小火器についての資料 - タテ書き小説ネット

小火器についての資料
天宮 悠
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︻小説タイトル︼
小火器についての資料
︻Nコード︼
N5092BY
︻作者名︼
天宮 悠
︻あらすじ︼
銃の事とか詳しくないけどガンアクションを書きたい。そんな風
に思っていざミリタリーの事を調べたら、たくさん情報がありすぎ
てどこから調べればいいか分からない。そんなことはありませんか
?これは、そういった方の為に、なるべくわかりやすく銃やその他
ミリタリー関係についてまとめた資料となっております。また、聞
きたいことなどがあれば、それを感想欄に書いて頂ければ、その内
容についての記事も追加いたします。
1
はじめに
ここでは、主に小説を書くにあたって、間違う前に知っておきた
い小火器の事について解説していきたいと思います。
ちょっとミリタリーなお話を書きたいけど、あんまりそっち方面
の知識はないんだよな、などと困った時に、もしかしたら役に立つ
かもしれないですね。
と、そんな内容にしていくことを目標にしています。なので、あ
まり専門的に深く掘り下げたりはせずに、浅く広く、なるべく分か
りやすい解説を心掛けようと思います。
また、私自身の知識が偏っているために、現代の銃に事に関する
内容が大半を占めることになると思います。ご了承ください。
それと、私もまだまだ知識が足りない面もありますので、事実と
異なる解説を行ってしまうかもしれません。その時はご指摘をくだ
さればすぐに修正いたします。もちろん、出来る限りそうならない
ように善処します。
こういうことについて知りたい、という要望がありましたら感想
欄に書いていただければ、出来る限り対応していきたいと思ってい
ます。
ただ、小説の参考になるような記事という事なので、あまり専門
的なことにはお答えできない場合もありますが、ご理解の程をよろ
しくお願いいたします。
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銃の種類
では、最初ということで、現代の基本的な銃の種類と名称につい
て書いていこうと思います。
特に、日本ではテレビなどで連射可能なライフルをマシンガンな
ど、雑な表記で見かけることが多いので、こういったところから誤
解されている方も少なくはないと思います。
そこで、今回はそれについての簡単な解説となります。もう知っ
ているという方は、ここは飛ばしても構いません。
※各銃についての詳しい解説は別の項目を設けます。
ハンドガン
ピストル、拳銃とも言います。片手でも射撃可能な銃の総称です
ね。
拳銃の定義は、ストック︵銃床︶を持たず、携帯性に優れ、片手
でも射撃可能な拳銃弾を用いる銃、ということになってます。
また、そこからさらにいくつかの種類に、拳銃は細かく分かれて
いきます。
﹃リボルバー﹄回転式拳銃とも呼ばれる、回転式の弾倉を備えた拳
銃です。手入れがしやすく、比較的安価で頑丈という利点がありま
すが、リロード︵再装填︶がしにくく装弾数が少ないなど欠点も多
いです。
﹃オートマチックピストル﹄自動式拳銃とも呼ばれる、排莢と装填
を自動で行う拳銃です。弾倉もリボルバーと違い、交換しやすい箱
型のものを使用し装弾数は多いですが、構造が複雑な分故障も多い
です。
﹃マシンピストル﹄引き金を引くだけで、弾倉内の弾が尽きるまで
連射できるフルオート射撃が可能な拳銃の総称です。ですが、小型
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のサブマシンガン︵後述︶を含む場合もあり、非常に曖昧なものと
なっております。
サブマシンガン
短機関銃という表記をすることもありますが、サブマシンガンの
方が通じる方は多いと思います。
これは、拳銃弾を使用するフルオート射撃可能な小型︵それでも
ハンドガンよりは大きい︶の銃を指します。
ライフルなどは長くて使い辛い室内など、主に近距離戦を想定し
た戦いに向いた銃ですね。
パーソナル・ディフェンス・ウェポン
PDW
日本では個人防衛火器などと訳されます。
サブマシンガンのような形状でありながら、ライフル弾のように
貫通力が優れた弾を使う、サブマシンガンとライフルの中間的存在
です。
ですが、PDWというカテゴリ自体最近登場したものであり、外
見や使用用途もほとんどサブマシンガンと同じなため、単にサブマ
シンガンと表記されることも少なくはありません。
外国等の動画でも、サブマシンガンと呼称している場合も多く、
これも非常に曖昧な存在です。
小説で使う分には、余程銃を詳しく書かない限りはサブマシンガ
セミオート
ンでまとめてもいいかもしれません。
アサルトライフル
自動小銃とも言います。
ライフル弾を使用する銃ですが、単発射撃のみを半自動小銃、フ
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ルオート可能なものを全自動小銃と分ける場合もあります。
有名なのは、M16やAK47でしょうか。
バトルライフル
比較的大口径のアサルトライフルを指しますが、その線引きがか
なり曖昧です。
明確な決まりがほとんどなく、しばしば各所で議論されることも
多いカテゴリです。
ですので、創作で使用する場合は無難にアサルトライフルでまと
めておいてもいいかと思います。
ショットガン
散弾銃とも言います。
他の銃とは違い、複数の弾丸を一度に発射することが出来る銃で
す。
また、弾の種類により散らばる弾の数や大きさにも差があり、1
発のみの大型の弾もあります。
ショットガンはポンプアクション︵銃を持つとき握る部分を前後
にスライドさせ装填と排莢を行うもの︶のイメージが強いですが、
最近はオートマチックのものも増え始めています。
スナイパーライフル
狙撃を目的として作られた、主に大口径のライフル弾を使用する
銃を指します。日本語では狙撃銃、ですかね。
﹃ボルトアクション﹄と呼ばれる、手動で排莢と装填を行うもの
と、﹃オートマチック︵自動装填︶﹄のものがあります。
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マークスマンライフル
しばしばスナイパーライフルと混同される銃です。
マークスマン
こちらはスナイパーが持つスナイパーライフルと違い、味方の部
隊と一緒に行動をする選抜射手が使用する物となります。
使用する弾薬はなるべく味方部隊が所有する物で、部隊内で共に
行動する以上敵との交戦距離も近く、即応性の高いオートマチック
のライフルが望ましいとされていますが、これもまだまだスナイパ
ーライフルとの線引きが曖昧なカテゴリですね。
一応、既にいくつかの銃はマークスマンライフルとしてカテゴラ
イズされているものもあります。よく話題にされるドラグノフ狙撃
銃︵SVD︶は、設計の段階でマークスマンライフルとしての運用
を考えられた銃です。
アンチマテリアルライフル
対物ライフル。スナイパーライフルよりも大口径で、地雷の処理
他、超長距離狙撃や、建物などに隠れた敵を壁ごと撃ち抜いたり、
薄い装甲の車両︵一般車含む︶の攻撃用として使用されます。
よく対人使用について条約がどうのと議論されますが、対物ライ
フルを使い人を狙撃してはならないという記述はされていません。
ライトマシンガン
軽機関銃とも。
三脚などを使い、地面に固定しなければ使えないほど大型の重機
関銃とは逆に、一人でも持ち運び運用可能な銃を指します。
弾薬をベルトのように繋げたものを使用するベルト給弾式のほか、
大型の箱型弾倉を用いるタイプも近年では多く見られます。
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また、汎用機関銃、分隊支援火器と言った細かい区分けもされて
いますが、ライトマシンガンという表現でも十分読者には伝わると
思います。というより、多くの読者さんはこちらの表現の方が伝わ
りやすいです。
ヘビーマシンガン
先ほど言った重機関銃です。
余程の怪力でもない限り一人で運用は難しいです。
車両に武器として搭載、陣地防衛の為などで設置されることが多
いです。
グレネードランチャー
他にも擲弾発射器など、あまり使われませんけどね。
ライフルに装着する物、ライフルで撃ちだすもの、単体で使用可
能なものなど形や大きさまで様々なものがあります。
一部を除き、連射はできないものが多いですね。
このように銃の種類と言っても存在が曖昧なものも多く、人によ
ってその線引きも違うので、詳しくしようとあまり細かく分けてし
まうと、逆に分かりにくくなってしまう可能性もあります。
拘りがないのであれば、ゲームや漫画など比較的多くの人の目に
触れる物が使用している表現を使うことをお勧めします。
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銃の部品
今回は銃の各部品の名称と役割の簡単な説明です。
あまり細かい部品や機構についての解説は今回は致しません。
銃の種類別でいくつかまとめていきます。
※重複している部品の解説はしません。
︵被筒または先台︶
﹃ライフル編﹄
ハンドガード
グリップを握っていない方の手で銃を保持する時に持つ場所です。
銃身を覆い、発砲による銃身の過熱から手を守る為についていま
す。
木製や金属製の物など様々なタイプがあり、また最近ではピカテ
ィニー規格のレールを装備したものもあり、アクセサリを装着可能
︵銃身︶
な拡張性に優れた物も存在します。
バレル
︵旋条︶と呼ばれる螺旋状の溝があり、これによって弾に
発火された弾が通る道です。現在のライフルのほとんどはライフ
リング
︵消炎器︶やマズルブレー
回転を加えまっすぐ飛ぶようにすることが出来ます。
また、銃口にはフラッシュハイダー
キなどを装着したものや、サプレッサーを装備可能にする加工を施
された銃もあります。
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マガジン
︵弾倉︶
︵送り板︶をマガジン底部のばねが押し上
弾薬を装填しておく部品です。
マガジンフォロワー
げる構造になっており、装填された弾を上に押し上げますが、この
際ばねが弱くなっていると弾が上がり切らずに装填不良の原因にな
ったりします。
また、アサルトライフルの多くは着脱式の箱型弾倉ですが、リボ
ルバーのような固定式の弾倉を備えるものや、ベルト給弾式のマシ
︵またはレバー︶
ンガンのような、つながった弾薬を入れておくただの箱のようなタ
イプなど様々です。
マガジンリリースボタン
弾倉を交換する際に、このボタンを押して弾倉を取り出します。
ボタン式の物やレバー式のものなど銃によって操作法は異なりま
すが、多くの銃は弾倉交換時に操作しやすい位置に設置されている
︵銃把または握把︶
場合が多いです。
グリップ
引き金を引く方の手で握る部分です。
よく狙撃銃などに見られる、握る場所が単にくぼんでいるだけの
ものをグリップ、拳銃のグリップのような形状で、ストックとは独
︵引き金︶
立して握れるようになっているものをピストルグリップと呼びます。
トリガー
ここを引くことで、銃内部の機構が動き、装填された弾を発射し
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ます。
基本的にレバー式のものが多いですが、重機関銃などボタン式の
︵用心金︶
ものもあります。
トリガーガード
引き金の周りを覆っている部品です。
︵排莢口︶
トリガーを不意に引っかけ暴発、などの事故を防ぐ役割がありま
す。
エジェクションポート
弾を撃ちだした後の空薬莢を排出する部分です。
銃によっては設置位置や、排莢口を左右に切り替えられるなど特
︵銃床︶
殊な機能を備えたものもあります。
ストック
肩に当て、射撃時のブレや反動を押さえる役割がある部品です。
材質は、木製からプラスチック、合金など様々。
また、いくつかの種類があります。
﹃ストレートストック﹄
銃身からストックの肩に当てる部分までが一直線になっている形
状のストックの総称です。
直銃床とも呼ばれ、現在の軍用銃の多くがこちらのタイプになっ
ています。
反対に、曲銃床と呼ばれるものがあり、こちらはストックが銃身
︵固定ストック︶﹄
よりも下に下がっているタイプですが、旧式の銃以外では少なくな
ってきています。
﹃フィクスドストック
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︵伸縮ストック︶﹄
これはストックが銃本体に固定され、動かすことが出来ないスト
ックです。
﹃テレスコピックストック
スライドストック、リトラクタブルストックとも呼ばれます。
ストックの長さを調節でき、使用者の体格に合わせて調節が可能
︵折り畳みストック︶﹄
な上、ボディーアーマーを着た状態などでも長さを調節できるので
最近の銃に多く見られます。
﹃フォールディングストック
取り回しがしやすいように、折りたたむことが出来るストックで
す。
伸縮式ストックよりも全長を短くできますが、当然畳んでいる間
はストックを使うことはできないので、戦闘よりも運搬に向いた設
計です。
﹃スケルトンストック﹄
ストックをパイプのみの組み合わせや、穴をあけ肉抜き加工をし
た最低限の骨組みで作られたストックの総称です。
折り畳み機能を備えたものや、固定式のものまで様々なタイプが
あります。
﹃サムホールストック﹄
ストレートストックにピストルグリップを合わせたような形状の
ストックで、ピストルグリップを握るように親指を通す穴があけら
れています。
︵薬室︶
イギリスのL96A1などがそうですね。
チャンバー
銃身の後部、機関部内で発射される弾が収まる場所の事です。
ライフルやオートマチックの拳銃は基本的に1つですが、リボル
バーの場合はシリンダーが弾倉兼薬室の役割を果たすので、多くの
薬室を持つ、多薬室の銃となります。
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ボルト
︵遊底︶
弾を発射する際、薬室後部をブロックする役割を持つ部品です。
また、オートマチックの銃ではこの部位が発射時に後退し、薬莢
を排出しながらスプリングの力で前進し、弾倉から新しい弾を引き
出しチャンバーに押し込みます。
ただオートマチック拳銃の場合はスライドと一体化しているため
︵撃鉄︶
にスライドを遊底と表記する場合もあります。
ハンマー
外部に露出しているものや、内部に搭載されているものなど様々
です。
トリガーを引くと連動して起きていたハンマーが落ち、撃針を叩
いてその撃針が弾を発火させるという流れになっています。
︵撃針︶
また、リボルバーなどは撃針が組み込まれたハンマーもあります。
ファイヤリングピン
先端が丸い針のような形状になっており、ハンマーが撃針底部を
叩くことで、撃針が動き薬室に装填された弾の底を打ち発火させる
ことで弾を発射します。
エキストラクター
ボルトが後退した際に、発射済みの薬莢を薬室から引き出す役割
を持った部品。
大体はボルトと一体化しています。
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エジェクター
エキストラクターによって引き出された薬莢を外にはじき出すた
めの部品です。
一部ない銃もありますが、オートマックの銃の大半はこれがつい
てます。
また、横にシリンダーを振り出すタイプのリボルバーはシリンダ
ーにロッド状の物が付いていて、それがエキストラクター兼エジェ
︵またはハンドル︶
クターとなり、エキストラクターロッドと表記されます。
コッキングレバー
銃内部のボルトを後退させて、ハンマーをコッキングし弾倉の弾
︵動作不良︶の際に、装填された弾を
を薬室に送り込む際に引く部品です。
不発弾や銃のジャミング
強制的に排出する場合もこの部分を使います。
ボルトアクションライフルでは、ボルトハンドルがこの部分に相
当します。
また、弾倉の弾を最後まで撃ち尽くしボルトが後方で固定された
際に、弾倉交換をし、コッキングレバーを引かずに押すだけでボル
トが前進し弾が送り込まれるボルトリリースレバーというものがつ
いている銃もあります。拳銃のスライドストップ︵後述︶をイメー
︵安全装置︶
ジしていただけると分かりやすいかと思われます。
セーフティ
レバー式のものやボタン式のものなど銃によって形状は様々です。
また、連射機能の切り替えも兼ねたものはセレクターレバーとも
呼ばれます。
安全装置はどこにロックをかけるかなどで数種類に分けられます
が、それはまた別の項目で解説いたします。
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フロントサイト
︵照星︶
銃前方に備え付けられた照準器の事です。
︵キャリングハンド
これも数種ありますが、詳しいことはリアサイトと共に別で項目
︵照門︶
を設けます。
リアサイト
銃後方に付けられた照準器です。
M16系などは持ち運ぶときに掴む取っ手
ル︶と一体化しています。
レシーバー
銃の一番重要な部品、ボルトやハンマーなどが詰まった機関部で
す。
上下に分割できるものは、上の部分をアッパーレシーバー、下部
分をロアレシーバーと呼称することが多いです。
﹃ショットガン編﹄
フォアエンド
ライフルで言った先台、ハンドガードの部分に相当します。
ショットガンではこちらを用いる方が一般的だと思われます。
これを前後にスライドさせて装填と排莢を行うのがポンプアクシ
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ョン方式、その他ガス圧や反動を利用したオートマチックのショッ
トガンもあります。
マガジン
ショットガンのマガジンは特殊で、銃身の下にもう一本伸びた筒
︵中には箱型弾倉やドラムマガジンの物
状のものがマガジンになっており、名前もチューブマガジンと別の
呼び方になっています。
もあります︶
レシーバー下部から弾を入れ、それらはこのチューブマガジンに
入っていきます。市販パーツで延長し装弾数を増やしたり、逆に短
くすることも可能です。
ボルトリリースレバー
実際に使用する場面を目にする機会はあまりありませんが、ポン
プアクション式のものやオートマチックのショットガンにはついて
いるものもあります。
バレルジャケット
ショットガンに限った部品ではないのですが、ライフリングを必
要としない分肉薄にされた銃身に、装薬量の多い弾を使用するショ
ットガンで多く見られるものです。
これは銃身の過熱から手を保護するために銃身を覆うように付け
られたカバーの総称で、プレートのようなものからサプレッサーの
様にバレル全体を覆うものまで様々です。
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﹃オートマチック拳銃編﹄
バレル
︵減音器︶をその辺で拾
多くの物がスライドに覆われる形になっています。
また、映画などではよくサプレッサー
った銃などにも簡単に取り付けていますが、基本的に取り付けの加
工 ︵銃口付近の銃身にねじ切りなど︶をしていないとそういった
ものは装着できません。
排莢口
︵遊底︶
基本的には右側に排莢するように作られています。
スライド
ライフル編のボルトを参照。
ハンマー
オートマチック拳銃に限らずハンドガンの多くは外部に露出した
ものになっていますが、ハンマーが銃内部に内蔵されたものやスト
ライカー式というハンマーを持たない拳銃も近年では登場し始めて
います。
デコッキングレバー
起こされたハンマーを、弾を発射させず安全な位置に戻す役割を
持った部品です。
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セーフティ
射手が直接操作可能なものをマニュアルセーフティと呼び、多く
ものがレバー式となっています。
また、デコッキングレバーの機能を兼ねたものもあります。
しかし、最近の銃はマニュアルセーフティ以外の安全装置が発展
し、マニュアルセーフティの無い銃も登場してきています。
スライドストップ
弾を全弾撃ち尽くすと、空の弾倉のマガジンフォロワーが内部の
︵この状態をホールドオープンと呼びます︶
機構と連動しこの部分を跳ね上げ、遊底を後退したままの位置で止
めることが出来ます
また、スライドストップの無い銃でも、マガジンフォロワーが遊
底を固定しホールドオープン可能な銃もあります。しかし、この場
合はマガジンフォロワーが遊底を止めているので、弾倉を引き抜い
た際に遊底が前進してしまいます。
スライドストップが掛かり、ホールドオープンした銃は弾倉を入
れ替え、スライドストップを下に下げるだけで装填が完了するので、
再度遊底を引く必要はありません。
ですが、必ずしもそうしろと言うわけではなく、新しい弾倉に入
︵スライドストップは空の弾倉と連動するので、
れ替えた後、遊底を引いてスライドストップを解除する再装填の方
法もあります。
弾の装填された弾倉が入った状態だと遊底を引いた際に勝手に下に
下がります︶
ランヤードリング
銃にランヤード︵吊り紐︶を通すための輪です。
軍用銃などに多く見られ、主にグリップ底部周辺に設置されてい
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ます。
﹃リボルバー編﹄
シリンダー
リボルバーの弾倉兼薬室部分です。
5∼6発程度の物が多いですが、口径によって8発など大容量の
物もあります。
セーフティ
基本的にリボルバーにはついていませんが、鍵を使いハンマーを
起きないようにさせるキーロック機構などユニークなセーフティを
持った銃も存在します。 18
弾丸の種類1
弾丸の種類について解説します。
これも基本的なものだけの紹介に留めておきます。
今回は弾頭を主に、次回は45口径弾など口径別で弾丸の種類を
解説します。
まず、弾丸の形状にはいくつか種類があり、弾頭が丸いものが﹃
ラウンドノーズ﹄、弾頭が平らになっているものが﹃フラットノー
ズ﹄と区別されています。
︵Lead。またはレッドとも︶﹄
これは弾頭形状の総称で、そこからさらに構造別で派生します。
﹃リード
被甲されていない、鉛剥き出しの弾頭です。
非常に柔らかく、着弾すると弾が潰れるため貫通力はあまりあり
ませんが、その分人体の破壊力は高いです。
また、発火時に溶けやすく、形状変化してしまうため飛距離が出
ず遠くを狙うライフル弾には適しませんし、銃身内部などに溶けた
分がこびり付き動作不良を引き起こしてしまう恐れがある為、実戦
向きではありません。
Metal
Jacket。
ですが非常に安価で、射撃後のメンテナンスもこなせる人ならう
まく使える弾かもしれません。
﹃フルメタルジャケット︵Full
略はFMJ︶﹄
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弾頭全体を合金で覆った弾頭です。恐らく、一番メジャーな弾か
と。
リード弾の様に溶ける事もなく硬いですので、貫通力があります。
また、軍はこの弾を使うことを条約で定められています。
それと、映画などに登場するものの多くはラウンドノーズですが、
Point。略はSP︶﹄
フラットノーズのFMJ弾も存在します。
﹃ソフトポイント︵Soft
弾頭の先端部分だけが被甲されていない弾で、リード弾とFMJ
弾両方の特性を備えています。
そこそこの貫通性能と破壊力を持っていますが、リードの弱点の
︵Hollow
Point。略はHP︶
溶けやすい面も多少ですが受け継いでます。
﹃ホローポイント
弾頭先端にくぼみを持たせた弾頭です。
着弾時、マッシュルーミング︵弾頭がキノコのような形に変形す
る状態︶が起こり、開いて大きくなった弾頭が回転しながら体組織
を切り刻んで破壊する非常に強力な弾頭です。
また、これもいくつか種類があり、前述した弾頭と組み合わせた、
︵SJHP︶
︵LHP︶、ジャケッテッドホロ︱ポイン
︵JHP︶、セミジャケッテッドホロ︱ポイント
リードホローポイント
ト
などがあります。
どれもそれぞれの弾頭にホローポイントの効果を足したものにな
っていて、JHPは貫通力を持たせたHP弾、LHPは被甲されて
いないHP弾となります。
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他にもハイドラショックやブラックタロンと言った会社独自の弾
もありますが、それについての紹介は今回は割愛させていただきま
す。
ただ、一つだけ。シルバーチップと呼ばれるJHP弾があります。
これは、銅などの代わりにアルミやニッケルなどで被甲した弾で、
銅被甲の弾より軽量でより着弾時に広がりやすくなってます。
Piercing
。略A
そして何より、弾頭が銀色です。かっこいいです。銀の弾丸のよ
︵Armor
うで、絵的にも映えるかもしれません。
﹃アーマーピアシング
P︶﹄
いわゆる徹甲弾です。
弾丸の芯に硬質の物質を入れ貫通力を増したもの⋮⋮なのですが、
弾頭が尖ったもの︵ライフル弾のような弾頭︶全般をさす場合もあ
ったりちょっと曖昧です。
また、拳銃弾でもAP弾はあるので、ある程度ならボディアーマ
ーを貫通できる確率を上げれます。ですが、所詮拳銃弾なので過信
はしないように。
﹃ショットシェル﹄
こちらはショットガンに使用するものではなく、拳銃に装填可能
なものの説明です。
各種口径に対応しているようですが、発射後すぐに拡散し始める
ようで、数メートル程度しか効果はなさそうです。
また、最近ではショットガン用のショットシェルを撃てるリボル
バーも開発されたので、ただでさえ薄い影がさらに薄くなる可能性
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も。
ですが、リボルバーはシリンダーにそれぞれ違う弾を入れ、選ん
で撃つことが可能なのでこういった特殊な弾を創作で使ってみるの
もいいかもしれませんね。
﹃バードショット﹄
ショットガンのショットシェルの種類です。
こちらは弾頭ではなく、中に詰まっている小さな粒の種類になり
ます。
バードショットはその名の通り鳥撃ち用で、非常に小さな粒が、
多いもので数百個も入っているものです。
人体に撃っても効果は薄いと思われがちですが、粒1つ1つが鉛
で体に毒ですし、細かすぎて食い込む場所によっては手術でも摘出
︵ダブルオーバック︶﹄
が不可能だったりと非常に危険です。
﹃OOバック
大粒の弾が詰められたショットガンの弾です。
鹿撃ち用ですが、軍や警察でも使われます。
粒の量は9個程度ですが、大きさがパチンコ玉くらいはあるので、
非常に高い威力があります。
また、ゲームなどで誤解されがちですが、ショットガンは意外に
撃った直後はそれほど拡散しません。
10m程度飛んでからゆっくりと広がっていくので、50m位は
余裕で当てれます。
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﹃ライフルスラグ﹄
1つの大きな粒が入ったショットガンの弾です。
熊撃ち用、軍ではドアの蝶番を破壊する目的で使ったりします。
重量があるため高威力でさらに弾道が安定し、高い精度を保つこ
とが可能ですが、その重量のせいで飛距離はそれほど長くはありま
せん。
﹃サボットスラグ﹄
スラグ弾の粒をプラスチックのワッヅで包んだもので、ライフリ
ング加工をされたショットガンで使用すると、発砲時にワッズがラ
イフリングに食い込み、弾に回転を加え弾道の安定化と共に飛距離
を伸ばします。
また、サボットスラグにはHPやFMJといった様々な弾頭形状
があります。
サボットスラグ専用の、銃身にライフリングが刻まれたスラグラ
イフルというものも販売されており、中にはボルトアクションライ
フルの形状をしたものもあります。
﹃フレシェット﹄
最近話題になり始めてきたので、こちらも紹介しておきます。
これは、粒の代わりに小さな矢のような形状の弾が何本も詰まっ
ている弾丸です。
1発の威力はOOバックなどには劣りますが、優れた貫通能力を
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有しており、ボディーアーマーを着た相手に対しても効果的にダメ
ージを与えることが出来るでしょう。
そもそもショットガンの弾は粒なので貫通力があまりありません。
なので貫通力を求めるなら、スラグかこちらを使用した方がいいで
しょう。
まだまだショットガンには特殊な弾がありますが、今回は本や映
画によく登場する物に限らせてもらっているので、ここまでとさせ
ていただきます。ご了承ください。
﹃マグナム弾﹄
通常よりも多めに火薬の量を増やすなど、威力を増す改良を加え
られた弾のことです。
装薬量を多くするために、薬莢を長くしたり薬莢自体に改良を加
えたものを指しますが、最近ではこの弾を使用する銃自体をマグナ
ムと呼ぶこともあるので書き分けに注意です。
ちなみに、アメリカなどでもリボルバーをマグナムと呼んでたり
するので、使い方間違ってるとかは特に気にしなくていいのかもし
れませんね。
なお、薬莢が長くても装薬量は通常のものと変わらない場合もあ
り、それはマグナム弾ではないので注意が必要です。
また、薬莢の長さなどを変えず単に装薬量を増やしただけの弾を
指す場合は、強装弾と呼ぶ場合もあります。表記は弾の名称の後ろ
︵亜音速弾︶﹄
に+P弾、と書きます。
﹃サブソニック弾
弾丸の速度を亜音速にまで落とした弾のことです。
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弾頭重量をわざと増やしたり、装薬量を減らしたりして弾速を調
整するため、通常のものよりも弾道が安定せず飛距離も伸びません。
ですが、弾が音速で飛ぶ際に発生する衝撃波から出る音を抑えら
れるので、サプレッサーと併用すればさらに高い減音効果を発揮で
きるでしょう。
ただ45口径弾などは最初から亜音速なので、サブソニック弾を
使わなくてもいいようですね。
また、装薬量を減らした弾は減装弾とも呼ばれます。
﹃ファクトリーロード﹄
工場から出してそのまま、一切手を加えられずに市販されている
弾薬のことです。
強装弾、減装弾などの区別の為に。 ﹃ハンドロード﹄
ファクトリーロードの逆で、自分で何か手を加えた弾薬の事を指
します。
これは、強装弾を作ろうとして弾丸や銃が耐えきれないレベルの
過剰な装薬をしてしまい事故につながるなど危険も伴いますので、
スキルが無いとなかなかできませんね。
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弾薬の種類2
前回言った通り、今回は各銃に使われる弾の名称の紹介と解説に
なります。
弾の名称は、多くがその口径、つまり弾薬の大きさに固有の名詞
を付ける形となっていますが、大きさはメートル表記だったりイン
チ表記だったりばらつきがあるので、ややこしくなりがちです。
ですので、一応名称のほかに、メートル表記で弾のサイズも書い
ておきます。
銃弾のサイズの見方ですが、例えば9mm×19弾の場合だと、
﹃9mm﹄の部分が弾頭の直径、﹃19﹄の部分が弾頭を含めない
薬莢のみの長さとなっており、19の後ろにアルファベットを足し
てリム︵薬莢の下部分外周のでっぱり︶の形状の違いを表す場合も
あります。
リム形状を表す場合その多くがRと付き、これはリムドを意味す
るのですが、リムドとは薬莢よりリムが若干大きくなっているもの
で、リボルバーの弾薬に多いです。
このリム形状のおかげで、シリンダーに弾が引っかかるようにな
ってます。薬莢とリムが同じ大きさのリムレスなどは、シリンダー
にいれても引っかかる部分が無いのでたとえ入れられても抜け落ち
てしまいます。
また、今回は漫画、映画、アニメなどに登場する銃が使うものを
メインにやっていきます。ご了承ください。
※サイズは資料によって数値にばらつきがあるので、あくまで目
安として覚えておいてください。
﹃リボルバー編﹄
26
﹁.22Magnum﹂
サイズ:5.6mm×26R
オートマチックの拳銃で多い22LR弾の薬莢を長くしたような
弾です。
使用する銃は主にハイスタンダードデリンジャーなど。
スペシャル
﹁.38Spl﹂
︵スミス&ウェッソン︶Splとも。
サイズ:9.65mm×29R
38S&W
多くの銃で使われている弾です。日本の警察もこの弾を使用する
リボルバーを使っています。
﹁.357Magnum﹂
サイズ:9.65mm×32R
.357マグナムは、コルトパイソンなど有名なリボルバーが使
っている弾ですね。
人相手ならボディアーマーを着てない限りこれでも十分です。
﹁.44Magnum﹂
サイズ:10.972mm×32R
おそらく、リボルバーの中では一番有名な弾なんじゃないでしょ
27
うか。
S&WのM29やデザートイーグルなど多くの銃に使われていま
すね。
﹁.45LC﹂
サイズ:11.43mm×32R
コルトSAAなどで使用する弾です。LCはロング・コルトの略。
SAA共々知名度は上がってきたんじゃないでしょうか。
これをオートマチック用に薬莢を短縮しリムレスにしたのが後述
する45ACPになります。
カスール
﹁.454Casull﹂
サイズ:11.63mm×34R
かなり大型で高威力の弾です。当然使う銃も大型のものが多いで
す。
ここまで来ると対人用というより猛獣用ですね。狩猟などに。
主に使う銃はトーラス・レイジングブル、スタームルガー・スー
Magnum﹂
パーレッドホークなど。
﹁.500S&W
サイズ:12.7mm×41R
市販されている拳銃弾ではトップクラスの威力を誇る銃弾です。
当然その分反動も強烈ですが。
28
﹃オートマチック拳銃編﹄
﹁4.6mm×30弾﹂
H&K社が開発したMP7で使う弾です。
PDW用の弾なので他の拳銃弾よりも貫通力などに優れます。
﹁.22LR﹂
サイズ:5.59mm×15
一般的な小口径拳銃弾です。LRはロング・ライフルの略。
安価で低反動なので、民間人には結構人気があります。
﹁SS190﹂
サイズ:5.7mm×28
FN社のP90及びファイブセブンで使用する弾です。
非常に高い貫通力を持った弾になります。
﹁.25ACP﹂
サイズ:6.35mm×16SR
リム形状のSRはセミリムド。薬莢よりもリムが少しだけ大きい
ものです。
29
そこまで威力はありませんが、一応銃弾ですので殺傷能力は十分
にあります。
トカレフ
﹁.30Tokarev﹂
サイズ:7.62mm×25
7.62mmトカレフとも。
日本のヤクザなんかも持ってるあのトカレフが使用する弾ですね。
モーゼル
﹁.30Mauser﹂
サイズ:7.63mm×25
7.63mmモーゼル︵またはマウザー︶弾とも。
使用する銃はモーゼルC96など。
﹁.32ACP﹂
P230など比較的小型の拳銃で多く
サイズ:7.65mm×17SR
ワルサーPPKやSIG
使用されます。
﹁8mm南部﹂
サイズ:8mm×21
名前の通り、日本軍が使用していた銃の弾です。
主に使う銃は南部14年式拳銃など。
30
シグ
﹁.357SIG﹂
サイズ:9.06mm×22
SIG社が作った弾丸で、少しマイナーな弾ですが同社が開発し
た拳銃などで使用でき、公的機関などでも使用されている信頼性の
Makarov﹂
マカロフ
高い弾丸です。
﹁9mm
サイズ:9mm×18
ロシアのマカロフなどで使われている拳銃弾です。
ルガー
Luger﹂
これの強装弾のようなもので、9mmPMMという銃弾もありま
す。
﹁9mm
サイズ:9mm×19
9mmルガー、または9mmパラベラムとも。
現在軍や警察などに使われている拳銃の多くはこの弾を使用しま
す。
ベレッタ社の拳銃やグロック17など、この弾を使う銃も有名な
物が多いですね。
﹁.40S&W﹂
31
サイズ:10.16mm×23
装弾数は9mmとそう変わらず、45口径と同程度の威力を確保
できる弾として、現在357SIGよりもこちらの弾の方に注目が
集められています。
例えば、SIG社のP226は9mm弾で装弾数が15発なのに
対し、40S&W弾で12発とそう変わらず、45口径弾を使用す
るコルトM1911が7発と40S&W弾仕様のP226はこれの
倍近い装弾数になります。
9mmとそこまで変わらない装弾数に45口径とほぼ同等の威力
と非常に実用的な弾丸で、最近ではこの弾を使用可能な銃も増えて
きています。
﹁.45ACP﹂
サイズ:11.43mm×23
こちらも9mmパラベラム同様知名度の高い弾ですね。
大口径弾の類に入り、弾頭重量も重く、かなりの破壊力を持ちま
す。
また、弾速も音速を超えないので、サプレッサーとの相性もいい
ですね。
﹁.50AE﹂
サイズ:12.7mm×33
AEはアクション・エクスプレスの略。
大口径弾で、これを撃てる銃はそれほど多くはありません。
その中ではデザートイーグルが有名ですね。
32
﹃ライフル編﹄
﹁5.45mmUSSR﹂
サイズ:5.45mm×39
AK74などに使用する、ライフル弾です。
高い貫通力に加え、柔らかいものに着弾すると回転しながら内部
を掻き回すという非常に強力な弾丸です。反面、硬いものは貫通す
るだけと効果は薄くなりますが。
﹁5.56NATO﹂
サイズ:5.56mm×45
SS109弾と呼ばれるものが、今アメリカ軍がM16やM4で
使用しているものになります。
現在使われている5.56mm弾というと、大体こちらになりま
すね。
﹁7.62NATO﹂
ウィンチェスター
サイズ:7.62mm×51
.308Winchesterとも。
多くの大口径アサルトライフルや、スナイパーライフルはこの弾
を使用します。
アメリカ軍で言えば、M14や、M40などでしょうか。
33
﹁USSR
M1943﹂
サイズ:7.62mm×39
AK47、AKMなどで使用される銃弾です。
Russian﹂
ロシアン
安価で、AK74が登場した現在でも使われています。
﹁7.62mm
Type
54Rとも。
サイズ:7.62mm×54R
URRS
1891年頃から使用されている銃弾で、現在でもドラグノフな
マグナム
Magnum﹂
どで使用されているロシア製の銃弾です。
ラプア
﹁.338Lapua
サイズ:8.58mm×71
スナイパーライフルに使用する大口径弾です。
1?以上の狙撃でも精度を保てる銃弾で、近年では7.62mm
タック
ではなくこちらを使用するスナイパーライフルも増えています。
シャイ
﹁.408Chey−Tac﹂
サイズ:10.36mm×77
シャイアン・タクティカル社の銃のみが使用できる専用弾で、5
0口径のライフル弾よりも小さいですが、低反動高精度でほぼ同じ
距離の狙撃を可能としています。
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ウェザビー
﹁.460Weatherby
マグナム
Magnum﹂
サイズ:11.63mm×74
ウェザビー社が開発している銃弾で、ゾウでも殺せる威力がある
⋮⋮と、言われています。
実際かなりの破壊力と貫通力があり、市販されている銃弾の中で
はトップクラスの威力を持ちます。
﹁.50BMG﹂
サイズ:12.7mm×99
.50Caliberとも。
狙撃銃では、対物ライフルのバレットM82。さらに重機関銃の
M2など幅広い活躍を見せる銃弾です。
Soviet﹂
非常に強力な銃弾で、知名度もかなり高いです。
﹁14.5mm×114
サイズ:14.5mm×114
デグチャレフPTRD1941、シモノフPTRS1941とい
った、まだ対戦車ライフルという名称が使われた時代の銃弾です。
35
サプレッサーについて
今回は、サプレッサーについて解説します。
説明するのはいわゆるサウンド・サプレッサー ︵減音器︶の方
で、フラッシュサプレッサー ︵消炎器︶などではありません。
そちらはまた別で解説をします。
サプレッサーとは、主に銃声、銃の発射音を低減させるもので、
多くが筒状の形をしており、銃口部分に装着する物がほとんどです。
サイレンサーとも呼ばれることがありますが、音を完全に消す﹃
消音﹄ではなく、低減させるだけですので、一応はサプレッサーの
方が正しいです。
ですが、日本ではサイレンサーという呼び方の方が広まっており、
そちらの方が多くの人に伝わりやすいと思われます。
狙う読者層にもよりますが、特に銃などの描写に拘らないという
作品なら、サイレンサーと表記した方が銃についてあまり詳しくな
い方でも分かりやすいでしょう。
専門書でもない限り、必ずしも正しい表記をしろというものでも
ありませんので、たとえ間違っていても読者に伝わりやすい方を選
んだ方が無難です。作品の傾向での書き分けが重要ですね。
サプレッサーは先ほど言った通り、完全に音を消すための装置で
はありません。
ですが、発砲音を低減することにより、銃声を遠くまで響かせる
ようなこともないですし、他にも距離感や発砲位置を錯覚させる効
果も期待できます。 36
また、サプレッサーの消音効果は一定ではなく、銃・サプレッサ
ー・弾、この3つの性能で大きく変わり、中には本当に作動音しか
聞こえなくなるような銃も存在します。
ですが、ここで注意してもらいたいのが、サプレッサーの減音機
能は﹃銃口から出る音﹄を低減させるだけ、ということです。
つまり、他の部分から漏れる音や銃の作動する音はサプレッサー
でもどうしようもありません。
例えば、オートマチックの拳銃でも、発砲時はスライドが後退し
てしまうので、排莢口から音が漏れてしまいます。
そして銃の作動音、つまりハンマーが落ちる音、ボルトやスライ
ドが動く音などもサプレッサーで消すことはできません。
弾が音速以上で飛んだ時に出る衝撃波の音も消すことは出来ませ
ん。ですがこの場合は、前に紹介したサブソニック弾 ︵亜音速弾︶
を使用することで解消可能です。 リボルバーの場合は一部を除き、構造上どうしてもシリンダーの
間に隙間ができてしまうので、サプレッサーを用いても大した減音
効果は期待できません。
サイレンサーの種類もいくつかあり、銃口にねじ切り加工をして
あるものに締め込むタイプの物、フラッシュサプレッサーや銃身の
溝にレバーで固定し素早い着脱が可能なタイプ、銃身自体がサプレ
ッサーとなっている一体型など様々なものが存在します。
しかし、多くの銃はサプレッサーを装着することを前提として作
られていませんので、装着するための加工を施さねばならなかった
り、拳銃などではサプレッサーでサイトが隠れてしまい、狙い辛く
なるなどの問題が発生することもあります。
では、どういう状況でサプレッサーは使われているのか。
というと、軍の隠密作戦などをイメージしてしまいますが、実際
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にはその他にも様々な用途で使用されています。
音を小さくするので、耳を保護する目的でサプレッサーを使用す
る場合もありますし、銃身が延長されることにより初速が向上する
場合もあり、それを狙って使用することもあります。
また、サプレッサーはフラッシュサプレッサーと同じ消炎器とし
ての効果も発揮でき、減音ではなく消炎目的で装着されることもあ
ります。この場合はリボルバーでも効果を発揮するので、消炎目的
でならリボルバーに装着する事にも十分意味はあります。
というわけで、サプレッサーの解説は以上です。
これ以上に詳しい説明などが必要な方は、その旨を感想欄にでも
書いていただければ、返信、或いは別の記事を作るなどの対応を取
らせていただきます。
38
銃の構え方︵拳銃編︶
今回は銃の構え方についてです︵握り方ではありません︶
全てを書くと長くなるので、今回は基本的なものだけを紹介し、
ライフル編と拳銃編で分けていきたいと思います。
また、解説は文章だけとなりますので、なかなかイメージしづら
いかもしれません。
その場合はお手数ですが、今回解説する構えの名称で検索をして
いただければ、他のサイトで詳細な画像や動画などを見ることが出
来ると思います。こちらでそういったものをご用意することができ
ず、誠に申し訳ありません。
では、まずは拳銃からですね。
﹁アイソセレススタンス﹂
まずは肩幅程度に足を開き、膝を少しだけ折り曲げて上半身を前
方に寄せ、前傾姿勢を取ります。
直立のままでは、反動でバランスを崩してしまったり手首に余計
な負担をかけてしまう恐れもあるので、身体を支える下半身の使い
方も重要になってきます。
次は、その状態から両手を突き出すようにまっすぐ伸ばし、銃を
構えます。
上から見ると、腕と体で二等辺三角形の形が作られるように、銃
は顔の正面にくるように心がけてください。
この構え方は、上半身を曲げるだけで左右どちらの方向にも均等
39
に向くことが可能で、他の構え方よりも横方向の対応性に優れてい
ます。
また、銃が顔の正面に来ることで、利き目を選ばない構え方でも
あり、現在の軍隊ではこの構え方が一般的になっています。
弱点としては、標的に対して真正面を向いた状態になるので、身
体を晒す面積が増え被弾しやすくなるという点でしょうか。
そのせいか、最初から防弾機能を持った装備を着た軍隊向けの構
え方とも言われているようです。
﹁チャップマンスタンス﹂
後述するウィーバースタンスとしばしば混同される構え方です。
というか本場ですらウィーバーと呼ぶこともあるので、何か区別し
なければならない場合でもない限りは、これもウィーバースタンス
と呼んでもらっても構いません。そんなに変わらないですし。
まずは利き足を後ろに引いて、身体を斜めにします。
これも、直立ではなく、少しだけ重心を前に寄せて前傾姿勢を取
るようにしてください。
次に銃を持った方の手を伸ばし、添える方の手は肘を曲げます。
これで一応、構えは完成です。
身体が半身になっているので、標的に晒す面積が減り、被弾しに
くくなるという利点はあります。
しかし、左右で異なる体勢の為、銃を持った腕の方向へ身体を向
ける場合、身体全体を移動させないといけないので、素早い対応が
しきれない方向が出来てしまいます。
40
しかも、利き手と利き目が逆の場合、腕を利き目側に寄せるか、
頬を二の腕の辺りに付けることになりますが、頬を付けると顔が斜
めに向いたりして実戦には向かない姿勢になってしまいます。
また、一方の腕に負担がかかるのも問題なのですが、アイソセレ
ススタンスよりも構えやすいという理由で初心者でも使いやすい構
え方と言われているようですね。
画面映えもするようで、映画や漫画ではこちらの構え方が多く使
用されている気がします。
﹁ウィーバースタンス﹂
ほとんどチャップマンスタンスと似たようなものです。
違いは、銃も持つ側の腕も曲げた状態にして構えるということで
すね。
チャプマンスタンスよりは左右の射角が開けますが、両手を曲げ
ているので反動の制御がしにくく、精密射撃には向かない構えです。
チャップマンスタンスもウィーバースタンスも、体勢的に移動し
やすく、両腕で構えるアイソセレススタンスは腕で視界を遮ってし
まうのに対し、こちらは広い視界を保った状態を作ることが可能で
す。
人によっては、こちらの方が即応可能という人もいるでしょうね。
これら3つが、基本的な拳銃での構え方となっています。
もちろん他にも、ある状況に特化した構えなど様々なものがあり
ますが、そこまで紹介すると膨大な量となり、専門的な部分も多く
なってくるので今回は割愛させていただきます。
また、紹介した構えは基本的なものではありますが、必ずしもこ
41
の型通りにしろというものではなく、射手の体格や癖など条件次第
では余計に扱いにくくなってしまう場合もありますので、自分がや
り易いように崩してもらっても構いません。
銃を撃ちやすくするための構え方なのに、型通りを目指して撃ち
にくくなってしまっては、それこそ本末転倒です。
こういった構え方などは人によってやり易い形があります。です
ので、他人に対し型通りを強要するような発言は避けていただける
と嬉しいです。
次回はライフル編です。
42
銃の構え方︵ライフル編︶
予告通り、今回はライフルの構え方について解説します。
しかし、それぞれ姿勢別で複数の構え方がある上、専門的な本で
もない限りそうそう名前も登場しないので、それぞれ姿勢別の射撃
時の名称と基本的な構え方のみを書いていきます。
﹁スタンディングポジション ︵立射︶﹂
名前の通り、立った状態での射撃姿勢全般を指す言葉です。
利き手でグリップを握り、反対の手でハンドガードを持ちます。
頬はなるべくストックにつけるようにしてください。
一応、これが基本的な立射の構えで、オフハンドポジションとい
う名前が付けられているようです。
先ほども言いましたが、専門誌を読んだり普段銃を触るようなこ
とをしている人でない限り、なかなか見る機会のない名称なので、
小説に使う場合は立射と一纏めに括った方が読者には伝わりやすい
です。
﹁ニーリングポジション ︵膝射︶﹂
こちらは膝を床に付けた状態での射撃姿勢です。
膝射 ︵しっしゃ︶と読みます。
基本的な姿勢は、利き足側の膝を床につけ、片膝立ちの状態を作
ります。
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次に、立射の時と同様に利き手はグリップを握り、もう片方の手
でハンドガードを握ります。
この時、グリップを握らない方の手は肘を膝に付けると、銃を安
定させることが出来ます。
﹁シッティングポジション ︵座射︶﹂
座った状態での射撃姿勢です。
まず、座った状態で足を開きます。体育座りの両足を開いた感じ
というと、イメージできますかね?
その状態から上半身を少し前の方に傾け、両肘を膝、もしくは脛
の部分に乗せて銃を構えるものがオープンレッグシッティング。
胡坐をかいたような姿勢で、両肘を膝の辺りに乗せて構えるのが
クロスレッグシッティング。
と、他にも様々な種類の名称や構え方がありますが、専門的な部
分まで食い込んでくるので、この辺で切らせていただきます。
やはりこれも、伝わりやすさを重視するなら座射とまとめて書い
た方がいいと思いますよ。
﹁プローンポジション ︵伏射︶﹂
いわゆる伏せ撃ちです。
うつ伏せの状態から構えるもののほかにも、仰向けの姿勢や横に
寝た状態で構えるものなど複数の種類がありそれぞれに名称がつい
ています。
ですが一般的に伏せ撃ちというと、うつ伏せの状態で構えるもの
44
を指す場合が多いですね。
そもそもうつ伏せ以外の構えをしている作品をあまり見ない気も
します。
このように射撃姿勢といっても、それぞれの体勢別に呼び方があ
り、そこから複数の構え方でまた別々に派生していくので、全てを
把握するのはなかなか難しいです。
また、ライフル編と分けてはいますが、拳銃でも同様に立射以外
にこちらで紹介したような各姿勢での射撃姿勢を取ることが可能で
す。
どちらかといえばライフルで使用する機会の多い姿勢ということ
も含め、便宜上分けさせてもらいました。
また、座射や伏射はどちらかといえば狙撃に特化した姿勢で、主
に狙撃銃を構える場合に多く用いられる射撃姿勢です。
その為に素早く立ち上がることが出来なかったり、即時の対応が
できないので、アサルトライフルなどを使用する場合にはあまり有
効とは言えません。もちろん、やってはいけないという事でもあり
ませんが。
これで、銃の構え方の解説は終了です。
もしかしたら、今回紹介しきれなかった専門的な各構え方の名称
などもまた別の機会に解説するかもしれません。
何かご質問等ありましたら、感想欄に質問内容を書いていただけ
れば、その都度対応させていただきます。
45
銃の構え方︵射撃準備姿勢︶
銃の構え方は前のもので終わりといいましたが、追加で少しだけ
補足的な解説をします。
今回するのは、射撃姿勢とは別に、その中間といいますか、射撃
準備姿勢といった方がいいですかね。射撃姿勢を取るまでの銃の構
え方、レディポジションともいうらしいですが、それの紹介をして
おきます。
やっぱり、射撃姿勢のまま移動などはしにくいので、こういった
中間の姿勢が必要となってくる場合があるんですよね。あとは安全
上の問題などで。
ただ、これは銃口の向いている向きを現すときに使用する程度な
ので、複数の構え方があり、1つだけの決まった形というものはあ
りません。
﹁コンバットレディポジション﹂
銃口が水平を保った状態で構えた場合を指します。
銃口が上にも下にも向かないようにしてください。
アイソセレススタンスから腕を手前に戻し、胸の辺りに銃を持っ
てくるコンバットレディポジションが代表的でしょうか。これだと
腕を伸ばすだけで即座にアイソセレススタンスに移ることが可能で
すね。 銃口が水平なため、この状態からでも発砲が可能で、咄嗟の射撃
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など即応性に優れる反面、前方に味方がいると誤射の危険性も高ま
るので、注意が必要な構えです。
他にもいろんな構えがありますが、とりあえず銃口が水平方向に
向いてるならコンバットレディとなります。
﹁ロウレディポジション﹂
銃口が下向きになっている状態での構えです。
映画などでたまに見る、ウィーバースタンスの状態から少し銃を
下げて︵銃口を下に向けて︶移動するシーン、あんな感じのもので
す。あれもロウレディポジションですね。
腕か手首を少し動かすだけでウィーバースタンスにもチャップマ
ンスタンスにも移行可能です。
また、先ほど説明した胸に銃を持ってくるコンバットレディポジ
ションで、銃口を下に下げた場合もロウレディポジションとなりま
す。
ライフルでは、軽く肩にストックを付けた状態ですぐ構えられる
ようにしたまま、銃を下に向ける形になりますかね。
本当に銃口の向きが基準なので、構えはそれほど重要でもないで
すね。一応それぞれに基本となる構え方が数種類ありはしますが、
その説明は余計にややこしくさせてしまいそうなので、省かせてい
ただきます。
こちらは銃口が下に向いているため、コンバットレディの様に即
時の対応はできませんが、近くに撃ってはいけない人がいる場合、
誤射を防ぐことが出来ます。
また、どの構え方でも大体が銃を下げた状態になる為、他のレデ
ィポジションよりも視界が開けます。
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﹁ハイレディポジション﹂
銃口が上向きになっている構えです。
映画などで顔の近くに銃を持ってくるものは、ハリウッドレディ
とも言われ、画面に銃と顔を収めるために行う行為であり、実際に
やると危険なだけですので、あまり推奨はできません。
これも、先ほどのアイソセレススタンスから胸の辺りに銃を持っ
てくる方法で銃口を上向きにするだけでも1つのハイレディポジシ
ョンになりますね。
ライフルでは、小脇に抱えたりストックを肩に付けたまま銃を上
に向かせた状態など。
こちらもロウレディポジション同様銃口が正面を向いていないの
で、人への誤射の確率も減らせます。
また、銃が目線と同じ高さにくるので、銃の状態︵安全装置がか
かっているか、など︶を素早く把握することも可能です。
ですが、どちらかといえば持ち上げる形になるせいかロウレディ
より射撃姿勢に移りにくかったり、上に物がある場合銃を引っかけ
てしまう可能性もあり、ライフルでは視界を遮ってしまう可能性も
あります。
ちなみに、ロウレディもハイレディも自分の正面への誤射を防ぐ
ことが出来はしますが、上または下に味方がいる状態、床か天井が
撃ってはいけないものであった場合にはどちらも不便な構えとなり
ますので、コンバットレディを選択した方がいいです。
状況によって使い分けが重要ですね。
48
これが、主な射撃準備姿勢。レディポジションになります。
しかし、かなり細かい部分ですので、詳細に書きたい、という人
でもない限りはこちらで紹介した表現は避けた方がいいでしょうね。
これで今回の解説を終わります。 49
フラッシュサプレッサーについて
今回はサプレッサーの記事で言った、フラッシュサプレッサー ︵消炎器︶についての解説をします。
これは特に細かい形状などに決まりはなく、消炎効果を目的とし
たものであればフラッシュサプレッサーと呼んでも差し支えはあり
ません。
また、フラッシュサプレッサーという言い方の他に、フラッシュ
ハイダーと呼ばれる場合もあります。というよりこっちの方が一般
的かもしれません。単にハイダーと略されることも。
フラッシュサプレッサーは、銃口部分に装着し、銃口から出る発
射炎を低減することが目的です。
円筒型のものに切れ目や穴をあけたような形状のものが多いでし
ょうか。
最近のアサルトライフルには最初からついてたりするのが殆どで
すね。
また、消炎とは書かれていますが、低減するのがせいぜいで、な
かなか完全に発射炎を消すことはできません。
ですが、これを付けていないと、発射炎はとても強力になり、射
手の視界を遮ってしまうどころか、下手をすると大きな発火の光で
敵に位置を知らせてしまうことになりかねません。
そこで、フラッシュサプレッサーで発射炎を分散させ、光を弱め
射手の視界を確保させるようにするわけです。
先ほども言いましたが形状は様々で、横に穴が開けられ発射炎を
左右に分散する物もあれば、×の形に切って多方向に分散させ効率
50
よく発射炎をカットするものなどたくさん種類があります。
また、M4などの一部の銃のフラッシュサプレッサーは、上方向
に発射炎を出すようにして、銃が跳ね上がるのを抑える役割を兼ね
たものになっています。
上方向といっても複数穴があけられていたりするので、射手の視
界を完全に遮るほど大きな発射炎は出ません。
最近では他にもいろんな機能を持ったものが登場し、先端が鋭利
なスパイク状になっていて、打突武器として利用可能なものだった
り、先端に平らな突起を付け、窓を割ったり非殺傷性の打撃武器と
して使用可能なフラッシュサプレッサーなども出てきてます。
これで、フラッシュサプレッサーの解説は以上となります。
次回は、同じ銃口に付けるもの繋がりでマズルブレーキについて
解説しようと思っています。
51
マズルブレーキについて
今回はマズルブレーキについて解説します。
拳銃では﹃コンペンセイター﹄とも呼ばれ、銃口部分に装着し、
形状は穴が開いた円筒もしくは箱型のような形状のものが多いです。
バレット社の対物ライフル、M82A1のものが特徴的で分かりや
すいでしょうかね。
また、現在の銃、主にライフルではフラッシュサプレッサーがマ
ズルブレーキの機能も兼ねている場合も多いです。
フラッシュサプレッサーの記事で解説したM4のフラッシュサプ
レッサーもそうですね。
ちなみに、マズルブレーキは銃に限った物ではなく、戦車や大口
径の砲などでも装着されることもあります。
マズルブレーキは、発射時に生じる燃焼ガスを銃口とは別の部分
から噴出させ、反動を抑えて銃の跳ね上がりを抑制する効果があり
ます。
これも物によって様々で、横にガスを逃がして銃が左右にぶれる
のを抑制するものや、上にガスを噴出させて銃口の跳ね上がりを抑
えたりするものがあります。
最初に言った、コンペンセイターは主に競技用の拳銃などで装備
されているのですが、これは拳銃であれば何でも、というわけでも
なく、サプレッサーと同じで取り付けには銃側にもそれ用の加工が
必要で、フレーム側もしくは銃口に固定して使用します。
拳銃の場合はコンペンセイターの重量自体がかなりある為、それ
だけでも銃口の跳ね上がりを抑えることが出来ますが、重量が増え
全長が長くなるなど欠点ももちろんあります。
52
また、競技用の拳銃では他にも、マグナポートと呼ばれるマズル
ブレーキやコンペンセイターと似たものがあり、最初に作った会社
の商品名がそのまま通称として広まっているようですね。
こちらは、銃身に穴をあけ、コンペンセイターなどを付けずに銃
身そのものにその効果を与えるものですが、銃身を加工するので弾
道が不安定になったりガスを出しすぎて弾丸が飛ばなくなったりと
いった欠陥が生まれる場合もあります。
しっかりと作られていればその辺の問題も解消できますが、工作
精度の要求される加工ですね。
それに、ガスを銃身から逃がすので、銃身を覆うスライド部分に
も銃身から出たガスを放出するため、同じ位置に穴を空ける必要が
あります。
基本的にコンペンセイターやマグナポートは競技用の拳銃かもし
くは連射可能なマシンピストルで用いられます。
重量が増えたり穴がある分、塵や泥などが入りやすくなり携行性
や耐久性にも欠けてしまうので軍用で使うには少し不便だからです。
でも大口径の拳銃などでは、コンペンセイターがあるかないかで
大分反動が変わるようですね。それくらい重要な部品でもあります。
また、サプレッサーもガスの分散や重量が増えるなどの影響で、
減音消炎だけでなくちょっとしたマズルブレーキと同じような効果
を発揮する場合があります。
これでマズルブレーキの解説を終わります。
53
銃の紹介︵拳銃編︶
今回は、様々な漫画や映画に登場するメジャーな銃の紹介をして
いきたいと思います。 また、○○が無い、○○はメジャーじゃないの?といった事があ
るかもしれませんが、あくまで私が有名だと思っているものの紹介
なので、偏りも少しはあるかと思いますが、その点はご了承くださ
い。
長くなりそうなので、種類別で分けて紹介していきますね。まず
は拳銃からです。
※要望があったので、装弾数と使用弾薬についても表記しますが、
複数の弾に対応している銃は、よく使われている弾のみを書きます。
﹃M1911﹄
装弾数:7+1
使用弾薬:45ACP
コルト社製の自動拳銃です。
100年ほど前に作られてから、様々な改修を受け現在も使われ
ている歴史のある銃ですね。
銃が出る作品には必ずと言っていいほど顔を見せています。
日本ではガバメントといった方が通じるかもしれませんね。
また、コルト社以外にもたくさんの会社がM1911を元とした
54
銃を作っており、バリエーションの多さは他の拳銃よりも圧倒的に
多いです。
45口径という大口径弾を使用しますが、比較的日本人でも握り
やすいグリップの太さで、結構日本にもマニアはいるそうですよ。 ﹃ベレッタM92﹄
装弾数:15+1
使用弾薬:9mm×19パラベラム弾 ピエトロ・ベレッタ社の自動拳銃です。
本来はMが付かないらしいですが、分かりにくいですしMを付け
た方が一般的になっているので、便宜上付けたままの表記をさせて
いただきます。 ベレッタ、といえば多くの人がこの銃を連想するとは思いますが、
ベレッタは社名でもあるので混同に注意です。
こちらもM1911同様、映画などでも数多く登場し、ライセン
ス生産品など多数のバリエーションもあります。
SAUER
P226﹄
米軍はM9という名称でこの銃を採用してますね。
﹃SIG
装弾数:15+1
使用弾薬:9mm×19パラベラム弾
シグ・ザウエル&ゾーン社の自動拳銃です。
数々の特殊部隊や警察などに採用されています。
55
9mmのほかにも40S&Wなど数種類の弾に対応し、最近では
45口径弾が使えるP227という銃も登場したようですね。
P226は他にもコンパクトサイズのP229など、P22○と
付く物が数種類があって、P22Xシリーズとまとめて呼ばれるこ
ともあるようです。
映画などの登場頻度は上記2つよりは少なめに感じますが、それ
でも多い方だと思います。
﹃グロック17﹄
装弾数:17+1
使用弾薬:9mm×19パラベラム弾
グロック社の自動拳銃です。
17以外にもたくさんの種類がありますが、代表的なものとして
こちらを。
ハンマーが無く、トリガーに安全装置が組み込まれているという
独特な機構を持っています。
また、フレームなどにプラスチックなどを多用し、ポリマーフレ
ームピストルとして一躍有名になりましたね。ただ、世界初のポリ
マーフレームピストルというわけではないので注意です。
それでも、有名になったのはグロックのおかげといってもいいで
しょうね。それもあって最近はポリマーフレームのピストルも多く
登場しています。
こちらも、特に警察などで多く使用され、映画でも登場頻度の多
い銃です。P226と同格かそれ以上でしょうね。
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﹃デザートイーグル﹄
装弾数:7+1
使用弾薬:50AE
IMI社の自動拳銃です。
大口径であるのもそうですが、独特のフォルムから意外といろん
な映画に出てきてますね。大きい分、画面映えするんでしょうか。
50口径弾だけでなく、44マグナムなども使用可能です。
ただ、50口径クラスになると、同口径のリボルバーと比べて銃
身が短くマズルブレーキもついていないため、反動が強めのようで
すね。
もちろん、長銃身のバレルに交換したりマズルブレーキを付ける
ことで解消はできると思いますが。
﹃Mk23﹄
装弾数:12+1
使用弾薬:45ACP
H&K社の自動拳銃です。
日本ではソーコムとも呼ばれているようですが、海外では通じな
いかもしれません。
某ステルスゲームで人気が出たような気もしますね。
USPをベースに作られたらしいですが、USPのほうがいろん
なバリエーションを展開しているので、もしかしたらUSPの方が
日本での知名度は高いかもしれません。
57
耐久性や精度などは十分ですが、重くて大きく高価なため実際に
はあまり使われなかったようですね。
民間用も同じく高価なため、恐らく買うのはマニアとかに限られ
たのではないかと思います。断言はできませんが。
﹃SAA﹄
装弾数:6
使用弾薬:45LC
コルト社製のリボルバーです。
SAAは、シングル・アクション・アーミーの略ですね。
他にも、﹁フロンティア﹂、﹁ピースメーカー﹂などとも呼ばれ
ています。
西部劇では必ずと言っていいほど登場する銃ですね。
シリンダーが外部に出せないため、ローディングゲートと呼ばれ
る場所を開き、そこから一発ずつ取り出しては入れ直さないといけ
ないので、熟練した人でも再装填にはかなり時間を使います。
また、シングルアクションと呼ばれる機構で、ハンマーを起こし
ておかないとトリガーを引いても弾を発射できません。
﹃コルトパイソン﹄
装弾数:6
使用弾薬:357マグナム
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コルト社製のリボルバーです。
外見も特徴的で、割と映画などでも登場数は多いですね。
357マグナムを使用するリボルバーの中ではかなり有名な方で
はないでしょうか。
﹃M29﹄
装弾数:6
使用弾薬:44マグナム
S&W社のリボルバーです。
映画﹁ダーティーハリー﹂で使用されてから、一気に人気が出た
んですかね。
44マグナムというとこれをイメージする方もいるそうです。
拳銃で有名なのはこんなものでしょうか。
もちろん他にもあるとは思いますが、全部を紹介はしきれないの
で、私が思う特に有名そうなのを選んでみました。
次回はサブマシンガンの紹介になると思います。
59
銃の紹介︵サブマシンガン編︶
今回は有名なサブマシンガンの紹介です。
﹃MP5﹄
装弾数:30+1︵マガジンの大きさによって装弾数は変わりま
す。30連は一般的に多くみられる大きさのマガジンです︶
使用弾薬:9mm×19パラベラム弾
H&K社製のサブマシンガンです。
これはかなり有名といってもいいんじゃないでしょうか。
本来、弾をばら撒く程度の精度しかなかったサブマシンガンです
が、この銃は狙撃が出来るまでに精度を上げたもので、各国の警察
や軍、日本の警察も使っています。
狙撃が出来る、といっても、所詮拳銃弾なのでそこまで遠くは狙
えませんが、狙って当てられるだけ他のサブマシンガンよりも優秀
です。
また、バリエーションも多く、サプレッサーが内蔵されたモデル
のほか、アタッシュケースに入る大きさのコンパクトモデルなども
あります。
﹃イングラムM10﹄
装弾数:32
60
使用弾薬:9mm×19パラベラム弾
MAC︵ミリタリー・アーマメント・コーポレーションの略︶の
サブマシンガンです。
それを取って、MAC10︵マックテン︶と呼ばれることもあり
ますね。イングラムは設計者の名前です。
大型のサプレッサーを装着しているものを見る機会が多いですね。
連射速度がかなり速めで、32発を1秒ちょっとで撃ち尽くして
しまいます。
こちらはMP5とは違い、本当に弾をばらまく程度にしか使えま
せんね。サイトも単純なもので狙撃には適していません。
﹃UZI﹄
装弾数30
使用弾薬:9mm×19パラベラム弾
IMI社製のサブマシンガンです。
スチール製で、かなり重いらしいです。
また、いろんな弾薬に対応してますね。
意外といろんな作品に顔を出してる気がします。
﹃トンプソンサブマシンガン﹄
装弾数30
使用弾薬:.45ACP
61
オートオードナンス社製のサブマシンガンです。
1921年から生産され始め、トミーガン、シカゴタイプライタ
ーなど様々な愛称でも呼ばれていますね。
50発のドラムマガジンが付いたものの方が見る機会は多いでし
ょうか。
ですが、この銃は設計が簡略化されコストダウンをしたトンプソ
ンM1というタイプもあって、こちらはドラムマガジンが装着でき
ないようになっているので注意が必要ですね。
M1、それとM1A1は第二次大戦中に大量生産することになり、
それに合わせて生産にかかるコストを減らす目的で作られたもので
す。
そのために、一部の部品などが簡略化され、その際にドラムマガ
ジンを固定する部分も排除されてしまったので、ドラムマガジンを
付けることが出来ないのです。
﹃Vz.61﹄
装弾数20+1
︵チェスカー・ズブロヨフカ︶製のサブマシンガンです。
使用弾薬:.32ACP
CZ
スコーピオンとも呼ばれていますね。
小口径の弾を使いますが、もともとたくさんの弾を一度に撃つの
がサブマシンガンなので、接近戦では非常に火力の高い武器となり
ます。
加えて小口径なので反動も少なく、扱いやすいというのも利点で
しょうか。
62
それにサブマシンガンというより、マシンピストルに分類しても
いいくらい小型です。
ちなみに、レーザーサイトは標準装備ではありません。
﹃PP−19﹄
装弾数:64+1
使用弾薬:9mm×18マカロフ
イズマッシュ社のサブマシンガンです。
ビゾン、という呼び方のほうが知っている方は多いと思います。
この銃は、ヘリカルマガジンと呼ばれる、マガジン内部に弾を螺
旋状に込めることでより多くの装弾数を稼ぐことのできるマガジン
を装備しています。
ヘリカルマガジン自体は、ビゾンの前から開発されてましたね。
また、同じヘリカルマガジンを使用し、外見も少しだけにてるP
P−90M1という銃がありますが、ビゾンがAK系の設計なのに
対し、こちらは独自の設計で開発元も違う別の銃です。
割と間違われている方が多くいたので、一応書いておきます。
﹃P90﹄
装弾数50+1
使用弾薬:5.7mm×28
FN社のPDWです。
63
サブマシンガンと似たようなものなので、こちらに。
ヘリカルマガジンとは違いますが、こちらも弾丸を横向きに装填
することで多く弾が入るようになっています。
また、排莢口が下に付いていて、左右どちらからも同じように操
作可能と利き手を選ばない銃でもあり、弾も特殊なもので非常に貫
通力の高いものになっています。
他のサブマシンガンと比べれば、圧倒的に性能は上ですが、5.
7mm弾を使う銃が限られているのが欠点といえば欠点でしょうか。
﹃MP7﹄
装弾数:40+1
使用弾薬:4.6mm×30
H&K社のPDWです。
P90と似たようなものですが、よりコンパクトな形になってい
ます。
耐久性も精度もなかなかあるようです。
伸縮式のストックと可動式のフォアグリップが標準装備で、上面
と左右にしっかりとレールが設置されているので、P90より拡張
性はこちらの方が高いでしょうね。
また、サプレッサーを使った場合、同社のMP5のサプレッサー
内蔵モデルよりも音を小さく出来ると言われています。
64
銃の紹介︵アサルトライフル編︶
今回はアサルトライフルの紹介です。
カービン、バトルライフルなども似たようなものなのでこちらで
紹介したいと思います。
﹃M16﹄
装弾数:30+1
使用弾薬:5.56mm×45
アーマーライトが設計したアサルトライフルですね。今販売、製
造しているのはコルトですが。
製品名がAR15で、アメリカ軍が採用した名前がM16ですね。
さまざまな改良を受け現在も使われています。
また、最近開発されている銃でもこれを元に作っていたり、非常
に優秀な設計であることが分かりますね。
民間用のAR15を製造するメーカーや、カスタムパーツの豊富
さもあって、かなり有名です。
﹃AK47﹄
装弾数:30+1
使用弾薬:7.62mm×39
M16同様有名なアサルトライフルの1つですね。
65
大口径で耐久性もあり、操作も比較的簡単で整備もしやすいと優
秀な銃です。
現在コピー品含め様々なバリエーションが存在し、まだ現役で戦
場で使われていますね。
先ほど言った耐久性などは、あくまでオリジナル、ロシア製のA
K47のことであって、コピー品などは壊れやすかったりと性能に
ばらつきがあります。
また、最近の銃はかなり耐久性をあげれているので、そこまで他
よりも秀でて耐久性が高いというわけでもなくなってきていますね。
﹃M4﹄
装弾数:30+1
使用弾薬:5.56mm×45
M16のカービンモデル。銃身を短くしたものですね。
こちらもM16同様、豊富なカスタムパーツがあります。という
より、ほとんど同じものなので大体M16に付けられるのならこっ
ちにもつけられます。
フルオートのM4が有名ですが、これは特殊部隊の一部しか配備
されておらず、というか特殊部隊向けに改良されたものがそれで、
アメリカ陸軍などでは最初の頃の、3点バーストのM4を使用して
いる兵士の方が多いです。
﹃AK74﹄
66
装弾数:30+1
使用弾薬:5.45mm×39
AK47とは違い、小口径弾を発射するAKです。
小口径ですが、貫通力があり、当たった瞬間に変形してホローポ
イント弾の様に内部を掻き回す強力な弾です。
これも複数のバリエーションがありますね。
﹃89式小銃﹄
装弾数:30+1
使用弾薬:5.56mm×45
自衛隊が使っているアサルトライフルです。
セミオート、フルオート、3点バーストが可能です。
セレクターの表記が、ア︵安全装置︶、タ︵単発︶、レ︵連射︶
の表示になってますね。
﹃SA80﹄
装弾数:30+1
使用弾薬:5.56mm×45
イギリス軍がL85という名前で採用したブルパップ式のアサル
トライフルです。
ジャミングを起こしやすく、内部部品が破損しやすいなどいろい
ろ悪い噂ばかり広がって有名になってしまいましたね。
67
現在はH&K社が改修し、L85A2となって抱えていた問題の
大部分は解消されてます。
また、軽機関銃タイプのL86というものもあり、こちらは精度
も高いためマークスマンライフルとしても運用できるようです。 ﹃G3﹄
装弾数:30+1
使用弾薬:7.62mm×51
H&K社のアサルトライフルです。大口径なのでバトルライフル
でもいいですけど。
こちらも有名な銃ですね。
H&Kの銃はこれをベースにして作られた物が多く、狙撃銃のP
SG1やサブマシンガン編で紹介したMP5もこの銃が元になって
ます。
ちょっとリロードの方法が特殊なのも特徴でしょうか。他の銃と
同じようにリロードすることもできますが、正しい手順でやらない
と装填不良などの原因となるようです。
﹃M14﹄
装弾数:30+1
使用弾薬:7.62mm×51
スプリングフィールドのバトルライフルです。
ベトナム戦争の頃からありましたが、ストックの形状などから大
口径弾の反動をフルオートでは制御しきれないなど欠点もいくつか
68
ありました。
そこで、フルオート機能を排除し、単発のみで大口径弾の長射程
を生かしたマークスマンライフルとしての運用に主眼を置いて開発
されたバリエーションもあります。
また、近代化改修で原形が分からない程にレールや伸縮式ストッ
クなどを装備させたモデルもあります。
69
銃の紹介︵狙撃銃編︶
今回はスナイパーライフルの紹介です。
マークスマンライフル、対物ライフルもこちらで合わせて紹介し
ます。
﹃M700﹄
装弾数:5
使用弾薬:7.62mm×51
レミントン社のボルトアクションライフルです。
そこそこ古い銃ですが、性能も悪くないため今でもよく使われて
います。
単発式のもの、固定式弾倉のもの、着脱式弾倉のものがあります。
また、自衛隊や米海兵隊でも、これを改良したものを使用してい
ます。
民間用でも割といろんな種類があるみたいですね。
﹃SVD﹄
装弾数:10+1
使用弾薬:7.62mm×54R
ソビエト連邦が開発したオートマチック式の狙撃銃です。
ドラグノフという名前で呼ばれる方が多いですかね。
70
銃剣を装着可能で、特徴的な形のストックを持っています。
ゲームなどではスナイパーライフルとして扱われることもありま
すが、射程距離や精度でちゃんとしたスナイパーライフルと張り合
う程の性能はないので、マークスマンライフルですねこれは。
﹃L96A1﹄
装弾数:10+1
使用弾薬:7.62mm×51
アキュラシー・インターナショナル社が開発し、イギリス軍が採
用したボルトアクションライフルです。
︵アーティク・ウォーフェア︶ライ
ポリマー製のサムホールストックに、着脱式弾倉を備えています。
現在は、改良を加えたAW
フルと呼ばれるものが開発され、イギリス軍もまたそれをL118
A1として採用しています。
また、AWはライフルは数種類バリエーションがあり、各国の軍
や警察などで使われています。
かなり精度がいいらしいですよ。
AWライフルのバリエーションの1つが、約2.5?の狙撃に成
功した事例もあります。
﹃WA2000﹄
装弾数:6+1
71
使用弾薬:7.62mm×51
ワルサー社のオートマチック式狙撃銃です。
ブルパップ式なので短く、高精度と性能はかなり優れています。
ですが、非常に高価で、結局生産されたのは極小数。
そして、現在は同じ精度でもっと安価な銃もあるので、そんなに
いい銃というものでもありませんね。
ただ、数が少ないので希少性はあります。
﹃PSG1﹄
装弾数:5+1
使用弾薬:7.62mm×51
H&K社のオートマチック式狙撃銃です。
多少重いですが、当時としてはオートマチックの狙撃銃とは思え
ない程の高精度を持った銃として、有名になりました。 ですが、現在はより安価で軽量、そして精度は同じかそれ以上の
銃がH&K社で新たに開発され、ちょっと立場が危うくなってきて
ますねこの銃も。
﹃DSR1﹄
装弾数:4+1
使用弾薬:338ラプアマグナム
AMPテクニカルサービス社が開発したボルトアクション式の狙
72
撃銃です。
マガジンが前後についているので分かりにくいですが、ブルパッ
プ式です。前の方のマガジンは予備ですね。
こちらもかなり精度が高いようです。
﹃SR25﹄
装弾数:20+1
使用弾薬:7.62mm×51
ナイツ社製のオートマチック式狙撃銃ですね。
どちらかといえばマークスマンライフルですが、その中では飛び
ぬけて精度がいい銃です。
さすがに本当のスナイパーライフルには射程距離などで敵いはし
ませんが、高精度で連射できる分、近い距離ならこちらの方が優秀
かもしれませんね。
また、ハンドガード部分やレシーバー上部にもレールが付いてい
て、拡張性も高いです。
AR15系とほとんど変わらない操作系なので、AR15系ライ
フルを触り慣れている人なら使いやすいというのも魅力でしょうか。
米海兵隊がMk11という名前で採用し、現在はM110という
発展型も開発されています。
﹃M82A1﹄
装弾数:10+1
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使用弾薬:12.7mm×99
バレット社の、オートマチック式対物ライフルです。
バレット、というとこの銃を指す場合が多いですが、社名でもあ
るのでベレッタ同様注意です。A2、A3と種類もあるので、どれ
を言っているのか分からないですしね。
さすがに今の戦車の装甲を撃ち抜いたりはできませんが、防弾の
されていない一般車や装甲の薄い車両なら撃ち抜けます。
他にも、超長距離狙撃や標的を壁越しに撃ち抜くなど大口径だか
らこその使い方が出来ますね。
なんだか対物ライフルの中じゃあこればかりが凄く目立っている
ようにも感じます。 ﹃へカート?﹄
装弾数:7+1
使用弾薬:12.7mm×99
PGMプレシジョン社の、ボルトアクション式対物ライフルです。
そこまで有名ではない⋮⋮というかマイナーな方ですが、どうせ
近いうちに知名度も上がると思うので、一応書いておきます。
ストックは伸縮出来る上に着脱が可能で、オプションでグリップ
と合わせて木製の物に変更可能です。どちらかといえば、木製スト
ック&グリップのへカート?の方が写真などでも見る機会が多いで
すね。
またマズルブレーキは大型のもので、特徴的な形をしています。
74
ボルトアクションなのでM82A1の様に素早い連射はできませ
んが、その分堅牢でシンプルな作りの為整備もしやすいです。
まあ他にもボルトアクションの対物ライフルなんていくらでもあ
るので、へカートが格別強いなんてことはないのですけど。
75
銃の紹介︵ショットガン編︶
今回はショットガンの紹介です。
使用弾薬は大体が12ゲージ弾なので、今回は使用弾薬を個別に
表記はしません。
﹃スパス12﹄
装弾数:7+1
フランキ社製のショットガンです。
他のショットガンよりも重厚なフォルムを持ち、その外見通り少
々重いです。
従来のポンプアクション方式に加え、セミオートマチック式に切
り替えることが可能で、状況に合わせていつでも切り替えが可能に
なっています。
しかし、わりと故障率が高いだとか聞きますね。
また、操作が独特で、弾を装填する際に本体左側にあるボタンを
押しながら出ないと装填が出来ないようになっています。
これのせいで、装填に両手を使う必要があり、構えを解かなけれ
ばならないので、リロード時は非常に大きな隙を作ってしまいます。
薬莢の長い弾も使用すると故障してしまうなど、問題も多い銃で
すね。
でも映画では人気です。外見のせいでしょうか。
76
現在は生産が中止され、後継のスパス15が開発されています。
こちらは箱型弾倉を採用したおかげで素早い装填が可能になり、
スパスの特徴だったポンプアクションとセミオートマチックの切り
替えも受け継いでいます。
﹃M3﹄
装弾数:7+1
べネリ社製のショットガンです。
こちらもスパス同様、ポンプアクションとセミオートマチック方
式を切り替え可能です。
軍では連射性に優れるオートだけあれば事足りるかもしれません。
ですが、警察などでは非致死性のゴム弾などを使う場面もあります。
こういった弾薬は、通常の物よりも装薬量が少なく、オートでは
正常に装填がしきれない可能性があります。
そういった理由で、ポンプアクションの機能もついているんです
ね。
ポンプアクションに慣れている人は、ポンプアクション方式の方
に切り替えた方が操作しやすい、とかもあるみたいです。慣れも大
事ですね。
また、銃身下のチューブ型のマガジンを付け替えることで長さの
延長及び短縮をし、装弾数を増やしたり減らしたりできます。ので、
出る作品で装弾数は結構変わってますね。
10連チューブなどになると、銃身より下のチューブマガジンの
方が突き出しちゃうくらい長くなったりします。
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﹃M4﹄
装弾数:7+1
べネリ社製のショットガンM3の後継です。アサルトライフルの
あれではないので間違えないでくださいね。
創作で使う場合、べネリM4と表記することで、混同してしまう
のを防げると思います。
こちらはセミオートマチック方式のみで、軍向けに開発された銃
ですね。
また、M3が発射時の反動を利用して自動で装填するものだった
のですが、こちらは発射時に発生するガスを利用して装填するタイ
プのオートマチック方式に変わっています。
それでも、非殺傷用のものなどの装薬量の少ない弾は、コッキン
グハンドルを引いて、手動で排莢と装填をしなければなりません。
﹃M870﹄
装弾数:6+1
レミントン社のショットガンです。
民間の狩猟用から警察など幅広く使用されています。
日本でも買えるようですね。
また、海上保安庁の部隊が錆びにくい加工をされたタイプを採用
しているようです。
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﹃M37﹄
装弾数:4+1
イサカ社のショットガンです。
この銃の特徴は、装填する場所が排莢口も兼ねている点ですね。
本体下側から装填して、下から排莢です。
ですので、一般的なショットガンの様に排莢口が横についてない
ので、銃の側面には何もありません。
また、他のショットガンに比べ大分軽く、頑丈なので軍、警察、
民間といろんな人たちに使用されています。
﹃サイガ12﹄
装弾数:8+1
イズマッシュ社のショットガンです。
こちらもセミオートマチック方式のみです。
箱型弾倉で再装填がすばやく可能で、ベースがAKなので各種A
K用のオプションパーツを装着可能な上、操作もほとんどAKと変
わりません。
﹃AA12﹄
装弾数:8
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MPS社製のショットガンです。
箱型弾倉のほかに、20発か32発のドラムマガジンも使用可能
です。
毎分300発撃てるフルオート可能なショットガンです。
重いですが、そのおかげでフルオートでも安定した射撃が可能で
す。
80
銃の紹介︵機関銃編︶
今回は機関銃の紹介です。
軽機関銃、重機関銃共にこちらで紹介させていただきます。
※ほとんどの物がベルト給弾式の為、装弾数の表記は省かせても
らいます。
﹃M60﹄
使用弾薬:7.62mm×51
アメリカ軍が採用した軽機関銃です。
︵豚︶と呼ばれてしまったようです。
ベトナム戦争の頃に投入されたのですが、大きくて重いせいで、
ピッグ
ですが、重いおかげで反動は抑えられ、大口径の弾を使うのでし
っかりと活躍はできていました。
現在でも、車載用のモデルが各国の軍で使われていたり、まだま
だ現役で頑張っている姿を見ることが出来ますね。
また、他の機関銃よりも若干発射速度が遅く、このおかげで指切
りで簡単に連射の感覚をコントロールでき、銃身への負担も減りま
す。
発射速度が速ければ速いほど反動で銃が暴れ照準の調整も難しく
なり、部品の損耗も激しくなるので、一概に発射速度が速い銃が強
いというわけではありません。
﹃M249﹄
81
使用弾薬:5.5mm×45
FN社の軽機関銃です。
ミニミ、と呼ばれることの方が多いでしょうか。
ベルト給弾のほかに、M16系の弾倉を装着することが可能です。
ストックを伸縮式にした空挺部隊仕様や、レールを追加したもの
など複数のモデルがあります。
割と高い頻度で映画などに出ている気がしますね。
﹃RPK﹄
使用弾薬:7.6mm×39
簡単に言ってしまえば、軽機関銃にしたAK47といった感じの
銃でしょうか。ベースはAKMの方らしいですが。
弾倉はAKと同じ箱型の物のものを使用し、銃身を伸ばしストッ
クを大型化させたものです。
弾倉は、AKの30連弾倉を直接つける事も出来ますが、40連
の少し長めの弾倉もRPK用に用意されてます。形が同じなので、
AK47にRPKの弾倉をつけることもできますよ。
また、AK74をベースに、使用する弾薬をAK74と同じ5.
45mm×39弾にしたRPK74というモデルもあります。
﹃MG42﹄
82
使用弾薬:7.92mm×57
高い耐久性と発射速度を持つドイツの軽機関銃です。
第二次大戦中にドイツ軍に採用されていました。
飛び抜けて他の銃よりも高い発射速度のせいで、独特な発射音と
なり、﹁ヒトラーの電動ノコギリ﹂という名で呼ばれることもあっ
たそうです。
また、薬莢の排出はP90の様に銃の下から行い、ベルトリンク
のみが横に飛ぶようです。絵で描くときなどは注意した方がいいか
もしれませんね。
﹃M2﹄
使用弾薬:12.7mm×99
1933年からアメリカ軍に採用されて以来、今も使われ続けて
いる重機関銃です。
戦車や装甲車だけでなく、航空機の機銃としても使われているな
ど広い範囲での活用がされています。
こういったものはとにかく撃ちまくるのが主な仕事ですが、これ
は大口径ということもあり、スコープをつけて超長距離の狙撃に使
用した例もあります。
これで銃の紹介は終わりにしたいと思います。
次回からは、また何かしらの解説になると思いますので、その時
はまたよろしくお願いいたします。
83
最強の銃とは?
最強の銃は何か?
これは私もたまに聞かれることなのですが、正直なところ銃で何
が最強かという質問に正確な答えを出すことは出来ません。
銃とは、それぞれ異なる役割を持ち、それに特化した性能を保有
する物が大半です。
銃にはそれぞれ長所と短所があり、弱点の無い銃というものは基
本的には存在しません。
ある程度汎用性をもたせることはできますが、万能とはいかない
のです。
例えば、単純に威力が高いという話なら拳銃ではデザートイーグ
ルやS&W社のM500になるでしょう。
ですが、こういった高威力の弾丸を使用する銃は反動が強くなっ
たり弾が大きくなって装弾数が減ってしまったりと、戦闘に不向き
になる傾向があります。
また、狙撃銃は長射程高威力を誇りますが、近距離ではスコープ
のせいで狙い辛かったり、長い銃身のせいで狭い場所では取り回し
もしにくいです。
と、このように、どうしても何かを伸ばせばどこかで弱いところ
が出てしまうのが銃なのです。 それに、戦闘といってもあらゆる状況が存在します。
長距離からの狙撃や、市街地での銃撃戦、室内での戦闘や大きな
ものを持つことのできない場面。
銃の大きさや射程距離、装弾数、口径、拡張性、操作性、耐久性、
精度他いろいろ⋮状況によって求められる性能は変わり、それに合
84
わせた銃の選択が必要です。
また、戦闘以外でも狩猟や競技といったものでもまた、求められ
る性能は変わってきます。
そう考えると、その場の状況に適した銃こそが、その状況におい
て最強の銃、ということになるでしょうか。
ちょっと銃の性能ばかり言ってしまいましたが、低コストで技術
力の低い国でも簡単に大量生産可能なものなど、運用面でも考えて
みた方がいいかもしれませんね。
頑丈で部品も少なく整備しやすくて、戦場で弾の入手も比較的簡
単にできて大口径のAK47なんかは割といい感じなんじゃないで
しょうか。
これ、といって最強のものが決められない以上、いろんな主義主
張が飛び交ってなかなか纏まらない話題です。
話をするときは、○○な状況、○○な性能で最強の銃は、と的を
絞るとスムーズに話せるかもしれません。
とりあえずこれでこの記事は終わりです。
何かご質問等あれば、感想欄にその旨を書いていただければ対応
いたします。お気兼ねなくどうぞ。
85
コンシールドキャリーとは?
今回はコンシールドキャリーについてです。
これは、簡単に言ってしまえば、隠し持って携帯するということ
になります。そのまんまですね。
ちなみに、コンシールドキャリーに対して、銃を隠さないで他の
人にも見えるように持つことをオープンキャリーといいます。
銃を隠し持つということは、当然相手にばれてはいけません。
なので、携行する銃は上着の下に忍ばせたりできる比較的小型の
ものが主になってきます。拳銃や一部のサブマシンガンなどですね。
中には、コンシールドキャリーを想定した小型の拳銃やホルスタ
ーなどがあります。
ただ、隠せないライフルよりも、こういった隠し持てるものに関
する規制の方が強い感じがしますね。目で確認できない分危ないで
すから。
また、小型の拳銃とは、デリンジャーと呼ばれるすごく小さいも
のもそうですが、いわゆるサブコンパクトピストル、例えばグロッ
ク26のようなものも含んでます。
フルサイズと呼ばれる一般的な普通の拳銃のサイズよりも小さめ
だったら、小型の拳銃という認識でいいんではないでしょうか。
最近の銃は名前の後ろに○○コンパクト、とつけられていたり、
銃の名前で検索して調べればコンパクトピストルかどうかの説明が
書かれているので分かりやすいですね。
サブマシンガンに関しては、専用のホルスターがあったり拳銃並
に小さいものもあるので、やろうと思えば隠し持つことも可能かも
しれません。体格にも左右されるでしょうね。
86
コンシールド性を高めた拳銃は小型で、装弾数が少なくなりグリ
ップが小さくて握りにくいなど色々弱点もあります。
小口径になりがちなのとバレルが短いせいで精度も悪いというの
も問題でしょうか。
コンシールドキャリーは隠し持つということなので、ベルトに挟
むだけだったりポケットに忍ばせるだけでもそうなります。そうし
た場合は暴発の危険もあるでしょうね。
ホルスターに入れておいても、小さくて操作性が悪いためいつも
以上に注意して銃を取り扱った方がいいかもしれませんね。
87
ホルスターの種類
今回はホルスターの種類についてお話しします。
あまりややこしくなるような説明は省き、簡単な紹介程度に抑え
ておきます。
﹃ヒップホルスター﹄
名前で誤解しやすいですが、腰周辺に装着するホルスター全般を
言います。
これが一番よく目にするタイプかもしれませんね。
基本はベルトに固定しますが、それだけだとホルスターが吊られ
るので板状の部品を付けて身体に固定しずれにくくするタイプのも
のもあります。
大体利き手側の腰部分に付けることが多いですが、腰背部に付け
るバックサイドホルスターなんて種類もあります。コンシールドキ
ャリー向けのものでしょうかね。
まあ、腰に付けるならどれも総じてヒップホルスターでも構いま
せん。
﹃ショルダーホルスター﹄
紐を肩にかけ、腋の下に銃を吊るすタイプのホルスターです。
こちらもわりとよく見るものですね。
これを付けてから上着を着ることで、銃を隠してもつことが可能
88
です。
というよりそうやって持っている姿を見る方が多いですね。
﹃レッグホルスター﹄
太腿部分に装着するホルスターです。
ずり落ちないようにバンドでベルトにも固定します。
ヒップホルスターやショルダーホルスターは、ボディアーマーな
どの装備を見に付けていた場合、装着不可能になったり、つけられ
ても抜きにくいなど問題が起きてしまいます。
そこで、そんな状況でも抜きやすいように作られたのがこのホル
スターです。
大まかなホルスターの種類の紹介は以上です。
ついでに、先ほど書いたバックサイドホルスターなど、上記のホ
ルスターの中でも形状別でまた違う呼び方をするホルスターを少し
紹介します。
﹃フロントブレイクホルスター﹄
ホルスターの前部分が切り抜かれているものです。
挿入部から抜かなくても、前の方に引っ張りながら取り出せるの
で、抜き撃ちなどには便利かもしれません。
ですが、銃を完全に包み込むことが出来なくなるので、落として
しまう可能性も高くなってしまいます。
﹃バックサイドホルスター﹄
89
腰背部に、グリップを上に向きにし、銃を上下逆さまに固定する
タイプのヒップホルスターです。
このホルスターで気を付けないといけないのは、銃の位置が目で
確認できず、トリガーなどを不意に引いてしまう可能性があること
です。
また、銃を抜いた時の銃口の向きにも注意しないといけません。
抜いたらすぐに、銃口が自分の身体より外側か下を向くように銃
口の向きを調整しながら構えて下さい。
ホルスターに入っていた向きのまま銃を構えようとすると、たと
え一瞬でも構えるまでに銃口が自分の体の腰か足部分に向いた状態
が出来、非常に危険です。
銃口管理についてはまた今度詳しく解説しますが、とりあえず今
は、基本的に銃口は自分や撃ってはいけないものに絶対に向けない、
というのを覚えておいてください。
﹃インサイドホルスター﹄
ズボンの内側に付けるホルスターです。
映画とかでホルスターが無いからとズボンにそのまま銃を突っ込
むシーンをイメージしてもらえると分かりやすいでしょうか。あん
な感じで銃をしまいます。
ズボンに直接銃を突っ込むのは、暴発の危険や落としてしまう可
能性も高いので、出来る限りこのホルスターを使用した方がいいで
しょうね。
また、コンシールドキャリー用としても非常に高い効果を発揮し
ます。
90
ただ、小型の拳銃くらいしか入れられないのが難点でしょうか。
最後に、ホルスターの材質別で少しだけ解説を設けます。
ホルスターといっても、材質は様々で、ナイロンの物や革製、樹
脂製など様々なものがあります。
革製の物は、西部劇とかでよく登場しますね。
現代でもまだまだ使われています。
高級感がありますが、対応する銃のサイズに合わせて作っている
ので、ライトなどアクセサリーを付けている場合や別の銃を入れよ
うとしても入らない場合があります。
ナイロン製は安く、そんなに内部もきつめに作ってあるわけでは
ないので、銃の大体のサイズが合えば割と幅広い種類の銃を入れる
ことが可能です。
樹脂製の物は、カイデックスホルスターとも呼ばれ、ホルスター
全体で銃を包み込むようになっています。
銃の型を取って作るので、革製の物以上にきつく、あちらは無理
矢理突っ込むこともできますが、このカイデックスホルスターは対
応銃以外はほぼ入らないと言っていいです。
ですが、材質上形状が変化しにくく動き回っていても素早く銃を
抜くことが可能です。
最近のヒップホルスターではこのタイプが増えてきていますね。
抜きやすくそこそこ耐久性もあるので、使いやすいです。
これでホルスターの解説は以上となります。
91
種類もたくさんあり、覚えづらかったりして難しい部分なので、
何かご質問がありましたらお気兼ねなくどうぞ。
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装弾数○発+1の+1とは?
銃の紹介などを見ていると、装弾数の欄に7+1、という表記を
見かけたりしないでしょうか。
今回はそんな、銃の装弾数に付く﹃+1﹄の意味について解説い
たします。
と言ってもそう難しいものではなく、これは弾倉内に入る弾の数
と、銃本体の薬室に入る1発分を別に表記しただけです。
また、薬室には普通1発しか入らないので、余程のことがない限
り+2以上の表記にはなることはないと思います。というか無いで
す。
例で言えば、先ほどの7+1の場合だと、7発分が弾倉内に入り、
薬室にも1発入りますよーって感じですね。
ややこしくなるので+1を表記しなかったりする場合もあります
し、そもそも+1表記が出来ない銃もあります。 例えば、リボルバーは弾倉そのものが薬室にもなりますので、薬
室に余分に入る分のスペースがなく、+1にはできません。
弾倉そのものが薬室となると、一部の散弾銃などもそうですね。
銃身が2つ並んでついている水平二連なんかもそうです。
また、オープンボルトの銃も+1の状態にはできません。
オープンボルトの銃は、撃つ瞬間にボルトを前進させ、その時に
ボルトが弾倉から弾を取り出し薬室に運ぶので、撃つまではボルト
が後方に固定されたまま薬室が解放された状態となり、薬室にあら
かじめ弾を入れておくことが出来ません。
オープンボルトに関してはもっと詳しい解説を別で設けます。
93
薬室に1発入る銃は、弾倉を抜いた状態でも薬室に弾が入ってさ
えいれば撃てます。
これを利用して、弾切れを装うことで敵を騙す描写なんかを取り
入れる事も出来るでしょうね。
ただ、銃によってはマガジンセーフティというものがついた、弾
倉が入っていないとトリガーが引けない銃がありますので、事前に
使う銃についてよく調べておくことをお勧めいたします。
この薬室に1発というのは、現実でもそうですが、事故の原因に
もなりますので十分注意が必要です。
弾倉内の弾をすべて撃ち切っても、もしかしたら薬室に1発残っ
ているかもしれません。
撃った後は、弾倉を抜きスライドやコッキングレバーを引いて薬
室を解放し、中に弾が入っていないかまで確認することが大切です。
弾倉抜いたから弾出ないや、なんて思って、銃口を仲間に向けた
状態で面白半分でトリガーを引いたら薬室に一発残っていて⋮⋮な
んて事故が起こることも本当にありますので、これだけは注意です。
エアガンでも言える事だと思いますよ。
これで一応この解説は終わりですね。
最後は少し安全管理の話も入ってしまいましたが、これも重要な
ことなので、出来れば覚えておいてほしいです。
94
オープンボルト方式について
今回はオープンボルト方式について解説いたします。
似ているものでクローズドボルト方式というものがあり、どちら
も銃の発火方式の名称です。
オープンボルト方式は、コッキングレバーを引くと、ボルトが後
退したままロックされ停止します。
そして引き金を引くと、ボルトのロックが解除されボルトが前進
し、この際にボルトが弾倉から弾を取り薬室に押し込みます。
薬室に装填されたと同時に、ボルト一体になったファイヤリング
ピンが弾薬を発火させることで、装填と同時に発射を行います。
そこで発射の際に生じるガスを利用して、ボルトは再び後退し固
定され、また引き金を引く、もしくは引き続けていればボルトのロ
ックは解除され先ほどの手順を繰り返します。
文字だけだと分かり辛いですね。
この辺は内部構造の動画などを動画サイトで見てもらった方が分
かりやすいかもしれません。
オープンボルトの利点は、シンプルな構造で頑丈な上、比較的安
価に銃が製造可能でメンテナンス等も容易なことです。
また、ボルトが後退したまま固定されるので、薬室が解放された
ままとなり、銃内部に熱がこもり勝手に弾薬が発火してしまうコッ
クオフという現象も起きにくいです。
逆に問題となるところは、薬室が解放されているので、そこから
塵や泥などといったものが入りやすくなってしまうところですかね。
また、ボルト一体型のファイヤリングピンを持っているので、何
95
らかの拍子にボルトのロックが解除され、前進してしまい、暴発す
る危険もあります。
衝撃を与えるのはあまりよくないですね。投げたりするのはやめ
ておいた方がいいかもしれません。
トリガーを引いてからボルトが動いて発射なので、発射までにボ
ルトが動くせいで銃が揺れてしまい、命中精度の低下を引き起こす
可能性もあります。
構造上、ガス圧の高い大口径の弾などは、銃が壊れる危険もあり
ます。
前回も言いましたが、オープンボルト方式はクローズドボルト方
式と違い、発射時以外は薬室内に弾が入っていません。
なので、弾倉を抜くだけで発射不能となるので、安全面ではこち
らの方が上かもしれませんね。
ボルトはファイヤリングピンと一体型と言いましたが、中にはそ
れぞれ別の部品になっている銃もあり、オープンボルトだからどれ
もが一体型というわけでもないです。
どの銃でも、創作で登場させるなら事前にいろいろ調べておいた
方がいいですね。
これでオープンボルト方式の解説は以上です。
次回はクローズドボルト方式の解説をします。
96
クローズドボルト方式について
今回はクローズドボルトについての解説です。
こちらもオープンボルト方式同様、銃の発射方式の名称です。
オープンボルト方式は、コッキングレバーを引くと、ボルトが後
方に下がります。
次にレバーを離すと、ボルトはオープンボルトのように固定はさ
れず、再び元の位置に戻るために前進しだし、その際弾倉から弾を
取り出して薬室に運びながらボルトが薬室を閉鎖します。
そして引き金を引くと、ハンマーがファイヤリングピンを叩き弾
薬を発火させ、発射時のガスを利用してボルトは後退し、空薬莢が
排出されボルトはスプリングの力で再び前進し最初の手順のように
また新しい弾を装填します。
引き金を引いてからボルトが動くオープンボルト方式と違い、ク
ローズドボルト方式は引き金を引いたらすぐに弾が発射されるので、
ブレや発射までのラグが少なくより精度の高い射撃が可能となりま
す。
ただ、複雑な機構になってしまうので、整備がしにくかったり、
完全に薬室が閉鎖されているので弾薬の燃えカスが内部に残ったり、
塵などが入った時に排出しにくく、そうなった場合に作動不良を起
こしやすいという欠点もあります。
こちらはオープンボルトと違い、発射前に弾を薬室に入れたまま
にすることができるので、弾倉を抜いても銃本体に1発だけ装填し
ておくことが可能です。
ただ、それによって弾倉を抜いても安心できないという安全面で
不安な点が出来てしまいます。
97
薬室が閉鎖してるため外見を見ただけでは装填されているかどう
かが判断できないので、コッキングレバーを引くなどをしてボルト
を少し後退させ、薬室をちょっとだけ開いて弾が入っているか確認
しなければなりません。
一般的な拳銃は、ほとんどがクローズドボルト方式の発射法にな
りますね。
先ほど塵が入った場合の話をしましたが、クローズドボルトは薬
室が閉鎖されているので、外部から何かが入ることはオープンボル
トよりは少ないです。
また、閉鎖されている部分が多くなるためサプレッサーなどを使
用する場合にも、音漏れの場所が少なくなり併用時の相性もいいで
す。
これでクローズドボルト方式の解説は以上となります。
98
テーザーについて
今回はテーザーと呼ばれるスタンガンについて解説いたします。
テーザーと呼ばれる会社が作ったスタンガンで、それのせいかテ
ーザーで呼ばれることが多くなったようですね。
テーザー、またはテーザー銃はスタンガンの一種で、非殺傷性武
器の1つです。
構造はほとんど従来のスタンガンと同じですが、電極が射出でき、
遠くの目標に対応できるようになったものがこれになります。
遠くと言っても、射程距離は大体5mとか長くても10mとかそ
の程度ですが。
トリガーを引くことで、内蔵されているガスを使い、そのガス圧
で先端部分に電極の付いたワイヤーを発射します。
そして電極は先端が鋭く尖っているので、そのまま目標に突き刺
さり、電流を流して目標を無力化します。
種類によっては複数回使用可能なものもありますが、基本は発射
は1回のみで、発射するたびにワイヤー射出用のガスのカートリッ
ジやワイヤー、電極を交換しなければなりません。
ですが、それでは不便なので、目標を外してしまった時の為に、
通常のスタンガンの様に本体を直接接触させて電流を流すための電
極もついているものがあるようです。
テーザーは目標に接触せずに無力化が出来るので、使う側の安全
性は従来のスタンガンに比べればかなり高くなっています。
のですが、残念ながら日本では銃刀法に引っかかるので今は買え
ませんね。
99
また、最近では電極や電流を流す本体が一緒になった弾丸が開発
され、12ゲージの弾を使うショットガンから発射可能になったテ
ーザーもあります。
こちらは通常のテーザーのように、本体と電極を繋ぐワイヤーも
ないので、射程距離はかなり伸びています。大体30mや50mと
書かれてたりしますね。
これは余談になりますが、最近ではさらに新しく、液体タイプの
スタンガンが開発されたそうです。
テーザーと違うのは、目標に電流を伝達させるのがワイヤーでは
なく液体になったところでしょうか。
液体タイプのスタンガンは、導電性の高い液体の入ったタンクが
付いていて、トリガーを引くことでそのタンクから液体を放出し、
その液体を介して電流を流します。
こちらはテーザーよりも長い射程で、連続して発射可能という利
点があります。
ですが、タンクを接続しておかなければならないので、携行性の
面は非常に劣っていますね。
液体のタンクを背負うポータブルタイプのほか、車などに設置す
るタイプもあるようです。
最後に、非殺傷性武器というものは、人を死傷させずに無力化す
ることを目的としたものです。
ですが、誤った使用法や、過剰な使用で人を傷つけたり殺してし
まう可能性は十分にあります。これは、スタングレネードや催涙ガ
スも同じです。
﹃絶対に人を死傷させない﹄武器ではないので、それだけはご留
意ください。
100
これで今回の解説を終わります。
101
ジャムの種類
今回は銃のジャミング、いわゆるジャムについて解説いたします。
銃のジャムと言っても複数の種類があり、それぞれ対処法なども
違います。
あまり難しいものは省いて、簡単にどういうものかというのと対
処法を書いていきますね。
銃のジャムとは、何らかの原因で銃が正常に作動できなくなった
状態の事です。
これは自動装填式の銃にのみ起こるものと思われがちですが、リ
ボルバーにも起こるジャムは存在するので注意が必要です。
基本的には、銃の使用法が悪かったり整備不良などそういった要
因があって起こる現象なのですが、銃だって万能ではないので、万
全な状態でも数%の確率でジャムが発生する可能性はあります。
銃の使用法でジャムが起こる場合は、変な撃ち方で射撃をした場
合や、質の悪い弾を使った場合に多いでしょうか。
整備不良は、そのまんまですね。特に一般人はあまり整備をしな
いで放置する場合が多く、時には数年間放置した銃を使おうとする
人もいるようですから。
では、ここから先はジャムの種類別に解説をしていきたいと思い
ます。
﹃排莢不良﹄
102
空の薬莢が上手く排出されなかった時のジャムです。 排莢された薬莢がスライドに挟まり、銃から突き出た薬莢が煙突
のように見える、ストーブパイプジャムとも呼ばれているものが代
表的なものでしょうか。
これは映画とかでも頻繁に登場するので、目にする機会は多いか
もしれませんね。
スライドの後退量が何らかの原因で少なくなってしまったり、変
な撃ち方をすると起こります。
減装弾を使ったりするとなりやすいようですね。
対処法は、スライド、もしくはコッキングレバーを引いて、挟ま
った薬莢を落とすことですね。
比較的簡単に処置が可能なので、戦闘中に起こってもすぐに復帰
可能な場合が多いです。
﹃装填不良﹄
フィーディングジャムですね。何らかの原因で、装填が正常にで
きていない場合のジャムの事を言います。
弾が薬室に行く途中で引っかかってしまったりするものになりま
すね。
原因は、弾倉が銃本体にしっかり入っていない、もしくは弾倉に
ちゃんと弾が込められていない。あとは、薬室に装填される途中で
銃内部の部品に弾が引っかかってしまうことで起きてしまいます。
大手メーカーのものは大丈夫ですが、安物は弾の形が歪んでいた
りして、しっかりと薬室に入ってくれない場合があります。あと、
弾頭の形状によっては、ジャムを起こしてしまう危険もありますね。
103
ただ、銃はそういうものに対応するために、多少余裕をもって薬
室などが作られていたりするので、余程劣悪な弾でない限りそんな
にこのジャムが起こることはありません。
むしろ、射手側の問題でこのジャムが発生する場合の方が多いと
思います。
スライドやコッキングレバーを正しく引いていない場合、弾がち
ゃんと薬室に入らない場合があるのです。
M16系のものだと、コッキングレバーを最大まで引いた後は、
手を放して勢いよくレバーを戻してやらないといけないのですが、
これを最後まで手でつかんだ状態でゆっくり戻すと、勢いが足らず
にうまく装填できない場合があるようです。
拳銃のスライドも同様ですね。こういった場合に起こるものは、
銃ではなく射手側が悪いです。
他にも、すでに弾が薬室に装填された状態で、排莢されず次の弾
薬が薬室に送り込まれてしまう、2重装填またはダブルフィードと
いう装填不良もあります。
対処法は、まず2重装填を防ぐ、もしくはそれ以上起こさないた
めに、コッキングレバー等を最大まで引き、そのままレバーを後ろ
で固定します。ここで戻してしまうと、2重装填になったり症状が
悪化するので注意です。
そのまま銃を傾け、引っかかっている弾を落として、次に弾倉を
外します。そして、弾倉の方の弾がしっかりと入っていることを確
認したら、再度、弾倉をしっかりと銃に入れ、コッキングして銃に
弾を装填をしてください。
戦闘中に起こると処置に時間がかかるうえに、暴発の危険もある
ので身を隠してから行うか、予備の銃に変えた方がいいですねこれ
は。
104
でも、最悪工具が必要になったり、分解しなければいけない可能
性があるので、予備の銃に切り替えた方が無難かもしれません。
﹃レッティング﹄
弾丸の鉛が溶け、銃身や薬室などに張り付いてしまい、排莢不良
や装填不良を起こしてしまうジャムです。
リボルバーでも、シリンダーに鉛が固着し、回転できなくなった
りしますね。かなり強力な弾を使ったりしない限りそうそう起こり
はしないと思いますが。
暴発させてしまう危険もある上、その場ですぐに処置が可能なジ
ャムではないので、これも予備の銃に切り替える必要があるかもし
れません。
﹃不発﹄
弾が正常に発火しなかった場合ですね。
当然薬室に弾は残ったままですので、再度トリガーを引いて発火
させるか、排莢して新しい弾丸に変える必要があります。
ただ、弾自体に問題があることが多いので、再びトリガーを引い
ても発火しない場合ももちろんあります。ですので、トリガーを引
くよりはコッキングレバーを引いて排莢した方が確実かもしれませ
ん。
また、シングルアクションの銃だと再度トリガーを引く際に、ハ
ンマーを手動でまた起こさないといけないので、次弾発射に時間が
かかってしまいます。そのことも含めると、やはり排莢した方が無
難ですね。
105
ですが、﹁遅発﹂といって、トリガーを引いてから、数秒遅れて
弾が発火し弾丸が発射されることもあるので注意です。
不発の場合、遅発の可能性もあるので、数秒間待ってから操作を
行うのがいいです。この際、銃口は弾がいつ出ても大丈夫な方向へ
向けていてください。
下手に不発だと思い込みすぐ触ろうとして、遅発で意図しない場
所に弾を発射した上、後退してきたスライドなどで手を怪我する危
険があります。
とはいえ、戦闘中ではそんな余裕ないと思うので、出来るだけ素
早く排莢を行った方がいいでしょうね。
代表的なものはこのようなものでしょうか。
あとは、整備不良や弾自体の質、射手の扱いの問題等で起こるも
のですね。
106
照準器の種類
今回はサイトの種類についてお話しします。
通常のものと光学照準器、どちらもまとめてやりますね。
︵1︶ まずは、一般的にアイアンサイトと呼ばれるものから。
これは銃本体に最初から備え付けられていたりする、鉄製のサイ
トの全般を言います。
最近は材質が変わって鉄じゃなくなったりもしてますけど、一応
それでもアイアンサイトと呼びます。
また、アイアンサイトも複数の種類に分けられるので、それにつ
いて解説していきますね。
﹁オープンサイト﹂
本来は凹型の照門、リアサイト部分を指す言葉なのですが、凸型
の照星と凹型の照門を合わせて言う場合もあります。
こういった感じで、銃の情報はかなり曖昧なので、多少崩して覚
えてもらっても差し支えはないと思います。
ネジなどで位置の調節が可能なものは、アジャスタブルサイトと
も呼ばれますね。
﹁ピープサイト﹂
アパーチャーサイトとも言いますが、日本ではめったに使われて
107
いないそうなので、ピープサイトで覚えてもらって構いません。
これは照門が凹型ではなく、丸い穴が開いたタイプですね。
最近の銃はこれが折りたためたりするようになっています。
精密狙撃や、中程度の距離での射撃時に適していますが、穴から
覗くので、至近距離ではやや使い辛いかもしれません。
﹁ゴーストリングサイト﹂
ピープサイトの穴を大きくしたものです。
あのサイトの弱点である至近戦に対応させたものがこれになりま
す。
穴が大きくなったため、素早く照準出来るようになりましたが、
かわりにピープサイトほど精密な射撃は出来なくなっています。
至近距離での戦闘重視のサイトですね。ショットガンなんかにも
ついてるのを見ますよ。
﹁バックアップサイト﹂
形は特に決まっておらず、光学照準器が使用できなくなった場合
に、代わりに使用するサイトの事です。
多くはアイアンサイトでしょうね。
最初からバックアップ用に作られ、普段は折りたためるようにな
っているサイトもあります。
︵2︶
ここから先は、オプティカルサイトの解説です。
108
いわゆる光学照準器ですね。
﹁テレスコピックサイト﹂
簡単に言ってしまえば、スナイパーライフルの上についてるあの
高倍率のスコープの事です。
たんにスコープというと、大体がこれを指す場合が多いでしょう
ね。
覗くと見える、十字やT字の線は、照準線、またはレティクルと
言います。
レティクルはものによって違い、いろんな形があります。よく見
るのは十字型の線ですね。
至近距離でも狙えなくはないですが、長距離狙撃以外では使いに
くいです。
予備の銃か、近距離用のバックアップサイトを準備しておくとい
いかもしれませんね。
﹁ダットサイト﹂
赤い点をレンズ内に映し出す光学サイトです。基本的には無倍率
ですが、低倍率のタイプも存在します。
光点は、LEDなどの光源からハーフミラーのレンズにダットを
投影し、映し出されています。
構造上電源が必要な物ではありますが、一部はトリチウムや自然
光を取り込むなどして、電源不要で光点を映し出すタイプのダット
サイトもあります。
109
光点を目標に合わせるだけでいいので、かなり素早い照準が可能
になり、発光しているため夜間でも狙いが付けられるという利点が
あります。
ただ、先ほど言った通り電源、電池などが必要だったり、レンズ
が割れてしまえば使えなくなるので、バックアップ用のサイトが必
要だったりと不便な点ももちろんあります。
ダットサイトは2種類に分けられ、レンズが筒形の外装に覆われ
たものが、チューブダット。レンズが剥き出しのものがチューブレ
ス、またはオープンダットサイトです。
チューブダットサイトは頑丈でレンズが汚れにくいですが、重く
値段も高くなります。逆にオープンダットサイトは、レンズが剥き
出しなので破損しやすいですが、軽量で価格も抑えられます。
ちなみに、発音の問題なのでダットでもドットでもどちらでもい
いと思いますよ?
﹁ホロサイト﹂
ほとんどダットサイトと同じですが、こちらはレーザーホログラ
ムを使用し光点を浮かび上がらせているので、少しならレンズが破
損したり汚れていても支障なく使用可能です。
﹁ブースター﹂
マグ二ファイアとも。
ダットサイトなどの後ろに設置し、無倍率のサイトに倍率を与え
るものです。
110
これだけだとレティクルのない低倍率スコープのような感じです
ね。ワンタッチで着脱可能だったり、邪魔にならないように使わな
い時は横に倒したりできる機能が付いたものが多いです。
﹁レーザーサイト﹂
レーザー光を照射して、光点を標的に投影するサイトです。
映画でもおなじみでしょうねこれは。
レーザーの線は普通見えませんが、煙や霧の中だとはっきり分か
るくらいレーザーが見えてしまう場合があります。
可視光だと相手に照射したとき気付かれてしまう場合があるので、
暗視装置を併用した場合のみ見る事の出来る、赤外線を使ったIR
レーザーを使用したレーザーサイトもあります。
こうした光学サイトは赤色の点や線がよく映像の中で出てきます
が、赤と決まっているわけではなく、色のパターンは複数あります。
最近では暗闇でも視認しやすい緑が人気のようですね。
簡単にですが、サイトの説明でした。
省いた点も多いので、何かわからないことがあったらいつでも聞
いてください。
111
リロードの種類
今回は、各リロード
す。
︵再装填︶の名称、種類について解説しま
︵レバー︶で外し、新し
基本的なリロードの手順は、撃って弾が減った、もしくは弾の無
くなった弾倉をマガジンリリースボタン
い弾倉を入れてから、ボルトリリースボタンやスライドストップを
押すか、もしくはコッキングハンドル、スライドを引くかをして薬
室に弾を装填し再装填を完了、という手順になります。
自動拳銃はスライドが後方で止まるものが多いので弾切れがすぐ
にわかりますが、ライフルではボルトが後方で止まったとしても、
銃を傾けないと見えづらいので、弾切れを確認しにくいです。そこ
は注意ですね。
では、ここからは様々なリロードの動作別での名称を紹介してい
きます。 ﹃タクティカルリロード﹄
薬室内に弾が残った状態や、弾倉内に弾がまだ入っている状態で
弾倉を交換する場合のリロードを指します。
リロードの際、スライドを引く、コッキングレバーを引くなどの
装填動作を省ける分、より戦闘に適したリロード法です。
ですが、弾倉内の弾が残った状態で新品に入れ替えると、後々中
途半端な弾数の弾倉しか残らないので、使い分けが重要ですね。
暇があれば、各弾倉から弾を取り出して1つの弾倉に弾をまとめ
る事も出来ますが、戦闘中だと厳しいですね。
112
﹃エマージェンシーリロード﹄
弾倉内の弾を撃ち切り、完全に弾切れの状態になった場合のリロ
ードです。
コンバットリロード、またはファストリロードとも言いますね。
こちらはタクティカルリロードと違い、薬室に装填するまでの装
填動作が必要なので、素早い対応が求められますね。
とはいえ、焦りすぎて弾倉を入れそこなったりすると余計に時間
を食ってしまいますから、正確に、それから素早くを意識してやっ
た方がいいと思います。
﹃スピードリロード﹄
弾倉を交換する際に、撃ち切った弾倉を破棄し、新しい弾倉を入
れるリロードです。 どちらかといえば、競技や短い間での戦闘、弾倉交換に即急の対
応を余儀なくされた状況などで使用するものなので、軍などではあ
まり使用しないかもしれません。
多くのゲームでは、この方法でリロードしていますね。
空の弾倉を回収する分の時間が省かれるので、時間は短縮できま
す。
ですが、弾倉を破棄するので、手持ちの弾倉が減ることにもなり
ますし、床に弾倉を落とすことで余計な音を立ててしまう可能性も
あります。
また、硬い床などに落としてしまうと、弾倉を破損させてしまう
113
可能性もあり、あとで回収しようとするならそれも注意です。
﹃ニューヨークリロード﹄
弾が切れた際に、メインの拳銃からサブの拳銃に切り替えるリロ
ード?です。
再装填とは少し違いますが、リロードテクニックの一種として覚
えておいてください。
これは昔、再装填がしにくいリボルバーを使用していた時のニュ
ーヨーク市警が使っていた方法で、そこからニューヨークリロード
と名前がきてるわけですね。
物によりますが、リロードするよりは予備の銃に持ち替えた方が
早いとは思います。
慣れればリロードも早くできるんですが、ジャムの時などはこの
方法がいいでしょうね。
これでリロード法の紹介は以上です。
また、余談になりますが、スライド、またはボルトをリリースす
る際に、スライドストップやボルトリリースボタンを押した方がコ
ッキングハンドルを引くよりも速いから、必ずそっちを使え、と言
う方がいますが、別にそんなことはないです。
その時の姿勢や持ち方、銃の種類や状況でまた変わってきますの
で、必ずしもボルトリリースボタンを押した方がいいというわけで
はありません。
特に拳銃だと、スライドストップのレバーが押しにくいものもあ
りますので、新しい弾倉を入れた後はスライドを後ろに引っ張った
114
方が早く装填できる人もいると思います。
これは私の体感でしかないですが、M1911やグロックなどは
スライドストップレバーが押しづらいので、スライドを引いてリロ
ードする方が早くできますねやっぱり。
では、これでリロードの名称についての解説を終わります。
115
ブルパップについて
今回はブルパップ式の銃についてです。
機関部がトリガーより後方に設置されている銃の事ですね。
それにより、ほとんどの銃が弾倉もトリガーより後ろに来ていま
す。
排莢口の位置で判断しても構いませんが、F2000のように特
殊な排莢位置を持つ銃もあるので、弾倉の挿入位置で判断した方が
間違わないと思いますよ。
薬室などを諸々後ろに持ってきているので、その分銃身を延長で
き、全長はカービンの様に短くしつつ、通常のライフルと変わらな
い銃身の長さを保つことが可能です。
全体をコンパクトに収めつつ、従来の命中精度を維持、もしくは
向上させられると、いい点だけをあげればなかなかいいものなので
すが、もちろん欠点もあります。
まず、排莢口の位置ですね。
顔に近くなるのもそうですが、例えば右側に排莢するブルパップ
式の銃だとすると、左手で銃を構えた場合、顔の前を薬莢が飛んで
いくことになり、非常に危ないです。
左利きの人もそうですが、状況によっては右利きの人も左手で構
える場合があるので、こういった状況下で構えにくいというのが1
つの欠点です。
もちろん、何も対策していないわけではなく、ステアーのAUG
などは専用の部品を付け、左右どちらかに排莢方向を任意で変更可
能で、FNのP90は下に排莢することで、利き手も選ばず左右持
ち替えしても薬莢が顔に飛んでくる危険性を防いでいます。
116
このように対策がしてある銃もあるのですが、結局は対策なしだ
と使い辛い銃であることに変わりはないです。
次の問題点は、機関部が後方にあるので、弾が発火した際の大き
な音や作動音などで射手の健康に悪影響を及ぼす場合があるという
ことです。
ストックに頬付けした時に、機関部がちょうど顔の横辺りにくる
ので、耳が辛そうですね。
3つ目は、弾倉の位置に関するものです。
構えた際、弾倉が腋の辺りにくる銃が多く、射撃姿勢で構えたま
ま弾倉交換がし辛いです。まあこれは個人差がありますが。
あとは、後方に重心が寄っているので、前方部分が軽くなりバラ
ンスが悪いというか、発射の際銃口が暴れるので、反動の制御が多
少難しくなる点でしょうか。
全長が短く独特な形状の為、銃剣を付けての戦闘に向かず、スト
ック内部に機関部が入り込んでいるので、可変式ストックにしにく
い点も問題です。あくまでしにくい、であり出来ないわけではない
ですが。
ブルパップについての解説は以上です。
問題点は多いですが、先に挙げたいい点を評価されてか、最近で
はブルパップ式の狙撃銃が増えてきていますね。
連射や頻繁な弾倉交換をせず、可変ストックにする必要もそこま
でない狙撃銃だからこそ、ブルパップの利点が生かせるんでしょう
ね。
117
手榴弾について
今回は手榴弾の解説です。
グレネードでも、ハンドグレネードの方ですね。ランチャーから
発射するタイプは今回は省きます。
手榴弾といっても様々なタイプに分けられ、攻撃を目的としたも
のから非殺傷型のものまで色んな種類があります。
多くのものは、安全ピンを引き抜き、レバーを外して投げるもの
になります。もちろん違うやり方の手榴弾もありますが。
あと、レバーは投げる時に勝手に外れるので、自分から外す必要
もないです。
レバーが外れなければ起爆しないので、ピンを抜いたままレバー
を握ることでそのまま携行することも可能ですが、レバーは少しで
も力を緩めると外れてしまう危険があるので、ピンを抜いたらすぐ
に投げた方がいいでしょうね。
また、安全ピンは結構硬く、歯で引き抜くことは難しいそうです
よ。
ここから、種類別で手榴弾の紹介をしていきます。
﹃防御型手榴弾﹄
フラグメンテーション、つまり爆発で破片を飛ばし、それで殺傷
効果を狙った手榴弾です。
破片手榴弾とも呼ばれますね。
投げる側の人が安全な位置から投げつけるため、なるべく被害範
118
囲の広くなっているからそういわれるらしいです。
﹃攻撃型手榴弾﹄
コンカッションという方が分かる人もいるでしょうか。
破片ではなく、爆発そのものの衝撃波で攻撃する手榴弾です。
ドイツ軍が使っていた柄付きのものが有名でしょうか。
防御型よりも範囲は狭いですが、こちらは水中で爆発させること
で、ダイナマイト漁の様に水圧によって敵を攻撃することが可能で、
水中にいる敵も殺傷が可能です。
﹃非殺傷型手榴弾﹄
敵を殺傷させるのではなく、無力化することを目的とした非殺傷
型の手榴弾です。このタイプは複数ありますね。
まず1つ目が、爆発すると、激しい爆音と閃光で一時的に相手の
視覚や聴覚を奪うスタングレネードです。
これは非殺傷型ですが、稀にショック死などを引き起こす場合が
あるので注意です。
また、前述した2つと違い完全に本体が爆散するわけではないの
で、ヒューズなどを交換して筒の部分は数回再利用可能なものもあ
ります。
2つめが、スモークグレネードです。
これは煙を出し、目標の指示や敵から身を隠す際に使用します。
煙が色付きのものもありますね。
119
3つめが、ガスグレネード。
催涙弾ですね。催涙ガスが吹き出し、咳や涙、嘔吐まで引き起こ
す作用があります。
あとは焼夷弾でしょうか。
これは攻撃用ではなく、何かを燃やして破壊したり焼却目的で使
用します。
これで手榴弾についての解説は以上です。
120
映画での銃の扱いその1︵狙撃時の銃の組み立て︶
今回からは映画などでよく見られるシーンについて、現実ではど
うなのか、などそういった解説をしていこうと思います。
まずは、狙撃直前の銃の分解組立についてです。
軍隊よりも殺し屋だとかそういった登場人物がやることが多いの
ですが、狙撃の直前に、ケースから分解された銃を取り出して組み
立てているシーンを見たことはありませんか?
これは、絶対にとまでは言いませんが、やらない方がいいです。
スコープは銃に取り付け、数発撃ちながら弾道を確認し、それに
合わせて調整しなければなりません。
そこで重要なのは、その時の銃の状態に合わせてスコープは調整
されているということです。
ここで一度分解し、再度組み立てた際には、ネジの閉め具合や部
品の位置などがまた変わってしまいます。
ちょっとのずれが照準を微妙に狂わせてしまい、調整した場所に
弾が飛んでいかない場合があるのです。
精度を重視した狙撃であればあるほど、一度調整した銃を分解し
てしまうのはNGです。
銃床やバイポッドなど銃本体の射撃精度に直接かかわってこない
部分なら、持ち運ぶために分解しても構いませんけどね。
だからといって、創作でもそこを現実的に考えてやらない、とい
うのはまた別の話だと思いますよ。
映画でもよくある演出、つまり創作世界ではそれも見せ方の1つ
121
であることに間違いはないのですから、あえて魅せる演出として作
中に組み込むのも私はありだと思います。
現実性に拘りすぎて、せっかくの描写を削る方が勿体ないと思い
ますよ。
もちろん、現実性が要求される作品ならやらない方がいい場合も
あると思います。
そこは、作品の傾向などで変わってきますから一概にこうだ、と
いう結論は出せませんので、作者の方々自身で色々と試行錯誤して
もらうことになりますが。
短くなってしまいましたが、今回はこれで終わりです。
しばらくは、映画での銃の取り扱いで∼、といった感じの内容に
なると思いますが、よろしくお願いいたします。
122
映画での銃の扱いその2︵壁への隠れ方︶
今回は、映画における壁への隠れ方です。
よく、壁を背にした状態で隠れている登場人物を見たりしません
か?
たとえ銃撃戦になっていても、そうやっている場合がありますね。
別にするなとは言いませんが、有効な手段とは言い難いです。
まず、壁に背を向けている時点で、標的の姿をしっかりと確認で
きないですよね。正面を見るのに、わざわざ首を捻らないといけな
いです。
敵を視認しづらいということは、敵が次に何をしてくるかが瞬時
に判断できなくなり、最悪対応が遅れてしまい、手遅れになる場合
もあります。
射撃姿勢に移る際も、一度身体を正面に向けてからなので、予備
動作が多くなりその間に敵の攻撃を許してしまう可能性があります。
それに、壁と体を密着させていると、弾が当たって弾け飛んだ壁
の破片などが体や顔に当たってしまうかもしれないので危険です。
また、壁に背をつけた状態でよく見られるのが、顔の傍に銃を寄
せる行為ですね。
これは銃の構え方の、射撃準備姿勢の方でも解説しましたが、ハ
リウッドレディと呼ばれる、スクリーン上に銃と登場人物の顔を一
緒に映す目的のもので、実戦向きの構えではありませんのでご注意
を。 では、ここから先は、どういった隠れ方をすればいいのか、その
解説をします。
123
とりあえず、体の露出は最小限に抑えましょう。
壁から完全に出なくても、半身程度出せば両手で銃を構えた状態
で射撃は可能です。
あとは、出来るだけ銃を構えた状態でも動けるくらい、壁との距
離は空けておいた方がいいかもしれません。そうすると、既に銃を
構えた状態となっているので、壁から身を出した時に標的に照準を
合わせるだけで発砲することが出来ます。
ただ、あまり距離を置きすぎると相手の射角に入ってしまう恐れ
もあるので、注意が必要です。複数の方向から狙われている場合な
ど、その場の状況次第では密着した方が安全な時もあるでしょうし
ね。それでも、身体はなるべく正面を向かせ、標的を捉えられる姿
勢になっていた方がいいでしょう。
銃撃戦がその場で動けないまま長引きそうなら、床に予備の弾倉
を置いて、弾倉交換をやり易くすることもできます。
また、逆に素早く別の場所に移りたいときは、当てなくてもいい
ので、敵のいる方向に数発撃ちながら素早く目的の場所に走ると、
より安全に移動ができますよ。
これはテクニックの1つであり、他にも遮蔽物を利用した銃撃戦
の方法は沢山あります。
今回はこういったテクニックの解説ではないので、あくまで紹介
程度に収めておきますね。CQB、近接戦闘に関する解説は別の項
目を設けたいと思います。
次回も引き続き、映画に関する事の解説をやっていきます。
124
映画での銃の扱いその3︵横撃ちと片手撃ちについて︶
今回は、銃の横撃ちと片手撃ちについての解説です。
両方とも、映画だけでなく、漫画などでもよく見る撃ち方ですね。
現実でもやれない技術ではないですが、当たるかどうかと言われ
れば、もちろん両手でちゃんと持った時に比べれば命中率は格段に
落ちます。
片手撃ちは、変に大口径の銃でもない限りは可能です。
あとは自分の筋力と相談、といったところでしょうか。
アサルトライフルを片手で持つにはかなり力が必要ですからね。
サブマシンガンくらいなら、比較的軽量のものもあるので片手撃
ちも可能でしょう。 大口径の銃でも、銃自体に重さがあるものは反動も多少緩和され、
案外撃てるものもあるかもしれませんね。
ですが、実戦で片手撃ちをする機会は、そう多くはありません
片手で銃を持つということは、それだけ銃の保持が甘くなり、取
り落としてしまったりする危険も多くなります。
片手だけで反動を受け止めるので、疲れやすくなり長期戦には向
きませんし、しっかりと反動を受け止めることが出来ずに照準が狂
ったり、動作不良を起こしてしまう可能性も高くなってしまいます。
と、デメリットは確かにありますが、メリットが無いというわけ
でもありません。
反対側の手がフリーになるので、ナイフやライトといった道具を
持つことができますし、敵の接近を警戒をしながら作業をしなけれ
125
ばいけない場合にも有効でしょう。
必ずしもやってはいけない行為というわけではなく、状況次第で
はやってもいい行為、ですね。創作の場合は、かっこいいから、な
んて理由で使ってももちろんいいと思いますが。
次に、銃を横に向けて撃つやり方ですが、こちらはほとんどメリ
ットがありません。
照準器を使えないというのもありますし、拳銃なら多くは横に倒
すと片手撃ちになってしまうんじゃないでしょうか。
照準器を使用しなくても当たりそうな距離で、咄嗟に射撃を行う
必要がある場合や、遮蔽物に隠れながら狙わずに撃つ時なんかはや
ってもいいでしょうが。
映画でこれをするのは、正面から見た時に人物の顔が見えるよう
にするため、らしいです。
ただ、最近は射撃時のテクニックの1つとして、銃を斜めや横に
構えたりするやり方も登場しています。
ですが、これはあくまで戦闘時に有効なテクニックとしてしっか
りと作られているものであり、単に銃を横に向けるだけの撃ち方と
は訳が違います。
銃を横にする撃ち方というと、馬賊撃ちというものもありますね。
その名の通り馬賊が使った射撃法で、馬上から銃を撃つ為のもの
ですね。
某ステルスゲームで登場したので、案外知っている方も多いので
はないでしょうか。
ただ、あのゲームで使用した射撃法は正確には馬賊撃ちではなく、
ただの水平方向への流し撃ちなのでやり方を誤解されている方も多
いでしょうが。 126
馬賊撃ちの詳細はこの記事では解説しませんが、もし希望される
方がいましたら、感想欄にでも書いていただければ記事を作るなり
感想で返信するなりの対応をさせてもらいます。
横撃ちも片手撃ちも、創作上で出すのならば現実以上にメリット
はあるのかもしれません。
現実でも必ずしもやってはいけない行為ではないので、そこを気
にされている方も大丈夫ですよ。
リアル重視の作品で気を付けるべき点としては、それが必要な状
況なのか、持っている人物がちゃんと片手保持でも扱いきれる銃な
のか、といったところでしょうか。
特別拘りが無い作品なら、特に気にせず使ってしまってもいいと
思いますよ。
127
映画での銃の扱いその4︵2丁拳銃について︶
今回は2丁拳銃についてです。
これは、現実よりも映画で見る機会の方が圧倒的に多いですね。
現代の実戦で役に立つ場面は、まったくとは言えませんがあまり
ないです。
2丁拳銃にすれば確かに、一度に撃てる数は増え、一時的にです
がサブマシンガンの様に弾幕を張ることも可能になります。
また、左右で別々の目標に対処出来たり、射撃中に別方向から奇
襲を受けても対応ができますね。
しかし、両手がふさがり、再装填はどちらかの銃をどこかに置く
かしまわない限りすることはできませんし、バックアップ程度にし
か使えない拳銃を2つ携行しないといけません。
また、片手撃ちになる為、銃の保持も甘くなりますし、当然命中
率も落ちます。
ほとんどの銃は右利き用に作ってあるので、左手で持つ銃は操作
がし辛いというのもありますね。
弾幕に関しても、サブマシンガンやマシンピストルといったもの
があるので、あえて2丁拳銃ですることもないでしょう。
現実のガンマンが2つ以上の銃を携行していたのは、あの頃はリ
ボルバーなどが主流で、装填に時間がかかったので、再装填するよ
りも銃を持ちかえた方が早いというのが理由ですね。2丁拳銃をす
るためではなく、予備の銃として持っていました。
このやり方は、前に紹介したニューヨークリロードと同じもので
す。あれも、警官の持つ銃がリボルバー主流だったこ頃の話なので。
128
ですが、創作の中では、2丁拳銃の弱点を特殊な能力や技能など
でカバーすることも出来ますし、絵的にも映えますので、それを使
うキャラクターを作っても問題はないと思いますよ。
現実でも、使うだけのメリットが無いだけで出来ないものではあ
りません。
キャラクターの個性を作る材料の1つとして、使ってみてもいい
かもしれませんね。
129
映画での銃の扱いその5︵投げナイフについて︶
今回は投げナイフについてです。
銃ではありませんが、これも映画で誤解されがちなものですので、
解説いたします。
投げナイフ、またはスローイングナイフは、主に投擲に特化した
ナイフを言います。
もちろん、ナイフであることに変わりはないので、切ったりも出
来はします。が、いろんな加工がされていて、通常のナイフより切
れ味はよくないです。ほとんどないものもあるようですね。
投げて刺すことに特化させているので、ナイフ自身に軽量化が施
されていたりして、戦闘用ナイフとは耐久性に違いがありますから、
これをメインのナイフとして扱うのは避けた方がいいでしょうね。
投げナイフは、映画では真っ直ぐに標的へと飛んでいきますが、
実際にはまっすぐ飛ばすとなると相当な練度が必要で、不可能とま
では言いませんが、かなり難しいです。
投げ方や使う人の腕次第で強弱はありますが、普通は回転がかか
ってしまいます。
戦闘中に使ってしまったら、再度回収する暇もないかもしれない
ので、武器を1つ消費することになりますね。
小型軽量の為、複数本持つこともできるでしょうが、ナイフをそ
んなに多く持ったところで、メリットはそう多くありません。
投げナイフは、確実に狙った場所へ当てるということが銃よりも
難しく、飛距離も銃には遠く及びませんし、先ほど言ったように、
ただのナイフとして使うなら、戦闘用に作られた物を使用した方が
確実です。
130
そこまで実戦で使えるというものではありませんね。
まともに扱えるようになるまでの練習が大変ですし、それでも銃
の方が有効なので、これをメインに、というのは創作での話でしょ
うね。
投げナイフを投げる時の持ち方は、ブレードグリップといい、刃
の部分を持つものと、ハンドルグリップという、柄の部分を持つや
り方があります。
これはナイフの形状で分けるといいでしょうね。
基本的には、上手投げの要領で手首を固定したまま腕を振り、手
から滑らせるように投げる、直打法または無回転投げと呼ばれるも
のが用いられるようです。
これのほかにもいくつか投げ方はありますが、一番よく見る直打
法のみを紹介しておきますね。
自分で練習する際は、うまく刺さらずに跳ね返ってきたナイフで
周りの物を傷つけたり、自分や他の人が怪我をしないように気を付
けてくださいね。
最後に、投げナイフとは違いますが、刃を飛ばすナイフの紹介を
します。
スぺツナズナイフと呼ばれるもので、これはバネの力を使い、刃
のみを射出するナイフです。刃のみを飛ばすので、再度グリップに
刃を入れればまた利用可能です。
有効射程内なら十分殺傷能力を持つくらいには、凄まじい勢いで
刃が飛んでいきます。
ですので、当然それ相応にバネの力も強く、再度刃を装填するに
は、大人が全体重をかけてのしかかるくらいの勢いで力を加えない
と装填できないため、戦闘中に行うのはほぼ無理でしょう。
131
これを使う際も、複数本持ち歩いての運用か別の戦闘用をナイフ
を持っていた方がいいでしょうね。
今回はこれで終わりです。
ナイフに関しては、いろんな種類がありますので、紹介の記事を
いつか別で書きますね。
132
映画での銃の扱いその6︵弾倉について︶
今回は、弾倉の扱いについて解説します。
映画やゲームでは、大体使った弾倉は捨ててしまう、スピードリ
ロードを使用しているのをよく見ますね。
悪い点などはリロードの解説で説明しましたし、リロード関係は
少し省きます。
今回は、弾倉に弾を込めるところですね。
いくらなんでも弾倉は、最初から弾が入っているわけではありま
せん。
当然、弾倉自体に弾を込める必要があります。
クリップを使ったり、最近は簡単に装填できるイージーマグなど
も登場しスムーズに弾倉へ弾を装填できるようになってはいるので
すが、基本的には1発1発を手で弾倉に送り込むのが普通のやり方
です。
装弾数の少ない拳銃ならまだしも、ライフルは30発などが当た
り前なので、戦闘中に込めるのは、さすがに無謀でしょうね。
また、マガジン内のスプリングの圧力に逆らって弾を込めていく
ので、込めれば込めるほどスプリングの抵抗も強くなっていきます。
なので、これは銃によって差がありますが、非力な小さな子供や
女性だと最後まで弾を込めるのは難しいとも言われていますね。
弾を込め終わったから、次に使うまで取っておこう。というのも、
本当はしない方がいいです。
弾倉はスプリングの力で弾を上の方に送っているので、弾を込め
133
っぱなしで放置すると、圧縮されたままのスプリングがへたってし
まい、装填不良のを起こしてしまうようになってしまうかもしれま
せん。
とはいえ、これはベトナム戦争時のM16などで言われてたこと
なんですが、最近の銃はそこら辺も改良され、1ヵ月くらい放置し
ても大丈夫なほどだそうです。
最近はいろんなメーカーが銃の弾倉を作っているので、メーカー
によっても耐久性や材質、使いやすさなども全然違いますよ。
こういった銃本体から外れた話は、意外と知らない事が多かった
りする人も多いので、解説してみました。
部品別でいろいろ調べたりすると、自分の知らない情報が意外と
あったりするかもしれませんね。
134
過剰攻撃について
今回は、オーバーキル︵過剰攻撃︶についての解説をします。
正直、これの判定は難しいところです。
致命傷を与えているにもかかわらず、相手を攻撃してしまった場
合でしょうか?
しかし、それではアメリカの警察などが犯人に凄まじい数の銃弾
を浴びせてしまっているものも、オーバーキルとなりますね。
人間でも、即死する場合と、そうでない場合があります。
当然、即死でないなら、武器を持った相手なら反撃を受ける可能
性がありますね。
また、銃を持っている人は死んでいても、握ったままの銃の引き
金に指がかかっており、何らかの拍子に引き金が引かれてしまう場
合ももちろんあります。
反撃さたり、予期せぬ反撃を防ぐために、倒れたりしていても息
があるなら、更に追撃を加えて確実に仕留めるか、武器を完全に無
力化する必要があります。
その際に、倒れている敵に対して攻撃をするなんて過剰な攻撃だ、
と思われる方がいるかもしれません。ですが、これは自分や仲間、
民間人などの命を守る為で、反撃されるリスクは出来る限り排除し
なければならないのです。
戦闘中なら尚更、周りが混乱して状況確認もまともにできないの
で、少しでも生きているかもしれないと疑いを持ったのなら、2、
3発撃ち込んだ方がいい⋮⋮場合もあるでしょうね。
何よりも、相手を完全に停止させ、無力化することが重要です。
135
もしそれが甘かったら、自分の命、ひいては大事な人を失うことに
つながるかもしれませんからね。
なら、どんなものが過剰なのかといえば、無抵抗な人やすでに死
んでいる人を撃った場合でしょうか。攻撃する必要が無いのに、や
ってしまうのは過剰な行動ですよね。
人によって、どこまでが過剰かは線引きが違いますし、こうした
ら駄目、とかは状況などによっても変わってきますから、これもあ
くまで答えの中の1つだと思っていただければ、それで結構です。
今回は人道的な話は省きました。そこまでいくと、もう銃で人撃
つこと自体が∼と、だんだんと堂々巡りになって収拾がつかなくな
りますし。それこそ人によって境界線が変わる話ですからね。
銃で言えば弾の無駄にもなりますし、遊び半分で死体を撃つなん
てそれこそとんでもないことです。
過剰攻撃は、やっていい行為とは言い難いものですね。創作の話
で言えば、キャラクターの狂気を表現するためにあえてする、とい
うのもありかもしれませんけどね。
136
弾薬のカラーコードについて
今回は、弾薬のカラーコードについて解説したいと思います。 まず、カラーコードとは何だろう、と思う人が多いと思うので、
その説明からですね。
同じ口径でも、弾薬は弾頭に複数の種類があります。
形状で判断できるものならいいですが、軍で使用している曳光弾
や焼夷弾といったものは、通常使用している弾頭と見分けがつかな
い場合があります。
なので、弾頭の先端部分に色を塗り、それを目印にして弾薬の区
別をしているのです。
その色分けの事が、カラーコードというわけです。
ただ、このカラーコードは全世界共通ではないので、少々厄介な
面もありますね。
そこも含めて、弾丸のカラーコードを紹介しましょう。
カラーコードは大きく分けて、NATO︵北大西洋条約機構︶と、
WTO︵ワルシャワ条約機構︶の規約に準拠したものの2つがあり
ます。
今回はこの2つのそれぞれのカラーコードを紹介します。
﹁NATO﹂
徹甲弾:黒 徹甲焼夷弾:白
137
焼夷弾:ライトブルー
曳光弾:オレンジ
通常弾:緑
﹁WTO﹂
徹甲弾:黒
徹甲焼夷弾:弾頭先端が黒、その下に赤の2色
焼夷弾:赤
曳光弾:緑
通常弾:軽い弾が銀か白、重い弾が黄色
このように、カラーコードの違いで同じ弾でも着色された色が違
ってくるので、ややこしくなりがちです。
これらは軍の弾薬の事なので、民間の弾薬では問題はないのです
が、軍を舞台にした作品などでは注意が必要かもしれませんね。
ですが逆に、NATOのカラーコードに慣れ過ぎた兵士がWTO
基準の弾薬を間違って使用してしまい∼なんてシーンを書くことも
出来るかもしれませんね。 138
サイトと銃口の位置は違うのになぜ狙った場所に当たるのか?
今回は、銃に付ける照準器のことについて解説します。
テレスコピックスコープやダットサイトは、銃の上部に装着する
ため、銃口とはかなり位置がずれてしまいます。
なのに、なぜスコープで狙ったところにちゃんと着弾するのでし
ょうか?
もちろんそう調整しているからなのですが、実際どのようにやっ
ているかなどはなかなか漠然としていて分からない方も多いと思い
ますので、簡単に説明させていただきます。
とはいえ図が無いと完全に理解していただくには難しいかと思い
ますので、この記事を読んだ後で検索をかけてみてもいいかもしれ
ませんね。
まず、スコープやダットサイトを覗いた時に見えるレティクルの
中心、そこから標的までを結んだ線を照準線というのですが、何も
調整していない状態だと、銃口よりもサイトが高い位置にあるので、
狙った場所よりもやや下に着弾してしまいます。
そこで、銃口から出る弾の弾道と、照準線がどこかで交差するよ
うに照準器を調整するわけです。
ここで重要なのは、基本的にはお互いまっすぐ進むので、交差は
してもずっと重なり合うことはないという事ですね。そして、交差
した後はまた間隔が広がっていくという事です。
なので、例えば50mの位置で照準線と弾道が交差するように調
整すると、それ以上の距離になると照準にズレが生じてしまいます。
また、照準線はいつまでもまっすぐですが、弾道は、弾が重力の
影響を受け徐々に落下していくので、変化します。なので、弾が落
139
下してきた時に再び照準線と交わる機会があるという事になります
ね。
つまり、調整した距離では確かに狙った場所へ着弾へ着弾します
が、そこから10m、100mと離れれば離れるほど照準は狂って
きます。
銃口とサイトの位置が離れていればいるほどずれが大きくなりま
すので、サイトの位置が高くなってしまう直銃床の銃などは、特に
注意が必要でしょうね。
なので、接近戦用に調整してある無倍率のダットサイトなどで狙
撃は、なかなか難しいのです。
100mも離れてしまえば、頭を狙うなんて至難の業でしょう。
弾丸の落下し始める距離や弾速などは弾によって変わってきます
ので、一定ではありません。そこも注意してください。
また、本来なら風なども影響も受けるので、いくら照準を調整し
ても、精度には限界があります。調整した距離だから必ず当たると
いうものではないという事も覚えておいてくださいね。
今回は、ゼロイン調整など本当の照準の調整に仕方は省かせても
らいます。そちらは要望があった場合、記事にしたいと思っていま
す。
なんとなくでいいので、サイトの位置が違うのになぜ当たるのか
と、調整したから大丈夫ではないという事、それだけ分かってもら
えれば、十分です。
140
同じ7.62?弾なのに使える銃と使えない銃があるのはなぜ?
7.62mm弾と表記されているのに、他の7.62mm弾を使
用する銃と互換性が無い、これは銃ではよくあることです。
今回は例えで7.62mmと表記しましたが、別にこの弾に限っ
た話ではなく、いろんな弾で起こるものですね。
私が弾薬の紹介の記事を書いた時に、弾のサイズは○○×○○と
いう表記にしていたのを覚えていますか?
×の前の数字が弾頭直径、後ろが薬莢のみの長さです。
そう、弾頭直径自体は同じでも、この薬莢の長さが違うのが原因
です。
例えば、拳銃弾の.30Tokarev弾もサイズは7.62m
m×25となっており、ライフルのAK47などで使用される7.
62mm×39弾と弾頭の直径は同じですが、薬莢の長さが違うた
め、互換性がありません。そもそもライフル弾と拳銃弾ですしね。
これは違う国の規格だからというわけではなく、同じ国の軍隊で
使う銃でも起こることです。
例えば、ロシアのライフル、AK47で使用する7.62mm×
39弾は、同じロシアのライフル、SVDで使用されている7.6
2mm×54Rとも互換性は全くありません。
これは口径表記でも同じで、対物ライフルなどに使用される12.
7mm×99の50口径弾と、デザートイーグルなどが使用する5
0口径マグナム弾の50AE、どちらも12.7mmであることに
変わりはありませんが、薬莢の長さが違うためデザートイーグルに
対物ライフル用の12.7mm×99の50口径弾を使用すること
141
はできません。
基本的には、薬莢の長さまでちゃんと合っているものしか入らな
いと思ってください。
中にはほとんど同じ大きさで、弾倉に入れられるのもありますが、
動作不良や暴発の原因となる可能性があるので、ちゃんとその銃に
対応した弾薬を使用するのが望ましいですね。
ただ、例外で、リボルバーなどはムーンクリップと呼ばれる、一
種のスピードローダーのようなものを使用し、オートマチック用な
どの薬莢底部のリムが出っ張っていない弾薬でも、シリンダーに固
定することが可能です。これで弾の大きささえ大体合っていれば、
違う弾薬でも撃つことができます。
このように、同じ7.62mmだからといってそれに対応した銃
がすべての7.62mm弾を使えるわけではない。銃はきちんと対
応した弾薬を使わなければいけない、という事を覚えておいてくだ
さいね。
142
水中で銃は撃てる?
よくわかんないけど、撃てなさそう。なんて思い込んでる人も多
いことでしょう。
まあ実際、昔の銃ならさすがに撃てないものが大半です。 ですが、現在の銃とカートリッジ式の弾薬は、撃てるか撃てない
かで言えば、撃つこと自体は可能なものが多いです。
撃つこと自体は、といったのは、それが効果的に使用できるかと
いう話になると、少し難しくなってくるからですね。
水中で弾を発射すると、どうしても水の抵抗を受けてしまい、飛
距離はかなり縮みます。
拳銃弾では数メートル飛ぶかどうか、それくらいまで飛距離が減
衰してしまいます。
また、水中では通常使用の時と大分状態が変わってきますので、
銃にかかる負担も大きいです。
専用の弾薬や銃でない限り、水中で銃撃戦はかなり難しいでしょ
うね。
では、どうして水中で弾が撃てるのか、ということですが、これ
は最近の弾薬は密閉性が高く、そうそう水が薬莢内に入らないので、
内部の火薬が湿気らないからです。
さすがに何日も放置して、となると話は別ですが、数分数時間程
度で中に浸水することは、余程劣悪な弾でない限り起こりません。
弾薬の面では、それが理由です。
銃の方は、水中で水の抵抗を受けても、しっかりと内部の部品が
作動してさえくれれば、あとは弾薬次第なので、大体の銃は撃てま
143
す。
ですが、水の抵抗を受け、ハンマーやファイヤリングピンが上手
く作動しなかったりすれば発射できませんし、初弾は撃てたとして、
オートマチックの銃ならスライドやボルトがちゃんと動いてくれず
排莢不良、次弾が装填されない、といった可能性は十分にあると思
います。
これはあくまで、水中から発射できるのかどうかという説明です。
ややこしいのですが、水面ぎりぎりで撃ったり、地上から水中に
向けて撃ったりとでまた弾の飛び方が変わってきます。
その辺はまた、水に弾を撃ったら∼のような記事を設けたいと思
います。今回は、水中で撃てるかどうかのお話、ということで。
144
近頃のSMG︵前書き︶
今回はある方のリクエストがあったので、それについての内容とな
ります。
これまでとは少し毛色の違う記事かもしれませんが、よろしくお願
いいたします。
145
近頃のSMG
チェコのVz.61︵スコーピオン︶や、イスラエルのウージー
など、有名なサブマシンガン︵以下SMG︶は沢山ありますね。
ですが、最近の戦場でそういったSMGを持っている画像を見る
事は少なくなった⋮⋮ような気がします。
それはなぜか、というのが今回の内容となります。
SMGは、狭い空間での取り回しが容易で、狙って撃つよりも弾
をばら撒くことに特化した性質上、近距離では凄まじい火力を発揮
しました。
また、狙って撃つ必要のある銃よりも簡単に操作でき、構造も比
較的単純なものが多く、低コストで作れるのが魅力です。
ただ、第2次大戦時まではそれでよかったのですが、高精度・高
威力で弾が連射できるアサルトライフルのような銃が登場し始める
と、SMGは近距離戦での主力装備としては不十分となっていきま
す。
最近になると、ボディアーマーの普及により、テロリストなども
そういった装備を付け、SMGが使う拳銃弾では効果が薄くなって
しまったことも原因の1つですね。
これにより、現在の軍では限定的な場面以外ではほとんどSMG
は使用されていない状況となっています。
あくまでここまでは、軍での話です。
では、軍以外ではどうなのかというと、警察などの法執行機関で
は、今もSMGが使用されています。
それは、これまでのSMGの弱点だった命中精度を克服した、M
P5の登場が大きいでしょうね。
146
弾をばら撒くのが主体だったこれまでのSMGと違い、H&K社
のMP5は簡単な狙撃が出来るほどの精度を持ったSMGでした。
ライフルは威力があり過ぎ、貫通して他の人に当たってしまった
り、狭い空間では取り回しもし辛いです。かといって拳銃では命中
精度に難があり、人質を誤射してしまう可能性もあります。
そんな中で、MP5はこれまでのSMGと同じ拳銃弾で使用に適
した威力を持ちながら、高い命中率を誇っていたので各国の警察は
次々にMP5を導入し始めました。
MP5が従来のSMG以上に信頼が置かれているのは、これまで
のSMGにはあまりなかった、しっかりとした固定式のストックを
装備していたことや、セミオートとフルオートどちらでも高精度の
射撃が可能という事、そして様々なバリエーションが存在するとい
うことからもきています。
欠点があるとすれば、構造上従来のSMGより複雑で整備がしづ
らい点と、やや価格が高めになってしまった点ですが、これは法執
行機関ではそれほど問題となるわけでもありません。
SMGが使われなくなったというよりは、これまでとSMGに求
められる性能が変わってきたせいで、名銃とも呼べるVz.61や
ウージーなどの従来のSMGの活躍の場が減ってしまった、と言っ
た方がいいでしょうか。
また、先ほど言った通り、軍でもまったくSMGを使わないとい
うわけではなく、一部の国ではウージーなど従来のSMGを使って
いる軍も存在します。
ですが、ここ最近はカービンライフルの銃身をさらに短くしたも
のや、ライフルとSMGの中間的存在のPDWの普及により、また
ちょっとSMGの立場が危うくなっている感はありますね。
147
戦闘と言っても色んな状況があります。その中にはSMGのよう
な存在が一番適したシチュエーションも必ずあるはずです。
ですので、SMGは役に立たない、なんて風には思わないでくだ
さいね。適材適所、それがあるからこそ、まだSMGは使われてい
るのですから。
148
女性は大口径の銃を撃てない?
女性は非力なイメージがあるからでしょうか、銃を撃つ行為自体
が上手くできないと認識されがちですね。
ですが、国内外を問わず、射撃競技や何かしらの大会に出るシュ
ーターの中には、少なからず女性の方がいます。
もちろん男女混ざって競い合うこともありますし、そこで性別に
よって優劣が決まってしまったら、そもそも競い合うこと自体に意
味はありませんよね。
もちろん、筋力や体格などはどうしても女性の方が男性に劣る部
分もあるでしょう。ですが、それだけで銃が扱いにくくなるかと言
われれば、必ずしもそうというわけではありません。
大口径の銃は確かに扱いにくく、反動も強いです。こういった話
ではよく名前が挙げられるデザートイーグルの50口径モデルも、
その1つですね。
ですが、そのレベルになるといくら男性だろうとも反動をうまく
制御できなければまともに撃つことも出来ません。
こういった銃は筋力だけで反動を抑え込むと、腕を怪我したり動
作不良の原因となる為、筋力があるから撃てる、というわけではな
いのです。
女の子がこんな銃を撃てるわけない。よく動画サイトなどで動画
を見ているとそういった発言をされている方がいますが、大抵、大
口径の銃なんて男女関係なく制御しづらいものなんです。女の子だ
からとかそういうものではないです。
もちろん、銃自体の重量を腕で支えるための筋力は必要ですし、
そういったものでは男性の方が優れているでしょう。ですがこれは
銃につけるアクセサリーやグローブなどの装備品を使用することに
149
よって、女性でもある程度はその差を埋める事が出来ます。
まして、最初から地面に設置して使うのが目的の機関銃などは、
バイポッドを使い地面に固定してしまえば銃を持つことに関して筋
力はそれほど関係なくなりますしね。
銃の反動は、持ち方や反動制御のしかたでかなり緩和できます。
これが出来ているかできていないかで大分変わりますので、大口径
の銃の操作の良し悪しは性別よりもどれだけ扱い慣れているかとい
う技術的な面が大きいでしょうね。
ただ、手が小さいだの体が小さいだのでうまく銃を保持できなか
ったりして、それが原因で結局上手く使えないという事もあります
ので、出来るだけ自分に合った銃を選ぶ、というのも重要です。
本末転倒にはなりますが、大口径で反動が強すぎるなら、弾の火
薬を抜いて減装弾にすれば、ある程度は反動を小さめにできます。
そうやって何かしら策を講じて無理やり自分が扱える範囲に収める
って手も一応はあります。ただ動作不良などを引き起こす可能性も
増えますし、お勧めはしませんが。 それに、小学生くらいの女の子が12ゲージのショットガンや4
5口径の拳銃を扱えている動画とかもありますし、女性だから∼と
かそういう事にはそこまで過敏にならなくても大丈夫だとは思いま
すよ。
ここから先は余談になりますが、先ほど挙げたデザートイーグル、
あれは度々戦闘で使えたものじゃないと言われてたりしますね。な
んだか戦闘時の使用のみで性能やらを評価されすぎている感じがし
ます。
そもそも銃は戦闘だけを目的に作られているわけではありません
よ。競技用から、民間向けのコストや性能を下げた物やハンティン
グに特化したものなど、様々な用途に分けられて作られています。
デザートイーグルも、確かに戦場で使う分には装弾数は少ないで
150
すし無駄に反動も大きく銃本体も巨大でかさばりますね。
ですが、ハンティングでは不意に猛獣に遭遇した場合や獲物に止
めを刺すときなど、瞬間的に高威力が出せる大口径のリボルバーな
どを携行する人がいます。そういった用途でなら、デザートイーグ
ルは50口径で威力は申し分ありませんし、箱型弾倉なのでリボル
バーほど弾を持ち運ぶのもそれほど邪魔にはなりません。また、即
座に連射も出来るためリボルバーよりも信頼性が高いしこっちを持
とう、と考える人もいると思います。
そんな感じで、使用する用途によっては凄く使いやすかったりす
るんです。
まあ、戦闘時の使用のみに思考が偏るのは、日本では実際に触る
よりもゲームや映画などで戦いで使用する場面ばかりを見る機会の
方が圧倒的に多いから、という事もあるんでしょうね。
ですが、そんなのは調理用の包丁に軍用ナイフと同じ性能を求め
るようなものなので、戦闘以外に使用する銃もある、というのはで
きれば記憶に留めててもらいたいです。
151
実銃射撃経験とか︵前書き︶
今回は愚痴のような内容なっており、一部の方に不快な思いをさせ
てしまう可能性もあります。
ですが、この記事に特定の誰かを否定するような目的はありません
ので、どうかご理解ください。
152
実銃射撃経験とか
最近は、割と簡単に海外へ行って実銃を撃てるようになりました
ね。
そのせいか、銃に興味のない人も、とりあえず撃ってみよう的な
ノリで撃ってくることもしばしば。
射撃場によりますが、各国の有名な銃を撃たせてもらえるところ
もあり、割とこの手の趣味を持った人は1度は実銃を撃ったことが
ある、という方も多いのではないでしょうか。
とまあ、ここで本題に入らせてもらいます。
たまーにですが、銃の会話をしていると、実銃撃ったことある人
は撃ったことない人より偉いと言いますか、そういう流れになるの
を見ます。
まあ確かに、撃ったことがあるか無いかでは、ある方のほうが色
々実銃の感覚が多少は理解できているはずですし、そういう情報を
得たという意味では上かもしれません。
ですが、だからと言って、この銃はこうだとか、まるでもう実銃
の事をすべて理解しているように言うのは、どうでしょうか。
射撃場で触れられる銃は限られていますし、インストラクターが
常に見ている場所が殆どだと思います。
また、射撃場によっては減装弾を使用していたり、多くは民間用
の銃でフルオート射撃可能な銃を触る機会はそれほど無いでしょう。
射撃時にしても、沢山ある射撃法を素人に全てやらせてくれる射撃
場、というのはあまりないかと思われます。危険なものもあります
し、そういうのはインストラクターに止められるでしょうしね。
ただ撃つだけでも、これだけの制限がかかっているものです。
153
日常的に銃を触ったりする兵隊の意見ならまだわかりますが、ち
ょっと数時間程度銃を撃っただけの人の言葉は、そこまで信頼性の
高いものとは言い難いでしょう。
実銃を扱ったというアドバンテージは確かに大きいです。ですが、
それだけでは決して、撃ったことのない人と大きな知識の差をつけ
るものでもない、というのをご理解していただければと。
最近はインターネットのおかげで、動画や海外サイトなどからた
くさんの情報を得ることが可能です。その中には前述した兵隊のよ
うな方の意見も見る事が出来ますね。
そういった情報も含めれば、実射体験で得るものは少なくはない
ですが、決して多いというものでもないのです。
154
実銃射撃経験とか︵後書き︶
これはあくまで私個人の考えなので、皆さんそれぞれで捉え方も違
うでしょうし、あくまでどっかのミリオタの戯言程度にとどめてお
いてください。
また、今回は実射体験をされた方に不快な思いをさせるような内
容になってしまった事を深くお詫びいたします。
私は決して、実射体験をするのが駄目ということを言いたいわけ
ではなく、そこで得た知識で誰かを否定するような行為をするのが
よろしくないと思っただけです。
むしろ銃が好きなら、実銃を撃つのを1度はやってみてほしいです。
きっと楽しいですよ。
まああれです、みんな楽しく話しましょう。趣味の事なら尚更、で
すね。
155
SAとDAについて
シングルアクションとダブルアクション、この用語はほとんど拳
銃に対して使用されるので、この記事でもそれをメインで解説して
いきます。
シングルアクダ
シブ
ョル
ンアクション
これらは、弾を発射する際の作動法や銃の機構を言います。
略称で、SA、DAとかかれる事も多いですね。
シングルアクションは、弾を発射する際に、ハンマー︵撃鉄︶が
起きている︵倒れている︶状態からでないと、トリガーを引いても
発射できません。
ダブルアクションは、トリガーを引くと、それと連動してハンマ
ーが動くので、あらかじめハンマーを起こしていなくても、即座に
射撃が可能です。
これだけ聞くと、ダブルアクションの方が便利そうに聞こえます
が、それぞれいいところと悪いところは存在します。
まず、ダブルアクションはトリガーと連動してハンマーが動くの
で、ハンマーを起こす分の力がトリガーにかかり、それなりにトリ
ガーを引くのに力が要ります。シングルアクションの場合は、ハン
マーがあらかじめ起こされているので、その分負担が減りトリガー
も軽くなります。
数発撃つ分にはいいですが、連続して何度もダブルアクションで
撃つと、指が疲れてしまいますね。
ただ、自動拳銃は後退したスライドがハンマーを自動で起こすの
で、特別な機構の銃でない限り2射目以降は必ずシングルアクショ
ンで撃つことになります。
156
ダブルアクションのリボルバーは、そういったものが無いので自
分でハンマーを起こさない限りはずっとダブルアクションで撃つこ
とになりますね。
トリガーを引くのに力がいるという事は、無駄に力が入り、銃の
保持が甘くなったり照準がぶれる可能性があります。いわゆるガク
引きというやつですね。
ですが、シングルアクションのようにトリガーが軽すぎると、今
度はふとした拍子にトリガーを引いてしまい、暴発させてしまう危
険も出てきますので、これもそれぞれ一長一短です。
シングルアクションのトリガーが軽くなってしまう問題もあり、
最近ではダブルアクションオンリー︵DAO︶という機構の拳銃も
登場しています。
こちらは、どれだけ撃ってもシングルアクションになることはな
い拳銃ですね。安全面などを考慮した設計です。
自動拳銃の多くは、シングルアクションとダブルアクションの両
方を使えるので、そういった2つを併用可能な銃の作動方式にはD
A/SAと表記される場合も多いですね。
シングルアクション、ダブルアクションのどちらかのみの場合は、
SAリボルバーやDAオート︵ピストル︶など、表記は結構自由な
ので、お好きな書き方で構わないと思います。
ダブルアクションオンリーも、DAOピストルなどですね。
︵またはオート︶﹂
一応細かく分類して、解説を入れます。
﹁シングルアクションピストル
157
発射するためには、ハンマーがあらかじめ起きた状態でないとト
リガーを引いても反応しない自動拳銃です。
そこまで数が多くありませんが、ガバメントなどがこれに当ては
まりますね。
まあハンマーが起きていない状態はそうそうないと思いますが、
もしそういった状態であるなら、即座に弾を発射される危険は無い
のである意味隙とも言えますね。
﹁シングルアクションリボルバー﹂
こちらも、発射するためにハンマーがあらかじめ起きていないと
いけないリボルバーです。
コルトのシングルアクションアーミーが有名でしょうか。
自動拳銃のように自動で装填をしてくれるわけではないので、撃
つたびにハンマーを起こす必要があります。
﹁ダブルアクションリボルバー﹂
一般的に、こう呼ばれるものはシングルアクションでも発射可能
なものを指しますね。もちろん、ダブルアクションのみのリボルバ
ーもありますが、その場合はDAOリボルバーと表記した方が誤り
が無くてよろしいかと思います。
こちらはダブルアクションの状態で連続して発射することも、シ
︵またはオー
ングルアクションで1発ずつ狙って撃つことも出来ます。現代のリ
ボルバーは大体がこの機構になりますね。
﹁シングルアクション/ダブルアクションピストル
ト︶﹂
158
ダブルアクションでも、シングルアクションでも発砲可能な自動
拳銃です。多くの自動拳銃はこの機構ですね。
トリガーを引いたが不発、そのような際、シングルアクションの
銃では再度弾を撃発させるのに、落ちたハンマーを再度手動で起こ
さないといけませんが、ダブルアクションでも撃てるこのタイプの
銃なら、トリガーを引くだけでハンマーを動かせるので、手間が無
くすぐに発射できます。
とはいえ不発の際は再度薬莢を叩いても弾が出るとは限りません
ので、素直に排莢した方がいいのかもしれませんが。
﹁ダブルアクションオンリーピストル﹂
ダブルアクションのみに限定された自動拳銃です。グロック17
などがそうですね。
とはいえ、グロック17は変則的なDAO拳銃なので、詳しい話
は別の記事に書きます。
今はとりあえず、ダブルアクションだけで撃つことができる自動
拳銃とだけ覚えておいてください。
159
マグナムは必ずしも強いわけじゃない?
マグナム。そう聞くと、どうしても強い弾丸のイメージがありま
すね。
確かに、装薬を同口径の物に比べ多く入れているので、同じ口径
の弾から比較すると威力は大きいのかもしれませんね。
ですが、マグナムと言っても、拳銃弾からライフル弾まで色んな
口径の物があるのです。
例えば、22マグナムは確かにマグナム弾ですが、拳銃弾で尚且
つ22口径でしかありません。
弾の大きさでは45口径弾には到底敵いませんし、破壊力も劣り
ます。というか22口径の拳銃弾では簡単にボディーアーマーで防
げちゃいますからね。
こんなふうに、マグナム弾でもそれ以上に強い弾はいくらでもあ
るんです。
こういうイメージは、近頃のゲームなんかで、マグナムと言えば
一撃必殺ともいえるような威力を持った武器として登場することも
多く、ちょっと誤解を生じさせるような描写が多いのもあるのでし
ょうね。
基本的にリボルバーの弾だろうとライフル弾に威力で勝るのは本
当に一握りくらいしかないので、本来ならあり得ないことなのです
が。
そうなるとリボルバーなんてリロード遅いし威力そんなにないし
で変態以外誰も使わなくなるから仕方ないのでしょうけど。
とまあそんな感じで、マグナムだから必ずしも強いとは限らない
のです。
160
マグナムはあくまで、その口径の基準値より装薬量を増しただけ
の弾丸ですからね。
161
小火器と重火器
いったいどこまでが小火器で、どこからが重火器なんでしょうか。
今回はそれについての解説です。
小火器とは、一般的には地上で活動する歩兵一人でも使用できる
ものを言います。
皆さんが想像するのは、大体拳銃やライフル、マシンガンや手榴
弾などでしょうか。これらもすべて小火器で当たってます。
でも、それだけでなく、少々ややこしいのですが、一人でも操作
可能なもの、なので、実はRPG−7やFIM−92スティンガー
なども小火器に分類されるんです。
大きな火器なので重火器と思ってしまう人も多いようですが、こ
れでも一応小火器扱いです。
では重火器とはどんなものなのか、まあ小火器の分類の仕方を考
えれば予想はつくかもしれませんが、ようは一人で運用できないレ
ベルの火器の事です。
砲兵が使う大型の榴弾砲や車両に搭載するようなミサイルとかで
すね。あくまで小火器と重火器は地上部隊が運用するレベルでの区
分けなので、弾道ミサイルとかそういった極端なものはまた別に分
類されています。
迫撃砲なんかも、一応運用にそんなに数いらないので小火器に分
類されます。
ただ、威力が大きいもの、それこそRPG−7のようなものも重
火器と表現されることもありますし、そもそも現代の兵器がいろい
ろ進化しすぎて小火器と重火器の線引きも曖昧になってきてますか
ら、そこまで細かく気にする必要もないのかもしれませんね。
162
163
表面処理について
銀色や黒など、銃の表面処理にはいろんな目的に応じて数種類あ
ります。
基本的にこれらは、ポリマーなど樹脂製の物ではなく、金属製の
銃に施される処理になりますね。
主な用途は、防錆、耐久性の向上、装飾としてなどの目的で使用
されます。
大体は○○フィニッシュ︵仕上げ︶という表現を用いますが、パ
ーカーライジングなどフィニッシュの単語が付かない表面処理の種
類もあります。
ニッケルフィニッシュは、処理にニッケルを用い、銃表面に薄い
金属膜を張るメッキ処理になります。ニッケルの場合は、やや黄色
みがかった銀色の色合いになりますね。
似たようなもので、クロムを使ったクロムフィニッシュの方は、
光沢のある綺麗な銀色になります。
どちらも軍用銃ではあまり見かけませんが、市販されている銃で
はわりとよく見る表面処理ですね。派手で目立つので、手に取る人
も多いとか。
ダルフィニッシュ、マットフィニッシュは金属特有のきらきらし
た光沢を消す、いわゆる艶消し加工のことです。
光を反射しないので、軍用銃などにも使用されています。ステン
レス製の銃でもこの処理がされている場合がありますね。光沢のな
い銀色で、これはこれで綺麗だと思いますよ。
164
なしじ
サテンフィニッシュは、日本語で梨子地と呼ばれる処理になりま
す。
表面をざらざらした感じにして滑りにくくし、艶消しのように光
を反射しないようにする処理です。
ざらざらと言っても、そんなに擦って指が痛くなるほどではなく
て、ちょっと指で触るとさらさらした感触をほのかに感じるくらい
ですかね。
ケースハードゥン仕上げは、今の銃ではあまりしないですが、昔
の銃は焼き入れして表面を硬化させるために、この処理をしていま
した。
主にこれをしている銃では、コルト・シングルアクションアーミ
ーが有名でしょうか。
青や灰色などのまだら模様が浮き出て、観賞用としても十分に使
えるほど綺麗な模様に仕上がります。
パーカーライジングも、光の反射を低減させるリン酸被膜処理の
ことです。
M1911ガバメント系に使われているものが分かりやすいです
かね。
他にも表面処理はたくさんの種類がありますが、トイガンなどで
もされているもので、日頃から目にする機会も多いものに絞らせて
いただきました。
別にこれは銃に限った話ではなく、いろんなものに施されている
ので、案外もう知っている、という方も多いのではないでしょうか。
まあその時はその時で、銃にもこういう処理がされてるんだよ的な
感じで覚えていただければ。
そんなに重要じゃないですし、とりあえずこういったものもある
165
んだ、程度に覚えてもらえれば十分ですよ。
166
KeyMod
Systemについて
今回は、近年広まり始めたKeyMod
Systemという物
︵レール・アダプター・システム︶のようなオ
について解説致します。
これは、RAS
プションを装着可能なレールが付いたハンドガードを、さらに改良
Systemは、従来のRASでレールが設置さ
したものと言えばいいでしょうか。
KeyMod
れていた部分に鍵型の穴が付いていて、そこに様々なオプションパ
ーツやレールを配置可能なものになっています。
従来のRASでは、ハンドガードと一体化し完全に固定されたレ
ールにオプションパーツを付けていたのですが、これでは拡張性は
高くても、レールの分RASそのものの重量が増してしまったり、
RASが太くなってしまいました。
また、オプションパーツをつけない時は、レールカバーなどでレ
ール部分を覆わないと、上手く保持できなかったり、最悪レールの
エッジで手を切ってしまう可能性も無くはありません。しかもレー
ルカバー付けた分だけ太くなるのでやっぱり握りにくくなりますし
ね。
それに、どうしてもレールはかさばるので、ハンドガードに設置
するとしても、その多くは上下左右の4面が限界、という事もあり、
Systemは、レールは付けず、その
画期的な設計ではありますが弱点もあったのです。
その点、KeyMod
レールすらもオプションとして自由な場所に設置できるようになっ
たので、軽量化に加えRASよりも細く、物によりますが、八角形
の形状をしたものは上下左右だけでなく斜めにもレールを設置可能
167
となっています。
好きな場所にレールを設置して、自由にオプションパーツを付け
られ、軽量でRASよりも細く握りやすいと、これから流行するか
もしれない?くらいにいいこと尽くしなものになっていますね。
168
創作で銃を扱う際の注意事項︵銃の特徴編︶
今回は創作、主に小説等で銃という道具を登場させる際に注意し
ておいた方がいい点などを解説いたします。
創作向けの内容になりますので、自分はそういうことしないなー
って人は、読んでもつまらないかもしれませんがご了承ください。
まず、小説で銃を出すとなると、固有名詞を登場させるか否か、
これが問題になりますね。
正直なところ、漫画と違い小説は文字でしか表現できないので、
外観はある程度読者の想像に任せるしかなく、そうなるとやはりま
ったく銃を知らない人は固有名詞だけ出されてもそれが銃であるこ
と以上のイメージがつきにくくなってしまいます。
固有名詞を出す際には、銃種によって描写を変えたい場合やその
銃でなければならない場合など、他にはミリタリー系の作品だった
りそういった特別な理由が無い限りはあまり固有名詞を出すのはお
勧めできません。
固有名詞の後ろにアサルトライフルやハンドガンとその銃の種類
を書きこむのも悪くはありませんが、知らない人は連射できる銃は
みんなマシンガン、片手で持てる銃はみんな拳銃、みたいな認識を
持っている人も多いですので、ある程度の予備知識がないとこの変
でも駄目な場合がありますからね。
それに、いくらミリタリー色の強い作品でもできる限りは種類は
少なめにしておいた方が無難かもしれません。
銃の名前はほとんどが覚えにくい数字の羅列だったりするので、
銃を把握してる人でないとこの辺は覚えられない可能性も。
登場人物や組織名だけでなく、銃の名前や持ってる人まで覚える
となると読者の負担が大きくなってしまいます。
169
小説ではなく、銃の名前の展覧会のような作品になってしまうの
だけは避けましょう。
まあ、これは個人のやり方でどうにでもなるものですので、あく
まで私の意見として参考程度に。やり方次第ではうまくまとめるこ
とも可能です。
次に、銃の特徴ですね。
銃もそれぞれ個性があります。ですから、全部を他の銃と同じよ
うに扱ってしまうと、どうしても間違いが生じてしまうんです。
出すからには、その銃についてよく調べましょう。ゲームで知っ
たから大丈夫、は大抵ミスの元になるので、少しでいいので銃の名
前で検索をかけましょう。
いくつか間違えやすい銃の特徴を書いていきます。
安全装置
・銃のセーフティの有無。
銃によっては安全装置が付いていないものもあります。
ついていない銃を持っているのに安全装置をかけた、という描写
をしてしまうと、まあ気になる人は気になるレベルのミスに発展し
ちゃいますね。
・銃の装弾数
基本的には弾倉に入る分と銃本体に1発なのですが、オープンボ
ルト式の銃は本体に1発分が無いのでこれもミスしがちですね。
・口径
これは最近の銃は複数の弾に対応した物が多いので、そこまで問
題はありません。
ですが、大抵の銃は口径を変えるには内部や銃身をその口径に対
応したものに変える必要があるので、整備なしで複数の弾薬を使う
170
というのはできませんね。
・サプレッサーの着脱可能な加工がされているか
銃身にその加工がされているかですね。まあこの辺は描写しない
限りは付けられるものとして読者も認識してくれるはずですので、
そこまで気にしなくていいと思います。
・マガジンキャッチボタンなのかレバーなのか
銃によって弾倉交換に使用するマガジンキャッチがボタン式なの
とレバー式なのがあります。
まあこれも弾倉変えた∼等の簡単な説明だけで済ませれば問題な
い部分です。
・リロード方法。
銃によって弾倉交換の方法は異なります。
H&KのG3系の銃では、コッキングレバーを引いて後ろで固定
した後に弾倉交換をしてまたレバーを戻すという方法を取りますし、
M16、AR15系ライフルは弾倉を交換した後はボルトリリース
シングルアクションアーミー
ボタンを押すだけでリロードが完了します。
また、リボルバーのSAAは弾をシリンダーから1発ずつ抜いて
また1発ずつ込めるというやり方でのリロードになるので、空中に
弾を放り投げてそれをすべてシリンダーでキャッチして中に込める
のはほぼ不可能です。
このように特殊な操作をする銃もありますので、出来れば動画な
ども参考にしてみるとより詳しく銃の特徴が調べられると思います
よ。
・セレクターの操作
主にライフル系ではセミオートやフルオートなど切り替えがセレ
クターで行えます。
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大抵はセーフティもそこで操作できるのですが、中にはセレクタ
ベクターやステアーAUGなどはセーフティとセレクタ
ーとセーフティが別になっている銃があるので、ここも注意が必要
ですね。
クリス
ーが別になっているので、セレクターを回してセーフティを入れる
∼なんて書くとこれも間違いになっちゃいます。
なお前述したステアーAUGに関してはセレクターそのものが無
く、トリガーの引き具合でセミとフルを使い分けられます。という
風にこんな特殊な銃もあるので、前もって調べるに越したことはな
いと思いますよ。
・コック&ロック可能かどうか
ハンマーを起こした状態でセーフティをかけ、セーフティを外す
だけで即座に射撃が出来る状態のことですね。
ハンマーを起こす必要が無いので、即応性に優れダブルアクショ
ンで撃つわけでもないのでより精度の良い射撃ができます。
M1911系の拳銃では大抵これが出来ますが、ベレッタ92F
系はセーフティがデコッキングレバーを兼ねているので、ハンマー
が起きた状態でセーフティを操作するとハンマーが安全位置に戻っ
てしまいます。
そもそも安全装置が無い銃もあるので、これも注意するべきとこ
ろですね。
・スライドストップの有無
拳銃ではスライドストップがついていない銃があります。
こういった銃は弾が切れてもスライドが後方で止まることはない
ので、注意が必要です。
扱い辛い銃として逆に創作に出すのもありかもしれませんね。
・どうすれば発射可能になるのか
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何よりもどうすれば撃てるのか、これを理解してないと変な描写
をしてしまいがちです。
拳銃やライフルは大丈夫でしょうが、ベルト給弾式のマシンガン
やRPG等のロケットランチャーともなると、意外に操作が複雑だ
ったりするので間違いやすいですね。
・その銃の強度、耐久性
落としても壊れないか、泥や砂を被っても大丈夫か、ですね。
これもちゃんと理解さえしておけば、逆に作中でそれを利用した
描写が可能なはずです。
・どれだけの威力があるのか
まあ創作ではトンデモ威力になったりは日常茶飯事なので、リア
ル重視でない限り突っ込まれることはないと思いますよ。
現実でも小学生くらいの女の子が大口径の銃撃ってる動画とかも
あるので、反動もそんなに気にしなくていいと思います。可愛い女
の子がでっかい銃を持つのはロマンですロマン。
・隠し持てる大きさかどうか
実際に手に取ってみないと、大きさってのは意外にわからないの
が厄介なところですね。
資料で見てみると意外に小さそうに見えたものが実際は結構大き
くて、とてもじゃないけど女の子の身体に隠せる代物じゃなかった、
なんてことも。
これも動画などでおおよその大きさを把握しておいた方がいいか
もしれません。
・射程距離
有効射程がどこまでか、というのは一応確認しておいた方がいい
かもしれません。
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まあ、創作でなら多少誇張されたものでもいいとは思いますけど。
拳銃で2?狙撃とかは異能持ちでもない限りいくらなんでも大げさ
すぎるのでやめておいた方がいいとは思いますが。
とまあこんなふうに、銃の特徴はそれぞれたくさんあります。も
ちろんこれで全部ではないですが。
何も調べないままこの銃が好きだからとぽんぽん出して書きつづ
けてしまうと、思わぬところで失敗してしまうかもしれません。
自分の小説ではどこまでリアルに表現しようか、どの銃をどうや
って使わせようかと最初に決めておいて、いろいろ調べておいた方
が安心できると思いますよ。
まあ正直なところ、創作なんですし多少現実離れしてようが別に
構わないとは思っているんですけどね。
ブレザーとか着てスカートひらひらさせながら銃を撃ち合う女の
子とかすっごく可愛いじゃないですか。
防弾云々とかそんなのは些細なことです。せっかくの創作なんで
すから固く考えずやっていきましょう。
と、いうのが私の考えでございます。
もちろん、リアルにするからこそ生まれる緊張感もありますし、
そこは皆さまの作風次第ですね。
私の資料に関しても参考程度に留めておいて、鵜呑みにはせず自
分の創作スタイルと貫いてください。
それがきっと、一番重要なことだと思いますよ。
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創作で銃を扱う際の注意事項︵キャラクターの行動編︶
今回はキャラクターの行動等についての解説です。
銃を扱うキャラクターと言っても、軍人や殺し屋から学生などの
一般人と、創作世界では幅広いですね。まあ現実でもそこは同じで
すけど。
ここで重要なのは、キャラクターの行動がちゃんとその身分と一
致しているかどうかです。
数々の戦場を渡り歩いてきた歴戦の傭兵なんて肩書きがある癖に、
銃の扱いは素人以下なんてことになったら目も当てられません。
ですがあまりリアルにしすぎてもせっかくの創作作品としての形
を壊してしまいますので、これから先に書くことはすべて守らなけ
ればならないというものではありません。
物語の展開上どうしても必要なシーンなどで現実性を重視して描
写に制限がかかってしまっては元も子もありませんから。
ではどういうところに気を付けたらいいかというと、まずは銃の
安全管理からでしょうね。
詳しい安全管理の話は別に記事で書きますが、基本的に撃っては
いけないものや人に銃口をホイホイと向けていいものではありませ
ん。もちろん弾が装填されていなかろうとです。
特に軍人ではここら辺はしっかりと教えられるので、軍人設定の
キャラクターなのにことあるごとに他人に銃口を向けたり発砲した
りはちょっとおかしくなってしまいますね。まあそういう性格のキ
ャラクターだった、というので済ませられもしますが。
創作では学生の身分でありながら銃を持ったキャラクターも多い
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ですよね。
その中にはちゃんと訓練を受けている子もいるはずです。基本的
にそこら辺の指導はされるはずなので、いくら若いから感情的にな
ったからと友人や仲間に銃を向けるのはどうかと思いますよ?
あとは、不用意に銃口を覗いたり、どう考えても必要以上の改造
を銃に施しているとかその辺りもですね。
意味のない片手撃ちや2丁拳銃なども、訓練されている人なら普
通はやらないです。まあ、絵的に映えますし片手撃ちしかできない
状況等いろいろありますのでこれは一概に駄目だとも言い切れませ
んが。
あとは負傷での行動制限でしょうか。
ゲームなら1、2発くらっても問題なく動き回れますが、余程小
口径の拳銃弾が掠るとかでもない限り直撃すればふつう当たった場
所は動かせませんしすごく痛いです。
このくらい平気だぜ、なんて言ってる余裕はないと思いますよ。
拳銃弾もそうですが、ライフル弾ともなればまともに腕に当たれ
ば肉は抉られるし最悪腕がなくなる場合もあります。
当たった場所や弾頭などで負傷の具合は変わりますが、どれも軽
い怪我程度では済まないものです。
当然負傷すれば動きが鈍くなりますし、元気に跳ね回るようなこ
とはできないです。
ただ、戦闘時に極度の興奮状態に陥っている場合、ある程度痛覚
などが鈍くなってしまうこともあり、そういう場合は被弾してもあ
る程度は動くことができます。終わった後が大変ですが。
銃の操作にしても、触ったことが無い銃はそんな瞬時に構造を理
解して使いこなすのはほぼ不可能です。
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ある程度銃はセレクター等部品は似たような箇所に設置されてい
る場合が多いですが、特殊な操作をする銃は少なからずあり、兵士
でもちゃんとその銃の訓練を受けないと完璧に使いこなすことはで
きません。
初めて見た銃をちょっと触っただけで使いこなすというのはちょ
っと難しい話ですね。特に普段使ってる銃の癖を身体が覚えてしま
っていると、誤操作が多くなってしまいます。
戦闘時の行動も、単騎で突っ込むよりは仲間と連携し死角などを
カバーしつつ必要最小限の動きで効率よく敵を排除する方が多いで
す。
それぞれに担当のポジションがあって、突入する人なら突入して
狙撃など外から支援する人は外からという風になるので、一人でそ
れ全部を兼任することはできませんし担当がいるという事はそれの
専門に技術を持った人が必要ってことです。
一つの分野、狙撃なら狙撃とそういった専門技術は数年かけて身
につけていくものなので、学生の段階で全てをマスターしたとかは
もう創作ならではの話でしょうね。
また、任務など目的に合わせた配置や装備が必要なので、その時
その時でそいうのは変わってきますし、全部同じ装備で何とかなる
場面はそうそうありません。
このほかにも、どう考えてもプロがやる行動としては不相応な行
動はいくつもあるでしょう。
ですがあまり拘りすぎても作品をつまらなくさせるだけですし、
映画などでも派手に見せるためだけに間違った行動をさせることも
ありますから、そこは自分の作品の雰囲気と相談していろいろ考え
てみるのがいいでしょうね。
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安全管理について
今回は銃の安全管理についてです。
銃とは、とても高い破壊力を持った道具です。
つまり、どんな目的で使用するにしても、扱い方一つ間違えば自
分や周りの人を意図せず傷付けてしまう可能性もあるのです。
それだけならいいですが、一歩間違えば誰かの命を奪ってしまい
かねないという事をよく心に留めておいてください。
もちろん、こういった事故は銃を持つ人の心がけ次第ではちゃん
と防げるものです。
人を傷つけるのは銃ではなく、故意であろうとなかろうとそれを
持っている人自身だということです。
銃自体の故障等からくる暴発など限られた状況を除けば、トリガ
ーを引くのは銃を持っている人なのですからね。
とりあえず、最低これだけは心がけていてほしいと思う項目だけ
いくつか挙げてみます。
まず一つ目は、銃を扱う際には﹃常に﹄弾丸が装填されているも
のとして扱うということです。
もちろん、本当に弾が入ってない状態でもです。自信満々に弾入
ってないからトリガー引いても大丈夫だよ、とか言う人ほど薬室の
一発を見逃して暴発させちゃうんです。
たかが一発でも、銃口がもし友人や周りの誰かに向いていたら、
それだけで大変なことになります。
先ほど言ったように、扱い方を間違えただけで大きな事故へと繋
がるんです。そういう思い込みからの事故等も実際に多くあります
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ので、取り扱う際には細心の注意を払ってください。
これは実銃だけでなく、トイガンでも言える事です。いくらプラ
スチックの弾だろうと当たれば痛いですし、目などに当たれば十分
大きな事故となりますよ。
二つ目は、自分含め人や撃ってはいけないものに銃口を向けない
という事です。
これは意識している内は意外にできる人も多いですが、無意識に
銃がフリーになってしまう瞬間・場面が発生し、その際に不意に銃
口が向けてはいけない人や物に向いてしまう人は少なからずいるで
しょう。
基本的に銃は、ケースから出して再びケースにしまうまでしっか
りとその安全管理を持ち主がやらなければなりません。
出してしまうまで、つまり手に握っていようが机に置いていよう
がケースの中に入るまではしっかりと持ち主が管理していないとい
けないんです。
特に注意が散漫になりがちなのは、射撃場のような場所で言えば
的を撃ち終わった瞬間やセイフティ・エリア︵銃の整備や休憩等を
する場所︶に入る時でしょうね。
セイフティエリアなんかは人が多いですから、的にちゃんと当て
れたぜーなんて自慢してて注意散漫になり銃口をふらふらさせてし
まっては大変です。しかも撃った後だと安全装置かけてたり装填さ
れていないかどうかも微妙なところですからね。
細かい理屈抜きで、銃口から絶えず銃弾が出てると思いましょう。
そうやって気に留めておけば、射撃中も射撃前後の状況でもちゃん
と銃口の管理ができるはずです。
この﹃銃口管理﹄というのは、軍隊でも徹底的に教えられること
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ですし、銃を扱う以上絶対に守らなければならないことの一つです。
忘れないようにしましょう。
三つめは、射撃する時以外トリガーに指をかけないことです。
トリガーディシプリン、ようは不必要な場面で不用意にトリガー
に指をかけないことなのですが、意外にこれが出来ていない人も多
いようですね。
確かに安全装置さえかかっていればトリガーがロックされるかも
しれませんが、だからと言ってトリガーに触れていいというもので
はありません。
それこそ前述したように安全装置がかかっていると思い込んでい
ただけだったり、何らかの拍子で安全装置が外れてしまった場合も
ちろんトリガーを引けばそのまま弾が発射されてしまいます。
普段からトリガーに指をかけていると、トリガーを引いてはいけ
ない状況でも癖でトリガーに指がかかってしまうことだって十分に
あり得るんです。
撃つとき以外は人差し指は伸ばして、撃たないといけない時だけ
トリガーに指はかけるようにしましょう。
四つ目は、銃と周囲の状態をよく確認すること、です。
銃に関しては、安全装置がちゃんと安全位置に来ているか、薬室
内に弾は装填されているかどうか、弾倉は銃に入っているかどうか
の確認ですね。
前の三つはあくまで弾が装填されていたり安全装置がかかってい
るかどうかを問わず心がけるものですが、何より大切なのは本当に
安全が確保されているかどうかの確認です。
いくら心がけているからといって、実際には弾が装填されている
銃をもって歩いていたり安全装置かけなかったりしていたらそれで
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は本末転倒です。
心がけだけでなく行動もしっかりとおこしましょう。
周囲の状態は、人や物の位置などの確認ですね。それを元にどこ
なら銃口を向けていいのかなどを考えましょう。
と、大体これが最低限安全管理の上で覚えておいてほしいことで
す。
銃を持ったら、安全装置の確認と弾が薬室に装填されているかど
うかの確認だけはちゃんとしてくださいね。弾倉入ってるかどうか
はまあ見ればすぐに分かるのでそんな注意深く見なくてもいいです
けど。
あと、セイフティエリア等に行く際には弾倉を外して薬室の弾も
抜いておき、確実に安全装置をかけましょう。
中には銃をホールドオープン︵拳銃で言えばスライドが後ろで後
退したまま薬室が解放された状態︶した状態を射撃位置に行くまで
維持させるほど徹底した安全管理を要求してくるような射撃場もあ
りますからね。
トイガンだろうと実銃だろうと、持つ人にはそれなりの責任があ
ります。
何度も言いますが間違った使い方をすれば簡単に人を傷つけられ
るのですから、銃を持つ場合はそういった事態が起こり得る事をし
っかりと理解し、自他ともに気を配りそれを防止出来るように努め
ましょう。
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PDF小説ネット発足にあたって
http://ncode.syosetu.com/n5092by/
小火器についての資料
2015年2月9日23時37分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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