物理化学実験 ガイダンス 担当教員:青木、矢島 TA :伊藤、 島 ※ テキストの1~3, 43~49ページを良く読んでおくこと。 科学・・・実験による検証が不可欠 実験を正確に行えないとどうなるか? レベル ・再現性のない実験となる。 (多くの実験が無駄になる。) ・観測された現象に対し、誤った解釈をしてしまう。 ・定量的解析ができず、誤った理論体系を構築してしまう。 ・火災、爆発などの原因になったり、多量の有毒ガスが発生 したりして、重篤な事故につながる。 最終的には・・・学術研究の失墜 (何が真実で何が間違いか判断できなくなる。) 物理化学実験の目的 主に以下の項目を習得することを目標とする。 (1)実験の基礎となる実験器具の使いかた、薬品類の扱いかた を習得する。 (2)正確な化学実験操作とデータ処理能力を身につける。 ➔ 実験データを物理化学的な理論式などと比較し、詳細な 議論を行えるようにする。(どのようなデータ処理を行えば 議論できるか?) (3)計画を立てて実験を行い、検証する能力を養う。 (4)得られた結果について、文献調査を含め深く考察できるように する。 (5)「何を目的として、どのような実験を行い、どのようなデータが 得られたか。また、それらをどのように考察したか」、第三者に 分かりやすく伝える報告書作成能力を身につける。 物理化学実験の位置づけ 物理化学実験は、5つの学生実験の最終段階に位置しており、 研究室での本格的な研究(4年生以降)の研究を取り組むときの 基礎になるので、まじめに取り組むこと。 1年次 基礎化学実験 ↓ 2年次 一般化学実験、 無機化学実験 ↓ 3年次 物理化学実験、有機化学実験 ↓ 4年次~ 研究室配属 実験の心得 テキスト46~49ページを熟読せよ!! (1) 実験にふさわしい服装: 白衣(名札をつけること)、安全メガネ、 (必要に応じて)手袋 靴(足全体が覆われるものを着用。サンダルなどは不可。) 髪(長髪の学生は髪の毛を束ねること。) (2) 実験に不必要なものは、すべて所定のロッカーにしまうこと。 ※ただし、貴重品は携行しておくこと。 (3) 実験室での飲食、喫煙は一切禁止する。 (4) 実験室では、まじめに実験にとり組むこと。(大声で雑談した り、走り回ったりしないこと。) (5) 実験は、所定の時間に終了できるように、事前にしっかりと 予習をし、段取り良く実験を行うこと。 (6) 携帯電話、スマートフォン等の使用は禁止する。 (ただし、画像撮影等のため、使用を許可することがある。) 安全対策 (1) 白衣、安全メガネ、(必要に応じて)手袋を必ず着用。 (2) 五感(のうち四感)を働かせる。 視覚:色の変化、状態の変化などをしっかり観察。 聴覚:異常な音、音の変化などに注意。 嗅覚:異臭、悪臭、刺激臭などに注意。 触覚:異常な発熱、振動など。 (味覚):決して口に入れないこと。 (3) 万一事故がおこったら、些細なことでも教員に報告すること。 (4) 出火、薬品の漏洩などが起こったとき、一人で解決しようと せず、すぐに周囲に注意と助けを呼び掛けること。 安全対策(各論) (1) 火が出たとき ・すぐに、周囲に注意を呼び掛ける。 ・水をかけない。基本的に、防火布、砂などをかけ、酸素の 供給を断つようにする。 (2) ヤケド、ケガをしたとき 大したことはないと思っても、必ず教員に報告し、治療をすること。 ヤケド:流水で十分に冷やす。 ケガ:適切な応急処置を行う。 (3) ガラスが破損したとき 素手で触らず、教員に報告して対処すること。 安全対策(各論) (4) 危険な薬品に触れてしまったとき すぐに流水で十分に洗い流すこと。 ※ 本実験で扱う薬品に限っては、これ以外の方法は考えなくてよい。 (5) 薬品が目に入ったとき すぐに流水で十分に洗い流すこと。 強アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム水溶液など)は特に危険! ↓ 十分な処置をしないと、失明の恐れがあるため、必ず教員に 報告し、十分な処置を行う必要がある。 ※ 薬品が目に入るという事故は、保護メガネを着用することで ほぼ未然に防ぐことができる。夏場など、不快感があるから という理由で、着用を怠らないこと。 ※ テキスト3ページ、表1・1の汎用試薬の性質を良く理解して おくこと。 物理化学実験の流れ (1) 予習と事前準備 ① テキストをよく読む。(どんな実験を行うのか、イメージできるように。) ② 実験で行うことを、実験ノートにまとめる。 実験室へのテキストの持ち込みは禁止! ③実験中に必要なデータを調べておく。 分子量や物理量、緒定数などが必要なときは、予習のときに 各自で判断し、図書館などで調べ記入しておくこと。 ④実験計画書を作成する。(指定用紙) ※ 本計画書は実験開始時に提出するので、実験に必要な人はコピーをとって おくこと。 ※ 本計画書は、A, A’, B, B’, C の5段階で評価します。 ⑤実験室に持ち込むもの:白衣、保護メガネ、実験ノート、 筆記用具、方眼紙、関数電卓、名札 物理化学実験の流れ (2) 実験の行いかた ① 手際よく、協力して実験を行うこと。 無駄話をしないで、段取りよく行うこと。 ※実験は、班員どおし協力し、結果の確認、データ処理を 行いながら実験を行うこと。 ②実験ノートはこまめにとること。 ※レポートを作成する段階になって、曖昧な印象の結果を載せ ないこと。(→ データ改ざん、捏造へとつながる。) ③使う試薬の量は最小限になるように工夫すること。 ※試薬ビンから出した試薬は、原則として、元のビンに戻すこと はできない。(=余分に採った試薬はすべて無駄になる。) ④実験台の上は整理整頓して行うこと。 ※器具が散在した状態は、事故や実験ミスのもと。 物理化学実験の流れ (3) 実験ノートのとりかた ※あとで改ざんしたと疑われないノートをつくることが鉄則! ① 切り取り式でない冊子式のノートを用いる。 ② 最初に、1、2、3、・・・と、最後までページ番号をふる。 ③ 実験ノートは、黒ボールペンで手書きすること。 (鉛筆やパソコンを用いないこと。) ④ 以下が大原則! (イ)実験ノートのページを破らとらない。 (ロ)誤って記入しても、塗りつぶさない。 「 12.35 g 12.30 g」のように、二重線で消した上で書くこと。 (ハ)別の紙切れにメモして張り付けない。 (ただし、装置の出力データや、グラフ用紙などでデータ 処理をしたものを張り付けるのは可。) (二)丁寧に書く必要はないが、気付いたことは小まめに、あと で読める字で書くこと。 物理化学実験の流れ (4) 実験が終わったら きちんと片づけをすること。(片づけが終わるまでが実験である) ① 適切な廃液処理を行うこと。 ・流しに流すことができる薬品はない。 ・フローチャート(6ページ)に従い、廃液タンクにすてること。 ・洗浄液は、3回目までを廃液とすること。 ② 後片づけをしっかり行うこと。 ・教員、TAの指示に従うこと。 ・ガラス器具は良く洗浄する。 ・器具類はすべて、所定の場所に戻すこと。 物理化学実験の流れ (5) レポートのまとめかた(総論) ※テキスト11~12ページの内容をよく読むこと。 ① 黒色インクの筆記用具を用いる。ワープロソフトの使用も可。 ② レポートは、他人に読んでもらうために書くものと心得ること。 ・意味不明な日本語の記述、自分にしか分からないメモのような 記述は論外。 ・簡潔な表現を心がけること。 ・丁寧な字で書くこと。 ③ 他人の文章(教科書や過去レポ等を含む)の丸移し、ホーム ページや電子書籍等のカットアンドペーストは絶対に行わない こと。(カットアンドペーストしなくても、丸写しは同罪です!) ・テストのカンニングと同様の重罪。 (プロの世界では、さらに厳しい罰則が課せられる。) 物理化学実験の流れ (6) レポートのまとめかた(各論) ※ テキスト43~45ページを熟読しておくこと。 特に、単位の書きかた、表、図の書きかたの部分。 ① 目的(何のために実験を行ったか) ② 原理(図書館などで、自分が納得するまで調べること。テキスト の丸写しをしないこと。) ③ 実験方法(テキストの丸写しをしない。自分が行った操作を 正確に記述すること。) ④ 結果と考察 ・得られた実験結果をまとめ、データ処理し、そこから何が言え るのかを丁寧にまとめること。 ・図書館などで文献調査して、深く考察することを心がける。 ⑤ 参考文献(参考文献を必ず引用して記すこと。) 評価方法 ① レポート 60%、実験計画書 10% ・理解度 ・丁寧に記述できているか ・文献などでよく調べて作成しているか・・・など総合的に評価 ② 試験 30% ・最終日に行う到達度試験。 ・半期で行ってきた実験内容や原理を正しく理解できているか を試す試験。 ③ 平常点 (加点、減点方式) ・出席点(遅刻、中抜け、早退: -5点/回、 欠席: -10点/回) ・その他の態度:レポート提出の遅刻、不真面目な実験態度 などは減点。その他、特記すべき加点(または減点)態度。 ※ やむを得ず欠席、遅刻する場合は、証明書が必要。 (電車の遅延証明書や医師による診断書など。) スケジュール ガイダンス:1回 実験:計10回 試験:1回 9/30 10/ 7 10/14 10/21 10/28 11/ 4 11/11 11/18 11/25 12/ 2 12/ 9 12/16 12/23 ガイダンス、安全教育 実験(1) 実験(2) 実験(3) 実験(4) 実験(5) 実験(6) 実験(7) (休講)※理大祭のため 実験(8) 実験(9) 実験(10) 筆記試験(60分程度) 班分け 10月2日(木)までに、5号館1階の掲示板に掲示しておきますの で、必ず各自で確認し、次回(7日(火))には、実験計画書(ノー ト、計画書用紙)を作成して実験に参加すること。 班が決まったら・・・ テキスト2ページのスケジュール表を良く確認 自分がどの順番で実験するかを良く確認し、間違って予習をして 来ることがないようにすること!!! 質問があるときは、青木宛に メールで問い合わせてください。 [email protected]
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