タイトル名:早期発見、対策によるイノシシ被害の未然防止 対象地区名

振興局名
五島振興局
タイトル名:早期発見、対策によるイノシシ被害の未然防止
対象地区名:五島市岐宿町河務集落
1.
対象地区の概要
(農業生産の状況、地理的状況、被害の発生経過など)
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河務集落は五島市福江島の北東に位置し、山と海に囲まれた集落の中を国道が通っている。農家戸数11戸、うち専
業農家4戸。地区内の農用地は約15haで、基盤整備を行った水田が大半を占め、主要な作物は水稲である。
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平成25年度に実施されたイノシシ生息調査により、福江島では北東部のみイノシシが生息していることが改めて確
認された。河務集落は生息域のもっとも外側の集落となっており、これまでにイノシシによる農作物被害はない。
2.
具体的な取り組み
(地域における推進体制、指導体制、対策推進の過程など)
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平成23年度∼25年度ながさき農山村活性化支援事業の支援対象集落として、五島市と連
携し「産業振興活動」や「環境保全活動」について重点的に支援を行っていた。
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本事業により集落リーダーと五島市、振興局が密に連絡をとっていたことから、集落内でイ
ノシシ痕跡が発見されて後の対応(集落研修、拡散防止柵設置、捕獲対策)が迅速に行われ
た。イノシシ被害防止対策手法については農山村対策室鳥獣対策班の支援を受け、集落住民
に対する講習や拡散防止柵設置の検討を実施。
3.
活動の経過と成果
(3対策の取り組み経過、補助事業の活用状況、対象の動き、対策の効果など)
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平成24年11∼12月:イノシシぬた場、足跡発見。五島市と連携し囲いわな、箱わな設置。
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平成25年1月:河務集落イノシシ被害対策研修会開催。
A 級インストラクター研修と併せ集落環境点検を実施。集落住民向けに被害防止対策について講習会を開催。
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平成25年3月:拡散防止柵設置(市単独事業)。以後、毎年度拡散防止柵の延伸が行われている。
また、捕獲については市委託業者により箱わな、くくりわなが設置されている。
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平成25年9月:集落住民による拡散防止柵周辺の草刈り、拡散防止柵の見回り作業の実施を支援。
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平成25年10月∼:月 1 回、2 人 1 組の当番制での集落住民による拡散防止柵の見回り作業開始。
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平成26年11月:イノシシによる農作物被害はこれまで確認されていない。
4.
今後の展開
(取り組みにおける課題や対象の動き、今後進むべき方向性などについて)
・集落住民による捕獲隊設置の推進を検討しているところであるが、後継者世代が集落内に住んでおらず集落外から農繁
期に農作業を手伝いに来ている状況であり、現在見回りを行っている 5,6 名の集落住民(70 代前後)だけでは捕獲隊活
動を維持できないため、新たな方策を検討する必要がある。