神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画変更素案 平成26年12月 神 奈 川 県 目 次 第1章 基本事項… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 1 趣旨… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 2 計画期間… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 3 対象区域… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 4 対象物… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 5 処分先… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 6 処分期間… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … (1)高濃度PCB廃棄物… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … (2)低濃度PCB廃棄物… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 7 その他… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 1 1 1 1 1 1 2 2 3 3 第2章 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量… … … … … … … … … … 1 PCB廃棄物の保管量及び使用量… … … … … … … … … … … … … … … … … 2 PCB廃棄物の処分見込量… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 4 4 5 第3章 PCB廃棄物の処理の推進方策… … … … … … … … … … … … … … … … … 6 1 PCB廃棄物の処理体制… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 6 (1)高濃度PCB廃棄物… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 6 (2)低濃度PCB廃棄物… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 6 2 PCB廃棄物を保管している事業者等、処理事業者及び行政の役割… … 7 (1)PCB廃棄物の保管事業者… … … … … … … … … … … … … … … … … … … 7 (2)PCBを含んだ機器等の使用事業者… … … … … … … … … … … … … … … 8 (3)PCB廃棄物の処理事業者… … … … … … … … … … … … … … … … … … … 8 (4)県及び政令市… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 9 3 関係者による連携・協力… … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 10 第1章 基本事項 1 趣旨 この計画は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措 置法(以下「PCB特別措置法」という。)第7条に基づく法定計画として、 「神奈川県循環型社会づくり計画」及び国の「PCB廃棄物処理基本計画」に 即して定める、県内のPCB廃棄物の確実かつ適正な処理に関する計画である。 2 計画期間 平成 18 年4月から平成 39 年3月まで PCB特別措置法第 10 条の規定に基づきPCB特別措置法施行令第 3条で定める期間 3 対象区域 県内全域 4 対象物 県内にある、PCB特別措置法第2条第1項に定めるPCB廃棄物(注1) 注1 PCB廃棄物には、PCBあるいはPCBと絶縁油の混合物を封入した廃 電気機器、廃PCB、PCBによって汚染されている廃棄物、微量のPCB によって汚染された絶縁油を用いた廃電気機器などがある。 5 処分先 PCB廃棄物の処分先は、国の「PCB廃棄物処理基本計画」に基づき、表 1のとおりとする。 1 表1 PCB廃棄物の処分先一覧 PCB廃棄物の種類 処分先 高濃度PCB廃棄物( 注1) 高圧トランス等、高圧コンデンサ等、PCB 日本環境安全事業( 株) 油、安定器等・汚染物( 一部の小型電気機器 東京PCB廃棄物処理施設 に限る) 日本環境安全事業( 株) 一部のコンデンサ 北九州PCB廃棄物処理施設 安定器等・汚染物( 日本環境安全事業( 株) 東 日本環境安全事業( 株) 京PCB廃棄物処理施設の対象物を除く) 北海道PCB廃棄物処理施設 低濃度PCB廃棄物( 注2) (東京電力( 株) の柱上トランス及び東京電力 無害化処理認定施設等(注3) ( 株) の柱上トランス油を除く) 低濃度PCB廃棄物 (東京電力( 株) の柱上トランス及び東京電力( 株) の柱上トランス油に限る) 東京電力( 株) 柱上トランス TEPCO川崎リサイクルセンター 東京電力( 株) TEPCO川崎リサイクルセンター、 柱上トランスの油 TEPCO横浜リサイクルセンター及び 無害化処理認定施設等 注1 高濃度PCB廃棄物とは、PCBを封入した廃コンデンサ、PCBと絶縁油 を混合して封入した廃トランス、廃PCB、感圧複写紙等PCBを意図的に使 用したPCB廃棄物で、PCB濃度が 5, 000mg/ kg を超えるものをいう。 注2 低濃度PCB廃棄物とは、PCBを使用していないとする電気機器等であっ て、微量のPCBによって汚染された絶縁油を用いた廃電気機器等(以下、「微 量PCB汚染廃電気機器等という。」及びPCB濃度が 5, 000mg/ kg 以下のPC B廃棄物( 微量PCB汚染廃電気機器等を除く) をいう。 注3 無害化処理認定施設等とは、廃棄物処理法第 15 条の4の4第 1 項に基づき、 環境大臣が認定を行った無害化処理認定施設並びに同法第 14 条の4に基づく 特別管理産業廃棄物処理業の許可及び同法第 15 条に基づく産業廃棄物処理施 設の設置の許可を都道府県知事が行った施設をいう。 6 処分期間 (1)高濃度PCB廃棄物 高濃度PCB廃棄物は、各PCB廃棄物処理施設の計画的処理完了期限 までに処分することとする。 計画的処理完了期限とは、保管事業者が日本環境安全事業( 株) のPCB 廃棄物処理施設で処分委託を行う期限のことであり、各施設のPCB廃棄物 処理の計画的処理完了期限は次表のとおりである。 東京PCB廃棄物処理施設 北九州PCB廃棄物処理施設 北海道PCB廃棄物処理施設 2 平成35年3月31日まで 平成31年3月31日まで 平成36年3月31日まで なお、特殊な形状や構造などにより処理が容易ではない機器については、 事業終了準備期間を設け、各PCB廃棄物処理施設の事業終了準備期間まで 処分できるものとする。 事業終了準備期間とは、国のPCB廃棄物処理基本計画において推計され た発生量に含まれない廃棄物の処理や、処理が容易ではない機器の存在、事 業終了のための準備を行うための期間等を勘案して、計画的処理完了期限の 後に設けられたものであり、各施設のPCB廃棄物処理の事業終了準備期間 は次表のとおりである。 東京PCB廃棄物処理施設 北九州PCB廃棄物処理施設 北海道PCB廃棄物処理施設 平成35年4月1日から 平成38年3月31日まで 平成31年4月1日から 平成34年3月31日まで 平成36年4月1日から 平成38年3月31日まで (2)低濃度PCB廃棄物 低濃度PCB廃棄物は、法定期限である平成 39 年3月までに処分するこ ととする。 7 その他 本計画は、「神奈川県循環型社会づくり計画」、国の「PCB廃棄物処理基 本計画」の変更、PCB廃棄物の処理体制の状況等を勘案して、適宜見直すこ ととする。 3 第2章 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量 1 PCB廃棄物の保管量及び使用量 県内で保管されているPCB廃棄物の保管量及びPCBを含む使用中の機 器等の使用量は、表2のとおりである。 表2 PCB廃棄物の保管量及び使用量(平成 25 年3月 31 日現在) 保管量 種 高 圧 別 ト 使用量 計 単位 台 2, 124 517 2, 641 高 圧 コ ン デ ン サ 台 24, 957 581 25, 538 低 台 22, 237 45 22, 282 低 圧 コ ン デ ン サ 台 421, 289 314 421, 603 柱上トランス(注2) 台 45, 690 36, 192 81, 882 安 定 器 台 579, 293 8, 604 587, 897 P C B kg 514. 340 0. 002 514. 342 kg 14, 815, 287. 97 495. 552 14, 815, 783. 522 紙 ㎏ 266, 454. 228 0 266, 454. 228 ス kg 132, 578. 27 0 132, 578. 27 泥 ㎏ 61, 745. 36 0 61, 745. 36 ( 注 4 ) ※ 微量 PCB 汚染廃電気機器( 注5) を含む 台 70, 375 1, 502 71, 877 ℓ 226, 598 1, 800 228, 398 ト ラ ン (注1) ス 圧 ラ (注1) ン ス P C B を 含 む 油 ※ 柱上トランスの油( 注3) を含む 感 圧 ウ 複 写 エ 汚 そ の 他 機 器 そ の * 他( 注 6 ) 保管及び使用している事業所数の合計は、4, 092 事業所 注1 保管量及び使用量は、PCB特別措置法第8条に基づく届出から集計した (柱上トランスの使用量を除く。)。 なお、この他にドラム缶等各種容器にまとめて保管している場合など、台数 や重量で計上できないものがある。また、PCB、PCBを含む油、柱上トラ ンスの油、感圧複写紙、ウエス及び汚泥については、体積で計上された分につ いて1リットル=1kgとして重量に換算して集計した。 注2 「柱上トランス」とは、微量のPCBが混入した絶縁油を含む、通常電柱上 に設置するトランスで、主に東京電力( 株) が所有するものをいう。使用量は、 同社の調査によるものを含む。 注3 「柱上トランスの油」とは、柱上トランスから抜き取った微量のPCBが混 入した絶縁油で、主に東京電力( 株) が所有するものをいう。 注4 「その他機器」とは、PCB(絶縁油との混合物を含む)を絶縁油として使 4 用した機器のうち、高濃度PCBを使用したトランス、コンデンサ及び安定器 を除くものをいう。 注5 「微量PCB汚染廃電気機器」とは、微量のPCBが混入した絶縁油を含む 機器で、東京電力( 株) の柱上トランス以外のものをいう。 注6 「その他」とは、PCBを含む含水廃液、PCBに汚染された金属系の容器 や部材等をいう。 2 PCB廃棄物の処分見込量 すでにPCB廃棄物として保管されている保管量と、平成 25 年3月 31 日 現在で使用中であるPCBを使用した機器等が平成 39 年3月までにすべて 使用中止されて発生するPCB廃棄物発生量とを合わせた処分見込量は、表 3のとおりである。 表3 種 高 圧 単 位 別 ト PCB廃棄物の処分見込量 処分見込量 (A+B) 台 2, 124 517 2, 641 高 圧 コ ン デ ン サ 台 24, 957 581 25, 538 低 台 22, 237 45 22, 282 低 圧 コ ン デ ン サ 台 421, 289 314 421, 603 柱上トランス(注2) 台 45, 690 36, 192 81, 882 安 定 器 台 579, 293 8, 604 587, 897 P C B kg 514. 340 0. 002 514. 342 kg 14, 815, 287. 97 紙 ㎏ 266, 454. 228 0 266, 454. 228 ス kg 132, 578. 27 0 132, 578. 27 泥 ㎏ 61, 745. 36 0 61, 745. 36 台 70, 375 1, 502 71, 877 ℓ 226, 598 1, 800 228, 398 ト ン (注1) 発生量 (B) ス 圧 ラ 保管量(A) ラ ン ス P C B を 含 む 油 495. 552 14, 815, 783. 522 ※ 柱上トランスの油( 注3) を含む 感 圧 ウ 複 写 エ 汚 その他機 器等 ( 注 4 ) ※ 微量 PCB 汚染廃電気機器( 注5) を 含む そ の 他( 注 6 ) 注1∼6 表2と同様 5 第3章 PCB廃棄物の処理の推進方策 1 PCB廃棄物の処理体制 (1)高濃度PCB廃棄物 高濃度PCB廃棄物を処理する施設の概要は、表4のとおりである。 表4 日本環境安全事業( 株) のPCB廃棄物処理施設の概要 事業者名 日本環境安全事業( 株) 東京PCB廃棄物処 北九州PCB廃棄物 北海道PCB廃棄物 施設名称 理施設 処理施設 処理施設 東京都江東区青海二 福岡県北九州市若松 北海道室蘭市仲町 14 所在地 丁 目 地先 ( 中 央防 波 区響町一丁目 62番地 番地 7 堤内側埋立地) 敷地面積 約 30, 000 ㎡ 24 約 54, 000 ㎡ 約 52, 600 ㎡ 2.0トン/ 日(PC 1.5トン/ 日( PC 12.2トン/ 日( 安 施設能力 B分解量) B分解量) 定器等・汚染物量) 水熱酸化分解法( 注1) 脱塩素化分解法( 注2) プラズマ溶融分解法 処理方式 ( 注3) 注1 高温、高圧の熱水の中でPCBを炭酸ナトリウムより脱塩素化し、酸素に より水、二酸化炭素及び塩化ナトリウムに分解する処理方式 注2 PCBの分子を構成している塩素とアルカリ剤等を反応させてPCBの 塩素を水素等に置き換えることによりPCBを分解する処理方式 注3 電気エネルギーにより発生させた高温のプラズマと溶融浴によりPCB を高温熱分解し、二酸化炭素及び塩化水素等に分解する処理方式 (2)低濃度PCB廃棄物 低濃度PCB廃棄物を処理する無害化処理認定施設等は、平成 26 年 11 月 11 日現在、21 事業者により設置されており、環境省のホームページにおい て公開されている。 東京電力( 株) の柱上トランス等を処理するPCB廃棄物処理施設の概要 は表5のとおりである。 6 表5 東京電力( 株) の柱上トランス等の処理施設の概要 事業者 東京電力( 株) 施設名称 TEPCO川崎リサイクルセンター TEPCO横浜リサイクルセンター 所在地 神奈川県川崎市川崎区扇島 神奈川県横浜市鶴見区大黒町 敷地面積 処理能力 対象物 31, 700 ㎡ 4, 275 ㎡ 低濃度PCB油 6, 600ℓ/日 容器洗浄 140 トン/日 低濃度PCB油 6, 600ℓ/日 東京電力( 株) が供給区域(注1) 東京電力( 株) が県内で使用して で使用していた柱上トランス及 いた柱上トランスの油 び柱上トランスの油 処理方式 脱塩素化分解法 脱塩素化分解法 洗浄処理 事 業 の 時 低濃度PCB油処理:平成 14 年 平成 13 年 10 月から平成 26 年度 期 10 月から平成 27 年度まで まで 容器洗浄:平成 15 年 11 月から 注1 東京電力( 株) の供給区域は、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉 県、東京都、神奈川県、山梨県及び静岡県の一部である。 2 PCB廃棄物を保管している事業者等、処理事業者及び行政の役割 PCB廃棄物の保管事業者、PCBを含んだ機器等の使用事業者、処理事業 者並びに県及び政令市(横浜市、川崎市、相模原市及び横須賀市)は、それぞ れ次の役割を果たすことにより、PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進す る。 (1)PCB廃棄物の保管事業者 ア PCB廃棄物を、漏えい、飛散又は紛失することのないよう適正に保管 する。 イ PCB廃棄物の保管及び処分の状況について、PCB特別措置法第8条 に基づき毎年度県又は政令市に届け出る。 ウ 高濃度PCB廃棄物については日本環境安全事業( 株) のPCB廃棄物 処理施設で計画的処理完了期限までに、低濃度PCB廃棄物については無 害化処理認定施設等で平成39年3月までに自らの責任において確実かつ 適正に処分する。 なお、東京電力( 株) の柱上トランス等については東京電力( 株) の処理施 設等で平成39年3月までに自らの責任において確実かつ適正に処分する。 エ 特に、多量のPCB廃棄物の保管事業者にあっては、日本環境安全事業 ( 株) や無害化処理認定施設等の受入条件及び受入計画と整合を図りつつ、 搬入の量、搬入の時期及び搬入の方法その他計画的な処分に関する事項を 7 定めた計画を策定し、当該計画に基づきPCB廃棄物の処分が完了するま での間、計画的な搬入を行うことに努める。 オ PCB廃棄物の運搬や搬出などのためにやむを得ず機器の分解や解体 が必要な場合は、PCBが漏えい、飛散しない方法で実施する。 (2)PCBを含んだ機器等の使用事業者 ア PCBを含んだ機器等は、漏えい、飛散又は紛失しないよう適正に管理 する。 イ 平成37年までのPCB使用全廃を定めている「残留性有機汚染物質に関 するストックホルム条約」を踏まえてPCBを使用している機器等の使用 を中止し、高濃度PCB廃棄物については、日本環境安全事業( 株) のPC B廃棄物処理施設の計画的処理完了期限までに、低濃度PCB廃棄物(東 京電力( 株) の柱上トランスを含む)については、法定期限である平成39年 3月までに処分する。 ウ エ 特に、PCBを含んだ機器等を多量に使用している事業者にあっては、 日本環境安全事業( 株) や無害化処理認定施設等の受入条件及び受入計画 と整合を図りつつ、計画的にPCBを含んだ機器等の使用を中止し、処 分する。 PCBを含んだ機器等の使用を中止した場合は、PCB廃棄物となるの で、PCB廃棄物の保管及び処分の状況についてPCB特措法第8条に基 づき毎年度県又は政令市に届け出る。 (3)PCB廃棄物の処理事業者 ア PCB廃棄物の処分事業者 (ア)PCB廃棄物処理施設からの排気、排水などが周辺環境に影響を及 ぼすことのないよう施設を整備、維持するとともに、適正な運転管理 を行う。 また、周辺大気等を定期的に測定し、周辺環境に影響のないことを 確認する。 (イ)PCB廃棄物処理施設の操業状況及び周辺大気等の測定結果を公表 するなどの情報公開並びに施設の一般公開などによる広報活動を積極 的に行い、PCB廃棄物処理施設の安全性について、地域住民の理解 と信頼を得られるよう努める。 (ウ)PCB廃棄物処理施設の稼動期間の延長に際しては、処理設備の経 年的な劣化を考慮し、処理施設の保守点検・更新を計画的かつ確実に 行う。 8 イ PCB廃棄物の収集運搬事業者 (ア)PCB廃棄物の収集運搬中の漏えい、飛散を防止するため、国が定 めた「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」及び「低濃度PCB廃 棄物収集・運搬ガイドライン」(以下「PCB廃棄物収集・運搬ガイ ドライン等」という。)を遵守するとともに、PCB廃棄物を処理施 設に運搬する場合は、処分事業者が定める受入基準を遵守する。 特に、今回新たに処理することとなった日本環境安全事業( 株) の北 九州PCB廃棄物処理施設及び北海道PCB廃棄物処理施設へ収集運 搬を行う場合には、地元地方公共団体内における輸送規制を十分確認 し、遵守する。 (イ)車両事故などによる運搬中のPCB廃棄物の漏えい、飛散に迅速か つ的確に対処するため、PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン等に従 い、緊急時の連絡先や必要な措置を記載した緊急時対応マニュアルを 定め、緊急時の対応を明確にする。 また、PCB廃棄物を安全かつ確実に収集運搬するため、PCB廃棄 物の収集運搬に従事する者に対して、収集運搬の方法、緊急時の対応な ど必要な事項を教育する。 (4)県及び政令市 ア 県及び政令市が把握しているPCB廃棄物への対応 保管及び処分の状況の届出がされているPCB廃棄物について、日本 環境安全事業( 株) または無害化処理認定施設等での円滑な処理を推進す るため、国、日本環境安全事業( 株) 、電気保安関係者等と協力して未処 理事業者の一覧表を作成し、保管事業者に対し処理の時期を確認するな ど処分期間内に処理するよう必要な調整、指導を行う。 イ 県及び政令市が把握していないPCB廃棄物への対応 保管及び処分の状況の届出がされていないPCB廃棄物について、保 管の実態を調査し、事業者に対し届出及び処分期間内の処理等必要な指 導を行う。 ウ PCB使用製品を使用中の事業者への対応 PCB使用製品を使用している事業者を調査し、使用の中止を促すと ともに、処分期間内に処理するよう指導する。 エ 収集運搬事業者及び処分事業者への指導 収集運搬事業者及び処分事業者に対し、PCB廃棄物の収集運搬及び 処分が周辺環境に影響を与えることなく安全に実施されるよう、監視及 び指導を行う。 オ 県民への情報提供等 県民に対し、PCB廃棄物を保管する事業者からの保管及び処分の状 9 況の届出を毎年公表するなど情報の提供を行い、PCB廃棄物の処理に ついて県民の理解を深めるよう努める。 カ ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の造成への協力 県は、中小企業者等が保管するPCB廃棄物の処理にかかる負担を軽 減するために設けられた「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金」(注1) の造成に協力する。 注1 平成 13 年度から、国と 47 都道府県で中小企業者等のPCB廃棄物の 処理にかかる負担を軽減するために造成を行っている。 3 関係者による連携・協力 (1)PCB廃棄物を保管している事業者、PCBを含んだ機器等を使用して いる事業者、収集運搬事業者、処分事業者、県及び政令市は、処分期間内 に処理が完了するよう連携し、相互に協力する。 (2)日本環境安全事業( 株) の東京PCB廃棄物処理施設は、東京都、埼玉県、 千葉県及び神奈川県(以下「一都三県」という。)のPCB廃棄物を処分 する施設であることから、一都三県の処理計画や収集運搬業者の許可水準、 緊急連絡体制の整備など必要な事項について、「東京PCB廃棄物処理事 業に係る首都圏広域協議会」(注1)において調整し、連携してPCB廃棄 物の円滑な処理を図る。 また、日本環境安全事業( 株) の北九州PCB廃棄物処理施設及び北海道 PCB廃棄物処理施設についても、各施設の処理計画や収集運搬業者の許 可水準、緊急連絡体制などの必要な事項について、関係する都道府県市等 による広域協議会等において調整し、連携してPCB廃棄物の円滑な処理 を図る。 注1 一都三県内のPCB廃棄物の処理について広域的に連絡、調整を行うた め、一都三県並びに埼玉県、千葉県及び神奈川県内の9政令市等で構成す る協議会 10 関係資料1 神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画変更素案の主な変更内容について ○ 計画期間の変更 本計画の計画期間を「平成 28 年3月まで」としていたが、法令改正に伴い「平 成 39 年3月まで」に変更する。 ○ PCB廃棄物の処分先の変更及び処分期間の設定 ・ 処分先 処分先を東京PCB廃棄物処理施設からPCB廃棄物の種類ごとに変更し、 定める。 ・ 処分期間の設定 変更後の国のPCB廃棄物処理基本計画では、PCB廃棄物処理施設におけ る計画的処理完了期限及び事業終了準備期間( ※ ) を設定したことから、新たに本 計画にPCB廃棄物の種類ごとの処分期間を設定する。 ※ 事業終了準備期間とは、処理が容易ではない機器の存在、事業終了のた めの準備を行うための期間等を勘案して、計画的処理完了期限の後に設ける 期間 ○ 処理の推進方策 県及び政令市の役割を明確化する。 ・ 県及び政令市が把握しているPCB廃棄物への対応 保管状況の法定の届出がされているPCB廃棄物について、日本環境安全事 業( 株) のPCB処理施設または無害化処理認定施設等における円滑な処理を推 進するため、処分期間内に処理するよう、保管事業者に対し必要な調整、指導 を行う。 ・ 県及び政令市が把握していないPCB廃棄物への対応 保管状況の法定の届出がされていないPCB廃棄物について、保管の実態を 調査し、事業者に対し届出及び処分期間内の処理等必要な指導を行う。 ・ PCB使用製品を使用中の事業者への対応 PCB使用製品を使用している事業者を調査し、使用の中止を促すとともに、 処分期間内に処理するよう指導する。 - 1- 表1 PCB廃棄物の処分先及び処分期間 PCB廃棄物の種類 処分先 処分期間 高圧トランス等、高圧コ 東 京 P C B 廃 棄 計画的処理完了期限( 平成 35 年3 ンデンサ等、PCB油、 物処理施設 月 31 日まで) 安定器等・汚染物( 一部の 事業終了準備期間( 平成 35 年4月 高 小型電気機器に限る) 1 日から平成 38 年3月 31 日ま 濃 で) 度 一部のコンデンサ 北 九 州 P C B 廃 計画的処理完了期限( 平成 31 年3 P 棄物処理施設 月 31 日まで) C 事業終了準備期間( 平成 31 年4月 B 1 日から平成 34 年3月 31 日ま 廃 で) 棄 安定器等・汚染物( 東京P 北 海 道 P C B 廃 計画的処理完了期限( 平成 36 年3 物 CB廃棄物処理施設で処 棄物処理施設 月 31 日まで) 分するものを除く) 事業終了準備期間( 平成 36 年4月 1 日から平成 38 年3月 31 日ま で) 低濃度PCB廃棄物(東 無 害 化 処 理 認 定 平成 39 年3月 31 日まで 低 京電力( 株) の柱上トラン 施設等( 注) 濃 ス及び東京電力( 株) の柱 度 上トランス油を除く) P 柱 上 ト ラ ン ス ( 東 京 電 力 東 京 電 力 ( 株 ) の 平成 39 年3月 31 日まで C ( 株) のものに限る) PCB処理施設 B 柱上トランス油( 東京電力 東 京 電 力 ( 株 ) の 平成 39 年3月 31 日まで 廃 ( 株) のものに限る) PCB処理施設 棄 及び無害化処理 物 認定施設等 注 無害化処理認定施設等とは、環境大臣の認定または都道府県知事の許可した低濃度P CB廃棄物民間処理施設 ○ 今後の予定 意見募集結果の公表時期 平成 27 年 3 月頃(予定) 変更計画の公表時期 平成 27 年 3 月頃(予定) - 2- 関係資料2 神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画 平 成 18年 3 月 神 奈 川 県 目 次 はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1 第1章 基本事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 1 趣旨 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 2 計画期間 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 3 対象区域 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 4 対象物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 5 処分先 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 6 その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2 第2章 1 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 PCB廃棄物の保管量及び使用量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 2 PCB廃棄物の処分見込量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (1)高圧トランス等のPCB廃棄物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (2)柱上トランス等のPCB廃棄物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (3)その他のPCB廃棄物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 第3章 4 4 5 5 PCB廃棄物の処理の推進方策 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 1 PCB廃棄物の処理体制 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 (1)高圧トランス等のPCB廃棄物の処分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 (2)柱上トランス等のPCB廃棄物の処分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 2 PCB廃棄物を保管している事業者等、処理事業者及び行政の役割 . . . (1)PCB廃棄物を保管している事業者 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (2)PCBを含んだ機器等を使用している事業者 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (3)処理事業者 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (4)県及び政令市 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7 7 7 8 8 3 関係者相互の連携 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9 4 その他PCB廃棄物の処理の推進に必要な事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9 はじめに ポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」という。)は、電気絶縁性が高い、熱 で分解しにくい、不燃性であるなど化学的に安定した性質を有することから、 電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体など様々な用途で使われていた。 しかし、食用油の製造過程で熱媒体として使用されていたPCBが食用油の 中に混入し、これを摂取した人たちに健康被害を発生させたカネミ油症事件が 昭和43年に起き、PCBの毒性が問題化した。さらに、世界各地の魚類や鳥類 の体内からPCBが検出されるなど、PCBによる汚染が社会問題となり、昭 和48年10月に制定された「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」に 基づき、昭和49年6月からは、PCBの製造、輸入が事実上禁止になっている。 その後30年以上経過したが、PCBの処理体制は整わず、PCB廃棄物の保 管が長期化して、管理の不徹底や事業所の閉鎖に伴うPCB廃棄物の紛失が発 生し、環境汚染の進行が懸念されている。 このような状況から、平成13年7月に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な 処理の推進に関する特別措置法」(以下「PCB特別措置法」という。)が施 行され、平成28年7月までにPCB廃棄物を処分することになり、この法律に 基づき国が策定した「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」(以下「PC B廃棄物処理基本計画」という。)において、拠点的広域処理施設を全国で5 箇所整備することとなった。 平成14年4月、東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県(以下「一都三県」と いう。)のPCB廃棄物を広域的に処分する施設の整備について国から東京都 に要請があり、東京都が提示した安全性確保等の受入条件の遵守を前提に、地 元の理解を得て、東京都は中央防波堤内側埋立地にPCB廃棄物処理施設の設 置を受け入れた。 環境事業団は、平成14年11月に一都三県のPCB廃棄物の処分を行う東京事 業について、環境大臣の認可を得て法的手続を進めた。その後、法律改正によ り環境事業団から事業を継承した日本環境安全事業株式会社は、平成16年7月 にPCB廃棄物処理施設の建設工事に着手し、平成17年11月に処理が開始され たところである。 これによりPCB廃棄物の処理体制の大枠が整ったことから、県内における PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進するため、PCB特別措置法第7条 に基づき、本計画を策定する。 1 第1章 基本事項 1 趣旨 PCB特別措置法においては、PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進す ることにより、PCB廃棄物による環境汚染を未然に防止し、もって国民の健 康の保護及び生活環境の保全を図ることを目的としている。 この計画は、同法第7条に基づく法定計画であり、「神奈川県廃棄物処理計 画」及び国の「PCB廃棄物処理基本計画」に即して定める、県内におけるP CB廃棄物の確実かつ適正な処理に関する計画である。 2 計画期間 平成 18 年4月から平成 28 年3月まで 神奈川県廃棄物処理計画(平成 17 年3月改訂)では平成 27 年度に全 量無害化を計画目標としている。 3 対象区域 県内全域 4 対象物 県内にある、PCB特別措置法第2条第1項(注1)に定めるPCB廃棄物 5 処分先 県内のPCB廃棄物は、国の「PCB廃棄物処理基本計画」に基づき、拠点 的広域処理施設の一つとして一都三県の区域を対象に東京都内に整備された 東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理施設において処分することを基本とする。 6 その他 本計画は、「神奈川県廃棄物処理計画」及び国の「PCB廃棄物処理基本計 画」の改定、PCB廃棄物の処理体制の状況等を勘案して、適宜見直すことと する。 注1 PCB特別措置法第2条第1項:この法律において「ポリ塩化ビフェニル廃 棄物」とは、ポリ塩化ビフェニル、ポリ塩化ビフェニルを含む油及びポリ塩化 ビフェニルが塗布され、染み込み、付着し、若しくは封入された物が廃棄物(廃 棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)第2条第 1項に規定する廃棄物をいう。)となったもの(環境に影響を及ぼすおそれの 少ないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。 2 第2章 PCB廃棄物の保管量、使用量及び処分見込量 1 PCB廃棄物の保管量及び使用量 県内で保管されているPCB廃棄物の保管量及びPCBを含む使用中の機 器等の使用量は、表1のとおりである。 表1 PCB廃棄物の保管量及び使用量 (平成 16 年3月 31 日現在) 保管量 種 高 計 359 1, 491 高 圧 コ ン デ ン サ 台 21, 419 1, 361 22, 780 低 ス 台 21, 044 2 21, 046 低 圧 コ ン デ ン サ 台 554, 672 1, 285 555, 957 柱上トランス(注2) 台 86, 899 68, 000 154, 899 安 定 器 台 613, 576 36, 630 650, 206 P C B kg 691 0 691 PCBを含む油(注3) kg 29, 076, 094 柱上トランスの油 (注4) kg 127, 143 ― 127, 143 感 紙 ㎏ 170, 762 ― 170, 762 ス kg 50, 086 ― 50, 086 泥 ㎏ 50, 217 ― 50, 217 ( 注 5 ) 台 29, 742 99 29, 841 微量PCB含有機器(注6) 台 53 85 138 ト ン (注1) 1, 132 圧 ラ (注1) 台 圧 ト 使用量 単位 ス ウ 圧 別 ラ 複 ン 写 エ 汚 その他機 器等 * 66 29, 076, 160 保管及び使用している事業所数の合計は、3, 052 事業所 注1 保管量及び使用量は、PCB特別措置法第8条に基づく届出から集計した (柱上トランスの使用量を除く。)。 なお、この他にドラム缶等各種容器にまとめて保管している場合など、台数や 重量で計上できないものがある。また、PCB、PCBを含む油、柱上トランスの 油、感圧複写紙、ウエス及び汚泥については、体積で計上された分について1リッ トル=1kgとして重量に換算して集計した。 注2 「柱上トランス」とは、微量のPCBが混入した絶縁油を含む、通常電柱上 に設置するトランスで、東京電力株式会社が所有するものをいう。使用量は、 同社の調査による。 注3 「PCBを含む油」とは、PCBを含む油であって、柱上トランスの油以外 の油をいう。 注4 「柱上トランスの油」とは、柱上トランスから抜き取った微量のPCBが混 3 入した絶縁油で、東京電力株式会社が所有するものをいう。 注5 「その他機器等」とは、高圧トランス等以外で、PCBを含有する絶縁油を 使用した機器等をいう。 注6 「微量PCB含有機器」とは、微量のPCBが混入した絶縁油を含む機器で、 東京電力株式会社の柱上トランス以外のものをいう。 2 PCB廃棄物の処分見込量 (1)高圧トランス等のPCB廃棄物 高濃度のPCBを含む高圧トランス、高圧コンデンサ、安定器、PCBを 含む油等の処分見込量は、表2のとおりであり、原則として、平成 19 年4 月から(注1)、東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理施設の稼動期間である平 成 27 年3月までに処分するものとする。 表2 高圧トランス等の処分見込量 保管量(A) 発生量(B) 種 高 圧 別 1, 132 359 1, 491 高 圧 コ ン デ ン サ 台 21, 419 1, 361 22, 780 低 台 21, 044 2 21, 046 低 圧 コ ン デ ン サ 台 554, 672 1, 285 555, 957 安 定 器 台 613, 576 36, 630 650, 206 P C B kg 691 0 691 P C B を 含 む 油 kg 29, 076, 094 66 29, 076, 160 そ 台 29, 742 99 29, 841 注1 ト 他 ラ 機 ン (注3) 台 の ラ (注2) 処分見込量 (A+B) ス 圧 ト 単位 ン 器 ス 等 東京都内のPCB廃棄物は、東京都が国に示した処理施設受入れ時の受入条件 により平成22年度までに処理を完了することとされている。この受入条件を踏ま えて、一都三県等で構成する「東京PCB廃棄物処理事業に係る首都圏広域協議 会」(第3章3(2)注1(9ページ)を参照)において調整を行った結果、平成17年 度及び平成18年度は原則として東京都内保管分を処理することとし、埼玉県、千 葉県及び神奈川県内保管分については平成19年4月から処理を開始することと なっている。 ただし、容器からPCBが漏れるなど緊急に処理が必要な場合や保管事業者が 倒産するなど適正な保管が懸念される場合などで、県市が認める場合には処理を することは可能である。 注2 平成16年3月31日現在のPCB廃棄物の保管量 注3 平成16年3月31日現在で使用中であるPCBを含んだ機器等が、平成27年3月 までにすべて使用中止され、PCB廃棄物となるものとして推計した。 4 (2)柱上トランス等のPCB廃棄物 東京電力株式会社の柱上トランス及び柱上トランスの油については、同社 が自ら処分することとしている。処分見込量は表3のとおりであり、平成28 年3月までに処分するものとする。 表3 柱上トランス等の処分見込量 保管量(A) 発生量(B) 種 別 単位 処分見込量 (A+B) (注1) (注2) 68, 000 154, 899 ― 127, 143 柱 上 ト ラ ン ス 台 86, 899 柱上トランスの油 kg 127, 143 注1 平成 16 年3月 31 日現在の柱上トランス及び柱上トランスの油の保管量 注2 平成 16 年3月 31 日現在で使用中である柱上トランスが、平成 28 年3月ま でに使用中止され、PCB廃棄物となるものとして推計した。 (3)その他のPCB廃棄物 上記の(1)及び(2)以外のPCB廃棄物として、PCBを含む感圧複 写紙、ウエス、汚泥等及び微量PCB含有機器がある。これらの処理につい ては、国において検討が進められており、処理の体制が確立された時点で、 処分量に見込むものとする。 5 第3章 PCB廃棄物の処理の推進方策 1 PCB廃棄物の処理体制 表2(4ページ参照)に掲げる高圧トランス等のPCB廃棄物は、次の(1) の日本環境安全事業株式会社の東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理施設にお いて処分する。 表3(5ページ参照)に掲げる柱上トランス等のPCB廃棄物は、次の(2) の東京電力株式会社の川崎リサイクルセンター及び横浜リサイクルセンター において処分する。 (1)高圧トランス等のPCB廃棄物の処分 ア 事 業 者 日本環境安全事業株式会社(注1) イ 施 設 名 称 東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理施設 ウ 所 在 地 東京都江東区青海二丁目地先 (中央防波堤内側埋立地) エ 敷 地 面 積 約30, 000㎡ オ 処 理 能 力 2トン/日(PCB分解量) カ 対 象 物 一都三県の区域内に存する表2に掲げる種別のPC B廃棄物(高圧トランス、高圧コンデンサ、安定器等) キ 処 理 方 式 水熱酸化分解法(注2) ク 事業の時期 平成17年11月から平成28年3月まで (施設の稼動期間は平成17年11月から平成27年3月まで) 注1 日本環境安全株式会社は、旧環境事業団のPCB廃棄物処理事業を継承し て平成16年4月に 100%政府出資により設立された法人 注2 高温、高圧の熱水の中でPCBを炭酸ナトリウムより脱塩素化し、酸素に より水、二酸化炭素及び塩化ナトリウムに分解する処理方式 (2)柱上トランス等のPCB廃棄物の処分 ア 東京電力株式会社の柱上トランスの処分 (ア)事 業 者 東京電力株式会社 (イ)施 設 名 称 川崎リサイクルセンター (ウ)所 在 地 神奈川県川崎市川崎区扇島 (エ)敷 地 面 積 31, 700㎡ (オ)処 理 能 力 低濃度PCB油 6, 600 リットル/日 容器洗浄 140トン/日 (カ)対 象 物 東京電力株式会社が供給区域(注1)で使用してい た柱上トランス (キ)処 理 方 式 (ク)事 業 の 時 期 脱塩素化分解法(注2)、洗浄処理 低濃度PCB油処理:平成14年10月から 容器洗浄:平成15年11月から 注1 東京電力株式会社の供給区域は、栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、 千葉県、東京都、神奈川県、山梨県及び静岡県の一部である。 6 注2 アルカリ剤を利用し、約200℃、常圧で反応させ、PCBを塩化ナトリ ウム等に分解する処理方式 イ 東京電力株式会社の柱上トランスの油の処分 (ア)事 業 者 東京電力株式会社 (イ)施 設 名 称 横浜リサイクルセンター (ウ)所 在 地 神奈川県横浜市鶴見区大黒町 (エ)敷 地 面 積 4, 275㎡ (オ)処 理 能 力 低濃度PCB油 6, 600リットル/日 (カ)対 象 物 東京電力株式会社が県内で使用していた柱上トラ ンスの油 (キ)処 理 方 式 脱塩素化分解法 (ク)事 業 の 時 期 平成13年10月から 2 PCB廃棄物を保管している事業者等、処理事業者及び行政の役割 PCB廃棄物を保管している事業者、PCBを含んだ機器等を使用している 事業者、処理事業者、県及び政令市(横浜市、川崎市、横須賀市及び相模原市) (注1)は、それぞれ次の役割を果たすことにより、PCB廃棄物の確実かつ適 正な処理を推進する。 注1 PCB特別措置法第8条及び廃棄物処理法第8条第1項に定める、保健所を 設置する市をいう。県内では、横浜市、川崎市、横須賀市及び相模原市である。 なお、平成18年4月1日以降、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を 改正する法律(平成17年法律第42号)により、PCB特別措置法第19条第1項及 び廃棄物処理法第24条の2第1項に定める政令市となり、県内では上記4市が定 められている。 (1)PCB廃棄物を保管している事業者 ア PCB廃棄物は、漏えい、飛散又は紛失することのないよう適正に保管 する。 イ 保管及び処分の状況については、毎年度県又は政令市に届け出る。 ウ 表2(4ページ参照)に掲げる高圧トランス等のPCB廃棄物は平成27 年3月までに、表3(5ページ参照)に掲げる柱上トランス等のPCB廃 棄物は平成28年3月までに処分する。 エ PCB廃棄物の運搬や搬出などのために機器の分解が必要な場合は、P CBが漏えい、飛散しない方法で実施する。 (2)PCBを含んだ機器等を使用している事業者 ア PCBを含んだ機器等は、漏えい、飛散又は紛失しないよう適正に管理 する。 7 イ 表2(4ページ参照)に掲げる高圧トランス等は平成27年3月までに、 表3(5ページ参照)に掲げる柱上トランス等は平成28年3月までに使用 を中止し、処分する。 ウ PCB廃棄物の運搬や搬出などのために機器の分解が必要な場合は、P CBが漏えい、飛散しない方法で実施する。 (3)処理事業者 ア 処分事業者 (ア)PCB廃棄物処理施設からの排気、排水などが周辺環境に影響を及 ぼすことのないよう施設を整備、維持するとともに、適正な運転管理 を行う。 また、周辺大気等を定期的に測定し、周辺環境に影響のないことを 確認する。 (イ)PCB廃棄物処理施設の操業状況及び周辺大気等の測定結果を公表 するなどの情報公開並びに施設の一般公開などによる広報活動を積極 的に行い、PCB廃棄物処理施設の安全性について、地域住民の理解 と信頼を得られるよう努める。 イ 収集運搬事業者 (ア)PCB廃棄物の収集運搬中の漏えい、飛散を防止するため、国が定 めた「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」を遵守するとともに、 PCB廃棄物を処理施設に運搬する場合は、処分事業者が定める受入 基準を遵守する。 (イ)車両事故などによる運搬中のPCB廃棄物の漏えい、飛散に迅速か つ的確に対処するため、「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」に 従い、緊急時の連絡先や必要な措置を記載した緊急時対応マニュアル を定め、緊急時の対応を明確にする。 また、PCB廃棄物を安全かつ確実に収集運搬するため、PCB廃棄 物の収集運搬に従事する者に対して、収集運搬の方法、緊急時の対応な ど必要な事項を教育する。 (4)県及び政令市 ア 県及び政令市は、PCB廃棄物を保管している事業者及びPCBを含 んだ機器等を使用している事業者に対し、PCB廃棄物又はPCBを含 んだ機器等を紛失することのないよう、保管及び使用の状況を調査する とともに、必要に応じ立入調査を実施するなど指導を行う。 イ 県及び政令市は、収集運搬事業者及び処分事業者に対し、PCB廃棄 物の収集運搬及び処分が周辺環境に影響を与えることなく安全に実施さ れるよう、監視及び指導を行う。 8 ウ 県及び政令市は、県民に対し、PCB廃棄物を保管する事業者からの 保管及び処分の状況の届出を毎年公表するなど情報の提供を行い、PC B廃棄物の処理について県民の理解を深めるよう努める。 エ 県及び政令市は、PCB廃棄物の確実かつ計画的な処理を推進するた め、PCB廃棄物を保管している事業者等からのPCB廃棄物の保管や 処分についての相談に対応するとともに、平成28年3月までの処理を周 知・啓発し、必要な調整及び指導を行う。 オ 県は、中小企業者等が保管するPCB廃棄物の処理にかかる負担を軽 減するために設けられた「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金」(注1) の造成に協力する。 注1 平成 13 年度から、国と 47 都道府県で中小企業者等のPCB廃棄物の 処理にかかる負担を軽減するために造成を行っている。これにより、中 小企業者等の高圧トランス等に係る処理料金の負担割合は3割となる。 3 関係者相互の連携 (1)少量のPCB廃棄物を保管する事業者が多数存在すること、PCB廃棄 物の種類が多岐にわたること、定められた期間に限られた施設で処理しな ければならないことを踏まえ、PCB廃棄物を保管している事業者、PC Bを含んだ機器等を使用している事業者、収集運搬事業者、処分事業者、 県及び政令市は、相互に協力して計画的な搬入及び処分に努める。 (2)日本環境安全事業株式会社の東京ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理施設は、 一都三県のPCB廃棄物を処分する施設であることから、一都三県の処理 計画や収集運搬業者の許可水準、緊急連絡体制の整備など必要な事項につ いて、「東京PCB廃棄物処理事業に係る首都圏広域協議会」(注1)にお いて調整し、連携してPCB廃棄物の円滑な処理を図る。 注1 一都三県内のPCB廃棄物の処理について広域的に連絡、調整を行うた め、一都三県並びに埼玉県、千葉県及び神奈川県内の8政令市等で構成する 協議会 4 その他PCB廃棄物の処理の推進に必要な事項 その他のPCB廃棄物である、PCBを含む感圧複写紙、ウエス、汚泥等及 び微量PCB含有機器については、現在、その処理体制等が確立しておらず、 国において検討が進められている。(5ページ参照) このため、県及び政令市は、今後とも国の検討状況の把握に努めるとともに、 PCB廃棄物を保管している事業者及びPCBを含んだ機器等を使用してい る事業者への周知及び指導に努める。 9 参考資料 環境農政局環境部廃棄物指導課 フォームメール 郵送 ファックス 県のPCB廃棄物処理計画の変更についてご意見をお寄せください ∼ 「神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画の変更素案」に関する意見募集について ∼ 本県では、PCB 特別措置法第7条に基づき、平成 18 年3月に神奈川県 PCB 廃棄物処理 計画( 県計画) を策定していますが、平成 26 年6月に国の PCB 廃棄物処理基本計画の変更 により県計画を変更するため、変更素案について県民の皆様から幅広いご意見を募集い たします。 素案の閲覧方法 県政情報センター、各地域県政情報コーナー及び廃棄物指導課で閲 覧できるほか、下記の県ホームページからもご覧になれます。 県ホームページ「意見募集( パブコメ) のページ」 URL アドレス:ht t p: / / www. pr ef . kanagawa. j p/ pub/ p860537. ht ml 意見募集期間 平成26年12月 26 日( 金曜日) から平成27年1月 26 日( 月曜日) まで (最終日の消印があるものを有効とします。) 意見提出方法 ご意見は、「神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画変更素 案」に関する意見であることを明記して、平成 27 年1月 26 日(月 曜日)まで(当日消印有効)に次のいずれかの方法でお寄せくださ い。 〒231−8588 (住所の記載がなくても届きます) 神奈川県環境農政局環境部廃棄物指導課 指導グループ 行 郵 送 ファックス 045−210−8847 (送信される際は、番号間違いのないようお願いします。) フォームメール 下記の県ホームページから、「環境農政局廃棄物指導課へのお問い合 わせフォーム」にアクセスし、送信してください。 URL アドレス:ht t p: / / www. pr ef . kanagawa. j p/ di v/ 0504/ 今 後 の 予 定 意見募集結果の公表は平成 27 年3月頃を予定しています。 (個別の回答はいたしませんのでご了承ください。) 問い合わせ先 神奈川県環境農政局環境部廃棄物指導課 指導グループ 電話 045- 210- 1111(内線)4159∼4162 お寄せいただいたご意見については、県の考え方を整理した上で、県政情報セ ンター、各地域県政総合センターの県政情報コーナー、県ホームページなどで公 表します。 「神奈川県ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画変更素案」に関するご意見等記入用紙 (送り先)神奈川県 環境農政局 環境部 廃棄物指導課 FAX 番号 045−210−8847 指導 G 行
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