酸化セリウム系ガラス研磨材の リユース・リサイクル技術

酸化セリウム系ガラス研磨材の
リユース・リサイクル技術
福島大学
共生システム理工学類
産業システム工学専攻
教授 佐藤 理夫
セリウムのリユース
レンズ・ミラー・HD基板などの
光学部品の精密研磨で用いられる
酸化セリウム系ガラス研磨材
国内で最も消費されるレアアース
レアアース資源は中国に依存
2010年の輸出規制などで急騰
現在も高止まり
OAガラス部品用 平面研磨装置
従来手法:自然沈降による研磨材回収
静置することで研磨材粒子が沈降,回収
回収率が低い、長時間必要、スラリー依存性、回収物は泥状
使用済スラリー
5日間静置後
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独自技術:凍結解凍分離による研磨材回収
スラリーを凍結・解凍させることで容易に
研磨材をほぼ全量回収できる「凍結解凍分離」
結
凍結
解凍
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実験結果
(a) フリーザー(-10℃)
(b) 不凍液(-10℃)
(c) 不凍液(-20℃)
(d) ヘキサンドライアイス
(-78℃)
(e) 液体窒素(-196℃)
(f) 新品研磨材
(g) 使用済みスラリー
(a)から(e)に従い凍結速度が速く,粒径が小さい
⇒ 凍結速度を変更することで粒径を制御可能
凍結速度:大 → 粒径:小
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研磨試験結果
0.050
加工値(ガラス板厚差)mm
0.045
0.040
0.035
0.030
0.025
0.020
0.015
新品の研磨材
0.010
0.005
テスト1
0.000
テスト2
1回目
2回目
3回目
4回目
研磨回数(1回あたりガラス30枚を研磨)
テスト1:ガラス成分低減
テスト2:全量回収
研磨能力は、かなり回復
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研磨したガラスの検査
OA機器のミラーの検査基準に則り、ガラスキズを検査
熟練した検査員が検査
再生研磨材使用でも不良品率は増加しない
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凍結解凍分離の連続化
水に不溶な冷媒中での液滴凍結
使用済研磨材
スラリー滴下
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液滴凍結で作成した凍結二次粒子
-10~ -20℃で適切なサイズの
二次粒子が形成可能
連続化・自動化が容易
冷媒の劣化なし→再使用可能
水層は透明→水処理法としても期待
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新技術の特徴
• 分離しにくいガラス研磨材スラリーから、凍結解凍によ
り研磨材成分を含む二次粒子を形成し、回収することに
成功した。
• 凍結解凍を連続的に行い、二次粒子形状を制御する手
法を考案し、予備的実験に成功した。
• 様々なスラリーからの資源回収に適用できる可能性が
ある。
貴重な資源のリユース・リサイクルに貢献したい!
本技術に関する知的財産権
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発明の名称 :ガラス研磨材のリサイクル方法
出願番号 :特願2014-027616
出願人
:福島大学
発明者
:佐藤理夫、植木智也
産学連携の経歴
1987年~2004年 企業の研究所で基礎研究
開発PJマネージャー、研究企画
グループ会社経営(会社設立経験あり)
2004年
福島大学に着任
2004年~ 県内企業多数と、共同研究・実証試験
技術・開発・商品企画のアドバイザー
福島県および県内市町村の委員多数
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お問い合わせ先
福島大学
研究振興課 横島 善子
TEL:024-548- 5345
FAX:024-548 - 5209
e-mail:ce-yoko@adb.fukushima-u.ac.jp