2014年12月度 商業動向報告書(PDF)

2014年12月度
2014年12月度 商業動向報告書
1.経済動向指標
【国内景気指標】
全体概況
出典:内閣府「月例経済報告」(2014年12月)
景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。個人消費は、消費者マインドに弱さがみられ
るなかで、底堅い動きとなっている。設備投資は、おおむね横ばいとなっている。輸出は、横ばいとなっている。生産は、下
げ止まっている。企業収益は、全体としてはおおむね横ばいとなっているが、大企業製造業では改善の動きもみられる。企
業の業況判断は、おおむね横ばいとなっている。雇用情勢は、有効求人倍率の上昇には一服感がみられるものの、改善傾
向にある。消費者物価は、このところ横ばいとなっている。先行きについては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の
改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、消費者マインドの低下
や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。
11月小売販売額
出典:経済産業省「商業販売統計」(11月)
平成26年11月の商業販売額は38兆2960億円、前年同月比-2.7%の減少となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売
業は26兆6600億円、同-4.0%の減少となった。小売業は11兆6360億円、同0.4%の増加となった。なお、商業販売額の季節
調整済前月比は、-2.3%の減少となった。卸売業は同-1.9%の減少、小売業は同-0.3%の減少となった。
11月専門量販店販売額
出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(11月)
平成26年11月の専門量販店販売は、家電大型専門店が3516億円、ドラッグストアが3894億円、ホームセンターが2762億円
となった。
11月全国消費者物価指数
出典:総務省「消費者物価指数」(11月)
総務省が発表した11月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比2.4%上昇の103.2ポイントと
18ヶ月連続のプラス、前月比では0.4%のマイナスとなった。生鮮食品を除く総合が103.4ポイントで前月比では-0.2ポイントと
10ヶ月ぶりにマイナスに転じた。前年同月比は2.7%の上昇。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.1%上昇の
100.8ポイントとなり、前月比は-0.2ポイントとなった。
【商業関連指数】
11月SC売上高/前月を上回る
出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」11月
2014年11月の既存SC売上高は前年同月比0.9%で、前月(-1.1%)より2.0ポイント改善した。11月は、月前半は例年より気温
の高い日が多かったため、アウター等の重衣料の動きが鈍く苦戦したが、月後半は気温の低下に伴い防寒具等が好調に
稼動した。また、前年に比べて休日が2日多かったこともあり、前年を上回った。テナントは1.8%、キーテナントは-1.6%で
あった。地域別でみると、関東、北陸、中国、四国、九州・沖縄がプラスであった。中でも九州・沖縄は4.4%で、周辺施設で
のコンサートや各種イベント開催に加え、福岡ソフトバンクホークス優勝の効果などにより好調な結果となった。
11月百貨店売上高/8ヶ月連続のマイナス
出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」11月
8ヶ月連続のマイナスとなったが、減少率は-1.0%と前月から1.2ポイント改善している。11月は、付加価値志向の高まりで高
額品が堅調に推移したほか、前年に比べ休日が2日増加するなどプラス要素があった半面、平均気温が高めに推移したこ
とで主力の冬物重衣料が不振だったことや地方店の苦戦などから、最終的には前年実績に若干届かなかった。これにより1
月~11月累計売上高は、5兆5,017億円余となった。地区別では、大都市が3か月ぶりにプラスとなる一方、地方店について
は、前月から1.7ポイント改善したものの、地方経済の回復の遅れもあって8ヶ月連続で前年実績を下回った。
11月チェーンストア売上高/8ヵ月連続のマイナス
出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」11月
平成26年11月度は、食料品は好調に推移したものの、気温高などの影響もあり衣料品、住関品では季節商品の動きが鈍
かったこともあり、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、8カ月連続のマイナスとなった。
11月外食産業売上高/6ヶ月ぶりに前年を上回った
出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」11月
11月は、比較的天候に恵まれ、前年より土・日・祝日の合計が2日多く、引き続き客単価が堅調に推移したことなどから、全
体売上は前年比101.9%と6カ月ぶりに前年を上回った。
11月コンビニ売上高/天候不順等により客数に影響
出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」11月
今月は、全国的に平均気温が高かったが、中旬は北日本で局地的な大雪となる等の天候不順や消費者マインドの低下に
より客数に影響を及ぼした。一方、既存店客単価については、淹れたてコーヒーを含むカウンター商材の好調による買い上
げ点数増加も影響し、2ヶ月連続で前年を上回った。なお、既存店売上はたばこ・雑誌等の購入者減少の影響も受け、前年
を下回った。既存店ベースでは、来店客数12億3,372万人(前年同月比-1.8%)が9ヶ月連続のマイナス、平均客単価589円
(前年同月比+0.2%)が2ヶ月連続のプラスになり、売上高7,269億円(前年同月比-1.7%)は8ヶ月連続のマイナスとなっ
た。
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2.マーケティング情報
【経済・消費・市場動向】
歪む消費、消費増税反動減が拍車
出典:FASHION HEADLINE(12月15日)
服が売れていない。婦人服を中心に、今秋冬の不振を嘆く声が高まってきた。業界関係者の多くは当初、4月の消費増税の
影響はそれほどないと見ていたが、「反動減」は想定より長引いている。同時に、消費そのものの変化を感じている人も多
い。単なる二極化とも言えない。価格帯やチャネルを問わず、売れ行きが悪いからだ。これまで以上に、とらえがたい消費
者。その姿かたちをつかもうと、新たな模索も始まっている。これまで、インナーなどの実用衣料は相対的に堅調だとされて
きた。しかし、消費増税前の駆け込み需要は、業界の予想を大きく超えた一方で、その後の消費減退も想像を超えている。
単価の低い実用衣料の消費にも、常識が通用しなくなってきた。大手百貨店5社の11月売上高は三越伊勢丹、高島屋、そご
う・西武、阪急阪神百貨店の4社が前年実績を上回った。しかし、日・祝日が2日多かったことを勘案すると、ほとんどの店舗
が実質で前年を下回る。
ファッション・インテリアEC市場/2013年は25.8%増の1兆512億円
出典:流通ニュース(12月18日)
矢野経済研究所は12月17日、ファッション・インテリア・雑貨EC市場に関する調査結果2014を発表した。調査によると、2013
年度のファッション・インテリア・雑貨のEC市場規模(主要5分野の合計)は、小売金額ベースで前年度比25.8%増の1兆512
億円と大幅に拡大した。スマートフォンにより、以前に比べてファッション商品や情報に対する接触時間が大幅に拡大してい
ることから、多くの事業者においてはあらゆるチャネルを連携させて顧客との接点をもつ、オムニチャネル戦略が活発化して
いる。2014年度のファッション・インテリア・雑貨のEC市場規模は20.0%増の1兆2,614億円と予測する。成長率はやや鈍化す
るものの、自社におけるオムニチャネル化のさらなる加速と、ECを絡めた新たな「売り方」の創出、外部モール(主にファッ
ションモール型、総合モール型、アウトレット型)における技術革新の進展や更なる顧客サービス向上等により、市場規模は
堅調に拡大するものと予測する。
商業施設やホテル新築、省エネ基準未達なら認めず/国交省方針
出典:日本経済新聞(12月18日)
国土交通省は18日の有識者会議で、商業施設やホテルなどを新築する際、国の省エネルギー基準を満たすよう義務づける
方針を示した。まずは床面積が2千平方メートル以上の大規模施設を対象とし、基準に届かなければ着工を原則認めない。
来年の通常国会に新法を提出し、2017年度以降の義務化をめざす。規制を受けるのは住宅以外の建築物で、オフィスビル
や病院も対象とする。これらの大規模施設は年間に約3500棟が着工され、住宅以外の物件の着工件数に占める割合は
6%程度にすぎない。ただエネルギー消費量でみると、対象になる建築物は約36%を占めるため、こうした大規模施設から
規制を強める。現行の省エネルギー法は基準の達成が義務づけられておらず、実効性が不十分との指摘も出ていた。国交
省が検討中の新法では、基準を満たさない建築主に是正命令を出せるようにし、従わなければ罰金を科す。
スポーツアパレル市場/2014年は2.3%増の5241億円
出典:流通ニュース(12月19日)
矢野経済研究所は12月19日、スポーツアパレル市場に関する調査結果2014を発表した。調査によると、2014年のスポーツ
アパレル国内市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比2.3%増の5241億3000万円の見込みとなった。ゴルフウエア、
ライフスタイルウエア、スキー・スノーボードウエアが前年割れとなったものの、サッカー・フットサルウエアなどその他の9カテ
ゴリーにおいては、前年を上回る見込みとなっている。トレーニングウエア国内市場規模は、1.8%増の1231億円の見込み。
健康、美容志向によるスポーツへの関心の高さが続き、スポーツウエアに対する需要は依然大きいことから2014年もメー
カーは出荷拡大を見込む。しかし、夏場以降の天候不順などを理由として店頭販売の苦戦が続いたことで、2013年と比較し
て流通在庫が多くなっており、冬のセール期間においては在庫整理のためのクリアランス合戦という「消耗戦」が展開される
可能性が高いものと考える。
訪日外国人客、年間1300万人超へ
出典:FASHION HEADLINE(12月19日)
11月の訪日外国人客数は、前年同月比39.1%増の116万9000人となり、11月として過去最高記録を更新したと日本政府観
光局が発表した。3月から9カ月連続で月間訪日外国人客数が100万人を超え、1~11月の累計で1200万人を突破した。年
間で1300万人を超えることが確実で、昨年より約300万人増える見込み。円安の進行や大型クルーズ船の寄港、10月からの
消費税免税制度の拡充、紅葉の魅力を訴求した訪日プロモーションの効果などが寄与した。
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3.商業施設関連情報
【開発関連】
八王子に8万㎡商業施設/17年度の完成目指す/大和ハウス工業
出典:建設通信新聞(12月2日)
大和ハウス工業は、東京都八王子市に延べ床面積8万㎡規模の「(仮称)八王子高尾商業施設計画」を計画している。併設
する駐車場は2000台程度を見込んでいる。2016年の着工、17年の完成を目指す。エスパシオコンサルタントに委託して作成
した環境影響評価調査計画書の中で明らかにした。同事業は、工場の閉鎖に伴い発生する遊休土地に、地域密着型ショッ
ピングセンターを建設するもの。敷地北側では同じく大和ハウス工業が住宅の分譲、大和ハウスとコスモイニシアがマンショ
ンの建設を予定している。商業施設の規模はS造3階建て塔屋1層延べ約7万9500㎡。建物高さは3階部分で約17.3m、塔屋
を含むと約19.9mとなる。主要用途は物販店舗、飲食店、サービスで、1階部分に店舗と約670台の平面駐車場、2階に店
舗、3階と屋上にそれぞれ約630台と約700台の自走式立体駐車場を整備する。
川越駅西口に複合施設 五輪にらみ開発加速
出典:日本経済新聞(12月12日)
埼玉県川越市は川越駅西口周辺の開発を加速する。2015年3月には大型商業施設や市のコンサートホールなどが一体と
なった複合公共施設を開業させるうえ、19年までに駅前の市有地にもバス発着場などを備えた施設を整備する。市内がゴ
ルフ会場になる見通しの20年東京五輪を見据え、さらなる駅前の活性化につなげたい考えだ。 来春には駅西口から徒歩5
分程度の場所に県と川越市が整備する複合公共施設「ウェスタ川越」が開業する。約1700人を収容できるホールも入るほ
か、食品スーパーや家電量販店などの専門店約25店が入居する「ウニクス川越」を併設している。埼玉県の川越地方庁舎
や川越市の公民館機能も備える。県と市の予算を合わせて約160億円を投じる。
グランドプリンスホテル赤坂跡地に16年夏、商業施設オープン
出典:FASHION HEADLINE(12月16日)
グランドプリンスホテル赤坂跡地の開発計画の名称が、「東京ガーデンテラス」に正式に決定。その事業計画の一部が明ら
かになった。東京ガーデンテラスの中核となる地上36階のビルは、1階から4階までが商業施設で、30階から36階までがホテ
ルで構成される。コンセプトは“みどりと歴史に抱かれた国際色豊かな複合市街”。東京都から有形文化財に指定された「旧
李王家東京」はそのままの形で保存しながら、歴史ある立地、弁慶濠に面した自然やステップ状の商業施設を活かした街づ
くりを展開していく。なお、開業は16年夏を予定しているとのことだ。
NEXCO中日本/岐阜県土岐市に複合商業施設、年間170万人の利用見込む
出典:流通ニュース(12月18日)
中日本高速道路(NEXCO中日本)とグループ会社のNEXCO中日本開発は2015年春、東海環状自動車道の土岐南多治見
インターチェンジ(IC)の隣接地に、複合商業施設「テラスゲート土岐」をオープンする。テラスゲート土岐は、「高速道路沿線
自治体と連携した地域開発」という開発コンセプトを念頭に、土岐南多治見ICの隣接地で土岐市と連携した複合商業施設。
地域連携施設、温浴施設、地域密着型ショッピングセンターで構成。NEXCO中日本グループが運営する地域連携施設「まち
ゆい」と温浴施設「よりみち温泉」を併設する。
首都圏で最大級池袋にシネコン/設計担当はINA/佐々木興業
出典:建設通信新聞(12月19日)
シネマコンプレックス(複合映画館)の「シネマサンシャイン」を全国展開する佐々木興業(本社・東京都豊島区、佐々木伸一
社長)は、東京・池袋に首都圏最大級のシネコンを計画している。ビル5階分に相当する高さ18m、幅26mで国内最大級の
巨大スクリーンを導入するほか、12スクリーン・約2600席を備える。設計はINA新建築研究所が担当している。佐々木社長
は、「2015年後半に施工者を決める」考えで、16年の着工を予定している。17年の完成を目指す。総事業費は約130億円。
東京都/オリンピック後の選手村跡地に商業施設
出典:流通ニュース(12月20日)
東京都は12月19日、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会後における選手村予定地の住宅棟のモデルプランを
とりまとめた。モデルプランでは、選手村は中央区晴海に整備するが、大会終了後は6000戸の住宅棟として生まれ変わり、
中心部には4階建て商業施設を整備を計画している。商業施設は、大会終了後建設する。住宅棟は、50階建ての超高層タ
ワー2棟と14階から17階の板状住宅棟22棟を整備する。整備手法は、市街地再開発事業における特定建築者制度を導入
し、民間事業者の活力や開発ノウハウを活用して、建物の整備を進めていく。モデルプランをもとに、2016年春の市街地再
開発事業の事業認可を目指す。
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3.商業施設関連情報
【運営関連】
首都圏初! 横浜エリアの複数商業施設が情報O2Oアプリへ一斉参加
出典:産経ニュース(12月4日)
株式会社ipocaが横浜周辺の4つの大型商業施設が O2Oアプリ 『NEARLY(ニアリ)』を採用。横浜エリアの4つの大型商業
施設が、2014年11月27日から「NEARLY(ニアリ)」へ一斉に参加しました。今後、横浜エリアでお買い物を楽しむ消費者は、
周辺施設の商品やサービスなどの情報を簡単に探すことができ、お買い物をさらに楽しめるようになる。横浜エリアで「ニア
リ」に参加する施設について「ニアリ」は、プラットフォームサービスであるため、地域に集積する商業施設や店舗がなるべく
多く参加することで魅力的なコンテンツがたくさん集まり、その結果、地域の利用ユーザー数が格段に増加します。そのた
め、横浜駅周辺や沿線の代表的な商業施設が参加しています。現時点での参加施設は「横浜高島屋、横浜ジョイナス、ザ・
ダイヤモンド、横浜モアーズ、京急百貨店」。なお、今後も施設が続々と参加していく予定。
百貨店、テナントで商業施設出店加速 三越伊勢丹は食品・雑貨
出典:日本経済新聞(12月11日)
三越伊勢丹ホールディングスはショッピングセンター(SC)など商業施設へのテナント出店を進める。食品・雑貨など商品の
分野を絞った店を現在の約80から今後5年で約180と2.2倍にする。上質な商品を求める消費者の需要に応えられると、商業
施設には百貨店のブランドや品ぞろえへの期待が大きい。テナント出店を主体にして多様な消費者をつかんでいく。食品・
雑貨を主に扱う店「エムアイプラザ」を現在の約70店から18年度までに約140店、化粧品・日用品を扱う「イセタンミラー」を約
10店から20~30店にする。地方では近くの商業施設で買い物を済ませる消費者も増えている。三越伊勢丹の兼藤映地域店
舗事業部長は「(商業施設へのテナント出店で)百貨店を身近に感じてもらう。品質が高い商品をそろえて魅力を訴える」と
話す。商業施設にも「百貨店ブランドの店があると上質な商品を目当てにした客の来店が見込め、テナントが集めやすい」
(SC運営会社の役員)との声がある。
ケネディクスが4店舗を315億円で傘下REITへ
出典:不動産マーケット情報(12月17日)
ケネディクスは12月17日、子会社が所有する商業施設4物件の売却を決めた。価格は合わせて約315億円。譲渡先は、2015
年前半の上場をめざしているケネディクス商業リート投資法人だ。 売却対象は渋谷区の代官山アドレス(売却価格53億
9000万円)、茨城県庁近くにあるロゼオ水戸(96億7500万円)、千葉県浦安市のMONA新浦安(80億6300万円)、神戸市にあ
るブルメール舞多聞(まいたもん、83億8900万円)。ケネディクスが開発を手がけたロゼオ水戸以外は、2014年にグループ外
から取得していた。取引時期は未定としているが、投資法人の上場とともに売却するとみられる。
「明るい廃虚」ピエリ守山が再始動
出典:産経ニュース(12月22日)
「明るい廃虚」などと館内の閑散ぶりがネットなどで話題になった滋賀県守山市の大型ショッピングモール「ピエリ守山」が17
日、リニューアルオープンした。「関西初出店」「県内初出店」をうたった外資系人気ファッション店などがテナントとして並び、
屋内動物園やフットサルコートも併設された。再オープン初日は平日にもかかわらず目新しさも手伝って約4万人が訪れる大
盛況となった。運営側は「まだ完成形ではない」と話し、今後もテナントを増やしていく方針だが、「廃虚」と揶揄(やゆ)された
面影を払拭(ふっしょく)するには、これからが勝負だ。出店テナントは110店舗で、人気ファストファッション店「ZARA」「H&
A」「GAP」など県内初出店42店舗、関西初出店10店舗をそろえた。運営する大阪市淀川区の不動産会社「サムティ」不動産
事業部の大川二郎部長は「量より質にこだわった」と自信を見せる。ショッピング以外でも、「アウトドアライフ」をコンセプトに
フットサルコート3面を敷地内に設置。さらには、屋内動物園「めっちゃさわれる動物園」もオープンした。
【店舗関連】
二子玉川ライズSC、26ヵ月増収
出典:FASHION HEADLINE(12月17日)
東急グループが運営する二子玉川ライズショッピングセンターは、12年10月から14年11月まで連続26カ月の増収を達成、12
月も前年水準を超えており、11年3月の開業以来順調に成長している。14年3月期売上高は272億1000万円(前期比5.5%
増)、来館者数1829万人だったが、今期(15年3月期)は275億円、1900万人を超えると予想している。玄関口のガレリア(屋
根つきの空間)を活用したイベントを積極的に開くなど、集客力に優れることがSCゾーンの収益向上に寄与した。今期の増
収の背景には、年間で100回を超えるイベントの開催により、地元を中心に広い地域からの集客が進んでいることがある。隣
接の玉川高島屋SC(東神開発運営)との融合とすみ分けが出来ていることに加え、「二子玉川ファンがきちんと来館している
こと、価格でなくいいものを確実に求める顧客が根付いたこと」などを挙げる。加えて東神開発が進めてきた二子玉川の街
作りの延長として、二子玉川ライズが面を広げていることに対する期待などが街全体を盛り上げ、来街者増につながってい
る。
イオン、SC内に従業員用保育園
出典:繊研プラス(12月25日)
イオンはSC内に従業員が利用できる保育園を開設した。イオングループとともにSCのテナント従業員の乳幼児が対象にな
る。子育てを支援することで人材確保につなげる。23日、イオンモール幕張新都心(千葉市)に「イオンゆめみらい保育園」を
開園したもので、開園時間は午前7時~午後10時、年中無休で休日・早朝・夜間といった割増料金もなく、SCの営業に対応
する。3年前に着想、1年半ほどかけて具体化した。本社内に保育園を作る案もあったが、テナント従業員も利用できるSC内
への設置を選択した。「日本一女性が働きやすく、活躍できる会社」を目指す取り組みの一環として、イオンは同様の保育園
を各地に設ける。待機児童が多い地域を優先しながら、外部委託による導入も含めて順次広げる予定。
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