各都道府県衛生主管部 (局)長 殿 厚生労働省医薬食品局安全対策課長

薬食 安発 0929第 2号
平 成 26年 9月 29日
各都道府県衛生主管部 (局)長
殿
厚生労働省 医薬食 品局 安 全対策課長
(公 印
省
略 )
使 用 上 の 注意 等 の 改訂 に係 るガイ ドライ ンにつ い て
薬事 法等 の
一 部 を改正
す る法律 (平成 25年 法 律第 84号 )に よる改 正 後 の 医
薬 品、医療機器 等 の 品 質 、有効性 及 び 安全性 の 確保 等 に 関す る法 律 (昭和 35年
法律第 145号 。 以 下 「
法」 とい う。)に よ り、医薬 品 、医療機器 及 び再生 医療 等
製 品 の製造販 売業 者 に対 し、法第 52条 第 1項 各 号 、第 63条 の 2第 1項 各 号及
び 第 65条 の 3第 1項 各 号 に掲 げ る事 項 (以下 「
添付 文書等記 載事項」 とい う。)
の 届 出及 び公 表 が 義 務 付 け られ ま した。 また 、 同規 定 にお い て 、添付 文 書 等記
載 事項 は最新 の論 文 そ の他 の 知 見 に 基 づ き記 載 され てい な けれ ばな らな い こ と
と され ま した。
各 医薬 品 の 添付 文 書 等記 載事 項 は 、 これ まで も法第 77条 の 4の 危 害 防止 義務
や 医薬 品 、医薬 部 外 品 、化 粧 品及 び 医療機器 の 製 造販売 後 安全 管理 の 基 準 に関
す る省 令 (平成 16年 厚 生 労働 省令 第 135号 、以 下 「GVP省 令 」 とい う。)に
基 づ く製 造販 売 業 者 の 安 全 管理 業務 に よ り適 宜 改訂 等 され てい ます が 、今 回 の
薬 事 法 改 正 を踏 ま え 、 常 に 最新 の 添付 文 書等 記 載 事 項 が 提 供 され るよ う、製 造
販 売業者 の安全 管 理 業 務 にお い て 参考 とす べ き留意 事項 を別 添 の ガイ ドライ ン
と して ま とめま した の で 、 貴管 下 関係 製 造販 売 業者 等 に対 して 周知 い た だ く よ
う、 お願 い 申 し上 げ ます。
なお 、本 ガイ ドライ ン は 医療 用 医薬 品 (体外 診 断 用 医薬 品 を除 く)の 使 用 上
の 注意 等 を想 定 して 作成 した もの です が 、 それ 以外 の 医薬 品 、医療機器 及 び再
生 医療 等製 品 に つ い て も、本 ガイ ドライ ンに 準 じた 製造 販 売後 安全管理 の実 施
に 努 め るよ う合 わせ て周 知 をお願 いい た しま す。
(別添)
医療 用 医薬 品 の使 用上 の 注意等 の 改訂 等 に係 るガイ ドライ ン
医薬 品製 造販 売 業者 にお い て 、最新 の 安 全 管 理 情 報 に基 づ き、添付 文 書等 記
載事項 の 改訂 を含 む適 切 な安全確 保 措置 の 立 案 を行 うた め に は 、安全管 理 情 報
を適 切 に収集 し、科 学 的 に検討 し、そ の 結果 を踏 ま えた 安 全 確 保措 置 の 立 案 が
適切 に実施 され る よ う手 順 書 が 規 定 され 、ま た 業 務 が手順 書 に 沿 つ て 着 実 に実
施 され る必 要 が あ る。 以 下 にそ の た めに参考 とす べ き留意事 項 を示す 。
1 基 本 的事 項
(1)基 本 的 な 姿勢
。社 内 の 全 ての 関係 者 が 、医薬 品 の製造販 売後 安全管理 は医
薬 品 の リス ク管
理業務 で あ るこ とか ら常 に 緊 張感 を持 って 業務 に取 り組 む とともに、予 断
を もたず 、詳 細 な 安 全管理 情報 を収 集 し、安 全 管理統括 部 門又 は安全確 保
業務 を行 う部 門 (以下 「
安 全 管理統括 部 門等 」 とい う。)に 情報提供 す る
こ と。
.
。最適 なベ ネ フ ィ ッ ト ・リス クバ ラ ンスの 医薬 品 を
医療 関係 者及 び 患者 に提
供 す るた め 、最 新 の 安全管理 情報 に基 づ く最適 な安全 確保 措置 を講ず る こ
とを最優 先 とす る認 識 を持 つ こ と。
・総括 製 造販 売責任 者 は、安全 管理責任者 が取 りま とめた
安全確保 措 置案 を
最 大 限尊 重 し、安 全確保 措 置 を決 定す るこ と。
・製 造販 売 業者 は 、総 括製 造販 売
責任者 、安 全 管理責任 者 及 び安全管理 統 括
部 門等 が 、迅 速 かつ 適切 に情 報 を収 集 し、最 新 の知見 に基 づ き適切 な安 全
確保 措 置 を講ず る こ とがで きる よ う、また新 た な評 価 手法 。安全確保 措 置
の導入 等 に も積極 的 に取 り組 め るよ う人員 ・組織等 の 社 内体制整 備 に最 大
限 の 努力 をす るこ と。
。疾病 につ い ての情 報 (診療 ガイ ドライ ン
等 )や 医薬 品 の 医療現場 で の使 用
実態 、臨床 上 の位 置 づ け等 の 情 報 に も注意 を払 い 、安 全 管理情報 の検討 や
安全確保 措 置 の立 案 に活 用す る こ と。
(2)社 内 の 業務 手 順 及 び組織 ・体制等
・安全 管理 統括部 門等 が 、安全 管理情報 を迅 速 かつ
網羅 的 に収集 で き る業務
・
手順 及 び 組 織 体 制 を整備 す る こ と。
・社 内 の 関連 部 門 (開発 、製 造 ・品
質保 証 、営 業 、薬事 、コー ルセ ン ター 等 )
か ら、必 要 な情 報 (副作用 ・感 染症情 報 (有害事象 を含 む)、DSUR(治
験安 全性 最新 報告)等 開発 関連 情報 、CCDS(企
業 中核 デ ー タシー ト)、
CCSI(企
業 中核 安全性 情 報)、 PBRER(定
期 的 ベ ネ フ ィ ッ ト ・リ
ス ク評 価 報告 )、 不 良品等 の 情 報 、安全性 に係 る医療 関係 者 等 か らの 情 報
等)が 安全管理 統括 部 門等 に速や か に提供 され る業務手順 及 び組 織 ・体制
を整備す る こ と。
・安全 管理統括部 門等 にお い て 安全 管理情 報 が 一 元的 に評 価 ・分析 され 、適
切 な安全 確 保 措 置 を立 案 で き る業務 手 順及 び 組 織 ・体制 を整備 す る こ と。
。医薬 品 の 開発 、承認 審 査 の段 階 か ら安 全 管理 統 括部 門等 が主 体的 にRMP
(医薬 品 リス ク 管理 計画)の 作成 等 に 関与す る こと。
(3)国 内外 の 関連 企 業 との 関係
。国 内外 の 関連 企 業 (外資 系企 業 に あ っ て は本 社 を含 む 。)か らの速や か な
情 報入手及 び 意 思 疎 通 が 十分 に図れ る体制 を構 築す る こ と。
・CCDS、
CCSI及
び PBRERを
国外 の 企 業 とともに作成す る場合 に
あ つて は 、日本 の 安 全 管理情 報 が 安全確保 業 務 の検討 に供 され る体制 を構
築 す るこ と。
・外 国 医薬 品 の あ る製 品 を製造販 売す る製 造販 売 業者 にお い て は 、関連 グル
ー プ又 は 当該 製 品 の 販 売等 に 関す る
契約 が あ る外 国法 人 と あ らか じめ安
全 管理情報 の 入 手 方 法 、伝 達 手段 、情報提 供 の 期 限 な どを取 り決 め 、 G
令 第 5条 第 1項 第 1号 に規 定す る 「
安 全 管 理情 報 の 収集 に 関す る
手順 」 に規 定 し、 GVP省
令 第 7条 の安 全 管理 情 報 の 収集 を適切 に 実施
VP省
す る こ と。
2 安 全管理 情報 の収集
令第 7条 に 規 定す る安全管理 情報 「
① 医療 関係者 か らの情報」、 「
②
。
「
の情報」、
学会報告 文献報告等 の情報」、 ③厚 生 労働省 、都 道府県、PMDA等
「
④外 国政府 、外 国法 人 等 か らの情報」、 「
⑤他 の製 造販売業者 等 か らの情報」、
「
⑥そ の他 の情報」)の 入 手 にあた り、以下 の事項 につ いて留意す る必要がある。
GVP省
(1)医 療関係者 か らの 情報 の収集
・納入 医療機 関に対 しては機会 あるごとに安全管理業務 の重要性、特に副作
用 ・感染症 (有害事象 を含む)等 を経験 した 際 は情報提供 してほ しい 旨を
説 明す るとともに、副作用情報等 を収集す る こ と。
(2)文 献 。学会情報及 び海外規制情報等 の収集
・取 り扱 う医薬 品 が使 用 され る領域 に応 じた適切 な文献 。学会等 を選択 し、
情報 を入手す る こ と。
。日米欧各 国 の規 制 当局やWHO等
の規制情報 を確実 に収集す ること。
・文献 。学会情報及 び海外 規制情報 の収集 に際 し、医薬 品情報提供サー ビス
を活用す る場合 は、情 報 の収集範 囲 (収集 対象 と して い る文献 。学会 、検
索 キー ワー ド等 )が 的 確 な もの とな る よ う注意す るこ と。
。有 害 事象 と薬剤 との 因果 関係 を適切 に評 価 す る必 要 が あ る場 は、当該疾
合
患 に 関す る疫 学調 査 の 情 報収集 に努 め る とともに 、適 切 な薬剤疫 学調 査 の
実施 を検 討す る こ と。
・当該 医薬 品 の 有効性 に 関す る情報 も収集 し、安 全 管理
情報 の検討 や 安 全確
保措 置 の立 案 に活 用す る こ と。
・厚 生労 働省 や PMDAか
らの情報収集 につ い ては、PMDAメ
デ ィナ ビに
登録 す るな ど、迅 速 な 情 報収集 に努 め る こ と。
。上記 に加 え 、後発 医薬 品 につい ては 、 PMDAの
一
ホ ー ムペ ー ジの 「
ヶ月
以 内 に更新 され た添付 文 書情報 」を定 期 的 にチ ェ ックす るな ど、先発 医薬
品 の使用 上 の 注意 の 改 訂 を迅速 に把 握 す る よ う努 め る こ と。
3 安 全管理 情報 の 検討
収集 され た 安 全 管理情 報 の検討 は、安全確 保 措 置 の立 案 の 前提 とな る こ と
か ら、以 下 の 点 を考慮 して適切 に実施 す る必 要 が あ る。
・可能 な限 り客観 的 な 情 報 に基 づ く慎 重 な因果 関係 の評価 に
努 め る こ と。
また 、評価 す るに当 た って情報 が不 足 して い る場合 には 、医療機 関 へ の
詳 細調 査等 を継続 し、情報 が集 ま り次 第 、再度 評価 を行 うこ と。
。当該 副作用 (有害事 象 を含 む)の 国内外 にお け る累
積 状況及 び 類 似 の 副
作用 (他に 関連 副作 用 はないか 、別 の 副 作用 名 で 報告 され て い な いか 等)
に注 意す る こ と。な お 、 PMDAの
ホ ー ムペ ー ジの 「
副作用 が 疑 われ る
症例 報告 に 関す る情 報 」 を活用 し、他 の製 造販 売業者 が報告 した 当該 医
薬 品 に 関す る副作用 症 例 や 同種 の 医薬 品 に 関す る 副作 用症例 に も注意
す るこ と。
・治験デ ー タや 非 臨床 試 験 の結果 との 関連 につ い て も検討す るこ と
。
・副作用症例 の 患者 背 景 (合併症 、併 用薬
、臨床 検 査 値等)に 特徴 はない
へ
か 、特 定 の 地域や 医療 施設 の偏 りは な い か 、特 定 の ロ ッ ト等 に 関連 が
な い か 、頻度 の 変化 を疑 う要素 はな いか 等 を検 討す る こ と。
4 安 全確保 措 置 の立 案
安全管理情報 の検討 に基 づ き適切 な安全確保 措置 (回収 、緊急安全性 情報 、
安 全性速報 、添付 文書 の 改訂 、新 たな調査 の 実施 等 )を 立 案す る場合 には 、以
下 の点 を考慮 し、 また、適 宜 、 PMDA及
が 重 要 で あ る。
・デ ー タマ イ ニ ン グ手 法 の
び 厚 生労働省 と相 談 して進 め る こ と
活 用等 に よ り、早 期 の シグナル 検 出に努 め る こ と。
・副 作用 の 重篤性 ・重 大性 、因果 関係
、累積 状況 、緊急対応 の 必 要性 等 を踏 ま
えて 安全確 保 措置 を決 定す る こ と。
・RMPが
作成 され てい る場 合 には 、最新 の 医薬 品安全性 監視 計画及 び リス ク
最 小 化 計画 を踏 ま えて 安全確 保措 置 を立案 す るこ と。
・リス クを最 小 化す るた めの 最適 な安全確保
措置 を立案す る こ と。特 に 、適 正
使 用 が 遵 守 され てい な い事例 が 多 い 場 合 は 、追加 の措 置 を立 案す る こ と。
・安 全確保 措 置 の立 案 に 当た つて は
CCSI及
、欧米 の 添付 文書、CCDS、
び 類薬 の 添付 文書 の記載状 況 を確認 す る こ と。
・海 外規 制情 報 (CCDS、
CCSIの
変 更 も含 む)に 基 づ き安全確 保 措 置 を
立 案 す る際 は 、海 外 規制 の根 拠 を確認 す るな ど した上 で 、わが 国 の 医療 現場
に必 要 な安 全 確保 措 置 か 否 か を検 討 す る こ と。
5 添 付 文 書 の 定期 的 な見 直 し
これ まで 、薬 事 法 に基 づ き副作用 報告 制度 や GVP等
の 各種 制度 が順 次整
備 され て きた ところで あ り、これ らが遵 守 され て いれ ば 、現行 の添付 文書 の
重 要 な事項 に つ い て大 きな問題 はな い と考 え られ る。
一方
、販 売 開始 か ら長 期 間 が経過 し、新 規 に得 られ る安 全性 情報 の少 な い
医薬 品 (後発 医薬 品 を含 む)に お い て は 、現在 の 添付文書 の 内容 が 最新 の 知
見 を反 映 した もの にな って い るか とい う視 点で定期的 に見 直 しを行 うこ と
が 重要 で あ る。
そ の 場合 は 、以 下 に示 す 情 報 と改 めて比 較検討 し、現在 の使 用 上 及 び 取扱
い 上 の 注意 等 が適 切 で あ るか につ い て 、定期 的 に も確認 す るこ とが望 ま しい。
・CCDS、
の 情報
CCSI等
。海 外措 置 の状 況
。文献情 報 の集 積 状 況
。類 薬及 び 後発 医薬 品 の 場 合 は
先発 医薬 品 の使 用上 の 注意等 の記 載 状 況
。新 た に確認 され た他製 品 との 互
相 作用 の記載状況
以上