「子ども・子育て支援新制度」 普及・啓発人材育成業務報告書 ∼新制度を活用して「子育てしやすいまちづくり」 を各地域で考えていくために∼ 平成 26 年 11 月 内閣府 はじめに 本業務報告書は、東京(平成 26 年 9 月 12 日)、大阪(平成 26 年 9 月 26 日) 、福岡(平成 26 年 10 月 3 日)にて行った「子ども・子育て支援新制度 普及・啓発人材育成業務」につ いて、その実績を報告するものです。 同時に、各地域で、支援者や保護者等を対象に、子ども・子育て支援新制度等に関する勉 強会等を開催するに当たってのマニュアル、参考資料としても、本業務報告書をぜひ活用し ていただきたいと考えます。 さらには、本業務報告書が、単に新制度を知ることにとどまらず、新制度を活用しながら、 地域の様々な関係者が一緒になって「子育てしやすいまちづくり」を考えるきっかけとなれ ばと思います。 各地域での実践に少しでも役立つことができれば幸甚です。 平成 26 年 11 月 内閣府子ども・子育て支援新制度施行準備室 目 次 1. 事業概要 1.1 事業概要 ................................................................. 3 1.2 プログラム ............................................................... 3 2. 研修会の趣旨説明 ............................................................ 5 3. 新制度の説明 3.1 新制度の説明資料 ......................................................... 6 3.2 新制度の説明内容 ........................................................ 17 4. グループワーク① 4.1 グループワーク①の説明資料と説明内容 .................................... 33 4.2 保護者(利用者)向けQ&A .............................................. 34 5. グループワーク② 5.1 グループワーク②の説明資料と説明内容 .................................... 40 5.2 勉強会の企画案 .......................................................... 42 6. 参加者アンケート結果(概要) 6.1 参加者について .......................................................... 6.2 研修会を知ったきっかけ .................................................. 6.3 研修会の感想 ............................................................ 6.4 自由記載(ポイント) .................................................... 48 50 51 52 参考資料 ....................................................................... 53 <本研修会の企画委員からメッセージ> ① 奥山千鶴子委員(NPO 法人 子育てひろば全国連絡協議会理事長) 1 ② 西川正委員(NPO 法人 ハンズオン!埼玉常務理事) 2 ③ 松田妙子委員(NPO 法人 せたがや子育てネット代表理事) 32 ④ 山崎純委員(NPO 法人 あきたキッズネットワーク代表理事) 47 ★本研修会の企画委員からのメッセージ①★ 「第 2 ステージに進化させよう!子ども・子育て会議」 奥山千鶴子委員(NPO 法人 子育てひろば全国連絡協議会理事長) 第 2 子出産のときに考えてしまうこと ・幼稚園に通う上の子どもの送りをパパに頼めるか(自助) ・パパは、会社に緩やかな就労を申し出られるのか(ワークライフバランス) ・ママ友に送迎を頼めるのか(共助) ・ママ友や気軽に相談できる関係を地域に持てるか、出会いの場である地域子育て支援拠点 は充実しているか(共助、公助) ・産後ヘルパーやファミリー・サポート・センター事業、一時預かり事業を使えるか(公助) 地域にやさしい人たちのネットワークがあって、子育て家庭は支えられていると実感できる。そん な地域づくりのために、行政も事業者も当事者である親たちもいっしょに考えていきたいですね。 自助、共助、公助のバランスに配慮しながら、自由に語れる機会が多い自治体ほど、きっと使 えるネットワークづくりができそう! 子ども・子育て支援新制度スタートに向け、各地で事業計画づくりの議論が進められていると思 います。 現在進行中の議論が地方版子ども・子育て会議の第1ステージだとすれば、新制度スタート後 には第2ステージに入ります。 第1ステージの議論は、時間との闘いでもあり、保育所などの量の議論がどうしても中心になり がちだったのではないでしょうか。ただ、計画は決して「作ったら終わり」ではありません。作った 計画に「魂」を込めないといけません。 地方版子ども・子育て会議の第2ステージでは、しっかりと「質」の議論も深めながら、地域づく り、ネットワークづくりを関係者が一体となって語りあうことが重要です。地方版子ども・子育て会 議は、子ども・子育て支援新制度がスタートしたら役割を終えるのではありません。むしろ、これ からの第2ステージこそが大事です。 子育て家庭を取り巻く社会環境は、年々変わっていきます。制度もインフォーマルな支えあい も、しっかりその変化に対応できるよう進化させていきましょう! 1 ★本研修会の企画委員からのメッセージ②★ 「学びの場をつくろうとされているみなさんへ」 西川正委員(NPO 法人 ハンズオン!埼玉常務理事) 学びの場をつくろうとされているみなさんへ。 人はどんな時に、ほんとうに学ぶのか(ほんとうに考えようとするのか・考えてしまうのか)という と、それは、その場にあらかじめ答えがない時=その場で答えをつくっていこうとする時なのだと 思います。学校の教室の多くがそうであるように、最初から答えがある場では、人はほんとうには 考えたりはしません。 普通、いわゆる「説明会」では、最初から答え(説明内容)があり、説明者はそれを正確に参加 者に伝えようとします(なるべくつっこまれないようにと願いながら)。本研修を受けて、受講者の みなさんに地域で開いてほしい説明会も、それをどうやったら、正確に伝えられるかは開催の基 本的な目的ではあると思います。 では、説明会なのに、双方向や参加型で開く理由はなんでしょうか。一つは、参加者から、ここ がわからない、と問いをだしてもらうこと(わからないと言われてはじめて、説明者はわからないこ とがわかります)。そのことで、より正確に伝わっていきます。そして、もう一つは、「まちの将来」 についてみなで話しながら答えを描いていくためだと思います。 「まちの将来」について、は最初から答えがありません。さまざまな立場の人が集まり、それぞ れの立場で見えてること、感じていることを互いに耳を傾けて、考えてみる=学び合うことではじ めて描くことができます。答えではなく、応えあっていく中で、生まれてくるものだと思います。 新制度が、そのまちごとに制度やサービスの内容をある程度変えていけるという設計になって いることの(積極的な)意味合いはそこにあると思います。変えていけるということは、責任を持つ ということでです。そして、最終的に責任を持てるのは、そのまちの住民自身。本来の当事者は 住民自身(利用者と事業者だけが当事者だけではなく)でしかありません。 従来どおり、いつの間にか決まり、いつのまにがサービスが提供され、「住民は苦情を言い、行 政はそれを聞き置く」という関係にとどまるのか、それとも行政と住民が学びあう場を重ねるの か、そのありようは 10 年後、自治体ごとに大きな差となってあらわれてくることは間違いありませ ん。 制度の説明はその「まちの将来」について考えるための前提を共有しておこうというものだと思 います。前提を共有した上で、本当の問いである「どんなまちで子どもたちに暮らしてほしいか」 を一緒に考えていける、そんなきっかけとしての場づくりができるといいですね。 2 1 . 事 業 概 要 1.1 事業概要 名 対 象 称 : 者 : 主 催 : 参加者数等 : 「子ども・子育て支援新制度」普及・啓発人材育成研修会 地方版子ども・子育て会議の委員や子ども・子育て支援を目的とする NPO 法人等においてリーダー的な役割を担う者、新制度を担当する市区町村の 職員等 内閣府 東京 福岡 平成 26 年 9 月 12 日(金) 平成 26 年 9 月 26 日(金) 平成 26 年 10 月 3 日(金) 13:00∼16:15 13:00∼16:15 13:00∼16:15 日時 会場 フクラシア東京ステーション 参加者数 1.2 大阪 新大阪丸ビル別館 TKP 博多駅前シティセンター 115 名 102 名 108 名 (行政 48 人/その他 67 人) (行政 49 人/その他 53 人) (行政 55 人/その他 53 人) プログラム 以下にプログラムを示す。各内容は後述するが下表中にその該当頁を記載する。 プログラム 13:00∼13:15 開会 開会挨拶 長田 浩志(内閣府子ども・子育て支援新制度担当参事官) 趣旨説明 ➔5 頁参照 松田 妙子(NPO 法人せたがや子育てネット代表理事)【東京・福岡】 奥山 千鶴子(NPO 法人子育てひろば全国連絡協議会理事長) 【大阪】 13:15∼14:15 新制度の説明 ※内閣府職員・企画委員等による新制度の説明 松田 妙子【東京・福岡】 奥山 千鶴子【大阪】 長田 浩志 14:15∼14:55 グループワーク ① ※保護者目線での質問を考える 14:55∼15:00 休憩 15:00∼15:30 質疑応答 ➔34 頁参照 15:30∼16:10 グループワーク ② ※勉強会の企画案を考える ➔40 頁参照 16:10∼16:15 閉会 閉会挨拶 長田 浩志 3 ➔6 頁参照 ➔33 頁参照 長田 浩志氏 松田 妙子氏 (新制度説明の様子) (グループワークの様子) 4 奥山千鶴子氏
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