コンサルティング基礎講座 Consulting Basic Lecture キーワードで考える不動産コンサルティングの勘所（11）【コンサルティング】フレームワーク～情報と知識を知恵に昇華させる～福田郁雄株式会社福田財産コンサル代表取締役［ふくた・いくお］㈱福田財産コンサル代表取締役。公認不動産コンサルティングマスター、資産経営戦略コンサルタント。総額840億円を超える豊富なコンサルティングの経験を生かし、資産家への完全個別対応の資産コンサルティングを行う。主な著書に「相続資産の上手な増やし方（改訂版）」（週刊住宅新聞社）など。 ■はじめにそもそも不動産コンサルタントにとって最も大切な技能は「コンサルティング技能」です。もっと率直に言えば思考能力です。当然専門知識や経験も必要ですが、それ以上に大切な能力は物事を深く考え問題の本質にたどりつく思考能力です。思考能力イコール地頭の良さだと言われればそれまでですが、フレームワークなどの思考の枠組みを使え 12 コミュニケーション 1 相続 2 建築 11 3 投資コンサルティング 10 資産設計不動産コンサルティング 9 不動産 5 税務 8 鑑定ば、誰でも効率的に情報を整理することができます。事実の積み重ねによって情報を整理し、取り組むべ 4 金融 7 経営 6 法務き課題を抽出して、具体的なアクションプログラムに落とし込む。最終的に意思決定していただき、実行にこでは私が不動産コンサルティングの現場でよく使う移し、成果を出す。主な15のフレームワークを活用事例として紹介します。この一連の作業は思考の連続です。百人百様の資産背景や利害関係、そして意思決定権者の思考特性やリコンサルの現場で応用していただければと思います。スク許容度によって、答えは様々です。フレームワーク思考を体得することによって、思考の私達コンサルタントの本質的な仕事は、実行して結果を出していただくために、「意思決定をしていただく環境を整える」ことです。空理空論、評論は全く不要です。不要どころか空理空論、評論はノイズになるだけです。 2 他にもたくさんのフレームワークがありますが、ぜひ生産性を向上させることができます。もちろん、プレゼンに大いに力を発揮するでしょう。 1　問題を「取り組むべき課題」に変える・As is/To be 理想と現実のギャップ（図表１）コンサルタントはある程度の限られた時間で成果を不動産をたくさん所有する資産家へのコンサルの例求められることが一般的です。考え、書き、話す技術です。依頼者いわく「今は質素ながら生活もできていを磨き、短い時間の中で解を見つけなければなりませるし、特段不自由はしていないので、急がないですがん。思考の堂々巡りや、まとまりのない文章、何を言将来的には建物の老朽化や相続税の心配をしないわけいたいかわからない話が続くようでは失格です。ではない」フレームワークの一般論は数々の本やセミナーで紹「財産診断」を行ってＲＯＡ分析をしたところ、Ｒ介されていますので、詳細はそちらに任せるとし、こＯＡ（総資産利益率）が現状３％だとします。コンサ 2014. 12 ◆ 不動産フォーラム21