集会長挨拶

集会長あいさつ
集会長あいさつ
第 25 回年次学術集会開催にあたって
文京学院大学大学院保健医療科学研究科
下村 弘治
第 25 回生物試料分析科学会年次学術集会長を担当させていただきます。どうぞよろ
しくお願い申し上げます。
今日の医療の進歩と少子高齢化に対する医療形態の変化に伴って臨床検査の役割も
大きく変わろうとしています。たとえば日常医療の現場では臨床検査技師のチーム医療
への積極的な参画が求められておりますし、また平成 27 年 4 月の臨床検査技師法の改
正で微生物検査における「検体採取」が認められることになりました。このことは臨床
検査技師の知識・技術が世に認められてきたといえます。
この様な背景の中、今回の学術集会では「生物試料分析科学会の新たな展開の方向性」
を探ることをテーマに開催いたします。科学の発展と共にできた「基礎と臨床の狭間」
にまだ手が付けられていない研究領域もあります。更なる生物試料分析の発展の道を探
ることに焦点を当て、学術集会のテーマを企画しました。
特別講演では、私の恩師である芝紀代子先生(文京学院大学名誉教授)に「医療人に
知ってほしい最新医薬品の情報」と題してご講演をお願いしました。平成 26 年 4 月か
ら薬局などに「検体測定室」が開設されたことは注目され、臨床検査の流れを変えるも
のと思われます。教育講演 1 では三林浩二先生(東京医科歯科大学 生体材料工学研究
所 教授)に「非侵襲サンプル(涙液、生体ガス)の生化学モニタリングについて」と
題してご講演をいただきます。ご講演では現在開発を進めている非侵襲の生体センサー
を解説していただきます。教育講演 2 では、鈴木秀典先生(日本医科大学大学院医学研
究科薬理学 教授)に「ドーピング検査の現状と将来」と題してご講演をいただきます。
ドーピング検査においては生体試料分析技術の進歩が期待されています。教育講演 3 で
は近藤格先生(国立がん研究センター研究所 希少がん研究分野 分野長)に「プロテオ
ーム解析によるがんバイオマーカー開発」と題してご講演をいただきます。ご講演では
バイオマーカーの開発と問題点を述べていただきます。
シンポジウムでは、「そこが知りたい!新人教育と日当直業務内容」-各施設での工
生物試料分析 Vol.38 No.1 2015
夫を探ろう-というテーマで各施設の特徴を発表していただき、今後の医療業務の参考
にしていただければと思います。
一般演題は 52 題集まりました。どれも大変興味ある演題であります。また、最新の
検査試薬・機器などを紹介する企業演題 5 題、ランチョンセミナー4 題を予定しており
ます。
機器・試薬メーカーによる展示コーナー(5 階)そして休憩所(1 階、5 階)を設けて
おりますので、参加者間の意見交換や休憩の場としてご利用ください。
会場となります文京学院大学は、地下鉄南北線の東大前駅出口直結と交通の便もよく、
また会場として使用する校舎は今年新築したばかりです。いま話題の東京スカイツリー
も大学から近くにあり、この機会に浅草まで足を伸ばされるのもよいと思います。
最後になりましたが、本集会開催にあたっては多くの関係企業からご支援、ご協力を
いただきまして、厚く御礼申し上げます。また、日々お忙しい業務の中、本集会開催の
準備にあたっていただいた関東支部会員の方々に感謝申し上げます。
本学術集会にご参加いただいたみなさんが、明日からの仕事に有用となる情報をたく
さんお持ち帰りいただけることを願いまして、集会長のあいさつといたします。
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