いちどの夜冷育苗における処理開始時期について

いちごの夜冷育苗における処理開始時期について
1.試験のねらい
いちごの夜冷育苗では、8月下旬に処理を開姶して11月下旬頃から収穫する作型が一般的とな
っているが、最近では処理開始時期を早めて収穫始期をより前進化させる作型も導入されてきて
いる。そこで、夜冷育苗におげる処理開始時期について検討した。
2.一試験方法
処理開始時期を6月26日、7月5日、7月ユ5日、7月25日、8月5日の5段階として検討した。
夜冷処琴は1日16時間の低温処理(10℃一定)で行い、処理期間は花芽分化期までとした。
3 試験結果及ぴ考察
(1〕花芽分化は処理開姶時期が早いほど早くなっ牟が、分化までに要する日数には一定の傾向が
認められず23∼27日程度要した。頂花房の開花及び収穫始期も処理開始時期が早いほど早くな
り、6月26日処理では9月19日カ)らの収穫となった。一方腋花房の開花及び収穫始期は、腋花
房の分化が自然条件下で誘起されることから頂花房のような差は認められず、いずれの処理開
始時期においても1月以降の収穫始めとなった。頂花房の収穫始期から腋花房の収穫始期まで
の日数は、処理開始時期が早いほど長くなり花房の連続性はなくなった。
(2)頂花房果実の成熟日数(開花から着色までに要する日数)は、処理開始時期が早いほど短く
なり、6月26日処理では20日程度であり8月5日処理と比べてユ6日の差が認められた。このこ
とは処理開始時期が早いほど果実の発育期間の気温がより高温であるためである。
また頂花房果実の大きさは処翠開始時期が早い1手ど小さくなり、果実の由大は発育期間の
気温と深い相関があるものと思われた。
(3)収量は、頂花房では7月15日、7月25日及g8月5日処理が同様牢優れたのに対して、6月
26日及び7月5日処理では極めて劣り、年内収早はぽとんど得られなかった。一方、第1次腋
花房では6月26日、7月5日及び7月15日処理が優れたのに対して7月25日及び8月5日処理
では劣る結果となり、花房の連続性による着果負担が認められた。総収量は7月15日処理が最
も優れたが、6月26日及び7月5日処理は頂花房での収量が影響し低収となった。
4.成果の妥約
処理開始時期を早めることにより収穫始期の前進化が可能であるが、処理開始時期が早すぎる
と頂花房果実の肥大が劣り収量性に影響することが明らかとなった。そこで、果実庭大、収量性
から判断すると、処理開始時期では7月ユ5日(収穫始期ではユ0月下旬)頃が早出しの限界である
と思われた。
(担当者栃木分場 植木正明)
一39一
表一1
処理開始時期が花芽分化、・開花および収穫始期に及ぼす影響
処理開始
花芽分化 分化まで
開花始期 月.日
収穫始期
月.日 花房の
時 期
月.日 の日数
頂花房 1次腋
頂花房
1次腋 連続性
6月26日
7,21
25日
8,30
11.17
9二19
1.8
7月5日
7,28
23日
9.8
11.24
9.29
1,14
111日
107日
7月15日
8,10
26日
9.30
11.20
10.27
1,10
75日
7月25日
8,21
27日
10,9
11117
11.11
1.8
58日
8月5日
8.31
26日
10.17
11.19
11.22
1.10
49日
注1. 花房の連続性:頂花房収穫始から腋花房収穫始までの日数
2. 1次腋:第1次腋花房
弱
90
黒仙
実畑
d日
果渕・
の 25
ノ
〆
成鍋’
恥
成
/
8割
取25
恥柵’
9
臼
独15’
一/ 測胴
15
旧1
6棚 7’5 ?刈5 7!25 ε!5 .月■日’
。....、.、.…一・・・…’...’ ;糠匝
5
6!26 7!5 7!15 7!25 8!5
処理蘭蛤時螂
図一1
果
実
重
成熟日数
棄
の
28
−5
1
35
腋花属
I8
5
月■日
処理醐蛤時期
頂花房果実と腋花房果実の成熟日数
図一2
頂花房果実の成熟日数と果実重の関係
表一2 花房別収量と一果重
処理開始 一花房別収量 9/株 、花房別一果重 9
時 期 頂花房 1次腋 2次腋 合 計頂花房 1次腋 2次腋平均
6月26日
14
199
79
292
4S藺
7.0
13.5
iO.3
12.0
固埆
〔コ3月
囮2月
姻日
7月5日
26
7月15日
107
223
219
89
i07
338
433
3靱
7.7
9.2
13.6
10.4
1&0
9.9
12.O
収
11.O 量
3囲目
25臼
2a8
“
慶蜜i月
㎜皿i2月
匡ヨ”月
〃
……ヨ細月
歴ヨ9月
15日
7月25日
107
i65
105
8月5日
113
156
.90
377
9,O
13.4
9.6
1O.8
犯8
5回
359
10.2
12.5
9.8
1i.O
11,I
● ■
回
6,26 7. 5 7.i5 7,25
注。1次鮫:第1次腋花房、。2次嘩:第2次腋花房。
処碧覧始冒寿顛
図一3 月別収量
一40一
i…一1
●●““
a5 月.日