DIAMコラム(2014/12/24)

情報提供資料
DIAMコラム(2014/12/24)
『支援材料の多かったJ-REIT市場の来年に向けての注目ポイント』
今年1年を振り返ってみると金融市場全体は変動幅の
大きい展開も見られたように思います。そんな中、比較
的しっかりした動きを示したJ-REIT市場。
今回は、J-REIT市場の今後をみていきたいと思います。
J-REIT市場は国
内株式市場と比
べるとずいぶん
しっかりしている
んだね・・・。
【上昇のきっかけとなったのは?】
【国内株式、J-REITおよび米ドル(対円)】
130
2014年のJ-REIT市場はおおむね堅調に推移してきま
した。その中でも、影響が大きかったニュースとしてまず
挙げられるのが4月上旬に、GPIF(年金積立金管理運用
独立行政法人)が運用方針変更の一つとしてJ-REITへ
の投資の開始を発表したことです。それまで海外REITに
比して出遅れ気味だったJ-REIT市場が上昇基調に転じ
ました。GPIFの発表を受け他の年金基金がその動きに
追随し、年金資金によるJ-REIT投資が拡大した場合に
は日銀によるJ-REIT買い入れと同様に大きな意味を持
つと市場にとらえられたことが大きかったと考えられます。
東証株価指数
120
東証REIT指数
米ドル(対円)
110
100
90
80
13/12
14/2
14/4
14/6
14/8
14/10 (年/月)
※期間:2013年12月30日∼2014年12月19日
※2013年12月30日を100として指数化。
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
【やはり、日銀の追加緩和の効果は大きい】
【日銀の買入れ枠と買入れ実績および東証REIT指数】
2,000
10月31日には、日銀による追加緩和が想定外のタイミ
ングで発表されたこともJ-REITの上昇を加速させることと
なりました。マネタリーベース(市中に出回る流通現金と
日銀当座預金の合計値)の年間増加ペースを従来の60
兆円から70兆円としていたものを80兆円に拡大すること
や、ETF同様J-REITも買入れペースを3倍にし、従来の
300億円から900億円としました。このことが市場では評
価され、J-REIT市場上昇を力強く後押ししたと考えられ
ます。日銀の買入実績を見ると、市場の状況を見ながら
買入れの頻度を調整しているとみられることから、来年も
日銀による買入れが下落相場時に下支えしていくものと
考えられます。
1,500
1,000
東証REIT指数(ポイント)
500
日銀買入枠(億円)
日銀買入実績(億円)
0
10/10
11/7
12/4
13/1
13/10
14/7
(年/月)
※期間:2010年10月6日∼2014年12月19日※日銀買入れ実
績については2014年12月16日発表分まで。
(出所:日本銀行、Bloombergのデータをもとに
DIAMアセットマネジメント作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。 ※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
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【注目ポイント①∼2015年以降も大規模開発は続く】
【2015年以降開業の主なホテル、商業施設】
現在、為替が円安傾向であることは、外国人観光客の
増加(昨年比約30%増)の要因となっています。また、今
後も訪日プロモーションの動きは継続するとみられること
から、外国人宿泊者数の増加は続くと考えられ、リートの
収益にも好影響を与えると考えられます。※日本政府観
光局(JNTO)発表(2014年12月17日)データ。
また、2020年東京五輪開催を視野に入れ、現在、都市
再開発の動きが盛んです。東京都内の主要駅も再整備
されており、周辺の商業施設の整備が進んでいます。
2015年、2016年にも比較的大規模な商業施設のオープ
ンが予定されており、これらの施設への来場者が増加す
るとみられることから、テナントの売上高の増加や地価の
上昇が期待でき、周辺の主要商業施設への影響も期待
できることから、これら開発の動向が注目されます。
時期
2015年
2016年
ホテル名称
ホテルグレイスリー新宿
紀尾井町計画*
星のや 東京
時期
商業施設名称
神宮前6丁目プロジェクト*
2015年
2016年
品川シーズンテラス
大手町1-1計画A棟*
銀座5丁目プロジェクト*
六本木3丁目東地区再開発事業*
銀座6丁目10地区再開発事業*
*仮称
(出所:各種報道データよりDIAMアセットマネジメント作成)
【原油価格】
(米ドル/バレル)
【注目ポイント②∼原油安の影響は?】
140
原油価格については、年初には1バレル=100米ドル
を挟んで推移していましたが、7月下旬以降から下落
基調となり、節目とされていた1バレル=70米ドルを11
月末に下回った後、現在は50米ドル台をつけています。
下落基調の中でも、OPEC(石油輸出国機構)は減産
をしていない状態です。一方で、原油価格の下落は個
人消費を押し上げると考えられることから、商業施設
等中心に賃料収入の増加も期待でき、J-REIT市場に
とってはプラスになると考えられます。原油価格の行き
過ぎた下落は、インフレを抑制しかねなく、注意が必要
ですが、OPECは、来年の原油価格の見通しを1バレル
=70∼80米ドルとしており、原油価格も徐々に落ち着
きを取り戻すとみられます。
120
100
80
60
40
20
0
13/1
13/7
14/1
14/7
(年/月)
※期間:2013年1月2日∼2014年12月19日
※原油価格は、WTI原油先物。
【注目ポイント③∼下落局面では利回り差からさらなる
投資妙味も】
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
(%)
【J-REIT配当利回りと10年国債利回り】
5.0
各リートの決算内容については、一部のリートで賃
料収入の減少をビルの売却益でカバーする動きがみ
られていますが、ほぼ堅調な内容となっており、業績
悪化によるREIT配当利回りの低下は考えにくいとみら
れます。また、日銀の緩和姿勢の継続から、長期金利
(日本10年国債利回り)が上昇する可能性は現時点
では低いと考えられます。ただし、堅調推移している
反動も考えられることから、投資家が地政学リスク等
に注目し、リスク回避姿勢をとることによりJ-REIT市
場が大きく下落する局面もあると考えられます。ただ
し、一方で配当利回りが上昇し、長期金利との利回り
差が拡大するとみられることから、J-REITの投資妙
味が増し、価格を下支えすると考えられます。
4.0
3.0
利回り差
J-REIT配当利回り
日本10年国債利回り
2.0
1.0
0.0
13/1 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 (年/月)
※期間:2013年1月4日∼2014年12月19日
※J-REIT配当利回りは、東証REIT指数の配当利回り。
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。
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