ワークショップ概要(PDF: 231KB)

第 7 回 EFD/CFD 融合ワークショップ
平成 27 年 1 月 26 日(月) 秋葉原コンベンションホール
概 要
1. データ同化を用いた歩行者行動分析の可能性
中西 航(東京大学 大学院工学系研究科 社会基盤学専攻)
データ同化は交通工学においても注目を浴びている。交通工学の対象は移動手段や移動スケール
など様々あるが、予測や分析が困難とされるミクロな歩行者行動を取り上げる。元来より交通工学で
は取得データに基づいてシミュレーションモデルを推定し、これを施設設計や流動制御、空間配置計
画に生かしてきた。従って、データ同化との親和性は高いと考えられるが、適用には交通特有の課題
も存在する。発表では、近年のシミュレーション・センシング両技術の発展を念頭に、行動予測モデル
に対して色や距離など種々の観測値を統合する手法を、歩行者行動の特徴を念頭に説明する。その
うえで、人物追跡手法の高度化や歩行者行動原理の分析手法構築に向けた、現状や展望を述べる。
2. 火力発電技術の高度化に向けたデータ同化技術への期待
丹野 賢二(電力中央研究所 エネルギー技術研究所)
東日本大震災以降、我が国における火力発電の重要性は一層増加している。しかし、発電コスト低
減の観点からは、燃料の多様化と更なる熱効率の向上が求められている。また、今後の再生可能エ
ネルギーの導入に伴い、迅速な出力調整機能も求められる。このような課題を迅速かつ低コストに解
決する手段として、数値シミュレーションにかかる期待は大きい。しかし、火力発電所の機器内部は、
高温や高圧な環境が多く、サブモデルの高度化は極めて困難である。また、機器内部の状態は種々
の因子の影響を受ける。そのため、数値シミュレーションのみによって、火力機器内部の状態を予測・
評価することは困難であると考えられる。このような状況を打破するためのブレークスルー技術として、
データ同化手法への期待を述べる。
3. 重電メーカにおける EFD/CFD の活用と課題および融合技術に対する期待について
内田 竜朗((株)東芝 電力システム社 電力・社会システム技術開発センター)
蒸気タービン,ガスタービン,風車,水車,原子力機器,発電機/モータなどの重電機器の開発に
EFD と CFD を活用している.これまでに行ってきた蒸気タービン内の気液二相流の計測,カプラン水車
の計測と解析の比較,および風車性能向上に向けたプラズマアクチュエータの開発計測などの具体
例を紹介して,EFD と CFD のそれぞれに対する課題やこれらの融合技術に対する重電メーカからの期
待について紹介する.
4. データ同化の応用に向けた展望
三好 建正(理化学研究所 計算科学研究機構)
データ同化は、計算機上のシミュレーションと現実世界の実測データをつなぐ学際的科学である。
気象のシミュレーションでは天気予報の精度を左右する重要な役割 を果たすため、大規模問題にお
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第 7 回 EFD/CFD 融合ワークショップ
平成 27 年 1 月 26 日(月) 秋葉原コンベンションホール
けるデータ同化は、気象の分野で高度に発達してきた。我々は、大規模シミュレーションのための共通
基盤技術として、データ同 化の研究を進めている。具体的には、先進的な理論研究や、気象学分野
での最先端の応用研究を進めるとともに、これまでデータ同化の応用が進んでいない新た なシミュレ
ーション分野も探っている。本講演では、高解像度シミュレーションと新型センサ双方によるビッグデー
タを生かした「ビッグデータ同化」によるゲ リラ豪雨予測や生態系シミュレーションへの応用など、我々
が取り組んでいる最新のデータ同化研究について紹介する。また、データ同化のさらに幅広い応用に
向けた可能性及び展望について、私見を述べたい。
5. 航空・流体力学分野におけるデータ同化の応用~設計に活かすデータ同化技術の構築に向けて~
三坂 孝志(東北大学 学際科学フロンティア研究所)
加藤 博司(JAXA 航空本部)
近年、設計要求の多様化から複雑流動現象の解明が求められ、実験計測技術および数値計算技
術に内在する不確実性への対処が求められるようになってきた。不確実性低減の取り組みとして、両
技術を融合するデータ同化技術には大きな可能性がある。しかしながら、データ同化技術の工学分野
への応用事例は限られており、また、工学分野の主目的である設計にデータ同化技術を活かすため
のノウハウは全くといっていいほど存在しない。本発表では、これまで発表者らが行ってきた航空・流
体力学分野へのデータ同化の応用事例を紹介すると共に、現在、日本機械学会計算力学部門の下
に企画している「設計に活かすデータ同化研究会」について説明する。
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