2014年12⽉29⽇ ⽶国の⾦利⾒通し -利上げは2015年半ば以降- 2014年12⽉16〜17⽇の⽶連邦公開市場委員会(FOMC)では、声明⽂のフォワードガイダンスから“低⾦ 利政策を相当な期間(considerable time)維持する”という⽂⾔が削除されるかどうかに注⽬が集まって いました。声明⽂には新しく“⾦融政策の正常化(利上げ)の開始を⾟抱強く待つ(be patient)”との表現 が⽤いられ、ガイダンスのなかからは“相当な期間”を含む⽂⾔が削除されたものの、ガイダンスの趣旨が変 わっていないと説明するために古い表現も声明⽂に残されました。そのため、為替市場は予想通り2015年 に利上げが⾏われることを好感して⽶ドルが上昇し、株式市場はしばらく利上げが⾏われないとして上昇す るなど、両市場で別々の受け⽌め⽅をされました。FOMCでもタカ派、ハト派両⽅から反対票が投じられて います。強いタカ派で知られるダラス連銀フィッシャー総裁は利上げの時期は前倒しされるべきだとして反 対しています。同じくタカ派のフィラデルフィア連銀プロッサー総裁も反対票を投じています。⼀⽅、ハト 派ではミネアポリス連銀コチャラコタ総裁がインフレ下振れリスクを懸念して反対しています。 グラフ1はFOMC参加者による政策⾦利の予想です。17⼈中15⼈が2015年での利上げを予想しています。 2015年末の政策⾦利の予想平均値は1.125%と前回2014年9⽉の1.272%から若⼲低下しています。2016 年以降の予想の平均値も若⼲低下しており、前回の予想時点よりも利上げペースが後ろ倒しされる⾒⽅が増 えたということを意味します。この政策⾦利予想の中で、ハト派のイエレン議⻑の予想は平均値よりやや低 い0.875%の4つのドットの⼀つであると推定されています。 グラフ1:FOMC参加者の政策⾦利予想 (%) 5.0 4.5 ●2014/9予想 ●平均値 ◆2014/12予想 ◆平均値 ●2014/9予想 ●平均値 ◆2014/12予想 ◆平均値 ●2014/9予想 ●平均値 ◆2014/12予想 ◆平均値 ●2014/9予想 ●平均値 ◆2014/12予想 ◆平均値 4.0 3.5 3.0 2.5 利上げ予想 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 2016年末 2015年末 イエレン議⻑? 2017年末 長期 出所:FRB 1/2 ■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであり、特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。 ■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料に記載されている今後の見通 し・コメントは、作成日現在のものであり、事前の予告なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来 の運用成果等を約束するものではありません。■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 2014年12⽉29⽇ 次に、市場参加者の⾦利⾒通しを⾒てみましょう。 グラフ2はFF⾦利先物の限⽉別の利回りを表しています。これを⾒ると、現状の利回りより1回の利上げ分 (25bp)⾼い⽔準を超えてくるのは2015年8〜9⽉のころになっており、市場参加者はこの時期に利上げ が実施されると予想していると⾔えます。その後も⾦利は上昇すると⾒込まれていますが、FOMC参加者が 予想する⽔準よりも低くなっており、利上げのスピードはFOMC参加者の予想よりも緩やかになると⾒てい ることが伺えます。 2014年12⽉23⽇に発表された2014年7-9⽉の⽶国の実質GDPの確定値は前期⽐年率+5.0%と改定値の同 +3.9%から⼤きく上⽅修正されました。全体の約7割を占める個⼈消費は、ヘルスケア関連や娯楽、⾦融 サービスへの⽀出が上⽅修正され、改定値の+2.2%から+3.2%へと引き上げられました。企業設備投資も +5.1%から+7.2%へと上⽅修正されています。 弊社では、2014年10-12⽉の実質GDPは前期⽐年率+2.4%と7-9⽉よりも伸び率が鈍化すると予想してい ます(2014年12⽉9⽇時点)。ただ、⾜元のガソリン価格の下落による可処分所得の増加によって個⼈消 費がさらに拡⼤するとの⾒⽅もあり、より強い数値が出てくる可能性もあります。2015年は前年⽐+3.0% と2014年の同+2.3%から成⻑が加速すると⾒込んでいます。(グラフ3の上図) FOMC に よ る 実 質 GDP 予 想 は 、 2014 年 10-12 ⽉ が 前 年 ⽐ +2.3~2.4 % 、 2015 年 10-12 ⽉ が 前 年 ⽐ +2.6~3.0%となっており、FOMCも2015年の経済成⻑加速を⾒込んでいます。 (グラフ3の下図) 以上のように、⼒強い景気拡⼤局⾯にあることから⽶国が2015年に利上げをするということは既定路線に なってきています。FOMCの会⾒でのイエレン議⻑の「今後、少なくとも2回の会合で利上げは決定しな い」とのコメントを受け、早ければ3回⽬の会合が開催される2015年4⽉に利上げするのではとの意⾒もあ りますが、コンセンサスはグラフ2の通り2015年半ば以降となっていますし、弊社の予想も同様です。 ただ、利上げペースを遅らせる要因として注視しておかなければならないのは、⾜元の原油価格の下落です。 FOMCでは原油価格の下落は⼀時的であるためインフレ率低下のリスクはないとしていますが、原油安と⽶ ドル⾼からインフレ率がFRBの⽬標である2%に向かわない場合、利上げが想定よりも遅れる可能性がある 点には注意する必要があります。 グラフ2:FF⾦利先物の限⽉別利回り グラフ3:実質GDP (2014年12⽉26⽇時点) (%) 3.0 6(%) FOMC予想 2.5 (2012年1-3⽉〜2015年10-12⽉) ⽶国GDP(前期⽐年率) ⼤和住銀予想 上⽅修正 3 2.0 0 ※⼤和住銀予想は 2014年12⽉9⽇時 点の予想 1.5 FOMC予想 1.0 -3 12年 2015年 8~9月 4(%) 0.5 3 25bp 0.0 2014/12 13年 14年 ⽶国GDP(前年⽐) 15年 FOMC予想(中央値) 2 2015/6 2015/12 2016/6 2016/12 2017/6 ※横軸はFF⾦利先物の限⽉を表⽰(2014年12⽉〜2017年6⽉) 出所:Bloomberg、FRB、⼤和住銀投信投資顧問 1 0 12年 13年 14年 15年 2/2 ■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであり、特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。 ■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料に記載されている今後の見通 し・コメントは、作成日現在のものであり、事前の予告なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関するグラフ、数値等は過去のものであり、将来 の運用成果等を約束するものではありません。■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
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