平成26 年12 月25 日 2学期終業式 今日は、私がいつも皆さんに話して

平成 26 年 12 月 25 日 2学期終業式
今日は、私がいつも皆さんに話している、
I have a dream.
Try new things!
そして、
「しなやかな強さ」について話します。
学校説明会で、
『本校は、落ち着いた穏やかな校風で、特に女子は、この校風が本校選択理
由の70パーセントになっています。茶髪ゼロ、いじめなし、安心・安全な学校が生徒や保
護者に魅力になっています。
』と話しています。
さらに、今年あたりから、学校が明るいと感じる生徒も多くなりました。
まじめで落ち着いた皆さんですので、それだけに、私は、切磋琢磨し互いに競い合い励まし
あってもらいたいと願っています。
アメリカの公民権運動の先頭に立った、キング牧師の有名な言葉
「I have a dream.
」
まずは、小さくてもよいので、夢を持ってください。
そして、その夢に向かって「Try new things!」
新しいことに、果敢に挑戦してください。
落ち着いて、真面目なだけでなく、自分の夢に向かって挑戦する生徒。
小南生は、挑戦する気概を大切にしてもらいたい。
先生方には、支える授業ではなく、伸ばす授業をしてもらいたい。
生徒の背中を押してもらいたいとお願いしています。
本校の教育の 2 本柱は、学力向上と人間力向上です。
授業や講習などの学習活動や部活動、学校行事を通して、学力と人間力をつけてもらいたい。
さらに、希望する進路を実現し、達成感を味わってもらいたい。
大学進学がほとんどですが、
行ける大学に行くのではなく、行きたい大学に行くようにしてください。
初めから無理と、自分の夢をあきらめてもらいたくない。受験も挑戦です。
この挑戦は、学力向上とともに人間力向上にもなります。
まずは、逃げないで、困難や試練に立ち向かってください。
いつか、皆さんに私が逃げた体験を話したことがあります。逃げたほうがよい時も
ありますが、逃げると、何とも後味の悪い思いと、自責の念でいっぱいになります。
いま、こうしたいと考えていることに、どうしたらそれが実現するか、真剣に立ち向か
ってください。
部活動も挑戦です。
特に、勝ち負けのある部活動は、相手校との切磋琢磨です。負けるために練習する人は
いません。皆、勝つために練習します。勝てばうれしいし。負ければ悔しい。
負けたときは、とことん悔しがってもらいたい。そして、次に、どうやったら勝てるか、ど
ういう練習をすればよいのか考えてもらいたい。
先週、
「バンクーバーの朝日」という映画の紹介がテレビで放映されていました。カナダは、
移民の国です。戦前、多くの日本人がカナダへ渡ったようです。しかし、新天地と思っていた
カナダで、日本人は、差別を受け、貧困に苦しんだそうです。つらい生活の中、野球を愛する
日本人が「バンクーバー朝日」という野球チームを作り、カナダのリーグに入りました。
しかし、体格で上回る白人チームに勝てません。相手に負け続けました。何とか勝つにはどう
したらいいか。
「バンクーバー朝日」チームはバントと走塁で戦う方法を考え付きました。フ
ェアプレー精神を貫き、勝ち抜く姿は、日本人の移民たちに勇気を与えるとともに、白人たち
にも感動を与えたという実話をもとにした映画です。
「バンクーバー朝日」は、圧倒的な体格差をバントと走塁で戦いました。
いままでと同じ練習をし、さらに上手になることも大切です。しかし、ただやみくもに練習
するのではなく、この練習でいいのかと練習の根本から、よく考えてもらいたい。皆さんの
時間は限られています。勉強もしなければなりません。与えられたその時間、集中して練習
することです。そして、負けた相手校に、今度は勝ことです。これが切磋琢磨です。自分た
ちや相手校の成長につながります。自分や自分たちの仲間とともに、そして、相手校の仲間
とともに、互いに切磋琢磨し、共に成長する。部活動も挑戦です。
最後に「しなやかな強さ」ついてです。
「しなやか強さ」とは、何か大きな試練や苦しみがあったとき、心配のまま、不安なまま、
そして苦しいままでいいから、自分がこうなりたいという思いを大切に、するべきことを
していく強さのことです。
心配や不安という否定的感情は打ち消せません。不可能といっていいでしょう。そもそも、
心配や不安のない人生はありません。そうであるなら、心配や不安という否定的感情はそのま
まにして、するべきことをしていくしかないということです。
嵐で大木が倒れても、草は折れません。大風にビュウビュウ吹かれ地面につくばかりになって
も折れません。心配や不安という感情の嵐に、吹き飛ばされそうになっても、こうありたい、
こうなりたいという思いや夢を大切に、それに向かってするべきことをしていく。
これが「しなやかな強さ」です。
3 年生は、これから受験を迎える生徒がほとんどです。
心配や不安で、勉強に手がつかないときもあるでしょう。
心配や不安という感情はどうにもなりませんので、こうなりたいという自分の夢に向かって、
1問でも2問でもよいから、問題を解く。この「しなやかな強さ」を実践してください。
私の大学受験の失敗と教員採用試験の失敗について、以前に話しました。
先が見えない将来に対する心配、不安ということでは、大学受験の失敗よりも教員採用試験の
失敗の方が、厳しいものでした。来年また不合格ではという心配と不安の戦いは、ずっと頭に
こびりついていました。
手がつかない状況であっても、まずは、しなければならないことを、少しづつでもするしかあ
りませんでした。教員になる前は、すでに仕事をしていましたので、時間がなく電車の中で勉
強しました。今、振り返ると、それが、私の「しなやかな強さ」の体験だったと思います。
心配や不安という否定的な感情はそのままに、するべきことをしていく。この「しなやか
な強さ」を、皆さんもいっぱい体験してください。
そして、その原動力は、夢をもち、その夢に向かって挑戦する気構えです。
心配や不安から、その夢をあきらめてしまうのではなく、
まずは、できるところから、そして、やれるところまで、挑戦してください。
失敗してもかまいません。
挑戦する人は、失敗します。へこたれます。もがきます。でも、やがて、しなやかに立ち
上がり、今までの自分と違う自分に成長し、新たな夢に向かって、さらに挑戦していきます。
皆さんも、しなやかな強さを発揮し、夢をもち、挑戦する人になってください。
皆さんの挑戦を心から応援しています。