平成26年12月号(PDF 約811KB)

12
月号
2014 年
みなみ共済
http://www.minamikyousai.jp
日本医療機能評価機構認定病院
新たな指定難病医療費助成制度
について
原因不明で治療方法が確立していないいわゆる難病のうち、厚生労働
大臣が定める疾病を「指定難病」
といいます。
平成27年1月1日より新たに法律が施行されることに伴い、制度が改め
られることになりました。主な変更点として、対象が現在の56疾病から
110疾病に大幅に拡大され、患者さんの窓口での負担も変わります。
また、医療費の助成対象となるのは、指定医療機関で行った治療に限られますが、当院は既に、神奈
川県より指定医療機関の指定を受けております。
指定難病に関する情報については、難病情報センターのホームページ(http://www.nanbyou.
or.jp)
をご覧ください。
医療費助成の申請手続きについては、お住まいの自治体の担当窓口にお問い合わせください。
なお、児童福祉法の一部が改正され、同じく平成27年1月1日より新たな小児慢性特定疾患医療費
助成制度も始まります。
こちらにつきましても、当院は指定医療機関の申請を済ませております。
病 気 あ れ こ れ
ペインコントロール
麻酔科 高橋 均
与えられたテーマは「ペインコントロール」で、
「術
麻 薬 の 起 源 は ケ シ の 果 皮 か ら と れ る ア ヘ ン(O
後疼痛対策」に焦点を絞ります。
p ium)で、紀元前から知られています。濫用の歴史
1970 年代半ばの術後疼痛対策は、ほとんどがペン
もありますが、モルヒネの構造決定をした科学者は
タゾシン筋注・静注で、体表や四肢の術後であればア
ノーベル賞を受賞しています。
スピリン経口やインドメタシン座薬でした。
更に重要なのは麻薬が鎮痛をはじめとする種々の効
当時の全身麻酔の主流は笑気(G)酸素(O)揮発
果を発揮するのは、体内にあるオピオイド受容体に作
性麻酔薬フローセン(F)併用の「GOF」麻酔であり、
用するから、ということが 1970 年代前半に確認さ
すっきりとした早期の覚醒ではなく手術室や回復室で
れました。その結果、臨床での硬膜外投与等は早くも
術後鎮痛薬を追加することは少なく、帰棟後に主治医
1970 年代後半に日本でも開始されています。
が処方することが多い状況でした。
また超音波ガイド下神経ブロックも急速に広まって
最近では「代謝や体外への排出」の速い麻酔薬、麻酔
います。周術期血栓予防のための抗凝固薬使用で硬膜
補助薬が開発され、術後鎮痛は、麻酔科医の重要な一分
外ブロックなど控える場合にも適しています。科学技
野です。その一つは静脈内、硬膜外(場合によってはク
術の発達により超音波機器の小型高性能化で可能にな
モ膜下)に持続投与される局所麻酔薬や麻薬です。
りました。
健康と食生活
乳酸菌
管理栄養士 井上 温
腸内環境を整える事は、食べ物からの栄養の消化吸
れる乳酸菌の摂取が減り腸内環境が乱れ、以前はあま
収はもちろん、免疫力も高まり、健康維持に大切な事
り日本では発症していなかった大腸がん等が増えてき
です。
ているのではないかともいわれています。
腸内環境を整えるために大切な役割をしている、ビ
植物性乳酸菌は、熱や酸に強く、調理や胃酸の影響
フィズス菌などに代表される乳酸菌についてお話した
が少なく生きたまま多くの乳酸菌が腸まで届くので、
いと思います。
胃酸で死滅してしまう動物性乳酸菌よりも腸内環境を
乳酸菌は、
「動物性乳酸菌」と、「植物性乳酸菌」の
整えるのに効果があるとし注目され、それらを含む食
2種類に分けることができます。
品が多く販売されてきています。
ヨーグルトやチーズなどに乳酸菌(動物性乳酸菌)
植物性乳酸菌を摂る事は良いのですが、漬物や味噌
が含まれているということは、ご存じの方も多いかと
汁等は、比較的塩分が多い食品なので摂りすぎには注
思いますが、野菜や大豆等の発酵食品に含まれる乳酸
意が必要です。
菌(植物性乳酸菌)もあります。漬物や味噌等が代表
乳酸菌には、花粉症等のアレルギーや病原性大腸菌
的な食品ですが、その中でもぬか漬けは多くの乳酸菌
の感染リスクの軽減等の効果も報告されています。日
が含まれています。大豆の発酵食品の味噌にも含まれ
常の食生活に乳酸菌を取り入れてみてはいかがでしょ
ているので、味噌汁等からも摂ることができます。最
うか。
近は、これらの食品の摂取が減り、それに伴って含ま
◉診療の実績◉
入院
4月
1 日平均患者数
月延患者数
平均入院日数
外来
5月
7月
8月
9月
490.6
471.6
481.8
498.2
508.4
508.5
14,718
14,620
14,453
15,443
15,760
15,255
12.5
12.3
12.3
11.1
11.8
11.8
4月
1 日平均患者数
月延べ患者数
6月
平成26年度上半期
5月
6月
7月
8月
9月
1,411.9
1,462.9
1,467.9
1,420.3
1,358.5
1,514.9
29,650
29,258
29,357
31,247
28,529
30,298
平成 26 年度上半期
紹介率
逆紹介率
72.0%
52.6%
手洗いについて
最近は、飲食店や買い物先の施設で「手を洗いましょう」という表示を多く見かけ、アルコール消毒
剤が準備されています。手洗いは感染予防の基本ですので利用していきたいと思います。
手をよく洗う家庭のお子さんは風邪をひきにくいという研究が海外で報告されています。できること
から健康管理に繋げていきましょう。
発 行:国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院
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