「XE-2100 の幼若血小板比率(IPF)とセルダインサファイアの網血小板指数(%rP)の 相関に関する検討」 〇田中 章子、石塚 裕子、土橋 利律子(東京都立大塚病院 検査科) 石山 謙(東京都立大塚病院 輸血科) 【目的】 未成熟血小板は細胞内 RNA 含量の多い未熟な血小板であり、幼若血小板比率(immature platelet fraction : IPF)は血小板減少患者における病態判断の上で有用といわれている。現 在当院には、シスメックス社の XE-2100(XE)とアボットジャパン社のセルダインサファ イア(CD)の自動血球数測定器が設置され、それぞれ日勤帯用と当直帯用で使い分けてい る。XE では、網状赤血球をオーダーすることで網状赤血球と同時に IPF を測定することが できる。一方、CD でも、検査方法は異なるが IPF と同様に考えられている網血小板比率 (%reticulated platelet : %rP)を測定することができる。このことから、%rP により IPF を代替えできることを望んでいるが、両者の妥当性に関する報告はこれまでにない。そこ で、我々は、血算が正常な検体および血小板減少がみられる症例において、同一検体を XE および CD で測定し、どのような検査値の相違が見られるかを検証した。 【方法】 対象は 13 歳から 91 歳の採血後 1 時間以内の患者検体 100 例を用いて XE および CD 両 者で測定し、血小板数と IPF、%rP を比較検討した。また同時再現性により測定誤差の有 無を調べ、さらに採血直後から 18 時間後までの経時変化も検討した。 【結果】 XE と CD の血小板数は高い相関(R=0.97)を認めたが、IPF と%rP ではほとんど相関 (R=0.31)が認められなかった。XE においては血小板数と IPF との間で血小板数が低い と IPF が高い傾向(R=-0.50)を示したが、CD では血小板数と%rP の間に相関(R=0.22) が見られなかった。同時再現性の結果は両機器ともに有意差は認められなかった。経時変 化の結果は採血直後から 18 時間後まで両機器ともに有意差は認められなかった。 【まとめ】 未成熟血小板の比率測定において XE の IPF と CD の%rP には明らかな相関は認められ ず、%rP を用いて IPF の代替えをすることはできなかった。また、IPF はこれまで採血後 4 時間まで安定と言われてきたが、今回の検討で 18 時間まで安定していることが示唆され た。 都立大塚病院 検査科 03-3941-3211 (内 2085)
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