2014 White Paper on Small and Medium Enterprises in Japan 事 例 第4部 4-1-8. 富山信用金庫 第2節 代表認定支援機関 19 として、事業者の経営改善に取り組む金融機関 富山県富山市に本店を置く富山信用金庫は、中小企業・小規模事業者の経営改善の促進に加え、職員の支援能力 の強化につながると考えたことから、「経営改善計画策定支援事業 20」に積極的に取り組んでいる。 特徴は、提携する富山県中小企業診断協会の中小企業診断士が事業デューデリジェンス 21 を実施するスキーム を構築している点で、これにより、スピーディな中小企業・小規模事業者への支援スキーム提案と経営改善支援を 実現している。 審査部・営業推進部経営相談担当(本部)と営業店が、中小企業・小規模事業者への制度利用の提案から経営改 善支援まで連携して実施し、中小企業診断士が実施する事業デューデリジェンスは定額制として、事業者負担を明 確化するとともに、支援の目線・方向性を合わせるため、中小企業診断士と緊密に相談を行っている。また、認定 支援機関である他の取引金融機関とも連携しながら経営改善支援を実施することで、認定支援機関相互の経営改善 支援ノウハウの共有化を促進している。 〈代表認定支援機関〉 申請 経営改善支援センター 連携 経営改善支援 ・計画策定支援 ・財務 DD ・モニタリング (必要に応じて、専門家 派遣事業等を活用) 〈外部専門家〉 富山県中小 企業診断協会 経営改善支援 ・事業 DD 中小企業・小規模事業者 (富山信金のメイン先) 富山信金、中小企業診断士と連携して経営改善を実施 富山信用金庫と中小企業診断士協会による支援体制図 19 20 21 「代表認定支援機関」 とは、「認定支援機関による経営改善計画策定支援事業」に基づき、中小企業・小規模事業者の再生支援を行う際に、専門家チー ムの構成が求められており、その中で、チームを代表する認定支援機関のこと。 「経営改善計画策定支援事業」とは、認定支援機関が、中小企業・小規模事業者の依頼を受けて、経営改善計画の策定支援などを行うことにより、 中小企業・小規模事業者の経営改善を促進しようとする事業のこと。計画策定に係る費用やフォローアップ費用の総額に対して 3 分の 2 を補助す るもの。 「デューデリジェンス」とは、資産価値を適正に評価する手続きのこと。M&A などで企業価値の評価や、収益還元法による不動産の評価に用いら れる。企業の場合は、その企業の持つ収益性や成長性、リスク、資産内容などを詳細かつ多角的に分析した上で、価値を判断している。 中小企業白書 2014 489
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