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高度専門職業人を対象としたリーダーシップ開発のための方法に関する研究
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研究領域
多元学習システム研究
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研究の背景と目的
本研究は、高度専門職業人のリーダーシップ開発を目的とした大学院レベルの教育にお
いて、どのようなプログラムが効果的であり、どのようにして効果的なプログラムを開発
すればよいのか、効果的なプログラムの開発方法を探るための実践研究をどのように行え
ばよいのか、それぞれ明らかにすることを目的とする。
組織における活動では、リーダーによるリーダーシップの在り方がその組織文化や業績
に大きな影響をもたらすことから、日本においても、リーダーの育成や成長を意図したリ
ーダーシップ開発のための教育実践が、専門職大学院をはじめとする高度専門職業人の養
成課程や各種研修等の場において様々に取り組まれてきた。しかしながら、職業人を受講
者とする大学院レベルの授業を対象とした授業研究や、リーダーシップ開発に焦点を当て
た授業研究は、成果の蓄積が乏しいのが現状である。
人材育成(HRD)の分野に、成人の学習特性に着目した成人学習論(adult learning
theory)という研究領域があるように、高度専門職業人を対象とした授業研究においても、
職業人であるという受講者の特性に着目するとともに、受講者がその専門性を発揮する場
である職業集団の特性を考慮した、授業研究を行うことが不可欠と考えられる。そのよう
な問題意識に立ち、これまでに当センターでは、専門職育成のための授業法に関する研究
(第 43 回公開研究会及び『大学研究』第 34 号)や、履修証明制度に基づく大学職員を対
象とした高度専門職業人養成のための実践研究に従事してきた。
本研究では、2014 年~ 2016 年を第Ⅰ期と位置づけ、スクールリーダー(小・中・高等
学校のリーダー)育成に焦点を当てて、授業研究の方法を開発するための基礎的な研究を
行い、他の職種を対象とした次期以降の授業研究へと発展させていくこととする。本研究
の第1段階としてこの分野に焦点を当てたのは、教職大学院等において、スクールリーダ
ーシップ開発を意図した教育と係る教育改善のための実践研究が盛んに行われていること
に鑑み、そこから得られた知見を他の分野の人材を対象とした研究へと応用させることが
有効であると考えたからである。
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研究方法・研究計画
本研究では、プログラム開発をいかに行うかといった、授業実践者の立場に立った研究
課題を設定していることから、アクション・リサーチを研究方法として用いることとする。
具体的には、スクールリーダー育成を目的とした大学院レベルの授業・研修等を対象と
し、授業実践者である大学教員自身が自らの授業の開発・改善を目的とした研究を行うと
ともに、各々の成果を持ち寄って、プログラム開発方法に関する新たな知見を得ることと
する。
(1)具体的な研究計画は以下のとおり。
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・2014 年 3 月
・2014 年 4 月~
・2015 年 2 ~ 3 月頃
・2015 年 4 月~
・2016 年 2 ~ 3 月頃
・2016 年 4 ~ 7 月頃
第1回研究会
各自で研究に従事
第2回研究会
各自で研究に従事
第3回研究会
公開研究会の開催
今後の計画立案
メール等による進捗状況の確認。
1年目の成果報告。次年度の計画立案
メール等による進捗状況の確認。
2年目の成果報告。研究成果のまとめ。
終了後に報告書を作成。学会発表。
(2)研究に当たっては下記の点に留意する。
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①
次期以降の研究へと発展させるため、大学職員を受講者とする研修等を対象とした
実験法に基づくリサーチを別途行い、スクールリーダーを対象とした研究結果との比
較を試みる。
②
第2回及び第3回の研究会は、プロジェクトメンバー以外の希望者にも出席を認め、
次年度以降の研究への参加を希望する研究者とのネットワーク構築や、係る研究者の
FD の機会とする。
③
報告書は当センターの WEB サイトに掲載し、次期以降の研究を含めた実践研究記
録のデータベースとして広く活用されることを意図して、研究成果の蓄積を図る。
期待される成果
・高度専門職業人を対象としたリーダーシップ開発研究の進展と研究ネットワークの構
築
・高度専門職業人を対象とした新たな大学院教育プログラムの開発
・高度専門職業人を対象とした大学院を担当する教員のための新たな FD プログラムの
展開
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プロジェクトメンバー(2014 年1月現在
・筑波大学(大学研究センター)
・筑波大学(人間系)
・同志社女子大学・京都教育大学
・広島大学
・鳴門教育大学
・東京学芸大学
敬称略・順不同)
佐野享子:プロジェクトリーダー
浜田博文
水本徳明
曽余田浩史
佐古秀一
末松裕基
以上
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