「NISA」元年、個人投資家拡大に期待(日本)

(No.1,481)〈マーケットレポートNo.3,937〉
2014年12月22日
2014年を振り返るキーワード
「NISA」元年、個人投資家拡大に期待(日本)
「NISA」とは、英国の個人貯蓄口座「ISA」を参考にした日本版ISA「少額投資非課税制度」のことで
す。証券会社や銀行などに専用口座を開設し、上場株式や株式投資信託(投信)など金融商品の
投資で得た分配金や譲渡益が非課税になる制度です。
「NISA」元年、まずは高齢者、投資経験者からスタート
口座利用に拡大余地
■2014年1月から開始された「NISA」は、6月末で約727万口座となり、買付総額は約1兆5,631億円となり
ました(金融庁調査)。年代別に見ると、60歳以上が58.4%と半数以上を占め、50歳以下では年代が下
がるほど構成比が低下し、30歳代は8.2%、20歳代は3.5%と若い世代の利用は低調です。また、証券
会社131社の口座数約463万口座のうち、投資未経験者の比率は12.2%にとどまりました。
■「NISA」は、個人投資家のすそ野を拡大し、貯蓄から投資への流れをうながすことなどを目的に創設さ
れました。導入初年は一定の拡大が見られたものの、今後のさらなる投資家層の拡大が望まれます。
上限枠拡大、子供版「NISA」創設へ
子供版「NISA」は長期投資促進にも
■政府は、「NISA」のさらなる普及を目指し、「NISA」の
非課税枠を100万円から120万円に拡大する予定です。
また、新たに20歳未満を対象とした子供版NISA(非課
税枠は80万円)の創設も予定しています。いずれも来
年度に審議を行い、2016年1月からの導入を目指して
います。
■子供版「NISA」は、親や祖父母が子供や孫の名義で
口座開設し投資するものです。18歳まで払い出しに
制限が課されるため、長期投資の促進にもつながり
ます。
「NISA」普及で個人投資家のさらなる活性化に期待
■「NISA」口座を利用した投資は拡大傾向
■「NISA」による個人投資家の拡大に期待
日本証券業協会が発表した11月末の主要証券会
社10社の「NISA」口座数は約400万口座と前月比
+1.5%増加しました。そのうち買付があった口座
数は同+6.7%増加し約161万口座となりました。
実際に利用されている口座は全体の40.3%です。
11月末の主要証券会社10社の「NISA」口座がす
べて上限まで利用されると約4兆円になりますが、
買付総額は約1兆1,955億円と3割程度に過ぎませ
ん。今後は非課税枠を有効に活用することによる
投資額の増加や、新規口座開設による、個人投
資家のすそ野の拡大が期待されます。
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