「地域資源『海』を活かしたまちづくり」(その1)

平成26年度若手職員政策提案
海資源の振興 政策提案
報告書
~「親しみを持てる海」をめざして~
若手職員
プロジェクト
岩国港みなと祭花火大会
2014年若手職員プロジェクトチーム
山田
里美(農林振興課)
西川
悟史(環境保全課)
山本
真義(都市計画課)
原田
悠生(収税課)
石田
匠吾(政策企画課)
木本
継人(下水道施設課)
田垣
知子(課税課)
有田
雅恵(市民協働推進課)
目次
1
岩国市の海、背景と現状
⑴ 岩国市の海資源
2
意見交換、課題と目指す姿
⑴ 意見交換にあたって
⑵ 得られた声
⑶ 課題と目指す姿
3
施策提案
⑴ 柱島班
島に人を増やす
⑵ 由宇班
海と人をつなぐ場所
⑶ まとめ
4
おわりに
おわりに
~「親しみを持てる海をつくる」ために~
1
岩国市の海、背景と現状
近年、ライフスタイルの変化、漁業就業者の高齢化・後継者の減少、また漁業の衰
退など、「海」に関連する多くの諸問題があります。これらの問題に対し、市は岩国
市水産業振興基本計画を制定し、「水産振興」の目標を次のように位置づけました。
① やる気ある担い手・若い担い手が将来に夢を持てる水産業
② 美しく豊かな里海・里川をはぐくむ水産業
③ 地域に活力を与え、魅力あふれるコミュニティをつくる水産業
⑴
岩国市の海資源
岩国市地方卸売市場では市内から様々な魚、野菜が集まり、この卸売りが盛んで
す。5年に1度開催される岩国市場まつりでは、2万人を超える人で賑わいます。
岩国港は、港湾法上の重点港湾です。紙パルプ・化学工業関連の貨物、コンテナ
貨物の扱いが中心です。夏の花火大会は、老若男女問わず大きな賑わいを見せます。
みなとオアシスゆうは、国市唯一の海水浴場です。夏季は5万人を超える客足が
あります。秋口には「ゆうYOUフェスタ」という地域に根ざしたお祭りがあり、夜
には花火も上がります。
柱島群島は、岩国市に属する離島です。特産はわかめ、ひじきです。豊かな自然
と海に囲まれており、夏季は市内小規模小学校の合宿受け入れを行っています。
1:岩国市の海、背景と現状
(1)岩国市の海資源
岩国港
市場
みなとオアシスゆう
柱島
しかし、海資源の振興は依然として多くの問題が残っています。
また、海に関わる機会の減少、安全周知の不足、漁業の衰退など、海資源に関わ
る問題は非常に多面的で複雑です。
ライフスタイルや海をめぐる環境が年々変化していく中、これらの現状を踏まえ
ながら、今後、岩国市としてどのように海資源の振興に取り組んでいくのかが、今
回の若手職員による政策提案のテーマです。
今回のプロジェクトにおいては海資源の対象として、市の有する最大の有人島で
ある「柱島群島」と市内唯一の海水浴場である「みなとオアシスゆう」を選定しま
した。
1:岩国市の海、背景と現状
(1)岩国市の海資源
みなとオアシスゆう
柱島
2
意見交換、課題と目指す姿
⑴
意見交換にあたって
海資源の現状や課題を把握し、政策に反映させるため、学校、団体、企業等と意
見交換を行いました。
①
視察先の選定
視察先の選定にあたっては、様々な分野・世代をカバーするよう考慮し、県内
外において海資源振興に積極的に取り組んでいる個人・団体を選定しました。
また、海資源以外の分野ではあるが、活動の内容が施策の参考となりそうな取
組を行っている団体とも意見交換を行いました。
②
意見交換の内容
視察開始当初は、個々の組織における海との関わりや、課題の聞き取りを主に
行いました。意見交換を進めていく中で、課題と施策の方向性がある程度見えて
きてからは、「活かす」「増やす」「つながる」という視点を加えて意見交換を
行いました。
視察先の内訳(日程順)
日程
視 察 先
6月19日 由宇総合支所 地域振興課
〃
由宇 神代漁業協同組合
主 な 内 容
地域資源把握
藻場造成・アサリ養殖
6月26日 宮島
海を活用した振興事例視察
7月14日 法政大学 図司准教授及び法政大学学生
地域おこし
7月15日 柱島住民・地域おこし協力隊
島づくり推進協議会・柱島漁業集落
意見交換①
8月 1日 株式会社潮風 岩国西商工会
意見交換②
9月 4日 地域おこし協力隊・柱島漁業集落長
意見交換③
9月 8日 地域包括支援センター
福祉視点からの検討①
9月11日 介護付有料老人ホーム ティエラ
福祉視点からの検討②
10月 5日 ゆうYOUフェスタ
来場者アンケート(100名) 全世代
10月 7日 由宇総合支所 地域振興課
情報収集
10月 8日 瀬戸内海区水産研究センター
海資源活用
※このほか、視察先の内訳には挙げていないが、知識習得や情報収集のため、海資源
振興に関する視察、聞き取りを各自で行い比較検討し、施策の参考としました。
⑵
得られた声
意見交換では、大変参考になる意見を多く聞くことができたが、特に以下3点は
複数の視察先で共通しているように思われました。
①
強みを生かせていない
大きな視点では、岩国市の海資源である海水浴場や離島という強みを活用しき
っていないという印象を受けました。
市内で地産地消・イベント振興の取組をしている現場では、生産者や消費者、
また他の団体がそれぞれ個別で取り組みを行っており、横の連携や協力の仕組み
が無いように見受けられました。
②
海に活気が無い
漁業就労者の高齢化と減少を例に、海に関わる若い世代の減少があるのではな
いかという印象を受けました。また、今より海を活用して盛り立てていくことを
望む声も多かったが、限られたマンパワー、連携・発想の制限により、やり方に
悩んでいる声も多く聞かれました。
③
私たちと海との「つながり」が希薄
核家族や共働きの家庭の増加、ライフサイクルの激変もあり、海の知識・触れ
合う経験のなさが、安全に海を楽しむことから人を遠ざけることがわかりました。
特に若い世代は楽しみが多岐にわたっているため、あえて海の楽しさに親しん
でもらう下地作りは非常に難しいように思われました。
上記の岩国市の現状と課題を受けて、「親しみを持てる海をつくる」をテーマと
して設定しました。
また、サブキーワードとして次の3つを掲げ、具体的な施策を検討しました。
①「活かす」⇒資源・人・施設の魅力・強みを再発掘し、活用できるようにする。
②「増やす」⇒人を増やして活気を創出。
③「つながる」⇒組織のつながり、イベントのつながり、人のつながりをつくる。
(3)課題と目指す姿
得られた声を受けて浮かび上がった課題
1.強みを活かせていない
2.海に活気がない
3.私たちと海との「つながり」が希薄
「親しみを持てる海」をつくる
3
施策提案
若手職員プロジェクトでは、サブキーワードにあげた3つの視点を基準に、「強み
を活かせていない」「海に活気がない」「私たちとのつながりが希薄」という課題を
解決するため、2つの拠点から施策を展開する。
チームとしての提言
⑴ 柱島班 島に人を増やす
⑵ 由宇班 海と人をつなぐ場所
※市長提言時資料を基に掲載