年末年始の見通し

2014 年 12 月 29 日
2015 年 1 月 5 日合併号
調査情報部
年末年始の見通し
先週の東京市場は続伸の後一服となった。原油価格やロシア・ルーブルの落ち着きに加え、経済指標の好調を
受けて戻り歩調を鮮明とした米国株の動きに連れて、日経平均も 17800 円台を回復した。ただ、その後はクリスマ
スで商い閑散のなか、もみ合いとなった。NY ダウは史上初の 18000 ドル大台乗せとなり、堅調なままクリスマス休
暇に突入した。為替市場でドル円は米国景気の好調を背景にドル買いが進み、約 2 週間ぶりに 1 ドル 120 円台後
半を付けた。ユーロ円はギリシャ問題の再燃懸念や ECB の追加緩和観測から、1 ユーロ 146 円を挟んでもみ合い
となった。
年末年始の東京市場は、新年相場入りによる需給圧迫懸念の解消に加え、10-12 月期決算発表を控えて企業
の業績上振れ期待などから、おおむね堅調な展開となろう。引き続き日銀の ETF 買いや個人投資家の押し目買い
が見込まれるほか、クリスマス休暇明けの外国人投資家の買いも期待されよう。米国株も良好な経済指標や決算
への期待などから、堅調な展開が予想される。為替市場でドル円は、ギリシャ情勢など不透明要因はあるものの、
原油価格の落ち着きや堅調な景気指標を背景に、ドル高円安基調が続こう。一方、ユーロ円は ECB の追加緩和
観測がくすぶり、146 円を中心としたレンジ相場となろう。
年末年始に国内では 1 月 9 日(金)に 11 月の景気動向指数速報が発表される。一方、海外では 12 月 30 日(火)
に 12 月の米消費者景気信頼感指数、1 月 1 日(木)に 12 月の中国 PMI、2 日(金)に 12 月の米製造業 ISM 指数、8
日(木)に 12 月の中国貿易統計、9 日(金)に 12 月の米雇用統計が発表される。なお、1 月 1 日は米国をはじめ、欧
州やオセアニア、アジア各国がニューイヤーズデーで休場となる。
テクニカル面で日経平均は、12 月 8 日高値からの下落幅 1358 円の 9 割弱を埋め、8 日高値の 18030 円を視界
に捉えてきた。これが抜けると、いよいよ 2007 年 6 月高値 18297 円へのトライとなる。この水準は 2003 年 4 月安
値 7607 円と 2008 年 10 月安値 6994 円の間の高値で、いわゆるダブルボトムのネックラインにあたり、戻りの大き
な節目となる。抜ければ、長期上昇トレンド入りの確度が高まり、2000 年 4 月高値の 20833 円や 1996 年 6 月高値
の 22666 円を目指す可能性が高まろう。一方、下値のメドは 25 日線の 17494 円や 9 日に空けた窓の 17274 円と
なろう。 (大谷正之)
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■干支と九星による 2015 年の相場見通し
2014 年の干支は甲午（きのえうま）だったが、2013 年末の終値か
らの上昇率は 9.59％(12 月 24 日現在)となった。東証再開以来の午年
の平均騰落率は 2014 年も入れて-4.6％(同)となり、全平均の 11.4％
(同)を大きく下回った。十二支の中では最低のパフォーマンスながら、
2014 年は過去 6 回の午年の中で、1978 年の 23.4％に次ぐ、好成績だ
った。相場格言の｢午尻下がり｣の格言は生きているが、2014 年に限
ってはそうはならなかった。
さて、2015 年の干支は乙未（きのとひつじ）。九星は三碧木星とな
る。十干の「乙」は陰陽五行の「木」の「陰」に割り当てら
れ、木の芽が曲がりくねっている形を表しているという。
「未」は十二支の 8 番目で方角は南南西、時刻は午後 2
時となる。動物では｢羊｣が当てはめられ、「羊」は「祥」
に通じ、中国では吉祥動物とされ、天下泰平をもたらす
とされている。ただ、「未」は「昧」に通じ、世の中が暗く
混沌となるとも言われる。
過去の未年には中東での紛争が多く、中でも 3 月ま
でにイラン革命や湾岸戦争、イラク戦争などが起こって
いる。また、新たな制度や仕組みが誕生する年ともい
える。
未年生まれの人は物事にはかなり慎重だが、親切で
計画性のあるしっかりやさんタイプが多いという。2015
年に還暦を迎える有名人には明石家さんまや鳥山明、
ビル・ゲイツ、ケビンコスナーなど、芯が強く、独自の世
界を切り開いてきた人が多い。
東証再開以来の「乙｣、｢未｣、「三碧木星」の株式市
場は「乙｣が上から 3 番目、｢未｣が下から 4 番目、「三碧木
星は」は上から 2 番目と、「未」以外はまずまずだ。
｢乙｣の年は過去 6 回の平均が 17.5％の上昇だが、年
前半が安く、年後半が高い傾向が見られる。
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また、｢未｣は平均で 7.6％の上昇と平均には届かないが、比較的年後半に変動率が大きくなる傾向が見てとれ
る。｢未辛抱｣の格言が当てはまる年と、そうでない年がはっきりしているようだ。
一方、九星の三碧木星は平均で 20.5％の上昇となっ
ているが、1952 年の 118.4％の上昇が突出しており、こ
れを除くと 4.1％の上昇と冴えない。
ちなみに、相場格言にある「辰巳（たつみ）天井、午（う
ま）しり下がり、未（ひつじ）辛抱、申酉（さるとり）騒ぐ。戌
（いぬ）は笑い、亥（い）固まる、子（ね）は繁栄、丑（うし）
はつまずき、寅（とら）千里を走り、卯（うさぎ）は跳ねる」
のごとく、過去の干支別騰落率を見ると｢午｣をボトムに
「未」、「申」、「酉」と上昇率が高まっていく傾向がある。
■新年 3 日間の騰落と年間の勝敗
2014 年の日経平均の年足は 3 年連続の陽線とな
ることがほぼ確実となり、東証再開以来の星取表で
は 42 勝 23 敗となりそうだ。
少し気が早いが、新年 3 日間の騰落で年間の騰
落を占うと、3 日間で 2 日以上上昇(勝ち越し)した場
合、年間の上昇確率は大きくアップするようだ。2014
年は新年負け越したものの、年間では上昇となった。
だが、上昇確率は勝ち越しで 7 割を超えるが、負け
越しとなると 4 割台に低下する。2015 年も新年 7 日
までの動きが注目されよう。 (大谷正之)
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各種指数の推移
（Bloomberg データより証券ジャパン調査情報部が作成）
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投資のヒント
☆ TOPIX500 採用銘柄で株価指数に対して出遅れ感が強いと思われる主な銘柄群
ＴＯＰＩＸ500 は 2014 年 12 月 25 日時点で、2013 年大納会終値に対して 8.69％の上昇となったが、同指数採用の
個別銘柄を見ると、全体の 31％強の銘柄の株価が下落している。これら株価指数に対して出遅れ感が強いと思
われる銘柄群の中でも、週足で株価が 13 週・26 週の両移動平均線の上位に位置し、中期トレンドが上向きに転じ
ている銘柄も多数存在しており、中長期スタンスで注目したい。（野坂晃一）
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新春の参考銘柄
大成建設（1801･東 1）
来期以降は不採算及び低採算案件が縮小するとみ
られる他、震災復興、東京五輪、リニア中央新幹線
関連工事など中長期的な大型プロジェクトが業績に
寄与、建築中心に完工総利益率の改善が見込まれ
るため、業績は本格的な拡大局面に入ることが期待
される。
住友化学（4005･東 1）
来期は構造改革費用の減少やサウジのペトロラービ
クの操業度向上が寄与し、収益拡大が見込まれよう。
医薬品は特許切れの影響があるものの、テスラモー
ターズ向けのリチウムイオン電池材料や米デュポン
の殺虫剤事業を買収した農薬部門などの伸びが期
待される。
リクルートＨＤ (6098･東 1)
景気回復による人手不足などで求人情報や人材派
遣情報事業に追い風となりそうな他、生活関連情報
も回復が見込まれる。更に、海外事業の好調が加わ
り、収益拡大が見込まれよう。また、指数組み入れ観
測などもあり、良好な需給も下支えとして期待され
る。
ハーモニック (6324･JQ)
省力化や自動化など産業用ロボットの投資拡大が見
込まれる他、医療・介護や軽作業向けなどのロボット
市場が急速に立ち上がりつつあり、同社製品の需要
は高まりつつある。すでに需要増に対応した能力増
強も決めており、中長期的に高い成長が期待される。
クボタ (6326･東 1)
欧米の好調に加え、停滞していた中国も補助金の復
活から回復が見込まれる。また、国内は消費増税の
駆け込みの反動減も一巡し、持ち直しが予想される。
鋳鉄管もインフラ整備による需要拡大が見込まれよう。
円安メリットも大きそうで、今期、来期と連続して最高
益更新の可能性も。
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新春の参考銘柄
日立製作所（6501・東 1）
来期は中期経営計画の最終年度。社会イノベーショ
ン事業の好調、スマトラ（コスト削減施策）の進捗、円
安効果なども加わり、目標数値である売上高営業利
益率 7％超の達成が期待される。また、M&A を含め
た事業の再構築、海外展開の加速で更なる成長が
見込まれる。
日本電産（6594･東 1）
自動車業界は環境規制強化による電動化、省エネ
化、安全強化などの投資活発化が見込まれること
から、車載部品事業を「第 2 の成長期」の牽引役に
育成していく方針。2020 年の売上高は前期実績の
8 倍以上となる 1 兆円という強気の目標を掲げてい
る。
ＴＤＫ (6762･東 1)
スマホや自動車向けの好調が続くとみられる他、デ
ータセンター向け磁気ヘッドの需要拡大が期待される。
海外売上高比率が高く、円安の恩恵も大きいと見ら
れる。中期的にも自動車の電装化進展やデータ量増
大に伴うデータセンター向け需要の堅調が追い風と
なろう。
川崎重工業 (7012･東 1)
民間航空機需要の拡大や自衛隊の装備拡充の恩恵
を受けるとみられること、海外プラントの大型受注、鉄
道車両の好調、円安メリットも大きく、今期は大幅増
益が予想される。来期も LNG 船の寄与や二輪の回復
で増益基調が続こう。
ＣＹＢＥＲＤＹＮＥ (7779･東 M )
ロボットスーツは医療・介護分野や荷役・物流分野な
どを中心に急速に市場が拡大する可能性を秘めてい
る。新たな産業分野創造のため費用先行となるが、
山海社長のロードマップは具体的かつ実現性が高そ
うだ。また、14 年 12 月にオムロン（6645・東 1）とロボッ
ト事業を含む基本合意書を締結した。
（増田克実）
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タイムテーブルと決算予定（予定は変更になる場合があります）
＜国内スケジュール＞
１２月２９日（月）
特になし
１２月３０日（火）
大納会
１２月３１日（水）
特になし
１月１日（木）
元旦
１月２日（金）
特になし
１月５日（月）
２０１５年大発会
１２月新車販売台数（１４：００、自販連）
上場日本創発グループ<7814>ジャスダック
１月６日（火）
１２月のマネタリーベース（８：５０、日銀）
１月７日（水）
特になし
１月８日（木）
１２月車名別新車販売（１１：００、自販連）
帝国データの１４年１２月景気動向調査（１３：３０）
１月９日（金）
１１月景気動向指数（１４：００、内閣府）
＜国内決算＞
１月６日（火）
15:00～良品計画<7453>
時間未定米久<2290>、スギＨＤ<7649>、Ｆマート<8028>、ケーヨー<8168>、イズミ<8273>
１月７日（水）
時間未定ＡＢＣマート<2670>、ＣＶＳベイ<2687>、ＵＳＥＮ<4842>、４℃ＨＤ<8008>、ミニストップ<9946>
１月８日（木）
15:00～キユーピー<2809>、乃村工芸<9716>
時間未定松屋<8237>、ユニーＧＨＤ<8270>、東武ストア<8274>、ファーストリテ<9983>
１月９日（金）
16:00～久光薬<4530>
時間未定ローソン<2651>、７＆ｉＨＤ<3382>、フェリシモ<3396>、三協立山<5932>、ＯＳＧ<6136>、
カッパクリＨＤ<7421>、コジマ<7513>、壱番屋<7630>、オンワードＨＤ<8016>、マルエツ<8178>、
島忠<8184>、ダイセキ<9793>、吉野家ＨＤ<9861>、富士エレク<9883>、プレナス<9945>
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タイムテーブルと決算予定（予定は変更になる場合があります）
＜海外スケジュール＞
１２月２９日（月）
ギリシャ大統領選第３回投票
１２月３０日（火）
１１月ユーロ圏Ｍ３
米１０月Ｓ＆Ｐケース・シラー住宅価格指数
米１２月消費者景気信頼感指数
休場フィリピン（リサ－ル記念日）
１２月３１日（水）
米１２月シカゴ景況指数
米１１月中古住宅販売仮契約指数
休場インドネシア（特別休業日）、独、スイス、イタリア、韓国、フィリピン、タイ、ブラジル（大晦日）、
米（大晦日、債券短縮取引、株式・為替・商品、通常取引）、ロシア（大晦日、株式休場、為替通常取引）
１月１日（木）
中１２月製造業ＰＭＩ
リトアニアが通貨ユーロ導入
ロシアなどのユーラシア経済同盟が発足
休場世界各国（正月）
１月２日（金）
欧ユーロ圏製造業ＰＭＩ
米１２月製造業ＩＳＭ景況指数
米１１月建設支出
休場スイス、ロシア、タイ、ＮＺ、中国（正月）、フィリピン（特別休業日）、台湾（振替休日）
１月５日（月）
独１２月独消費者物価
休場ロシア（正月、外為休場、株式通常取引９日まで、７日はロシア正教クリスマス）
１月６日（火）
豪１１月貿易収支
米１２月非製造業ＩＳＭ景況指数
１月７日（水）
欧ユーロ圏消費者物価指数
欧ユーロ圏失業率
米１１月貿易収支
米１２月ＡＤＰ全米雇用報告
１２月１７～１８日のＦＯＭＣ議事要旨
１月８日（木）
中１２月貿易収支
欧１２月ユーロ圏景況感指数
１月９日（金）
中消費者物価指数
米１２月雇用統計
＜海外決算＞
１月７日（木）
モンサント
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投資にあたっての注意事項
●手数料について
○国内金融商品取引所上場株式の委託取引を行う場合、一取引につき対面取引では約定代金に対して最大
1.2342％（税込）
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取引では、「約定毎手数料コース」においては、1 取引の約定代金が 100 万円以下の場合は１取引につき 540
円（税込）、1 取引の約定代金が 100 万円超の場合は 1 取引につき 1,080 円（税込）の委託手数料をご負担い
ただきます。
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ご負担いただきます。
募集等により取得する場合は購入対価のみをお支払いただきます。※1 日定額コースは、取引回数（注 1）が
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※1 取引回数＝約定に至った注文の数
※2 複数市場へのご注文は市場ごとに 1 回の注文となります。
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え、売りの場合は現地諸費用を差し引いた額）に対して最大 0.8640％(税込)の取次手数料をご負担いただき
ます。
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をお支払いいただきます。
○投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料及び信託報酬等諸経費等をご負担いただきます。
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社が決定した為替レートによります。
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いては建玉金額の 30％以上かつ 100 万円以上、インターネット取引においては建玉金額の 30％以上かつ 30 万
円以上の委託保証金の差し入れが必要です。信用取引は、少額の委託保証金で多額の取引を行うことができる
ことから、損失の額が多額となり差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。外国株式の場合、為
替相場によっても元本の損失を生じるおそれがあります。
○債券は、金利水準の変動等により価格が上下することから、元本の損失を生じるおそれがあります。外国債券
は、金利水準に加えて、為替相場の変動により元本の損失を生じるおそれがあります。
○投資信託は、銘柄により異なるリスクが存在しており、各銘柄の組入有価証券の価格の変動により元本の損失
を生じるおそれがあります。各銘柄のリスクにつきましては目論見書等をよくお読み下さい。
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契約締結前交付書面、目論見書、お客様向け資料等をよくお読み下さい。これら目論見書等、資料のご請求は
各店の窓口までお申出下さい。
●銘柄の選択、投資に関する最終決定はご自身の判断でお願いいたします。
●本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全性を保証したものでは
ありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判
断で随時変更することがあります。また、本資料のコンテンツ及び体裁等も当社の判断で随時変更することが
あります。
2014 年 12 月 26 日現在、金融商品取引所の信用取引の禁止措置等の規制銘柄は当レポートより除外してお
ります。今後、金融商品取引所等により新たな規制が行われる可能性があります。
●当社の概要
商号等：株式会社証券ジャパン金融商品取引業者関東財務局長（金商）第 170 号
加入協会：日本証券業協会
コンプライアンス推進部審査済 2014 年 12 月 26 日
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