論 文 内 容 の 要 旨

氏
名:飯田
圭一郎
論 文 題 名 : miR-125b develops che moresistance in Ewing sarcoma/pri mitive
neuroectoderma l tumor
( miR-125b は Ewing 肉 腫 /未 分 化 神 経 外 胚 葉 性 腫 瘍 に お い て
化学療法抵抗性を発生させる)
区
分:甲
論
文
内
容
の
要
旨
miRNA は 悪 性 腫 瘍 に お い て 様 々 な 役 割 を 果 た す こ と が 報 告 さ れ て い る 。 Ewing 肉 腫 /未
分 化 神 経 外 胚 葉 性 腫 瘍 (Ewing 肉 腫 )は 化 学 療 法 の 発 展 で 、 そ の 予 後 は 改 善 し て き て い る
が、化学療法耐性例や転移例においては依然として予後不良である。以前より我々は
Ewing 肉 腫 薬 剤 耐 性 株 を 樹 立 し 研 究 を 行 っ て お り 、今 回 miRNA と Ewing 肉 腫 の 化 学 療 法
抵 抗 性 と の 関 連 に つ い て 検 討 を 行 っ た 。Ewing 肉 腫 細 胞 株 (VH-64)と そ の ド キ ソ ル ビ シ ン
耐 性 株 (VH-64/ADR) の miRNA の 発 現 を 網 羅 的 に 解 析 し た と こ ろ 耐 性 株 で miR-125b の 発
現 が 最 も 上 昇 し て い た 。 化 学 療 法 後 の 臨 床 サ ン プ ル で も miR-125b の 発 現 は 上 昇 し て お
り 、 miR-125b の 化 学 療 法 抵 抗 性 へ の 関 与 が 示 唆 さ れ た 。 miR-125 の 遺 伝 子 導 入 、 抑 制 を
行 っ た と こ ろ miR-125b は 化 学 療 法 抵 抗 性 を 増 強 す る 作 用 が あ る こ と が 判 明 し た 。 標 的
遺 伝 子 の 検 索 を 行 っ た と こ ろ 、 ア ポ ト ー シ ス 関 連 因 子 で あ る p53、 Bak が 候 補 と し て あ
げ ら れ た 。 イ ム ノ ブ ロ ッ ト 、 ル シ フ ェ ラ ー ゼ ア ッ セ イ に て miR-125b は p53、 Bak を 直 接
標的因子として抑制することが判明した。他の抗癌剤への関与を調べたところ、
miR-125b は ビ ン ク リ ス チ ン お よ び エ ト ポ シ ド へ も 抵 抗 性 獲 得 に 働 い た 。こ れ ら の 結 果 か
ら 、Ewing 肉 腫 に お い て は miR-125b が 化 学 療 法 抵 抗 性 獲 得 の 一 因 と な っ て い る 可 能 性 が
考 え ら れ た 。機 序 と し て は p53 や Bak と い っ た ア ポ ト ー シ ス 関 連 因 子 を 抑 制 す る こ と に
より、多剤薬剤抵抗性に関与していることが示唆された。