用者による手入力のいずれかを選
択できます。
(2)未払の計上科目と支払条件
z 購買先ごとに未払計上科目は2つまで設定できます。その他の未払科目が発生するときは、購買入
力時に入力することもできます。
z 未払科目によって支払条件を変更することもできます。
ただし、支払条件を自社条件と設定している場合のみ変更可能となります。
(3)伝票単位の金種変更
継続取引している購買先であっても、利用者が指定した伝票だけを金種変更することができます。
ただし、購買入力時に指定した取引先が、購買先マスタにおいて「伝票単位の金種変更を許す」と設定
されている場合に限ります。
18
第2章
債務管理システムの基本事
項
この章では、債務管理システムを使用するうえでの基本となることがらについて説明をします。
2.1
2.2
運用の流れを理解しましょう
基本システムへの連携処理
19
2.1
運用の流れを理解しましょう
■ 運用の流れ
基本的な運用は次のようになっています。
20
■ 購買伝票計上
購買取引の伝票を入力します。
21
■ 支払準備
支払準備処理では、購買伝票の支払予定日をもとに支払対象金額を抽出し、支払データを作成します。
支払修正処理からは、支払金額や支払日の変更が行えます。また、支払準備の取消が行えますので、支
払を確定するまでは何度でも支払準備処理を実行できます。
22
■ 支払確定
支払準備処理により作成した支払データの確定を行います。確定したデータは債務管理システムで扱え
なくなります。
23
■ 不要データ削除
支払の終わった伝票を削除します。
24
2.2
基本システムへの連携処理
債務管理システムでは基本システムへ購買伝票を振替伝票として、仕訳を起こすことができます。
■ 購買伝票を基本システムへ引き渡す
本システムでは、債務管理システムにて入力した仕入伝票を基本システムへ連携することができます。
ただし、基本システムへ登録した購買伝票を、再度基本システムへ登録することはできません。
(1)処理の概要
おおまかな購買伝票の流れは次のようになっています。
(2)仕入データの基本システム連携仕訳の詳細内容
次のような購買伝票を、基本システムへ引き渡したときの内容を示します。
25
■ 支払いが確定した内容を伝票として基本システムへ引き渡す
支払いが確定した内容を「支払伝票」と言います。本システムでは、支払伝票を基本システムへ連携す
ることができます。
(1)処理の概要
おおまかな伝票の流れは次のようになっています。
(2)支払連携処理の詳細
「仕入連携処理」で示した購買伝票の内容を、次のような購買先の条件をもとに支払額を算出し、基本
システムへ引き渡したときの内容を示します。
振替伝票の摘要は「支払基本条件設定」にて設定した「支払時の摘要」が設定されます。
26
■ 「直支払」について
「直支払」は買掛金や未払金などの未払科目を計上しないときに選択します。
「直支払」の購買伝票を「仕入連携処理」で基本システムへ引き渡すことはできません。
支払連携処理のときに、未払科目を計上しない仕訳内容で基本システムへ引き渡されます。
■ 他システムの購買を債務管理システムで管理する
本システムでは、債務管理システムで用意しているインターフェイスファイルに合わせてデータを作成
することで、他システムから購買伝票の取り込みが行えます。
(1)処理の概要
おおまかな伝票の流れは次のようになっています。
27
第3章
導入作業とはどんなもので
しょう
この章では、債務管理システムの導入作業全体の流れについて説明します。
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
セットアップ登録票とは
導入作業の流れを確認しましょう
登録票の記入の流れを確認しましょう
データ設定の流れを確認しましょう
複数社処理を行うとき
28
3.1
セットアップ登録票とは
本システムをご利用いただくためには、準備作業が必要です。まず、期首日や会計年度などの会計処理
上の取決めごと、会社組織等、会社ごとに特有の条件をシステムに設定します。そのうえで、債務管理シ
ステム固有の基本条件、各種マスタを登録します。
これらの作業を、本システムでは「セットアップ登録票」(以下「登録票」と呼びます)を使って進め
ます。本章では、登録票の記入方法について説明します。
登録票の中の記入欄は以下の決まりに従っています。
○
: 数字を記入する
□
: 英数字を記入する
: 半角文字欄。数字・英数字またはカタカナを記入する。(注)
: 全角文字欄。日本語を記入する。
(注) 一部の項目(コード類など)には、カタカナを使用できません。
登録票をスムーズに記入するためには、担当者を決め、運用方針を決め、スケジュールを決め、情報を
整理する、等の作業も必要です。それらすべてを含めて「導入作業」と呼びます。
導入作業を効率よく進めるには、各会社の実情に即して計画をたてることが大切です。導入作業のおお
よその流れについては「3.2 導入作業の流れを確認しましょう」で説明します。
29
3.2
導入作業の流れを確認しましょう
基本的な導入作業の手順について説明します。
1.どんなふうに使うかを決める
債務管理システムで管理する業務範囲や使う基準など、最も基本的なことを
決めます。
●
●
●
●
●
●
●
●
●
複数社処理を行うか
部門管理を行うか
西暦運用か和暦運用か
会計年度の締日
担当者運用を行うか
承認運用を行うか
支払グループ運用を行うか
支払予定日算出パターンを使用するか
用途コードを使用するか
↓
どんなふうに使うかが決まったところで、導入作業のスケジュールをたてましょう。この場合、次の点
に気をつけてください。
z いつから運用を始めるのか
日常の業務として購買伝票の入力を開始する日を決めます。
この日までに、購買伝票以外のすべての情報をシステムに登録しておく必要があります。
z 導入作業量はどのくらいか
導入作業は現在の業務に加えて行う作業です。作業量がどのくらいになるかを見積もって、余裕
のあるスケジュールをたてるようにしましょう。
↓
2.コードをつける
部門、購買先、銀行などにコードをつけます。
30
↓
3.利用者条件、各種マスタ情報を登録票に記入する
利用者条件、各種マスタ情報など、システムに登録するための登録情報を登
録票に記入します。
↓
4.コンピュータに登録する
ここまでで決めたことや記入した登録票の内容を、コンピュータに登録しま
す。
「3.利用者条件、各種マスタ情報を登録票に記入する」で記入した情報を
登録します。
↓
5.登録内容を確認する
正しく登録できたか確認します。確認するにはシステムが用意している「確
認リストを使用します。また、帳表を作成して、現行帳表と金額が同じか確認
します。
↓
6.併行運用
導入作業が終わったら、運用開始です。その前にテスト運用を行いましょう。
本システムの運用と現行業務とを併行して行う期間を最低1ヶ月持ってくだ
さい。
併行運用期間に業務の切替、帳表の運用確認など、システム運用本稼動の準
備を行います。
↓
本
稼
31
動
3.3
登録票の記入の流れを確認しましょう
登録票を記入する際に、 記入しやすい登録票から無作為に記入していると、記入漏れや手もどりが発
生しやすくなります。まず、登録票を記入するための資料を準備し、手順を確認して記入します。
■ 登録票記入の流れを説明します
以下に登録票記入手順を示します。
①
自社の組織図の記入
自社の部門組織図を確認して記入します。
↓
②
科目体系の記入
自社の科目と本システムが標準提供する
科目を比較して、変更分を記入します。
↓
③
システム運用の基本条件の記入
部門ごとに管理するのか、消費税管理する
のかなど、システムの基本方針を取り決め
て記入します。
↓
④
会社の基本条件の記入
期首年月日や締め日などの会社ごとに異
なる基本条件を記入します。
↓
⑤
債務管理上の運用条件の記入
購買伝票の採番方法や承認運用、支払グル
ープ管理などの債務管理上の運用条件を
記入します。
↓
⑥
債務管理上の各マスタの登録
取引先や取扱銀行情報などを洗い出し、記
入します。
32
■ 登録票記入に必要な資料を説明します
登録票を上手に設定するには、登録票記入の基となる資料を事前に洗い出し、準備することが大切です。
各登録票の記入に必要となる資料を次に示します。
登
録
票
選択
部門体系登録票
記
入
概
要
◎
会社の組織体系、部門名称を記入します。
◎
科目名称、科目体系、そのほか棚卸勘定科目や消費税科目などの科目情
報を記入します。
会計年度登録票
◎
期首年月日、会計期などの情報を記入します。
会社運用条件登録票
◎
システム運用上の運用条件を記入します。
税率表登録票
○
消費税を管理する場合、消費税率と適用開始日を記入します。
消費税勘定登録票
○
消費税を管理する場合、仮払/仮受消費税の設定基準を記入します。
支払基本条件登録票
◎
債務管理システム運用上の運用条件を記入します。
印紙税テーブル登録票
○
手形による債務取引を行っている場合、支払時の手形金額に対する印紙
税額を記入します。
手形分割パターン登録票
○
支払金種に手形を使用し、また、その手形を金額により分割を行う場合
に、手形を分割する条件を記入します。
支払グループ登録票
○
支払の運用サイクルをグループ単位で行う場合、そのグループ情報を記
入します。
支払日算出パ ターン登録
票
○
支払予定日をシステムにより算出する場合、その算出条件を記入しま
す。
支払条件登録票
○
自社の支払条件がある場合に、その支払条件を記入します。
購買先マスタ登録票
◎
取引を行っている購買先の支払情報を記入します。
銀行マスタ登録票
◎
自社で取り扱っている銀行の情報を記入します。
用途マスタ登録票
○
購買入力を、会計コードを意識せずに取引用途により入力したい場合、
入力時に使用する用途情報を記入します。
担当者マスタ登録
○
担当者により使用できる機能を制限したい場合、その担当者コード、お
よび機能制御情報を記入します。
定型購買登録
○
毎月定型的に発生する取引などをあらかじめ登録し、入力効率を高めた
い場合に、その購買仕訳情報を記入します。
・部門名称
・組織図
科目体系登録票
・科目名称
・科目体系
・棚卸勘定
・科目消費税情報
選択
◎:必須選択
○:必要時選択
33
3.4
データ設定の流れを確認しましょう
記入が終わった登録票を見ながら、画面から値(データ)を登録します。 このことを、「データセット
アップ」と呼びます。
■ データセットアップの手順を説明します
データセットアップは、処理の手順が大切です。 本書で説明している順番に従って、処理を行ってい
きましょう。
①
コード/名称の登録
部門名や科目名などの表示名称をセット
アップします。
↓
②
組織図の登録
自社の部門組織図をセットアップします。
↓
③
科目体系の登録
勘定科目の追加や内容の修正を行います。
↓
④
システム運用の基本条件の登録
部門ごとに管理するのか、消費税管理する
のかなど、システム運用の基本条件をセッ
トアップします。
↓
⑤
会社の基本条件の登録
期首年月日や締め日などの会社ごとに異
なる基本条件をセットアップします。
↓
⑥
債務管理上の運用条件の登録
購買伝票の採番方法や承認運用、支払グル
ープ管理などの債務管理上の運用条件を
セットアップします。
↓
⑦
債務管理上の各マスタの登録
取引先や取扱銀行情報などをセットアッ
プします。
34
データセットアップ操作方法
本書の操作説明を見ながら、個々の登録票を次の手順で登録します。
①
メニュー画面から処理したい画面の選択
↓
②
登録票を見ながら、画面より登録
↓
③
確認リスト、帳表を印刷して設定内容の確認
35
3.5
複数社処理を行うとき
2社目以降の会社の登録方法は、基本的には1社目と同じです。追加する会社の分だけ、1社目と同様
に、登録票を記入してください。
36
第4章
導入作業の前に
この章では、債務管理システムを導入する前にあらかじめ確認しておきたいことがらについて説明しま
す。
4.1
4.2
4.3
どんなふうに使うかを決めましょう
コードをつけましょう
セットアップ登録票を印刷しましょう
37
4.1
どんなふうに使うかを決めましょう
債務管理システムを使うために、以下の基本的なことがらを決めます。
これらはすべて、システムが用意する登録票に従って決めます。
● 複数社処理を行うか
● 部門管理を行うか
● 西暦運用か和暦運用か
● 会計期間の締日
● 担当者運用を行うか
● 承認運用を行うか
● 支払グループ運用を行うか
● 支払予定日算出パターンを使用するか
● 用途コードを使用するか
■
複数社処理を行うか
本システムでは複数の会社の債務取引を、会社ごとに別々に管理することができます。もちろん帳表も
別々に作表します。会計年度、期首日、締日、組織体系等、債務管理システムを使用するための基本的な
取決め事項も会社ごとに独自に決めることができます。
ここでは、複数の会社を管理するかどうかを決めます。
z 複数社処理を行う場合、システムは「会社コード」で区別します。会社コードは標準値「E0」です
が、2社目以降は利用者がつける必要があります。コードについては「4.2 コードをつけましょう」
を参照してください。
z 会計年度、期首日、締日が同じなら別会社であっても部門として管理した方が運用上便利です。
部門管理については「4.1■ どんなふうに使うかを決めましょう」を参照してください。
■
部門管理を行うか
本システムは発生部門別に仕訳の入力をすることができます。また、基本システムと仕訳連携を行う場
合には、基本システム側において、部門別に帳表を作成することができます。そのためには「組織図」を
作成します。
(1)組織図と帳表
部門別に業績管理を行う場合、試算表などの帳表を部門ごとに作成する必要があります。そこで、製造
部門、販売部門など職能別の部門を管理単位として組織図を設定し、それをもとに帳表を作成します。帳
表を作成するときに設定する作表条件と組織図の関係を次に示します。
38
基本システムにおいて、開始部門、終了部門を省略すると、すべての部門の帳表が印刷されます。
①組織図番号
組織図は、基本組織図(組織図番号00)と補助組織図(組織図番号01∼99)を組織図番号で区別してい
ます。 基本組織図とは、 本システム運用時に基本となる組織図で、 必ず設定します。
②組織図レベル
組織図の最上位(システム全社部門)をレベル1、 以下順次レベル2、 レベル3・・・となります。 最
大レベル10まで設定できます。
③システム全社部門
作表条件項目でレベル1を指定したときの部門です。 会社全体の残高をまとめて帳表に印刷します。
組織図番号が何であっても、 システム全社部門は共通です。
④全社部門
部門ごとの業績管理をせずに、 全社で残高を管理するとき、 また、 貸借勘定のみ部門ごとに残高管
理しないときなどに、 自動設定される部門です。
39
⑤会計単位レベル
業績管理を行い、 それぞれで試算表を作成する部門が存在する組織図上の階層を会計単位レベルと呼
びます。
組織図を決定する場合の注意点を次に挙げます。
・仕訳が発生する部門、帳表を作成したい部門など、業務に使用するすべての部門を登録します。
・部門別に帳表を作成する場合、どの部門に集計させるかを考慮します。
・仕訳が発生する部門はどれかを決めます。本システムでは、会計単位レベル以下に存在する部門に対
して伝票を起票することができます。
・取引がどの部門で発生したものなのか不明なときのために、共通部門を設けます。
(2)部門管理をするか
部門管理を行うかどうかは、導入時にシステムに指定します。
①
部門管理しない場合
『会社運用条件登録』における「部門の管理」を N (部門管理しない)にします。
システムは、システムの定める唯一の部門(「全社部門」)で、すべての情報を管理します。利用者は、
部門を意識することなく、会計処理を行えます。
a. 何を部門とするか
何を部門として扱うかは、自由に決めることができます。システムは、例えば、次のようなものを想定
しています。
(a) 本店、支店などの会計単位
・ 各営業所
(b) 関連会社(親会社−子会社)(注)
・ 社内部課、組織
(注)桁科目体系、締日、期首年月日、等の主な会計条件がほぼ同じであれば、別会社であっても複
数社処理ではなく、各部門として処理できます。
この場合、以下のような利点と欠点があります。
(利点)・ 会計情報は1社分のみ登録すればいいので、ファイル容量が少なくてすみます。
・ 関係会社すべてを集計した、連結決算帳表が作成できます。
(欠点)・ 会社ごとに会計条件を変えることはできません。
・ 不要データ削除、年次繰越処理は全社同時に行われます。
②
部門管理しないときの組織図
部門管理しないときは、次のような組織図を登録します。
運用中、利用者は部門コードを入力する必要はありません。システムは「全社部門」ですべてのデータ
を管理します。
Point
基本組織図と補助組織図
システムには処理の基本となる「基本組織図」の他に「補助組織図」を登録することができます。それ
ぞれの組織図は「組織図番号」で管理します。
40
z 基本組織図
会社にとって基本となる組織図です。会社ごとに1個だけ登録します。基本組織図には運用時に
使用する部門をすべて登録してください。組織図番号は「00」です。
z 補助組織図
帳表作成にのみ使われる補助的な組織図です。基本組織図とは別の集計方法で帳表を作成したい
場合に使用します。会社ごとに最大99個まで、組織図番号「01」∼「99」で登録します。
補助組織図は例えば次のように使います。
前ページの組織図を基本組織図とした場合、帳表は支社別(全社、大阪支社、横浜支社)に集計して作
表されます。これに対して部署別(販売、製造)に集計して作表したい場合、以下のような補助組織図を
作成します。
必要のない部門は補助組織図に設定する必要はありません。上の例では、管理部門は補助組織図に設定
していません。この場合、管理部門は除いて集計処理されます。
組織図には、縦 10 階層、横 300 部門の登録が行えます。ただし、部門数全体で最大 500 部門までの登
録となります。処理速度、運用上の実用性を考えて、縦 2∼4階層、横5∼10 部門程度にした方がよい
でしょう。
■ 西暦運用と和暦運用
利用者は、システムに日付を入力する場合、 西暦で入力するか和暦で入力するか選択することができ
ます。西暦で入力することを「西暦運用」と呼び、和暦で入力することを「和暦運用」と呼びます。シス
テムを西暦運用するか、和暦運用するかは、『会社条件登録』の「日付の運用」にて設定します。
項
設
設
目
定
定
時
用
期
紙
値
と
意
味
説
明
導入時点
会社条件設定原票(利用者条件)
1
システムを西暦運用する
2
システムを和暦運用する
41
■ 会計期間の締日
利用者は、会計期間を決定するために、次のことを指定しなければなりません。
・ 会計年度
利用者が、年次決算を行う単位を「会計年度」と呼びます。ある年の会計年度は、その年の期首日から、
その年の決算日までです。
・ 期 数
・ 期首年月日
・ 締 日
利用者が、月次締業務を行うとき、その区切りになる最後の日を「締日」と呼びます。利用者は、月ご
とに異なる締日を設定することができます。
これらの情報は、導入時に「会計年度登録票」に設定します。以後、会計年度が変わったとき、これら
の情報は、年次繰越業務によって書き換えられます。
指定例に従った会計期間の関係を示します。
年度はすべて西暦で設定します。
42
■ 担当者管理を行うか
債務管理システムの運用において、担当者ごとに実行できる機能を制限したい場合、担当者運用を行い
ます。担当者運用を行うかどうかは、「支払基本条件設定」で設定します。
また、入力された購買伝票の承認を行って有効とする運用を「承認システムを使用する」といいます。
承認システムを使用する場合は、担当者運用が必須となります。
初期導入時等で、担当者が未登録の場合は、「CAPSEL」担当者を入力します。運用時には担当者
を登録し、登録した担当者で運用します。
担当者の登録を行うことができるということは、すべての担当者の情報を見ることができるということ
です。登録作業時にはパスワード等を見られないように注意しましょう。
(1)
「CAPSEL」担当者とは
債務管理システムであらかじめ用意している担当者です。全権限を持ち、権限の変更はできません。ま
た、「CAPSEL」担当者の削除もできません。
基本的に「CAPSEL」担当者は、運用条件の変更や担当者の登録などで使用します。購買伝票入力
などの通常の運用時には使用しないでください。
(2)処理一覧と権限
担当者登録時に、処理権限を[登録する]とすると債務管理システムの各処理が一覧表示されます。1
つ1つの処理の権限を設定します。
権限のない機能は運用メニュー上に表示されなくなります。
権限は、処理種別によって違います。次のようになっています。
①処理種別がバッチ処理のとき
バッチ処理のときは、処理を行えるか行えないかの指定のみになります。
②処理種別が伝票入力のとき
[自分で入力した伝票のみ処理可]では、別の担当者で入力された伝票を操作することができません。
[同一部署の伝票なら処理可]では、別の部署で入力された伝票を操作することができませんが、伝
票の入力を行った担当者が複数いても、同一部署内の伝票をすべて操作することができます。
■ 承認運用を行うか
本システムでは、担当者ごとに購買伝票の承認権限を設定し、承認権限がない担当者が入力した購買伝
票は、承認担当者の承認を得るまで業務上有効としない(支払計算や購買仕訳に反映しない)運用が行え
ます。
承認運用を行う場合は、「支払管理条件設定」の「承認システム」にて使用有無の指定を行い、担当者
ごとの承認権限の設定は、「担当者マスタ登録」から行います。
(1)伝票の承認を行う必要のある担当者
「担当者マスタ登録」から「承認を必要」の項目に対して[する]を選択します。この担当者が入力し
た購買伝票は、入力を行った時点で未承認として扱われるため、承認担当者が承認を行う必要があります。
43
(2)伝票の承認を行う必要のない担当者
「担当者マスタ登録」から「承認を必要」の項目に対して[しない]を選択します。この担当者が入力
した購買伝票は、入力を行った時点で承認済として扱われるため、承認を行う必要はありません。
(3)担当者の権限と承認の関係
「担当者マスタ登録」にて「伝票操作」に対する権限が、[自分で入力した伝票のみ処理可]としてい
るとき、承認処理の[処理可]を選択してはいけません。
債務管理システムではこのような設定を許していません。
「CAPSEL」担当者は、承認を必要と[しない]を必ず選択します。また、
「CAPSEL」担当
者は、通常の運用の中では使用せずに、別の全権限の担当者を登録し、その担当者が購買先の登録や承認
を行うようにしてください。
■ 支払グループ運用を行うか
「自動振込をしている購買先群としていない購買先群」「所在地により郵送料等が違う購買先群」また
は「自社のどの部門が支払処理をするかによる購買先群」など、支払処理を分けて行うために購買先をグ
ループ分けすることができます。これを支払グループといいます。
支払グループを使用する場合は、
「支払基本条件」で支払グループを使用する設定を行い、すべての購
買先に、支払グループを設定する必要があります。
債務管理システムを初めて導入するとき、または、今まで支払グループ管理を行っていなかったときに、
支払グループを行うと選択した場合、各購買先に支払グループを設定しなければなりません。
支払グループ管理を行っているのに、購買先に支払グループコードが設定されていない場合、その購買
先は「支払データ抽出」で支払グループ指定を「全件」とした場合のみ、支払いの対象となります。
支払処理において、購買先をさまざまな方法でグループ管理したい場合に、支払グループ管理を行うと
良いでしょう。
(1)銀行振込依頼書を購買先別に出力するときに使う
各銀行へ自動的に振込処理を依頼している購買先と、していない購買先とでは、振込手数料が違います。
それらの購買先を区別するために、支払グループを使うと良いでしょう。
44
315
105
45
(2)購買先を所在地別に管理したいときに使う
自社と同じ所在地にある購買先と、全く別の所在地にある購買先とでは、小切手を郵送するかしないか
という違いがでてきます。そのようなときに支払グループを使うと良いでしょう。
■ 支払予定日算出パターンを使用するか
システムでは支払業務を行う日を「支払予定日」といいます。実際に銀行振込などを行う日を「支払実
行日」といいます。
購買伝票の入力日付をもとに支払予定日を決める方法と、入力した曜日をもとに支払予定日を決める方
法があります。
(1)購買伝票を入力した日付で支払予定日を決める
z
z
z
z
z
月あたり3回の設定をすることを予想して40パターンの設定を可能にしています。
月末日の指定は「99」と設定します。もちろん、直接月末日を設定しても構いません。
「締日」に設定した日付までの購買を、算出予定日に支払います。
「算出予定日」に設定した日付が、購買入力に自動設定されます。
支払予定日は、購買入力の際に変更することができます。
例)今月度締め日(月末日)までの分を、翌々月の締め日(月末日)に支払う。
とした場合の概要と画面の設定は次のようになります。
46
●概要図
(2)購買伝票を入力した曜日で支払予定日を決める
支払方法の設定で行います。
例)「毎週土曜日までの購買分を、再来週の月曜日に支払う」
とした場合の設定内容は次のようになります。
●概要図
■ 用途コードを使用するか
用途コードを使用した場合、購買伝票入力時に摘要イメージの用途コードを入力するだけで、会計コー
ドの設定を行うことができます。頻繁に発生する取引や定型的な取引などをあらかじめ登録しておくこと
で、購買入力を簡略化できます。
47
4.2
コードをつけましょう
コードというのは、システムが部門や購買先、銀行等のデータを区別するための名前です。利用者は、
どんなコードをつけるかをあらかじめ決めておく必要があります。コードとあわせて日本語の名称も決め
ます。
本システムが使用するコードは以下の通りです。
z 会社コード
z 部門コード
z 科目コード
z 内訳コード
z 支払グループコード
z 支払予定日算出パターンコード
z 支払条件コード
z 購買先コード
z 銀行コード
z 用途コード
なお、入力時には「コード検索機能」がありますのでコードを覚える必要はありません。
■
コードをつけるときのルール
コードをつけるときの基本的な注意点を説明します。
z コードの桁数を守る
コードの桁数はそれぞれ決められていますので、それを超えないようにします。短くても構いま
せん。
(例)(4桁のコードの場合)
1 2 3
→
○
1
2
3
4
5→
×
z コードに使用できる文字
コードに使用できる文字は数字・英文字です。
z すべて0またはすべて9、すべて空白のコードはだめ
次のようなコードをつけてはいけません。
(4桁のコードの場合)
0 0 0
9
9
9
(すべて空白)
0(すべて0)
9(すべて9)
0(0と空白のみ)
z コードの文字と文字の間に空白をあけてはだめ。前に空白をおいてはだめ
(例)(4桁のコードの場合)
A 1 2 3
→ ○
A 1
A
1
A 1
2
48
3
→
×
間に空白があるのはだめ
2
→
×
前に空白があるのはだめ
→
○
後に空白があるのはよい
z コードの大小を考慮する
コードの大小を考慮してつけましょう。コードに使用できる文字を小さい順に並べると以下のよ
うになります。
1桁目が同じ文字ならば次の桁を比較して大小を判断します。
コードの大小は、帳表に表示される順番や、部門等の作表の順番に関係してきます。
z コードの桁数をそろえる
同じ種類のコードならば「すべて2桁」または「すべて3桁」というように、桁をそろえるよう
にしましょう。
例えば部門コードを数字にした場合を見てみます。
「1」、「2」、「3」、・・・・「11」、「12」
この例では「1」∼「9」は1桁、 「11」以降は2桁になります。部門コードは4桁まで使えます
ので、これらのコードをシステムは次のようにとらえます。
「1
」、「2
」、・・・・・「1
1
」
コードの大小は、1桁目で比較するため「2」は「11」より大きいことになってしまいます。
このように大小を逆転させないために、コードの桁数をそろえるようにしてください。
上記の例では以下のようにつけるとよいでしょう。
「01」、「02」、「03」、・・・・「11」、「12」
z わかりやすいコードをつける
入力する場合または帳表を確認する場合を考えて、なるべく簡潔でわかりやすいコードをつける
ようにしましょう。
z コードの各桁に意味を持たせる
コードの各桁に意味を持たせると、データの分類ができます。
(例)物件番号(8桁)
○ ○
設置場所
○
○
○ ○
連番
○ ○
未使用
データを分類しておくと、コードを範囲指定して見たいグループの分だけ帳表を作成することが
できます。
49
■
会社コードをつける
複数社処理を行うとき、会社を区別するために「会社コード」をつけます。
1社目の会社コードはシステム固有で「E0」です。2社目以降は利用者がつけてください。
複数社処理をしない場合の会社コードも「E0」です。
会社コード
○
○
2桁
英数字
複数社処理を行う場合、1 日の処理を始める前にこれから処理する会社の会社コードを入力します。
■
部門コードをつける
部門管理を行う場合、部門を区別するために部門コードをつけます。「4.1■ どんなふうに使うかを決
めましょう」で決めた組織図の各部門に部門コードをつけます。
部門管理しない場合は「全社部門コード」だけとなります。利用者が特に指定しない場合は、「9」が全
社部門コードです。
部門コード
○
○
○
○
○
5桁
英数字
部門コードをつけるときには以下のことに注意しましょう。
z コードの大小
部門別に帳表を作表した場合、部門コードの大小によらず、組織図上の位置に従って作表されま
すが、順番を考えてコードをつけた方が分かりやすくなります。
z コードへの意味付け
コードの桁と組織図の部門の階層を関連づけた方が分かりやすくなります。
全社部門コードの設定
「4.1■ どんなふうに使うかを決めましょう」で決めた組織図の中の「全社部門」に相当する部門コ
ードをシステムに登録します。「4.1■ どんなふうに使うかを決めましょう」で説明した登録票に記
入します。
z 部門管理する場合
「会社条件設定登録票」に「全社部門コード」を設定します。「全社部門」には、組織図の中で
本社、本店または全社にあたる部門を選びます。
50
(例)
z 部門管理しない場合
全社部門コードを「9」
(システム初期値)にした場合は設定する必要はありません(すでに登録
されています)。
もし全社部門コードを変更した場合は、変更した部門コードを「会社条件設定登録票」に設定し
てください。
(設定例)
■
科目コードをつける
勘定科目を区別する、5桁のコードです。帳表上に現われるすべての科目のコードを決めてください。
科目コード
○
○
○
○
○
5桁
英数字
科目コードは、次の並び順でなければなりません。
・ 資産勘定
・ 負債勘定
・ 資本勘定
・ 収益勘定
・ 費用勘定
システムは、帳表を科目コードの並び順に作成します。
システムは、標準的な科目コードの体系を提供します。システムが提供する科目コードの体系を「標準
科目テーブル」と呼びます。標準科目テーブルは、日本工業規格の「勘定科目コード」(JIS C 6269)
に準拠しています。
利用者は、標準科目テーブルから、必要な科目を選択し、足りない科目を追加することにより、科目コ
ードの体系を決定することができます。標準科目テーブルのコード体系を示します。
51
■ 内訳コードをつける
内訳勘定を区分する、8桁のコードです。仕訳に現われるすべての内訳のコードを決めてください。
内訳コード
○
○
○
○
○
○
○
○
8桁
英数字
ある内訳勘定が、複数の科目で管理される場合、その内訳勘定の内訳コードは一つで構いません。例えば、
赤坂銀行が、当座預金と普通預金で管理されていても、 赤坂銀行のコードは一つです。コードは数字で
の運用をおすすめします。
■ 支払グループコードをつける
支払グループを区別するためのコードをつけます。
支払グループコード
○
○
○
○
○
5桁
英数字
■ 支払予定日算出パターンコードをつける
支払予定日算出パターンを区別するためのコードをつけます。
支払予定日算出パターンコード
○
○
○
○
○
5桁
52
英数字
■ 支払条件コードをつける
支払条件を区別するためのコードをつけます。
支払条件コード
○
○
○
○
○
5桁
英数字
8桁
英数字
8桁
英数字
■ 購買先コードをつける
購買先を区別するためのコードをつけます。
購買先コード
○
○
○
○
○
○
○
○
■ 銀行コードをつける
取扱銀行を区別するためのコードをつけます。
銀行コード
○
○
○
○
○
○
○
○
■ 用途コードをつける
用途コードを区別するためのコードをつけます。
用途コード
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
53
○
○
○
○
○
15桁
英数字
4.3
セットアップ登録票を印刷しましょう
「セットアップ登録票」
(導入マニュアル:登録票)とは
「セットアップ登録票」は、本システムの導入をスムーズに行えるようにするためのものです。会社運用
条件や組織図情報など、システム運用時に必要な情報の登録票を提供しています。これからセットアップ
する内容を随時記入できるように、「セットアップ登録票」を印刷してください。
これらの登録票・チェックシートは、「債務管理 導入マニュアル 登録票」に掲載しております。
54
第5章
登録票に記入しましょう
この章では債務管理システムにおいて提供されたセットアップ登録票の記入順序、および記入概要につ
いて説明します。
5.1
5.2
5.3
5.4
5.5
5.6
登録票にはこの順序で記入しましょう
取扱銀行の登録票を記入しましょう
支払方法の登録票を記入しましょう
購買先の登録票を記入しましょう
印紙税テーブルを登録票に記入しましょう
手形分割テーブルを登録票に記入しましょう
55
5.1
登録票にはこの順序で記入しましょう
登録票には、以下の順序で記入してください。
登
録
票
選択
記
入
概
要
部門体系登録票
◎
会社の組織体系、部門名称を記入します。
科目体系登録票
◎
科目名称、科目体系、そのほか棚卸勘定科目や消費税科目などの科目情
報を記入します。
会計年度登録票
◎
期首年月日、会計期などの情報を記入します。
会社運用条件登録票
◎
システム運用上の運用条件を記入します。
税率表登録票
○
消費税を管理する場合、消費税率と適用開始日を記入します。
消費税勘定登録票
○
消費税を管理する場合、仮払/仮受消費税の設定基準を記入します。
支払基本条件登録票
◎
債務管理システム運用上の運用条件を記入します。
印紙税テーブル登録票
○
手形による債務取引を行っている場合、支払時の手形金額に対する印紙
税額を記入します。
手形分割パターン登録票
○
支払金種に手形を使用し、また、その手形を金額により分割を行う場合
に、手形を分割する条件を記入します。
支払グループ登録票
○
支払の運用サイクルをグループ単位で行う場合、そのグループ情報を記
入します。
支払日算出パ ターン登録
票
○
支払予定日をシステムにより算出する場合、その算出条件を記入しま
す。
支払条件登録票
○
自社の支払条件がある場合に、その支払条件を記入します。
購買先情報登録票
◎
取引を行っている購買先の支払情報を記入します。
銀行情報登録票
◎
自社で取り扱っている銀行の情報を記入します。
用途コード登録票
○
購買入力を、会計コードを意識せずに取引用途により入力したい場合、
入力時に使用する用途情報を記入します。
担当者マスタ登録
○
担当者により使用できる機能を制限したい場合、その担当者コード、お
よび機能制御情報を記入します。
定型購買伝票1登録票
○
購買入力1を使用する場合に、毎月定型的に発生する取引などをあらか
じめ登録し、入力効率を高めたい場合に、その購買仕訳情報を記入しま
す。
定型購買伝票2登録票
○
購買入力2を使用する場合に、毎月定型的に発生する取引などをあらか
じめ登録し、入力効率を高めたい場合に、その購買仕訳情報を記入しま
す。
選択
◎:必須選択
○:必要時選択
56
5.2
取扱銀行の登録票を記入しましょう
会社が取り扱っている銀行情報を登録票に記入します。
z 自社の口座がある銀行を登録します。購買先の銀行については、全銀コード、支店コード、口座№、
口座名義人、預金種別、振込方法の情報があれば十分です。
(1)振込手数料テーブルの設定
銀行振込手数料は、どこからどこの銀行へ振り込むのかで違います。また、窓口で振込を行うのか、自
動預金支払機で振込を行うのかによっても違います。
システムでは、それらの振込手数料をテーブル形式に管理することができます。また、適用日付別に振
込手数料を設定しておくことで、振込手数料の変更があったとしても、現在の登録内容を削除し、再登録
を行う必要はありません。
z 「同支店」に設定する内容は?
A銀行本店で、A銀行本店の口座から、A銀行本店の口座へ振込を行うときにかかる振込手数料を
設定します。
z 「他支店」に設定する内容は?
A銀行本店で、A銀行本店の口座から、A銀行支店の口座へ振込を行うときにかかる振込手数料を
設定します。
z 「他銀行」に設定する内容は?
A銀行本店で、A銀行本店の口座から、B銀行の口座へ振込を行うときにかかる振込手数料を設定
します。
57
5.3
支払方法の登録票を記入しましょう
ここでは、購買先への支払いを自社の都合に合わせて支払う場合の、支払方法を登録票に記入します。
購買先の都合に合わせて支払う「個別条件」については、「購買マスタ登録」から行います。
例えば、銀行振込で支払うといった場合に、銀行情報を設定しただけでは、支払いを行うことはできま
せん。支払いを行うには、その他のさまざまな情報を組み合わせて支払いを行うことを常に意識してく
ださい。
(1)自社の都合に合わせて支払いを行うとは?
銀行振込の振込手数料や、小切手、手形の郵送料などの負担を自社で決定して、支払いを行うことを言
います。
■ 支払金種の登録票の記入要領
「支払方法登録票」は、支払金種の登録票を最低1枚つけて管理します。
ここでは、その支払金種のみの登録票の記入要領を示し、それが実際にどこへ関連するのかを説明しま
す。
z 自社条件での「現金支払い」
z 自社条件での「小切手支払い」
z 自社条件での「引落支払い」
z 自社条件での「銀行振込支払い」
z 自社条件での「手形支払い」
■ 自社条件での「小切手支払い」の記入要領
小切手で払う場合の、「小切手」についてのみの登録票の記入要領を説明します。
(1)支払額の算出例(単一金種)
登録票に記入した内容で、実際にどのように支払額が算出されるのかを示します。
左から順に対象額がどのようにして支払額になるのかを示します。
ここでの「対象額」とは、「支払準備処理」によって購買伝票の金額を、購買先ごと金種ごとに集計し
た額のことを言います。
58
■ 自社条件での「引落支払い」の記入要領
引落で支払う場合の、「引落」についてのみの登録票の記入要領を説明します。
(1)支払額の算出例(複数金種の固定額)
登録票に記入した内容で、実際にどのように支払額が算出されるのかを示します。
左から順に対象額がどのようにして支払額になるのかを示します。
z [固定額]に入力した金額は、金種1で選択した金種で支払われます。
残りは金種2で支払われます。
z ここでの「対象額」とは、「支払準備処理」によって購買伝票の金額を、購買先ごと金種ごとに集
計した額のことを言います。
■ 自社条件での「銀行振込支払い」の記入要領
銀行振込で支払う場合の、「銀行振込」についてのみの登録票の記入要領を説明します。
(1)支払額の算出例(複数金種の割合)
登録票に記入した内容で、実際にどのように支払額が算出されるのかを示します。
左から順に対象額がどのようにして支払額になるのかを示します。
59
z [割合]に設定した分の金種は、金種1で選択した金種で支払われます。
残りは金種2で支払われます。
z ここでの「対象額」とは、「支払準備処理」によって購買伝票の金額を、購買先ごと金種ごとに集
計した額のことを言います。
■ 自社条件での「手形支払い」の記入要領
手形で支払う場合の、「手形」についてのみの登録票の記入要領を説明します。
(1)支払額の算出例(複数金種の割合)
登録票に記入した内容で、実際にどのように支払額が算出されるのかを示します。
左から順に対象額がどのようにして支払額になるのかを示します。
z [割合]で設定した分の金額は、金種1で選択した金種で支払われます。
残りは金種2で支払われます。
z ここでの「対象額」とは、「支払準備処理」によって購買伝票の金額を、購買先ごと金種ごとに集
計した額のことを言います。
(2)手形分割額の算出例
手形を分割する場合に、債務管理システムではどのように分割するのかを説明します。
①均等分割を行ったとき
支払額が250万円で均等分割額を150万円と設定すると、次のように分割されます。
1枚目の券面額:150万円
2枚目の券面額:100万円
②計算式による分割を行ったとき
手形を計算式によって分割したいときは、手形分割テーブル設定と、印紙税テーブルの設定が必要で
す。
60
61
5.4
購買先の登録票を記入しましょう
購買先の登録票を記入する前に、購買先の住所録などを用意しておきましょう。
また、購買先への支払方法を明確にして、自社の都合に合わせて支払うのであれば、「支払方法登録票」
で自社条件と「支払金種の登録票」を記入し、購買先の都合に合わせて支払うのであれば、購買先の登録
票と一緒に「支払金種の登録票」で支払金種を記入しましょう。
(1)購買先一覧を画面で検索したいとき
購買先一覧は、通常、購買先コード順(昇順)で表示されます。しかし、担当者にとって、これでは目
的の購買先を検索するだけで時間がかかってしまうということがあるはずです。
本システムでは、購買先ひとつひとつに検索情報をつけて購買先一覧の表示内容を利用者が変更可能と
しています。
(2)伝票ごとの金種変更とは
購買入力を行うときに支払金種を変更することができます。変更を可能にするためには購買先ごとに
「伝票単位の金種変更」を「許す」と設定しなければなりません。
(3)科目別の支払金種の変更とは
「支払条件」→「科目別支払方法設定」を選択します。
未払科目コード1に買掛金、未払科目コード2に未払金を設定しているとき、
「買掛金で計上している購買と、未払金で計上している購買の支払方法が違う」
という場合に選択します。支払方法には「自社条件」を設定します。
62
5.5
印紙税テーブルを登録票に記入しましょう
手形の印紙税額を登録するテーブルです。
手形金額の範囲が30パターン、印紙税額を適用日付ごとに入力することができます。
63
5.6
手形分割テーブルを登録票に記入しましょう
計算式による手形分割をするために登録するテーブルです。
手形金額の追加が40パターン、分割する金額を4パターン、入力することができます。
ただし、手形金額範囲内に入っているものの、分割額より少ない支払額は、分割を行いません。
64
第6章
登録を始める前に
この章では、債務管理システムの基本的な操作を説明します。
6.1
基本操作を覚えましょう
65
6.1
基本操作を覚えましょう
債務管理システムでは、各々の処理を操作するうえで、共通していることがいくつかあります。
z 債務管理システムメニュー
z グローバルメニューとプルダウンメニュー
z プルダウンメニューの操作方法
z ファンクションキー
z 画面の共通項目
この節では、以上の共通事項を説明します。
■ 債務管理システムメニュー
66
z 日次業務メニュー
z 支払業務メニュー
67
z 月次業務メニュー
z セットアップメニュー
68
z セットアップメニュー・システム管理
69
■
グローバルメニューとプルダウンメニュー
債務管理システムは、画面上部のグローバルメニューを選択することによって表示されるプルダウンメ
ニューから、必要項目を選択し操作を行います。
プルダウンメニューから処理を選択すると、該当画面が元の画面の上にウィンドウとして表示されます。
利用者は、画面に表示されている項目を選択するだけで操作が行えます。
債務管理システムでは、四つのグローバルメニューから操作を行います。
以下に、各グローバルメニューとその中に表示される主なプルダウンメニューを説明します。
(1)基
本
基本的な処理を行うときに選択します。
登録・削除・印刷等の機能があります。
70
(2)画
面
画面の操作を行うときに選択します。
先頭・最終・行指定等の機能があります。
(3)編
集
画面上の項目の操作を行うときに選択します。
移動・削除・挿入等の機能があります。
71
(4)ヘルプ
入力項目のガイドが必要なときに選択します。
コード一覧検索・エラー表示等の機能があります。
72
■ プルダウンメニューの操作方法
プルダウンメニューの操作方法には、二つの方法があります。
(1)マウスによる操作
(2)キーによる操作
(1)マウスによる操作
①処理したいグローバルメニューにマウスカーソル←を位置づけ、左ボタンを押します。
②プルダウンメニューが表示されたら左ボタンを押したまま該当項目まで移動します。
73
③左ボタンを離すと、該当ウィンドウが画面上に表示されます。
74
(2)キーによる操作
①【ALT】を押下して、グローバルメニューにカーソルを合わせて、【ENTER】を押下します。
②該当項目に【↑】【↓】でカーソルを位置づけて
【ENTER】を押下します。
75
■
画面の共通項目
①タイトルバー
処理中のプログラムのタイトルを表示します。
②スクロール
画面の表示内容が複数ページにまたがるとき、[▼]、[▲]をマウスでクリックすると、前画面、次
画面にスクロールします。または、[▼]、[▲]にカーソルを位置づけて[実行]を押下します。
③選択ボタン
画面上には、各項目に対していくつかの選択項目を表示しています。利用者は、その選択項目をマウ
スでクリックしながら処理を進めます。または、選択項目にカーソルを位置づけて[実行]を押下し
ます。
④プッシュボタン
画面に表示しているウィンドウ画面を実行するときは、画面下の[実行]をマウスでクリックします。
または、[実行]にカーソルを位置づけて[実行]を押下します。
画面に表示しているウィンドウ画面を取消したいときは、画面下の[取消]をマウスでクリックしま
す。または、[取消]にカーソルを位置づけて[実行]を押下します。
処理を実行するときは、画面下の[終了]をマウスでクリックします。または、[終了]にカーソル
を位置づけて[実行]を押下します。
「基本」→「終了」でも同様の処理を行います。
76
(1)エラーがあったとき
①画面入力中にエラーが発生したときは、画面上にエラー内容のウィンドウが表示されます。
(2)プログラム履歴
①現在起動中のプログラムの名前やレベルを表示したいときは、「照会」→「プログラム履歴」を選択
します。
77
(3)検
索
①入力するコードが分からないときは、「照会」→「項目一覧」を選択します。
(4)指
定
①コード一覧画面などで適当なコードをもとに検索を行いたいときは、
「画面」→「指定」を選択します。
78
■ 入力操作が分からない場合は
入力中に操作が分からない場合や入力項目に何を入力して良いか分からない場合は、入力画面にフォー
カスを当てて、【F8】キーを押下します。運用ヘルプ画面が起動されます。
運用ヘルプ画面内の文字色が緑色で下線が実線で引かれている部分をクリックすると、該当箇所の説明内
容が表示されます。ここでは、トピックの「支払グループの設定」をクリックします。
79
また、運用ヘルプ画面内の文字色が緑色で下線が点線で引かれている部分をクリックすると、該当箇所
の説明内容がポップアップ画面に表示されます。ここでは、使用可能なプッシュボタンの「[終了]ボタン」
をクリックします。
運用ヘルプ画面にて「目次」ボタンをクリックすると処理画面単位の運用操作情報が業務メニューイメ
ージで検索できます。
80
また、運用ヘルプ画面にて「キーワード」ボタンをクリックすると、運用ヘルプにて定義されている語
句の情報をキーワードにて検索できます。
その他、「印刷」ボタンをクリックすると運用ヘルプ画面に表示されているページ内容が印刷されます。
81
第7章
さあ、データを登録しましょ
う
この章では、債務管理システムにおいて提供されたセットアップ登録票に記入した内容の登録方法につ
いて説明します。
7.1
7.2
7.3
データの登録を行うには
データ登録時の留意事項
登録内容を確認しましょう
82
7.1
データの登録を行うには
保守メニューからセットアップを選択し、「セットアップ手順」を表示して、登録を開始します。
メニューの並びは登録手順に準拠していますが、利用する機能によっては設定が必要のない処理もありま
すので、「セットアップ手順」に従い登録を行ってください。
83
7.2
データ登録時の留意事項
● 登録した内容は確認用リストを出力して、内容を確認してください。
● 項目の意味や操作が分からない、あるいは留意点を知りたい場合は、入力画面にフォーカスを当てて、
【F8】を押下してくださいヘルプ画面が起動されます。(第6章を参照してください)
● セットアップの手順に関しては、【セットアップ】の 処理メニュー より【セットアップ手順】を選
択すると、下記のヘルプ画面が表示されます。手順が分からないときは参照してください。(ヘルプ中
の緑色の見出しを選択すると、詳細な説明が参照できます)
84
7.3
登録内容を確認しましょう
登録した内容を確認するには、それぞれのリストを出力しましょう。
■ リストとは何か
登録した情報を印刷した帳表です。リストの役割は2つあります。
z 登録内容を確認します。
z 誤りがあれば、エラー情報を表示します。
リストには次のものがあります。
z 購買チェックリスト
z 定型購買チェックリスト
z 相殺予定等登録リスト
z 購買先マスタリスト
z 銀行マスタリスト
z 用途マスタリスト
z 支払予定日算出パターンリスト
z リストはいつでも作成することができます。範囲を絞って作成することもできます。運用中に登録
内容を確認するためなどに使用するとよいでしょう。
またトラブルが生じたときに、リストは大切な資料となります。全ての登録内容を作成するのでは
なく、見たい分だけを作成するようにしましょう。
z それぞれのリストは、登録画面から印刷することができます。
印刷するには「基本」→「印刷」を選択します。
■ 各リストの作成手順
(1)メニュー推移
(2)リスト作成を行う
リスト選択の画面が表示されたら、作成を行うリストの[実行する]を選択します。
作表条件を入力したら、[実行]を選択します。
リスト選択の画面に戻ったら、[実行]を選択します。
z ある日付以降に変更のあった内容だけを出力したい場合に、処理日を入力します。日付による抽出
を行わない場合は、入力を省略します。
85
第8章
さあ、並行運用を行いましょ
う
本章では、並行運用の方法について説明します。
8.1
並行運用をしましょう
86
8.1
並行運用をしましょう
本システムで業務を開始する準備は整いました。 ここで、 現行の債務管理業務をストップして本シス
テムで運用を開始するのではなく、 最低1ヵ月の並行運用を行いましょう。
■ 並行運用の進め方
並行運用では、本システムの運用方法、操作方法を覚えたり、また本システムと現行の債務管理業務を
比較したりして、不都合な点がないかどうかを確認します。もし、運用方法などに不都合な点があれば、
導入作業をもう一度見直したり、運用スケジュールを見直したりすることが必要です。
並行運用では、主に以下の項目をチェックしてください。
(1)購買伝票の入力から帳表作成、仕訳連携までの業務が円滑に行われていますか?
処理が遅れるようならば、運用手順を確認しましょう。
(2)本システムの操作方法は覚えましたか?
購買伝票の入力から支払確定処理までの一通りの操作を行って、操作を覚えましょう。
(3)導入作業の誤りや漏れはありませんか?
帳表の金額が合わない、あるいは使用するコードが登録されていないようであれば、導入作業をもう一
度見直しましょう
87
■ ファイルのバックアップと復元をしましょう
並行運用を始める前にセットアップしたデータの保存をしてください。
ファイルの退避処理は、本システムがセットアップされているマシンのスタートメニューから本システ
ムのメニューを表示して、【全ファイルのバックアップ】を選択します。
本処理を実行しますと、バックアップが必要なファイルは全てバックアップされます。バックアップは
非常に重要な処理です。もしコンピュータの故障や運用ミス等、何らかの理由でデータが喪失してし
まったような場合にデータのバックアップがないと、それまでの実績は全てなくなってしまいます。
最悪の場合には1年間入力した内容を全て入力し直さなくてはならなくなります。業務の区切り(毎
月の締め処理が完了した、年次の締め処理が完了した等)では、MO等の外部保存用媒体に必ずバッ
クアップを行うようにしてください。その際は、可能な限りバックアップファイルを何世代か保持さ
れることをお勧めします。
【全ファイルのバックアップ】を実行すると、以下の画面が表示されます。
以下のように、いつ時点のバックアップファイルか分かるようなファイル名に変更してください。その
後、【開く】を選択するとバックアップを開始します。
バックアップしたファイルは、必ずMO等の外部保存用媒体に保存しておいてください。
バックアップは成功しましたか?
この段階で、バックアップしたファイルを戻すことができるかを確認する為に復元処理を行いましょう。
【全ファイルの復元】を実行してください。
【全ファイルの復元】は正常に終了しましたか? 正常に実行できた後に次のステップに進みましょう。
88
„ 並行運用中の注意事項
並行運用を行うにあたって、以下の点に注意しましょう。
(1)並行運用の体制確認
並行運用中は現在の業務と本システムの業務を同時に行わなければいけません。事前に体制の確認をし
ておきましょう。
(2)並行運用前のデータ保存
並行運用中に、実際に発生した購買伝票ではないテスト的な入力をする場合(以降、テストデータと呼
びます)
、せっかく登録完了したデータが合わなくなってきます。並行運用の前には、データの退避を行
いましょう。
(3)並行運用中のテストデータの削除
並行運用中に入力したデータがテストデータなら、本稼働する前にデータを削除しなければいけません。
89