1次・2次産業振興プロジェクト 水産業ワーキンググループ

-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (1)課題整理-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
7.第3号ふ頭周辺活用検討・
物流振興WG
(1)課題整理
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (1)課題整理-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
第3号ふ頭の利用と物流振興に対する取り組み課題
1.第3号ふ頭の利用想定と移転整備案の提言
物流機能の移転集約と既存施設の有
効利用、新たな機能の導入
2.クルーズ客船の具体的な誘致策と活動の実施
クルーズ推進協議会との具体的な取り
組み方を検討する必要がある
3.北東アジア・極東ロシアとの物流振興
タスクフォースとして戦略的に取り組ん
でいく必要がある
4.石狩湾岸港湾としてポートセールスやサービスの強化
新たな連携を目指して至急に具体的な
策に取り組む必要がある
5.フェリー利用の安定化に向けてのアイデア
継続して検討していく必要がある
6.食料小麦の取扱、配合飼料の取扱の可能性の追求
継続して検討していく必要がある
7.小樽港らしい産業誘致アイデアの取り組み
継続して検討していく必要がある
8.防災・減災への対応、耐震施設の整備
喫緊の課題として陳情する
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
7.第3号ふ頭周辺活用検討・
物流振興WG
(2)事業提案
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
(a)第3号ふ頭の利用想定と移転整備案について(提言)
(b)クルーズ客船の具体的な誘致策と活動の実施について
(c)北東アジア・極東ロシアとの物流振興に向けたタスク
フォースの設置について
(d)石狩湾岸港としてのポートセールスやサービスの強化に
ついて(提言)
(e)小樽港の防災・減災への対応、耐震施設の整備について
(f)物流振興において継続して検討すべき事項
以下に、具体的取り組み方法を提案する。
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
(a)第3号ふ頭の利用想定と移転整備案について(提言)
①第3号ふ頭市営公共上屋の移転整備
○保税機能およびドックシェルターを有する公共上屋を港町埠頭に整備し第3号ふ
頭の取扱を移転集約
○第3号ふ頭の飼料取扱を中央埠頭などの既存公共上屋を改修して移転・利用
②第3号ふ頭既存倉庫の有効利用
○公共上屋:クルーズ客船に対応するターミナル機能、CIQなどの導入
○民間倉庫:免税店、レストランなどの導入
○市民が行きやすいSOLAS施設の配置
③新たな機能の整備
○公的機関などを含めた複合施設を立地させ、市民が常に港を訪れることができる環境
づくり。
〇31号上屋を歴史的建造物(産業遺産)として有効利用を図る。
〇第3号ふ頭基部、第2号ふ基部などに市民利用の施設やイベント空間の導入を図る。ま
た民間事業の誘致についても配慮すべき。
○水上タクシー、遊覧船や屋形船などのための静穏な小舟溜まりの整備
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○北運河~第3号ふ頭周辺~旧手宮線などの明確な散歩導線の整備
-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
第3号ふ頭の利用想定に対する本プロジェクトの対応
①第3号ふ頭を中心としたエリアの今後の利用イメージ
○小樽駅前から眺められ、市街地に近く町からも海からも行きやすい場所であり、
最も様々なポテンシャルを持っている。
○そのため、小樽市と港にとって最も重要なエリアとして開発を進めていく必要が
ある。
○クルーズ客船の係留と関係施設が予定されているが、市民の憩いの場として、あ
るいはみなと観光の拠点として水際線近傍を利用することが望ましい。
本プロジェクトの対応
○第3号ふ頭北側基部から第3号ふ頭~第2号ふ頭の水際線整備の基本的な方向を立案する際には市
民の憩いの場および、みなと観光の拠点としてのグランドデザインを明確にするよう提言する。
○クルーズ客船の寄港増に伴う施設整備については、観光客や市民が訪れやすいハードやソフトに
配慮されるよう提言する。
○第3ふ頭には公共上屋があるが、今後緩やかに物流機能を移転させ、既存施設の有効利用もしく
は新設が望ましい。
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
第3号ふ頭の利用イメージ
客船ターミナル、
CIQ
免税店、レスト
ラン
イベント空間
産業遺産として
の有効利用
多目的空間
市民利用空間
公的機関など
小型船溜まり
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
(b)クルーズ客船の具体的な誘致策と活動の実施について
①小樽港クルーズ推進協議会との連携
○日本海側拠点港に選定された小樽港は、小樽市が中心となって「小樽港クルーズ推進協
議会(仮称)」を設立し関係機関と協議しながら誘致活動を進めたいとしている。
○民間と協力しながら進めていく事項としては以下を想定。
・勝納埠頭に接岸するケースはシャトルバスを運行、ルート上で商店街と協力し乗船客
に対する割引販売等を行う。
・岸壁等でのイベントや物販等の実施、地元商品の提供。
・出迎え、見送りへの参加協力。
・歓迎セレモニーの実施。
・船社訪問等誘致活動への参加協力。
②小樽商工会議所としての参加の枠組み
○上記の考え方に基づき、商工会議所としてクルーズ観光の宣伝と啓発。
○小樽らしいクルーズ商品の検討・開発(観光振興プロジェクトとの連携)
○第3号ふ頭の賑わい策の継続検討。
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
参考資料:小樽市を中心とするクルーズ船誘致の取り組み
クルーズ振興に取り組んでいる地元組織を一本化し、市、道、港湾関係団体、観光関係団体等からなる小樽港クルーズ推進
協議会(仮称)を設立する。
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日本海側拠点港の形成に向けた計画書(概要)より作成
-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
(c)北東アジア・極東ロシアとの物流振興に向けたタスクフォー
スの設置について
タスクフォースによる物流ルート開発の取り組み
①商工会議所によるタスクフォースの組織化と運営
○北東アジア物流振興タスクフォースの組織化
○各部門の専門家による具体的な物的交流の可能性の追求
○短期的・長期的定期航路就航へ向けての各種の検討
②物流シミュレーション、実現化検討
○市場調査、現地企業実態調査、ポートセールス、商談会の実施
○既存ルートの輸送シミュレーション、輸送実験の実施
○問題点の改善策、新たな輸送モード・ルートの検討、定期航路化の検討
○事業啓発・広報、調査費用の調達
タスクフォース:具体的な特定の目的のために一時的に編成される部局や組織。
プロジェクトよりも小さな単位あるいは集団であり、特別作業班と訳される。
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
タスクフォース推進のイメージ
①タスクフォースメンバー
貨物需要
担当
港湾船舶
集荷担当
代金決済
担当
陸上運輸
担当
海外調整
担当
総括分析
担当
相互の貨物需要
の検討
貨物需要、CIQ
、港湾荷役、船
舶輸送、コスト
貨物需要、貨物
単価、為替、代
金決済、取引方
法、宣伝啓発
貨物需要、陸上
輸送・保管、コ
スト
貨物需要、現地
調査、企業調整
、交渉担当、宣
伝啓発
貨物需要、総合
コスト、経済効
果、行政担当
②実現ロードマップ
貨物需要検討
現地調査
商談会等実施
現地調査
貿易シナリオ
輸送シミュレーション
現地交渉
輸送実験
NO
検討方法の再抽出
YES
貿易取引と輸送の開始
貿易シナリオ
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
タスクフォースの枠組み(案)
周辺地域の事業主、バイヤー、潜在需要者
貿易交流の調査・提案・事業啓発
札幌商工会議所
石狩商工会議所
北海道開発局
北海道庁
札幌市
北海道経済連合会
JETRO
連
携
・
協
働
小樽商工会議所
北東アジア物流振
興タスクフォース
連
小樽市
携
小樽港湾振興会
・
協 小樽港貿易振興協議会
働
学識経験者
タスクフォースメンバー
市内外関連業界・金融機関・商社経験者・関連団体・学識経験者
○小樽商工会議所独自の事業として取り組み、関連機関との連携・協働を模索する
○メンバーへの報酬などの規定は別途に検討する
○概ね2年をめどにタスクを終了する
○次期港湾振興プロジェクトにおいて枠組みの具体化と組織化を行うことが望ましい
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
(d)石狩湾岸港としてのポートセールスやサービスの強化について
(提言)
①小樽港・石狩湾新港の連携を強化するため、両港の機能を活かした日本海拠点
の石狩湾岸港としてポートセールスを支援する
○パンフレットの作成 ○ホームページ立ち上げ ○貨物需要調査の実施
○合同説明会の開催 ○ポートセールス実施体制の構築
○人事交流・情報交流
など
②二つの港が共同して可能となるポートサービスの検討支援
○1港化で得られるサービスの検討
入港料、不荷役船係留、避難避泊係留などの無料・減免化
コンテナ・シャーシの横持ち費用、用地利用
○防災→災害時や荒天時の連携 ○ポートラジオの機能強化
など
次期港湾振興プロジェクトにおいて支援事業の検討と組織化を行うことが望ましい。
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
石狩湾岸港としての港湾物流の活性化
至近の港湾ユーザーへ
のサービス強化
札幌を中心とする道
央圏の物流需要
道央の各港で取扱い
背後圏は重複
苫小牧港と道央の太
い物流ネットワーク
小樽・石狩両港の背
後圏産業も苫小牧港
を利用
苫小牧港との物流軸
日本海側の産業は小
樽・石狩湾新港を利
用することが望ましい
両港で連携して港湾
ユーザーへのサービ
スを強化すべき
石狩湾岸港として一
つの港として対応して
いくことが小樽港の港
湾振興にもつながる
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
コンテナ、シャーシの横持ちサービスの可能性+α
+α
入港料の一港減免
避難、避泊対策
ポートラジオの機能強化
用地利用の減免
地震・津波などへの防災・
減災対策
親水空間など特長を
活かした港利用
コンテナ・
シャーシ横持費
用サービス
コンテナ・シャーシ
横持費用サービス
両港に有利な位置での集配施設
小口混載貨物取扱センター
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
(e)小樽港の防災・減災への対応、耐震施設の整備について
みなとまち小樽において港湾振興を図る
上では、市民及び観光客の安心・安全の確
保が不可欠である。
災害を未然に防ぐための取り組みである
「防災」、被害の最小化を主眼とする「減
災」の考え方に基づき、港周辺における海
岸保全施設の整備や津波避難路や避難誘導
看板、ハザードマップの整備、防災教育の
徹底、等ハード面・ソフト面での防災・減
災への取り組みが非常に重要であることか
ら、関係機関に対して対応を強く働き掛け
るべきである。
小樽市作成ハザードマップより抜粋
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-7.第3号ふ頭周辺活用検討・物流振興WG (2)事業提案-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
(f)物流振興において継続して検討すべき事項
果たしてきた役割
我が国、北海道の近代化
支援拠点
石炭や木材、雑穀、水産品などの
道産資源の輸移出拠点
高度成長期の物資輸移入
基地
・船型の大型化に対応する大水
深埠頭の整備と木材や穀物の
輸入基地
・日本海側初の長距離フェリー
や内貿コンテナ航路の就航
港湾関連産業の集積
製粉や飼料工場をはじめとした港
湾依存型産業は、雇用など市内経
済に多大な効果を生み、都市経営
の重要な位置を占めている。
期待される役割
継続すべき検討事項
全道・地域への役割
港の特長を活かした港
湾利用の可能性の追求
●多様な港湾貨物取扱ノウハウ、
利用可能な岸壁・水際線・用地
の活用
●太平洋側港湾を代替できるよ
うな港湾施設・機能の集積
●道内で唯一釜山を経由しない
中国コンテナ航路の提供
●道央圏と中国東北部・極東ロ
シアに最も近いメリットを活か
したゲートウエイとしての役割
●北海道~北陸・西日本の重要
ルートである新日本海フェリー
●関連する雇用や商取引が存在
するフェリー関連企業の集積
●道内最大の製粉用小麦の輸入
と市内・札幌等の工場への安定
供給
●後志・道南の養豚、養鶏向け
をはじめとした飼料輸入と配合
飼料の生産基地
・既存施設、機能を活かした
新たな事業展開、産業立地
・定温倉庫の集積と膨大な雪
の利活用
・港湾以外の切り口による取
り組みとの連携による利用
振興
既存航路の利用振興
外貿コンテナ航路と内貿フェ
リーの利用振興策、新規航路
の可能性
小麦・飼料取扱強化の
追求
製粉用小麦と飼料穀物の安定
的取扱いや更なる強化の可能
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性
-8.今後の小樽港をめぐる課題解決のために-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
8.今後の小樽港をめぐる
課題解決のために
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-8.今後の小樽港をめぐる課題解決のために-
小樽商工会議所港湾振興プロジェクト
今後の小樽港をめぐる課題解決のために
小樽は古くからの港湾都市と言われるものの、小樽港の実態については市民に十分認識されておらず、今後の港
湾振興策の具現化や港湾投資に関する合意形成の点からみて必要と思われる情報が不足していることが分かった。
港湾施設は長年かけて築いてきた社会資本である以上、出来るだけ有効活用すべきだが、今後は維持、継続する
上での費用対効果の面も含めた総合的な判断のもとで、場合によっては用途転換や用途廃止を選択肢とした対応が
必要になると思われる。
しかしながら、港湾施設の更新改良には、莫大な費用が必要で、財源確保には相当の困難が予想されるため、今
後の小樽港のあり方を考える上で、どのような優先度のもとに、どのようなスケジュールで対策を図ろうとするの
か、技術面と計画論の両面から慎重な判断を加え中長期的な視点に立った方針を整理することも必要になる。
そのため、行政には関係機関と連携のもと、早急に調査・分析することを求めたい。
1.小樽港が市内外にもたらしている経済効果
・港関連産業の生産額や雇用、波及効果
・貨物船やクルーズ客船の入出港による経済効果
・市の港湾関係予算
・小樽港での取扱貨物の業種別・地域別利用分類
2.港湾施設の状況
・老朽化状況(岸壁や公共上屋など)とその対策
・未利用施設の今後の利活用方法
・みなと周辺の産業立地や誘致の動向
・SOLASエリアへの立ち入りの可能性
3.港内の水質等の改善について
・運河および連続する海域の水質・泥質の状況とその対策
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