第6章

第6章
技 38
入力電圧の大小を比べて,判定結果を L/H 出力
で知らせてくれる
信号の大小を比べて高速判定! 2 大基本コンパレータ回路(単電源)
VCC(+12V)
R2
2
3
V1
R1
VR
2.2k
C1
0.1μ
8
VCC(+12V)
PS+端子
(VPS +=5V)
C2
10k
信号源
4Vpeak
判定
スピードの
測定法も
プロの技! コンパレータ回路
R3
R2
4.7k
10k
1
0.1μ
C2
6
7
4
V2
信号源
4Vpeak
R3
0.1μ 4.7k
8
5
IC1
4
PS+端子
(VPS +=5V)
IC1
V2
V1
VR
R1
C1
2.2k
0.1μ
IC1:NJM2903(新日本無線)
基準電圧VR の求め方
VR =
=
IC1:NJM2903
R1
V
………
(1)
R1+R2 CC
式(1)より基準電圧VR ≒2.16V
2.2kΩ
×12≒2.16V
2.2kΩ+10kΩ
(a)反転型
(b)非反転型
(直流)
と三角波を入力して応答を調べる
図 1 実験! 基準電圧
基準電圧V R に対して入力電圧V 1 が高いのか低いのかを,論理レベルの H または L の 2 値信号で出力する
● 要点
コンパレータは比較器とも呼ばれ,二つの電圧を比
べてどちらが高いのか,あるいは低いのかを,論理レ
ベルの H または L の 2 値信号で出力します.
OP アンプと異なり,負帰還をかけないで使用しま
す.OP アンプと特性を比較すると,一般にオフセッ
ト電圧やバイアス電流などの直流特性は悪いですが,
動作スピードは非常に高速です.出力回路は,オープ
ン・コレクタ(オープン・ドレイン含む)か,ロジック
IC の出力と同等(TTL,CMOS など)です.
電圧[V]
4.5
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
−0.5
0.5
入力V(1V/div)
1
出力V(2V/div)
2
0.9 1.1 1.3 1.5 1.7 1.9 2.1 2.3 2.5
時間[ms]
図 2 実験! 反転型コンパレータの応答波形
入力 V 1 が基準電圧 V R よりも低いときは出力 V 2 が H (= 5 V)
,入力
V 1 が基準電圧VR よりも高いときは出力V 2 が L (= 0 V)となる
112
して入力電圧 V 1 が高いのか低いのかだけを見る回路
です.
図 1
(a)が反転型で,図 1(b)が非反転型です.
IC は,オープン・コレクタ出力のコンパレータが 2
個入った新日本無線の NJM2903 を使います.オリジ
ナルは LM2903(テキサス・インスツルメンツ)で,同
社の LM393 も使えます.コンパレータが 4 個入った
NJM2901 や,そのオリジナルである LM2901,LM399
も使えます.なお,未使用コンパレータは,反転入力
端子と非反転入力端子をグラウンドに接続します.電
源は,+ 12 V の単電源とし,オープン・コレクタ出
力は+ 5 V 電源から抵抗 R 3 = 4.7 kΩでプル・アップ
しています.
基準電圧
V
=2.16V
R
0.7
図 1 の基本コンパレータ回路は,基準電圧 V R に対
● 実験
図 2 に,反転型コンパレータ回路の入出力特性を示
します.入力 V 1 は 4 Vpeak で 1 kHz の三角波です.基
準電圧 V R = 2.16 V であり,入力 V 1 が基準電圧 V R よ
りも低いときは出力V 2 が H (= 5 V),入力V 1 が基
準電圧V R よりも高いときは出力V 2 が L (= 0 V)と
なっていて,理論どおりに動作していることがわかり
ます.
図 3 に,非反転型コンパレータ回路の入出力特性を
2014 年 5 月号