火力発電所の燃料構成

2050 年のガス対石炭の発電量比は 1.2 に留まるが、
バイオマス発電の割合は 30%に上昇する。レベル 3
と比べてガスによる発電は少なくなすが、依然とし
て 3150 億 k Wh と最大の割合を占める。次いで、バ
イオマス発電が 2700 億 k Wh となり、石油と石炭が
それぞれ 450 億 k Wh となる。 火力発電 火力発電のエネルギーミックス 日本は石油、ガス、石炭などの化石燃料資源に恵ま
れておらず、これまで輸入に大きく依存してきた。
また最近は福島第一原発事故による既存原発の操業
停止により、化石燃料の輸入が増加している。ここ
ではユーザーに火力発電のエネルギーミックス(ガ
ス、石炭、そして石炭混焼バイオマス)について 4
つのレベルから選択する。 二酸化炭素回収貯留(CCS)技術の利用可能性 レベル 2
大規模な CCS の効果はまだ実証されていないが、先
頃、北海道苫小牧市で日本初の大規模 CCS 実証プロ
ジェクトが開始された。日本での CCS のポテンシャ
ルについては不確実性が大きいものの、現時点では
把握されている技術的に利用可能な CO2 の地下 C 貯
留容量は 52 億トンで、これは 1990 年の日本の地球
温暖化ガス総排出量の約 4 倍に相当する。 2050 年の石炭に対するガス対石炭の発電量比は 1.8
に増加し、バイオマス発電の割合は 10%に増加する。
2050 年まで現状とほぼ変わらないと想定。ガス対石
CCS を展開しない場合、総発電量(9000 億 kWh)の
レベル 1
炭の発電量比は 1:1 のままで、2050 年の時点でバ
うちガスと石炭の内訳はそれぞれ 4950 億 kWh と
イオマス発電はゼロとする。CCS も 展開しない場合、 2700 億 kWh、石油とバイオマスはそれぞれ 450 億
CCS は 2050 年まで一切使用しない。 2050 年の年間総発電量 9000 億 kWh の内訳は、石炭
kWh となる。 とガスがそれぞれ 4050 億 kWh、石油が 900 億 k Wh
レベル 2
レベル 3
となる。 2050 年までに石炭およびガス火力発電所の 2 割につ
2050 年のガス対石炭の発電量比は 2 に増加し、バイ
いて CCS が行われる。CCS 付火力発電能力は 2010 年
オマス発電の割合は 20%に上昇する。総発電量
のゼロから
2050 年には 2600 万 kW に向上する。 (9000 億 kWh)のうち石炭は 2250 億 kWh のみで、
レベル 1
ガスが 4490 億 k Wh と大部分を占める。バイオマス
発電は 1800 億 k Wh になり、石油は 450 億 kWh と
なる。 レベル 4
レベル 3
年には石炭およびガス火力発電所の 5 割について
CCS が行われる。CCS 付火力発電能力は 6600 万 kW
に向上する。 レベル 4
レベル 3 よりも積極的なアプローチで CCS 技術を導
入し、2050 年には石炭およびガス火力発電所の 8 割
について CCS が行われる。その結果、2050 年までに
CCS 付火力発電能力は 1 億 600 万 kW に向上する。