02 【資料2】産消連携(県産県消)の推進

資料2
産消連携(県産県消)の推進
Ⅰ 産消連携(県産県消)をめぐる状況
Ⅱ 現行ビジョンにおける施策の推進状況
Ⅲ めざす姿と進むべき方向(たたき台)
Ⅰ 産消連携(県産県消)をめぐる状況
1 生産現場の状況
① 県内の野菜消費量に対する県産野菜の出荷量は4割弱にとどまる
② 県内食料自給率は 16%(平成 23 年度、カロリーベース)と低調
兵庫県と全国の食料自給率
県民への野菜供給量の状況
(千トン)
800
(単位:%)
カロリー
ベース
生産額
ベース
重 量
ベース
兵庫県
16
36
23
全
39
66
-
600
400
702
200
260
0
県民消費量
県産野菜出荷量
国
※ 平成 23 年度数値
資料:農林水産省公表(カロリーベース、生産額ベース
県総合農政課調べ
資料:農林水産省「食糧需給表」
、
「農林水産統計」
1
2 流通と消費の状況
③ 直売所の総数は増加しているが、需要の見込まれる都市近郊での整備が進ん
でいない
④ 国産青果物の卸売市場経由率は依然として9割近くを占める
直売所数の推移※1
人口 10,000 人あたりの地域別直売所数※2
(箇所)
(箇所)
500
473
6
5
450
4
3
400
355
2
350
1
洲本
丹波
朝来
豊岡
光都
加東
姫路
加古川
阪神
H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25
神戸
0
300
国内青果物の卸売市場経由率※3
(%)
※1,2:総合農政課調べ
100
80
※3:農林水産省調べ
93
93
91
92
87
88
88
87
86
60
40
20
0
H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
2
3 消費者意識の変化
⑥ 食の安全性を揺るがす事件が相次ぎ、国産や地元産の農産物を求める消費者
が増加
⑦ 食の安全安心に対する関心の高まりから、「農」に興味を持つ消費者は増加
している
農林水産物の購入に関する県民の意識
・購入するものの産地について
兵庫県楽農生活センターにおける体験者数の推移
(人)
県産かどうか
国産かどうか
14,000
かなり気にしている
13.5%
71.4%
12,000
ある程度気にしている
39.2%
24.0%
10,000
あまり気にしていない
39.4%
3.7%
8,000
7.8%
0.9%
6,000
全く気にしていない
4,000
・地産地消のメリットとは
新鮮なものが手に入る
52.9%
2,000
生産者が身近で安全安心
51.6%
0
地域の活性化につながる
20.8%
地域の農林水産業の振興
につながる
19.4%
12,300
8,528
7,277
9,337
7,880
8,395
4,752
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
資料:総合農政課調べ
資料:県民モニター調査(H20)
3
Ⅱ 現行ビジョンにおける施策の推進状況
ビジョン策定時の状況
これまでの推進方向
1 環境創造型農業の推進により産地における
農薬使用量が低減
1 「ひょうご安心ブランド農産物」が県内各地に広
がり、安全で高品質な県産品が供給されている
2 兵庫県認証食品数は増加しているが、生産
量が少ないため、全流通量に占める流通割
合は低迷
2 安全で個性・特長のある県産食品が県民に供
給されている
3 小規模店舗の統合などにより、直売所設置
の伸びは鈍化しているが直売に取り組む生
産者や利用する消費者は着実に増加
3 県産農水産物の県内供給が拡大し、学校給食
をはじめ、県産食材の提供機会の増加により、
地産地消、県産県消が進んでいる
4 市民農園の利用者は増加しているが、都市
部と中山間農村部で利用率に格差が発生
4 市民農園等を活用しての農業体験や安心して
旬を楽しみ、食と「農」に関わる楽農生活者が増
加している
5 農業体験や旬のものを食するなど「農」のめ
ぐみを感じ行動する楽農生活者は増加して
いるが広まりが不足
5 県産農林水産物への関心が高まり、県民が進
んで安全で新鮮な県産農林水産物や加工品を
購入している
H23
20,760ha
兵庫県認証食品流通割合(生鮮)
27.3%
学校給食での県産品使用割合(品目数) 28.9%
農産物直売所の利用者数/年
19,447千人
農産物直売所の参加農家数/年
22,642人
楽農生活センター体験者数(累計)
960千人
楽農生活交流人口/年
1,100万人
登録市民農園数
364箇所
環境創造型農業の生産面積
指
標
めざす姿
H24
24,955ha
30.0%
29.3%
20,091千人
23,154人
1,129千人
1,130万人
374箇所
1 食の安全と消費者の信頼の確保
環境創造型農業の推進
2 豊かな暮らしを支える地産地消と新たな流通の
展開
3 「農」への積極的な関わりの推進
「農」を支える交流の促進
H25
67%
75%
73%
70%
77%
42%
98%
80%
24,284ha
30.1%
28.7%
21,725千人
24,157人
1,292千人
1,120万人
389箇所
H26
66%
75%
72%
76%
80%
48%
97%
83%
(26,000ha)
(27.3%)
(28.9%)
(19,447千人)
(22,642人)
(960千人)
(1,100万人)
(364箇所)
H32目標
37,000ha
40.0%
40.0%
28,500千人
30,100人
2,700千人
1,150万人
470箇所
4
H23
食
の
環安
境全
創と
造消
型費
農者
業の
の信
推頼
進の
確
保
の地豊
展産か
開地な
消暮
とら
新し
たを
な支
流え
通る
農
へ
農
の
を
積
支
極
え
的
る
な
交
関
流
わ
の
り
促
の
進
推
進
H24
H25
H26
農薬安全使用技術講習会の開催(S45∼)
農薬の作物・土壌への残留試験の実施(H18∼)
環境創造型農業の推進(技術の普及と定着の推進、フォーラムの開催)
有機農業の推進(技術の確立と普及、研修会の開催)
ひょうご安心ブランド農産物の推進(緑肥作物利用技術や施肥技術等の導入推進)(H24∼)
認証食品商談会、産地見学会の開催(H23∼)
認証食品キャンペーンの実施、イベント、料理教室の開催、HP等による情報発信等(H23∼)
量販店での認証食品コーナーの設置推進(H26∼)
直売所を通じた地産地消の啓発活動の推進(共同フェアや産地学習会の開催、開設者向けセミナーの実施等)(H19∼25)
直売施設の整備や直売活動を介した交流活動の推進(H21∼)
卸売市場による産地育成への支援(H23∼25)
直売所マップの作成、直売活動に対するアドバイザーの派遣(H26∼)
モデル小学校において、認証マークの収集活動を通じた県産県消理念の普及活動を試験実施(H26∼)
おいしいごはんを食べよう県民運動による日本型食生活の普及(H9∼)
学校給食への県産品導入に向けた体制整備(H21∼24)
学校給食への献立提案や食育活動の実施、学校給食園設置等への支援(H26∼)
市民農園の整備費助成(H12∼)
兵庫楽農生活センターにおける「楽農生活」の推進(「農」について学ぶ学校事業や「農」を体験する交流事業の実施)(H18∼)
地域や学校で農林漁業体験を指導するインストラクターの養成と活動支援(H20∼24)
小学生向け農林水産業副読本の作成(H20∼)
5
[講じた主な施策]
食の安全と消費者の信頼の確保、環境創造型農業の推進
① 環境創造型農業による安全安心な農産物の生産
② ひょうご認証食品制度の推進
豊かな暮らしを支える地産地消と新たな流通の展開
③ 直売所やインショップの整備推進
④ 卸売市場による産地育成への支援
「農」への積極的な関わりの推進、
「農」を支える交流の促進
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
学校給食における県産食材の利用と食育の推進
楽農生活センターを通じた「農」に親しむ機会の提供
市民農園の整備推進
「都市農業ファンクラブ」による交流活動
生産者自らが企画するストーリー性のある農作業体験の提供
6
① 環境創造型農業による安全安心な農産物の生産
ア 化学合成肥料や農薬の使用を低減し
た環境創造型農業を本県農業の基本
【環境創造型農業のイメージ】
イ ひょうご安心ブランド農産物や有機
1,200ha
土づくりを基本に化学肥料及び化学農薬を
使用しない
12,000ha
土づくりを基本に化学肥料及び化学農薬の
使用を50%以上低減、残留農薬基準1/10以下
農産物の生産面積は着実に増加
土づくりを基本に化学肥料及び化学農薬の
使用を30%以上低減
37,000ha
確保し、県産県消運動の拡大を図るた
め、認証食品の生産、流通、消費の拡大
環ひ
境ょ
う
像ご
創推
造奨
型ブ
ラ
農ン
業ド
慣行(一般)栽培
② ひょうご認証食品制度の推進
ア 県産食品の安全安心に対する信頼性を
ひ
ょ
う
ご
安
心
ブ
ラ
ン
ド
︶
(平成 25 年度実績)
有機農業の生産面積:545ha
ひょうご安心ブランド農産物の生産面積:3,008ha
環境創造型農業の生産面積:24,284ha
有
機
農
業
︵
として推進
兵庫県認証食品
安
心
ブ
ラ
ン
ド
食
品
●化学肥料・農薬
が慣行施用の5
割以上減
●堆肥など によ る
土づ くり
●残留農薬が国基
準の1/10以下
●抗 生物質等の使
用 削減又は残留
防 止に係る 取組
方 針を定め てい
る
●抗 生物質等の残
留 基準:国基準
の 1/10以下
【養殖魚類】
●抗生物質等の残
留基準:国基準
の1/10以下
【養殖かき】
●生菌数:国基準
の1/10以下
●HACCPの概念を
取り入れた製造
所で製造
●食品添加物を極
力添加しない
+出荷記録など の整備
を推進
イ 平成 25 年度末現在における認証食品数
は 1,695 品目、県内向け生鮮出荷量に占
める認証食品の割合は 30.1%
推
奨
ブ
ラ
ン
ド
食
品
○個性・特長
(生産方法、品質等 の個性・特長がある こと)
○安全性の確保
(食品衛生法等の法 令基準遵守)
○安心感の醸成
(生産履歴を開示す る 仕組み整備)
農産物
畜産物
水産物
加工食品
7
③ 直売所やインショップの整備促進
【直売所の 整備推進( 夢街道 farm67)】
ア 直売所やインショップの整備を促進する
とともに、直売所の品揃えの充実等によ
る魅力アップの取組を支援
イ 直売所に参加する生産者に対し、効果的
に農産物等の魅力を発信できるよう研修
会の開催やアドバイザーの派遣を実施
播磨の若手農家や農業生産法人が協力し、姫路市夢前町の県道
67 号線沿いに、直売所「夢街道 farm67」を開設。安全・安心なこ
だわり農産物のほか、地元産イチゴや米粉のスイーツ、姫路ブラ
ンドポークのハンバーガーな
ど、地元食材を使った加工品
を販売しており、「旬」を楽
しめるスポットとして人気を
集めている。隣接するハウス
では、イチゴのもぎとり体験
も実施している。
④ 卸売市場による産地育成への支援
【卸売市場 と地元生産 者が連携した産 地育成の取組】
市場の集荷力向上を目指して、卸売市
場による産地の育成支援、兵庫県認証食
品の取扱強化など、各卸売市場の特徴を
生かした地産地消・県産県消の取組を支
援
軟弱野菜産地の強化を図るため、明石市公設
地方卸売市場の卸売業者神果神戸青果(株)と JA
兵庫六甲が、神戸市西区平野・玉津地区の生産
者 36 戸とともに、平成 23 年度に「こうべ野菜
協議会」を設立。
仲卸や量販店との意見交換を行い、特徴的な
ピンクの帯で出荷しているほか、平成 25 年 6 月
からは、仲卸からの提案を受け、QR コードを添
付して生産者情報を発信するなど、出荷量の増
加や有利販売を目指し取り組んでいる。平成 26
年 11 月現在、神戸市西区伊川地区の生産者も加
わり、41 戸で活動中。
8
⑤ 学校給食における県産食材の利用と食育の推進
ア
市町給食関係者や生産者等で構成する
推進協議会を設置し、県産食材の生産・
供給体制を整備
イ
県産食材使用の取組が進んでいる市町
において、学校給食園の設置を支援し、
県産食材の使用割合向上と食育を推進
【学校給食 園の設置】
神河町では、地元農家の協力を得て、学校給食センターに野菜
を供給しているほ場の一部に、学校給食園を整備。地元農家の指
導を受けて、小学校4∼6年生が大根を栽培しており、収穫した
大根を調理実習で使用する等、
体験学習の取組が進められてい
る。
小学校の生徒がデザインした
看板が設置されており、地域住
民への県産県消の意識啓発にも
つながっている。
⑥ 楽農生活センターを通じた「農」に親しむ機会の提供
ア 生きがい農業から新規就農までを対象と
した学校事業や、消費者が農とふれあう
交流事業を実施
イ 平成 18 年 11 月のオープン以来、気軽に
農業体験ができる施設として定着しつつ
あり、着実に体験者数が増加(平成 25 年
度実績 12,300 人)
【会社員等を対象とした新規就農駅前講座】
農業に関心があって知識を身に付けたいけれども、昼間は会社
勤めなど都合が付かない人を対象に、夜間・休日に開催する新規
就農駅前講座を開設。
新たな研修や就農に向けて円
滑にステップアップできるよう、
楽農生活センターでの研修内容
の紹介や、就農に必要な情報の提
供など、新しく農業を始めようと
する人を支援している。
9
⑦ 市民農園の整備推進
ア
ウ
【市民農園の整備状況と利用率】
地域区分
日帰り型
イ
身近な楽農生活の実践の場
として、市町や JA、集落営農
組織や NPO 法人など、多様な
主体による整備を推進
県内の市民農園を紹介する
ホームページを開設し、市民
農園の利用促進を支援
都市部では、9割以上の区画
が利用されている
農園数
区画数
利用区画数
利用率
都市部
121
5,217
4,861
93%
都市周辺部
580
26,378
21,111
80%
中山間農村部
54
2,078
1,331
64%
小計
755
33,673
27,303
81%
滞在型市民農園
11
218
206
94%
合計
766
33,891
27,509
81%
都 市 部
都市周辺部
中山間農村部
① 特例市(神戸市西区・北区、三田市除く)
② 市街化区域を有する市町
③ ①及び②を除く市町
⑧ 「ひょうご都市農業支援センター」による消費者と地域農業の関係強化
の交流を推進
ア
都市農業や地産地消推進の情報発信拠点
【都市農業ファンクラブによる交流活動】
として、平成 24 年3月に伊丹市内に開設
イ
地域の旬の農産物や特産品の PR のほか、
直売所への出荷者を対象とした技術講習
会の開催や農業体験農園の開設を支援
ウ
都市農業を応援するファンクラブ会員を
募集し、会員向けのイベントを開催
(H26.3 現在会員数 588 名)
阪神地域の農産物直売所等で地元農産物を積極的に購入し、「都
市農業・農空間を守り育てる」という意識を持つ都市住民を「都市
農業ファンクラブ」として登録。都市農業に関する情報の提供や、
生産者との交流会イベントや学
習講座の開催、地域食材を使った
料理教室や収穫体験など、生産者
と消費者の関係強化のための
様々な交流活動を実施している。
10
⑨ 生産者自らが企画するストーリー性のある農作業体験の提供(H26∼)
ア
消費者と生産者の相互理解を図るため、
生産者自らが直接指導する農作業体験ほ
場の設置やストーリー性のある体験プロ
グラムの提供を支援
イ
交流資源が豊富な但馬地域において、体
験ほ場や地域農産物を活用し、地域全体
で都市住民を受け入れる体験ツアーを企
画、実施
【消費者と生産者をつなぐ取組み】
通常の農作業体験に加えて、産地形成に影響を与えた史跡巡りや
郷土料理の調理体験など、その地域独自の歴史や文化、風土も同時
に学べる体験プログラムを提供。
参加者が地域の農産物・人・地
域そのもののファンになり、地域
農産物の販売拡大等に繋げること
を目的としている。
本年度は豊岡市、養父市、朝来
市でツアー実施予定。
野菜生産者との対話(養父市)
[取組の評価]
① 環境創造型農業等の取組面積は増加しているが、こうした生産者の安全・安心
への取組内容が消費者に十分伝わっていない
② 特に都市部において、直売所やインショップの利用者が増えている
③ 卸売市場での農産物取扱量は減少傾向
④ 地域の魅力や栽培の工夫といった産地の情報が、消費者が日常利用する量販店
まで届いていない
⑤ 安全性を重視して県産品を選択する消費者が増えている
⑥ 野菜づくり等農作業に興味を持つ消費者が増えている
11
Ⅲ めざす姿と進むべき方向(たたき台)
[めざす姿]
生産者と消費者の互いの信頼関係の下、生産者は消費者の求める県産品を
自信を持って提供し、消費者は提供される県産品に誇りや親しみを持つ
「県産県消」の実現
−各場面での姿−
1 生産の場面 消費者の求める味や価格などのニーズが適切に把握され、それに
対応した生産が展開されている
2 流通・販売の場面 より多くの県民が身近に購入できるよう、県産品が広く県内
に流通し、また、その商品についての情報が消費者へ伝わってい
る
3 消費の場面 県産品の安全への取組や新鮮さ、おいしさが評価され、積極的に
選択・消費されている
4 全体
生産者と消費者のコミュニケーションを通じて相互理解が進み、
信頼関係が築かれている
12
1 生産の場面
[めざす姿]
消費者の求める味や価格などのニーズが適切に把握され、それに対応した生産が
展開されている
[進むべき方向]
① 消費者ニーズに適った良質で特色ある県産品の生産と安定供給
ア 地域特性を生かした特産品や、化学肥料及び化学農薬の使用を低減した農産物など、消
費者のニーズを意識した、より良質な農産物の生産を拡大する(質的向上)
イ より多くの県民に県産品を提供するため、直売所だけでなく、市中の量販店向けの生産
を拡大するとともに、小口にも対応した中山間地域での少量多品目生産等を推進(量的
拡大)
ウ 消費者ニーズに基づく産地への積極的な商品の提案や、生産者と量販店・飲食業等との
マッチングなど、県産品の生産拡大に向けた、卸売市場の積極的な働きかけを推進
取組のイメージ
産地情報を消費者へ発信
量販店
消費者
商品の購入
消費者への
卸売
仲卸
新たな
販路開拓
卸売や仲卸業者、
量販店、生産者が
協力し、販売促進
体制を構築
生産者
生産の拡大
卸売業者と産地
が提携し、量販
店や飲食業から
の引きの強い、
より安全に配慮
した低農薬のレ
タス生産の拡大
を計画
生産者、卸売・仲卸業者、量販店の間で情報を共有
PR
消費者ニーズを生産者にフィードバック
取り扱う量販店
の数が増え、生
産がさらに拡大
すると共に、県
産野菜の評価が
高まり、他品目
でも取組が開始
される
13
2 流通・販売の場面
[めざす姿]
より多くの県民が身近に購入できるよう、県産品が広く県内に流通し、また、
その商品についての情報が消費者へ伝わっている
[進むべき方向]
② 購買機会の拡大と認知度向上に向けた情報発信
ア 農村部や都市近郊の直売所や、都心での不定期の産直市だけでなく、都市部における直
売所やインショップの設置など、より多くの県民に購入機会を提供していく
イ 産地だけを表示した通常の販売では、産地の魅力や栽培の工夫といった情報が消費者へ伝わ
りにくいため、産地と卸売市場、量販店が協力し、消費者への積極的な情報発信を進める
取組事例紹介
ひょうご地魚推進プロジェクト
兵庫県漁連とコープこうべが共同し、平成 25 年7月から、「ひょうご地魚推進プロジェクト」を開始。店頭の商品に共通のシール
を貼って新鮮な旬の魚を PR し、魚の食べ方も合わせて提案することで県産魚介類の消費拡大を目指している。
コープこうべは県産魚の本来のおいしさや食べ方を伝えることが地産地消につながると考え、プロジェクトを企画。旬の魚に
「とれぴち」の文字と魚のマークが描かれたシールを貼り、地産地消を PR する
パネルを掲げている。このうち、規模の大きい9店舗では毎週火曜に産直市を
開催。県漁連が魚に詳しい「お魚普及員」を派遣し、おいしい食べ方や調理の
コツ、産地の魅力などの情報を積極的に消費者へ伝えている。
当プロジェクトは、旬や食べ方を伝えてきた魚屋を量販店で再現する取組と
して注目されている。
14
3 消費の場面
[めざす姿]
県産品の新鮮さやおいしさが評価され、積極的に選択・消費されている
[進むべき方向]
③ 県産品を選択する消費活動の拡大促進
ア 新鮮さやおいしさに価値を見いだす消費者を増やすには、まず食への関心を高めることが
重要であることから、子どもの食嗜好の形成に大きな影響を与える母親、特に食への関心
が最も高まると考えられる、乳幼児を持つ母親に重点を置いて、効率的に普及啓発を推進
イ また、食への関心が高まる高齢世代に対しては、水源の涵養や国土の保全等、農業・農
村の持つ多面的機能の啓発を図り、本県農業への理解を醸成
取組事例紹介
認証食品マークを活用した県産県消の推進
県教育委員会の協力のもと、県内農林水産業への理解促進を目的とした、小学校での認証食品マークの収集活動を試行的に実施した。
今年度は、西宮市立大社小学校(児童数 732 名)をモデル校として選定。6 月 16 日から 7 月 18 日までの期間、保護者や教職員の協力
を得て、PTA だよりや児童会の案内等で広く周知し、収集に努めた。また、学校近辺の量販店には、認証食品の PR を要請した。結果、
304 枚のマークが回収された。
【事後アンケートの結果】
知っていた
38.6%
問1
知らなかった
61.4%
問2
気にしていた
83.2%
問3
食べたい
79.2%
0%
10%
20%
30%
40%
気にしていなかった
15.8%
どちらでも良い
18.8%
50%
60%
問1 県産県消という言葉を知っていたか
問2 野菜などの産地について気にしているか
問3 今後、県産の野菜などを食べたいと思うか
70%
80%
90%
100%
(認証食品制度に関する主な意見)
・マークが見つけにくいという以前に、認証食品が少ない。もっと増やしてアピール
すれば良いと思う。
・マークがついている野菜が以外と少ない。県産県消といっても売っていない。
・安全性が高い商品だということを、もっと PR したらいいと思う。
・認証に基準はあるのか。近所のスーパーで県産の物を買っているが、
マークはついていない。
・マークを探してまでは買わないかと思うが、どちらか迷う時であれば
認証食品を選んで買う。
15
4 全体
[めざす姿]
生産者と消費者のコミュニケーションを通じて相互理解が進み、信頼関係が築
かれている
[進むべき方向]
④ 農とのふれあい機会創出と交流の促進
ア これまでは、直売所で商品を購入する、市民農園で野菜を栽培するなど、物(農産物)
との関わりが中心であったが、これを、生産者と対話しながら商品を選ぶ、農家のほ場
で直接指導を受けながら栽培するなど、人(生産者)との交流へ進展させることで、顔
の見える関係づくりを推進
(例:小規模農家や高齢農家等の生産者グループが開設する地域の小規模直売所等の設置
を進めることで、大規模直売所には困難な、生産者と消費者が直接対話する機会を創出)
イ 両者の交流を通じて、消費者の暮らしぶりや好み、生産者の工夫やこだわりなどの情報
を共有し、相互理解を図る
ウ また、卸売市場は、産地の育成や量販店における県産品の店頭 PR などを通じ、生産者と
消費者の橋渡し役として、川上から川下までの情報共有を積極的に推進する
16
取組事例紹介
欧米で広がる CSA(Community Supported Agriculture:地域支援型農業)
CSAとは、特定の消費者が、生産者と農産物の種類、生産量、価格、
分配方法等について「代金前払い契約」を結ぶ農業をいう。
消費者は、安全で新鮮な農産物の価値に加え、栽培方法、生産者と
交流、地域での営農の継続、自然とのふれあい、環境保全など、多様
な付加価値を認めて農業を支援し、農家もその信頼に応えるべく、良
質な農産物の生産に努める。
生産物の収穫状況は、天候によって大きく左右される。悪天候が続
けば、思い通りの収穫ができず、消費者が納得できる品質や量の生産
生産者にとってのメリット
・ 栽培開始前に、販売先を確保できるため、効率の
良い生産計画と資金計画を立てられる
・ 収穫したものを全て分け合うため、廃棄処分がな
くなる
・ 自分たちの育てた生産物を、どのような消費者が
購入してくれたのか知ることができ、また、直接
消費者の声を聞くことができる
物を分配できない場合がある。大きく収穫が落ち込んで、受け取るこ
とができなくなったような場合以外は、消費者側に支払義務が発生す
消費者にとってのメリット
る。そのかわり、消費者は、毎週、生産者から旬の新鮮な生産物を受
・ 新鮮な生産物を定期的に手に入れられる
け取ることができる。
・ 新しい野菜や美味しい食べ方等の情報を、生産者
CSAの考えは、70年代に公害問題や食品安全への問題意識を背景に
した、有機農業生産者と消費者による日本の「提携」運動が原点と言
われる。アメリカやヨーロッパを中心に、生産者から消費者へ生産物
から直接聞くことができる
・ 実際に圃場を訪れて、生産現場を見ることができ
る
を直接販売する手段として、近年急速に拡大してきている。
17