参考(第 1 節から第 5 節の補足です) 像 b K : 比例定数 )( xf 1

H. S
Heisei15
参考(第 1 節から第 5 節の補足です)
像
レンズ
焦点距離が
長い場合
被写体
(光源)
A-1
A-2
焦点距離が
短い場合
300
v= K ∫ab f ( x )dx
250
K : 比例定数
明るさ
200
150
f (x )
100
50
a
b
A-3 画像のサンプリング
0
0
100
200
300
位置
400
500
1) レンズの直径を大きくすると,被写体からレンズに入る光量はレンズの直径
Dの自乗に比例して増加する(A-1)。また像の大きさは焦点距離fに比例して
大きくなり,像の明るさLは焦点距離の自乗に反比例して明るくなる(A-2)。従
って像面の明るさLは被写体の明るさをLoとするとL≒Lo(D/f)2となる。また撮
像素子の面積を大きくすると被写体の視野角は広くなり,撮像素子の面積を小
さくすると視野角は狭くなる。
2) 通信の信号のように,大きさが時間の関数として変化する場合は,A 点や C
点の値を A/D 変換すればよい。しかし画像信号の場合は画素が幅をもっている
のでサンプル値は A-3 のvで表される。
3) 0 と 1 が 8 個ある量子化を 8 ビット量子化という。ビット数を増せば量子化
の精度が向上する。
4) 第 9 図の説明を参照してほしい。図で示せば A-4(a)⇒A-4(b)の過程で一定期
間たくわえられた電子を一挙に読み出している。このとき出力電圧は電子数に
比例する。
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H. S
Heisei15
A-4(b)
A-4(a)
蓄えられた
電子
出力電圧
蓄えられた
電子
CCD の最終段
出力部
CCD の最終段
出力部
5) ここも第 9 図およびその説明を参照してほしい。並列読み出しをするために
は膨大な配線が必要になる。もしこれが可能であったとしても,出てきた信号
をどの様に画像として表示すかという問題が発生する。
6) ショット雑音は静止画では目に付き易く,動画では目に付きにくい。電気
店のディジタル家電のコーナーにはしばしば DSC による画像が飾られている。
これらはきれいなモデルさんを十分な照明で撮ったものであるが,首筋や腕の
内側など影になった部分には見苦しいショット雑音が見られる。ショット雑音
はなんとカメラのカタログでも見られる。これらのことはディジタルカメラの
性能が画素面積という観点からは限界に近いことを示している。したがっても
う画素面積を小さくすることは困難で,今後は画素数を増加すると素子面積が
増加することになる。
7) わかり易い説明が見当たらないので本文のようにしたが,正確ではない。
8) ディジタルカメラの消費電力は CCD よりも液晶モニタの方が大きい。しか
しすべての半導体素子で消費電力 (単位時間あたりに消費するエネルギー) を
小さくすることは重要である。その理由としては消費電力が大きいと素子の寿
命が短くなること,発熱によって熱雑音が大きくなることが挙げられる。
9) 土嚢を持ち上げたまま保持しているとき,土嚢を落下させるときには電池の
エネルギーを必要としない。しかし熱を発生するので温度は上がる。
10) 素子面積が変わらなければ,素子の製造コストは変わらない。
11) フィルムでも撮像素子でも感度を表すために ISO という単位を用いる。
ISO= 2 /E と定義されている。E は十分な明るさの画像を得るために必要な露
光量 (撮像素子上の明るさと露光時間の積) である。従って増幅率を上げると E
が減少し ISO は上がる。ISO が上がると画像は明るく見えるが画質は低下する。
また画素面積を大きくすると E は小さくなり ISO は上がる。もし高い ISO が
不要であれば増幅率を下げることができる。このときはきれいな画像が撮れる。
12) 画素面積が小さくても取り扱える電子数が大きくなればもっと微細化でき
るが,この技術はほぼ限界に達している。
13) 図A-5 のようにディジルタルスティールカメは銀塩フィルムカメラの市場
を浸食しながら成長している。
14) 最近のプロ用 DSC の撮像素子は画素数 617 万画素,有効領域 23mm×
15.6mm に達する(価格 31 万)。通常撮像素子の有効領域は 1 インチ型,1/2 イ
ンチ型・・・1/6 インチ型などと表示されている。1インチ型の有効領域は水平
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12.8mm,垂直 9.6mm (水平対垂直の比は 4:3 である) である。インチ数と水平
あるいは垂直方向の長さは比例する。**インチ型と言われるのは歴史的事情
による。なお放送に使用される撮像管の有効領域は 3/2 インチ型程度である。
またこの撮像管の技術は NHK と日立製作所が協力して開発したもので,きわ
めて高いレベルにあり世界に誇れるものである。
15) 最近ではディジタルカメラの容積の大部分をレンズが占める場合もある。
この場合は価格の半分以上はレンズである。
16) この冊子では光電変換効率については述べなかったが,画素に入射した光
粒子数に対する発生した電子数の割合である。光電変換効率を上げるため,図
A-6のように樹脂レンズを用いて,CCD レジスタに入射した光も光電変換領域
に集光させている。
質問への解答
Q:DSC はフィルムカメラにくらべてシャッタを押してから露光が終わるまで
の時間が長く高速移動物体を捕らえにくいような気がする。これは積分動作の
ためか?
A1:フィルムも化学的な積分動作をしている。したがって積分動作のためでは
ない。カラーフィルムの ISO は 400 であり通常の DSC の ISO は 50∼200 程度
なので,ディジカメの露光時間はフィルムカメラの露光時間の 2∼8 倍かかる。
A2: DSC ではシャッターを押してから実際に撮影が始まるまでの時間が、通
常のフィルムカメラよりも長い。これはレリーズタイムラグと呼ばれていが、
遅れる理由は調査中である。初期の頃の DSC ではこのタイムラグが長いものが
多かったが、最近は低価格な DSC でも短いものが出ている。
質問者の感覚は A1、A2 の両方から来ていると思わる。
なお第 11 図,第 12 図は日経エレクトロニクス(日経 BP 社),2002,6月,
一億総カメラ化計画 より引用しました。
ディジ カメ
銀塩
台数(万個)
800
700
色フィルタ
900
樹脂レンズ
1000
光
600
500
400
300
200
100
CCD
0
1999年
2000年
2001年
光電変換領域
CCD
(シリコン-基板)
2002年
保護膜
A-5 銀塩カメラとデイジタルカメラの
出荷台数
A-6
( 日本写真工業会の調査による)
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電極
遮光膜
樹脂レンズによる集光