難病対策の充実等に関する意見書 国の難病対策として実施されている

難病対策の充実等に関する意見書
国 の 難 病 対 策 と し て 実 施 さ れ て い る 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 は 、患 者 の
医 療 費 の 負 担 軽 減 を 図 る と と も に 、病 態 の 把 握 や 治 療 法 研 究 に 重 要 な 役
割を果たしてきており、難病患者や家族の大きな支えとなってきた。
そ し て 、平 成 2 6 年 5 月 2 3 日 に「 難 病 の 患 者 に 対 す る 医 療 等 に 関 す る
法 律( 難 病 法 )」が 成 立 し 、医 療 費 助 成 の 対 象 が 5 6 疾 患 か ら 3 0 0 疾 患 に
大 幅 に 拡 充 さ れ る 見 通 し で あ り 、難 病 対 策 充 実 に 関 し て の 大 き な 改 革 が
42 年 ぶ り に 実 現 し た 。 し か し な が ら 、 病 名 や 希 少 性 で 議 論 さ れ て い た
り 、難 病 の 疾 患 区 分 に よ り 不 公 平 感 が あ る こ と や 大 多 数 の 小 児 慢 性 特 定
疾患治療研究事業の対象者が成人後に助成を受けられなくなることな
ど の 問 題 は ま だ ま だ 残 さ れ て い る 。指 定 難 病 、医 療 費 助 成 の 選 定 に 当 た
っ て は 希 少 性 や 病 名 で 議 論 さ れ る の で は な く 、患 者 の 病 状 や Q O L 、生
活環境、背景等によって議論されるべき問題である。
国 に お い て は 、平 成 2 5 年 1 月 2 5 日 厚 生 科 学 審 議 会 疾 病 対 策 部 会 難 病
対 策 委 員 会 か ら の 「 難 病 対 策 の 改 革 に つ い て ( 提 言 )」 を 踏 ま え 、 医 療
費 助 成 の 具 体 的 な 対 象 疾 患 及 び 認 定 基 準 、医 療 費 助 成 の 対 象 患 者 の 負 担
割 合 等 、個 別 具 体 的 な 事 項 に つ い て 今 後 審 議 を 行 う と し 、そ の 後 5 回 の
難 病 対 策 委 員 会 が 開 か れ 、10 月 29 日 に「 難 病 対 策 の 改 革 に 向 け た 取 組
に つ い て ( 素 案 )」 が 示 さ れ 、 法 制 化 に 向 け た 動 き が と ら れ 、 平 成 2 6
年 5 月 23 日 に 難 病 法 が 成 立 し た 。 し か し な が ら 、 喜 ば れ る 難 病 患 者 団
体 あ る い は 患 者 が い る 一 方 で 、今 後 、医 療 費 助 成 の 対 象 か ら 除 外 さ れ る
で あ ろ う 疾 病( 人 口 の 0.1% 程 度 以 上 の 疾 病 、診 断 基 準 が 明 確 で な い 疾
病 )の 患 者 が 存 在 す る 以 上 は 当 然 議 論 さ れ る べ き で あ り 、救 済 措 置 も 施
さ れ る べ き で あ る 。せ め て 重 症 化 し 、生 活 す る 上 で さ ま ざ ま な 支 障 が 出
て い る 患 者 に 対 し て だ け で も 救 済 す る べ き で あ る 。希 少 性 や 病 名 で 議 論
さ れ る の で は な く 、患 者 自 身 の 症 状 、Q O L 、生 活 環 境 、背 景 等 で 判 断
す る べ き で あ り 、そ の 点 に お い て も 広 く 国 民 の 理 解 を 得 な が ら 、医 療 費
助 成 の 仕 組 み を よ り 慎 重 に 構 築 し て い く 必 要 が あ る 等 、今 後 の 課 題 が 残
さ れ て お り 、国 に お い て は そ れ ら を 十 分 に 議 論 し 、必 要 に 応 じ た 救 済 措
置を実施すべきである。
よって本市議会は、下記項目について強く求める。
記
1
難 病 患 者 支 援 が さ ら に 強 化 さ れ る よ う 、施 行 に 向 け た 手 続 は 慎 重 に
進 め る こ と 。( 希 少 性 や 病 名 で 議 論 す る こ と な く 、 患 者 の 病 状 な ど で
議 論 し 、 区 分 す る こ と 。) 必 要 な 支 援 が 安 易 に 切 り 捨 て ら れ る こ と の
ないよう配慮すること。
2
今 後 、指 定 難 病 か ら 除 外 さ れ る 疾 病( 人 口 の 0.1% 程 度 以 上 の 疾 病
及び診断基準が明確でない)の患者のような制度の谷間にいる人々
( 線 維 筋 痛 症 、筋 痛 性 脳 脊 髄 炎 、脳 脊 髄 液 減 少 症 、軽 度 外 傷 性 脳 損 傷 、
I 型 糖 尿 病 な ど )の 救 済 措 置 に つ い て の 議 論 あ る い は 実 施 を す る こ と 。
特 に 重 症 化 し て い る 患 者 へ の 救 済 は 積 極 的 に 行 う こ と 。( 例 え ば 自 立
支 援 医 療 の よ う な 自 己 負 担 の 減 額 な ど 、身 体 障 害 者 手 帳 交 付 の よ う な
目 に 見 え る 形 で の 支 援 を 行 う こ と 。)
3
線維筋痛症のような検査数値にあらわれない疾病の患者が無駄な
ドクターショッピングをすることなくスムーズに診ることのできる
医師につながれるように厚生労働省から医療現場への周知教育を徹
底 す る こ と 。そ の よ う な 疾 病 の 患 者 を 救 急 、夜 間 病 院 が 受 け 入 れ る こ
と の で き る 体 制 の 構 築 や 、女 性 の 妊 娠 か ら 出 産 、産 後 の ケ ア の 充 実 を
図 る こ と 。医 療 現 場 の み な ら ず 国 民 へ の 線 維 筋 痛 症 を 含 む 外 か ら 見 え
な い 痛 み や 障 が い に 関 す る 周 知 教 育 を 行 い 、社 会 的 認 知 と と も に 理 解
の向上を図ること。
4
制 度 設 計 に 当 た っ て は 、地 方 自 治 体 へ の 速 や か な 情 報 提 供 や 意 見 交
換 の 機 会 の 確 保 を 徹 底 し 、地 方 自 治 体 か ら の 意 見 を 十 分 に 反 映 さ せ る
こと。
以 上 、 地 方 自 治 法 第 99 条 の 規 定 に よ り 意 見 書 を 提 出 す る 。
平 成 26 年 12 月 22 日
大阪府八尾市議会