Muroran-IT Academic Resources Archive Title Author(s) Citation Issue Date URL 横型攪拌槽の連続操作法に関する研究 福田, 隆至; 井戸川, 清; 佐藤, 光ニ; 安藤, 公二 室蘭工業大学研究報告.理工編 Vol.8 No.1, pp.121-130, 1973 1973-10-15 http://hdl.handle.net/10258/3578 Rights Type Journal Article See also Muroran-IT Academic Resources Archive Copyright Policy Muroran Institute of Technology 横型撹祥槽の連続操作法 l こ関する研究 福 田 隆 至 *. 井 戸 川 清 * 佐藤光ニヘ安藤公二 Studies on the Method of Continuous Operation in a Horizontal Stirred Vessel Ta1 王a shiFukuda ヘKiyoshi Idogawa*,Koji Satohネ and.Koji Ando Abstract h ev e s s e l, Experimentswere conducted on t h ep r e s s u r e drop o ft h eg a s 丑owing through t whichwas r e l a t e dt ot h es t a b i l i t yo fcontinuous 丑owo fg a sa n c ll i q u i d a n c lt ot h e amount o f entrainmenti nt h ee x i tg a s,overwiderange o ft h evolumetricr a t i oo fl i q u i di nt h ev e s s e. l R e s u l t so b t a i n e dwerea sf o l l o w s : Bys e t t i n gb a f t l e si nt h ev e s s e l,t h ep r e s s u r edrop was lowered markedlyand i ti sproved t h a tt h i sequipment can be operatedcontinuouslyi np r a c t i c a lu s e . Also,some informationon t h eimprovement o ft h eequipmentd e s i g nwas o b t a i n e d . ヲ 1 . 緒 言 横型携 t 判曹は,気・液接触能力が非常に大きく,さらに,槽内の通気ガス圧力損失が小さ いこと,また,気体および液体のホールドアップの選択が比較的自由といったすぐれた特長を 有しており,既存の気・液接触装置ではその適用に制限のあったような分野にも利用しうる装 置として,開発が期待されている。 本装置の実用化実験に関しては,液ホーノレドアップ,すなわち槽内液量率の小さい領域に ついて, 3, 000r.p.m に及ぶ高速回転を扱う Ganz らl), z L および美坂らめの気・液連続操作に よる一連の研究がすでに報告されている。一方,筆者らの回分装置による実験結果 4)-6)は,横型 撹持槽の気・液接触能力が,液量:率の増加とともに増大することを示している。したがって, 高い液量率で,しかも気・液両相について連続式の安定した操作法の確立が,本装置を実用化 する上できわめて重要である。 木研究は,横型携持槽の具体的な応用研究に先立ち,槽内液量率の広い範囲について,安 * 北海道工業開発試験所 * Governmentl n d u s t r i a lDevelopmentLaboratory,Hokkaido,Sapporo,Japan ( 1 2 1 ) 福田 i 盗至・井戸川清・佐藤元二・安藤公二 122 1挺板を取り付ける事により,安定 定な連続運転の操作範囲を実験的に求め, さらに,槽内に者[ な操作範囲の拡大を試みた。 1Gl 仁一一一 i G Ll l~.K l 4 ト ー + 司 ト . . . . ー v (fトー→ L α横型括吉祥槽 bイ ン ベ ラ c撹 持 軸 d気液分離器 eサイクロン fリングブロア gホ。ンフ。 h; 1 'ンプ z水柱マノメーター 図 ~1 Jオリフイス流量計 kベンチュリ一流量百十 lノ fノレブ Gガ ス … L 液 一一一 実験装霞の概要 下 一 上E Dt =18.4 L/Dt= 2 . 0 D;/Dt= 0 . 9 D,/Di= 0 . 5 Dz IDi = 0.55 Wb/Di = 0 . 2 5 Wi/Di = 0 . 2 d/Dt = 0 . 1 図 ~2 横型携持槽への流体出入管部およびマノメーター取付部の詳細 ( 1 2 2 ) 1 2 : i 横型撹持槽の連続操作法に関する研究 1 1 . 実験装置および実験方法 実験装置のフローシートを図←1 に示した。横型捜持機本件~(l および j資枠羽根 b はさきに, 四分槽の実験に著者らが用いた幾何学的相似槽← 6), 8 ) のうち,一番大型のものとほぼ同 である。その形状, A 寸法 寸法の詳細を図 2に示した。通気時の槽内ガス圧力損失を,ガスの入口 管上の P"};~i, ( 図 -2参照)と出口管上の Pb 点とに接続された差圧計 tにより測定した。同 -2に は,九点、および己点近傍の詳細な寸法も示している。差圧計の液面の変動を小さくするため, 同│習に示したような穴あき仕切り板を導管に取りつけナこ。しかもなお差圧計の液面が変動する 場合には,その子均値を目測で読みとった。気・液分離器 dへのガス入口高さを,憎のガス出 口よりやや低くし,この間の液の滞留を出来るだけ少なくするようにした。 UI . 実 験 結 果 I I I . l ガス連続系における糟内のガス圧力損失 本装置を気・液連続系で運転したところ,比較的液量率および揖持羽根回転速度が小さい 場合は,安定した逼転が可能で、あった。しかし,液量 率,羽根回転速度が大きくなるにしたがい,出口ガス に槽内液が同伴され, P 町 P 槽内のガス圧力損失 p ( b 点の差!王)が土脅か1 ,変動し, 困難となった。 ⑨ 4 0 巴三ヨ さらに,液流量の制御も 装置内のガス圧力損失の程度が, 一 送 風機の機種選定の目やすとなることは云うまでもない が,さらに本実験ではラ本装置の気・液連続操作の安 : I J 定性および出口ガスによる槽内液同伴量にも関連する indexとして,槽内圧力損失を測定した。 この場台, 上記のような不安定状態においては,液量率を所定の 値に保持する事がきわめて困難であったので,以下の 実験ではすべて液側は回分式で行なった。 IU.l-l 圧力損失と操作条件との関係 マノメーターの差庄の読みんと f 資枠羽根回転速度 n との関係を,間 3に例示した。 hは 合,見かけカ、ス流述 1 1が等しい場 r r 面積あたりの線速度)が UG ( * 普 段 大きいほど大きく現われている。 んと nとの関係は, 1 0 20 n( l /spc) 単純ではないが, 異なる U G について同様の傾向が現 われている。すなわち,んは n=O ,2.5r . p . s .に於いて ( 1 2 3 ) 図-3 種 々 の UGにおける hと 況 の 関 係 (ε=0. 4 ) 福田隆至・井戸川清・佐藤光二・安藤公二 1 2 4 は , 同ーの μQ この領域では, について,ほぼ同じ値を示している。 20 図 1に示した気・液分離器 d および ポンプ gは不用であり, 安定した連続操作が可能で .p . s より大きい領域では ,hは nの増 あった。 nが 5r 大にしたがし、増大しているが, それぞれの陶につい て,ある一定値に近づく傾向を示している。同様の傾 向が,液同伴量についても,観察により認められた。 すなわち n=O !莞持羽根が回転していない場合, におけるんと陶との関係を,異なる液量率 4に示した。図より明らなごとく,んは 図- ξ を含め ei こは依存 せず , U ? t -に比例して増加している。すなわち, の n=0-2.5r .pふに現われているんは, 図3 操作条件に は無関係に,装置の形状によって定まる圧力煩失に起 図-4 携狩しない場合の hと叫Q の関係 因するものと考えられる。この種の圧力損失として考 えられるものを列記して, EulerNum- b e r のオーダーを試算すると下記のごと 一 → くなる。 UG ( 1 ) 管路断面積の急激な拡大および 収縮による圧力損失 L=2・D t 図5に 示 し た よ う な 装 置 に つ い て Dt=18.4cmO 試算する。本実験装置の場合は,図 5の d=1.8cm~ 図-5 圧力損失計算の基礎諸元 装置と多少異なり,ガスの入口および出 口管の位置が槽端面の中心よりと部にある。また,液が槽内に入っている場合,ガスの通路は 円ではなくなるが,計算結果のオーダーは,ほぼ等しいと考えられる。 ( 1 1 ) 断面積拡大の場合の圧力損失:ムー 1 ρ ー (Ug -UG)2 ρ 一( 1-uG/的)2U~p 1-1= uq . Ug _ 2gc l / D ; j_ J~~ーキ l / d2 2gc - 1 x lO -2~1 2 t土 手 = と ( 訓 ρU, & ζ ¥ uG/ キ ( 図5参照) 0.5x1 04 (1) (2) (3) ( 1 2 ) 断面積収縮による圧力損失 :ρ1-2 h-2Z5d 旦 (4) 2 ρ c ( 1 2 4 ) 1 2 5 横型携持槽の連続操作法に関する研究 c 7 ) ニ 0 . 5 6 (5) hρ半 =0.56. ~ (判2土 ua 乙 ¥U G) 0 . 3X1 04 (6) 式( 3 ),( 6 )より . P.l与=主1 ユ主 +217JL土 0.5X104十 0.3X104 ρ Ua ρUa ρUa 二 ( 7 ) 0.8x1 04 ( 2 ) 管内の摩擦損失: pz ( 2 1 ) 撹持槽内の摩擦損失: J う2-1 uG=l Ocm/sec,ξ ニ 0 . 5に対応する面積の円管として計算すると Re(DtUGρ / μ )キ 1 300 層流として 32μL pU ら - pD~uG 主と立壁土 (8) ( 3 2 )( 1 8 0x1 0 -6p o i s e )( 1 8. 4x2cm) _ : _ , , 1 f¥-2 ? 二 与 5X1 0 ( l .29X 1 0-3g/cm)( 1 8. 4cm) 2( 1 0cm/sec) 1 : " ( 9う ( 2 2 ) ガス入口管および出口管内の摩擦損失: P2-2 Re(du / μ )キ 1 3000 gρ s ; L 流として ) QU ( 2 P 2 z 9 c _ 2fL (U g¥ 7扇一一一亙一五A 一 ( 2 )( 0 . 0 0 5 )( 4十 5 . 5cm) 一 ・( 1 02)宇 0.05x1 04 ( l .8cm) 04が得られる。 一方, 1:ßJ -4 より P9c/ρ u~ キ 0.9x 1 ( 9 ' ) この値は, 上記計算の ( 1 )管路断耐積の 4 急激な変化による圧力損失の計算結果をノ-1'す (7) 式 Pl 9c/PU~ ニ 0.8x 1 0 の値とほぼ等しい。 なわち, . 5rP・ s .におけるんは, 凶 3に現われている n=Oおよび 2 目 す ( 1 )の理由による圧力損失 が主因であると考えられる。 したがって,槽入口管および出口管の管径ならびに槽との接続部 の形状を改良する事により, これを小さく出来ると考えられる。 図←3のたて軸のんを 1 うふ/ pU るに換算し,横軸の nを,槽内の流動状態を規定する 8) フルー , 2 ド数 NtT(=n Dj9)に変換して, ρ9 c / ρ μちと Nt との関係として図 6に示した。 同図より明 らかなごとく, n=O,2 . 5r . p . s に対応するフノレード数 ,N品 =0,0 . 1以外の測定値についても, P9c/PUるは UGに無関係に N 討のみの関数として現われている。 異なる液量率について ,P9c/ ρ U~ と Nþ, との関係を図一7 に示した。 N貯の増加とともに J りやρ /品の増大する程度は, 増大するにしたがし、急激に大きくなっている。 l v T' r=Oに対応するたて軸の値,すなわち恨め/ ρ U~)NFro, O を起点とした P9c/ρzゐの値の大きさが, とすれば,液量率の増加と共に, また £カミ 気・液連続操作の困難さの程度を代表する l V j))・の増加とともに連続操作は困難となる。 フルード数 NFr の増加とともに増大するが, ( 1 2 5 ) 装 四分系による本装置のガス吸収能力 4) は , t M I 日隆至・井戸川清・佐藤光;・安藤公二 1 2 6 5 4 ス ゾ コ ζ × 二 I~;_' 2 ; ' : : ' 1: : : l 寸 lC l . 三玉三 。 。 2 3 5 4 ア 6 NF 一 〕 r( 図6 j >g c / P u / jと N, らとの関係 置規模にはかかわりなく,ある特定のフ ル{ド、数 1 0 l V p r c (槽内流動状態の変化点 8) に 対応)において極大となり, その後減少す 9 ,[ 羽 一7の凶中に,各液量:率に対す る 。 凶 6 る, VIir . _ 7 ¥ fF ' r cの値は, cを↑で示した。 _ ξ 7 増加とともに減少するが ,pgc/pubもまた f i ; . c iこし、たる前に, なり,各液量率とも ,N すでに ρ gc/pu~ は大きな値を示している。 [ J S の εの増加 iとともに小さい NPr でより大きく E 、\~ 6 × ζ1~5 εニ 0 . 2,0 . 3には ,Np r cの値が示されていな い。この液量率における吸収能力は NJi'r の増加とともに増大し ,NF1.C は本実験範囲 3 2 で、は認められない。羽根の型は兵;なるが, Ganzら1), 2 ) :および美坂ら 3 ) は,本実験と類 似の装置について, ε<0.3の領域での気・ 。 。 2 3 4 5 6 7 N J• , ( ー 〕 液連続系における運転に成功している。 図-7 ρg c / Puると l{Fr との ~H示におよほす ξ=0ふ 0 . 3に つ い て の 本 実 験 結 果 も £の影響 J うg c/pubは N" , , . の広い範聞について比較 的小さく,連続系での安定な運転が期待出来ることを示している。しかし,本実験装置における ガス吸収能力 4)は , ξ<0.7の範囲においては, ξの増加とともに増大する。 範酉では,吸収能力は しかも, ξ<0.3の εの減少とともに著しく小さくなる。したがって,本装置活用のための ( 1 2 6 ) 1 2 7 横型携持槽の連続操作法に関する研究 液量率範聞は 4),ガス吸収能力のみから評価すれば, 8=0. 4-0.7となるが,上述のごとく,こ r cに達する前に, 1う 9c/PU~ はすで の領域で充分な吸収能力が期待される操作条件すなわち Ny に大きな値を示し,連続操作が困難となることがわかった。したがって,液量率, J V J,かが共に 比較的大きな領域においても ,P9c/PU 与が小さくなるような装置構造上の何等かの改良が必要 である。この意味から装置内に邪魔板を取りつけ,槽内液流動状態の安定化をはかることによ って,出口ガス中の液同伴量を少なくし, 1うれ/ρ u~ を小さくすることを試みた。 1 1 1 . 1 2 PYc/ρu~ におよぼす邪魔板効果 取り付けた邪魔板の概要を図 -8 に示した。 ξ エ 0.4について,邪魔板条件における ρ9c/PU~ と NJi¥・の関係を[文1 9に示した。 区i 中破線は,邪魔 ト 板のない場合に対応している。図より明らかなごと し 邪魔板によって 1りふ/ρu~ が小さくなり Wp --L NFr の広い範囲にわたって,安定した連続操作が期待出 " ' 来る。 与 異なる液量率について,邪魔板条件下における 一 1 0に示した。 ε: S :0 . 5においては, 同様の関係を図 本実験範囲では Dt =18.4 . 0 L/Dt= 2 D;/Dt= 0 . 9 NJi'r=Oを基準とした 1 うれρ /UJ 7は ε>0.6では N肝 の 増 加 と と も に 急 激 に 小さいが, ρ9r./PUるが増加している。 この領域では l V J i rが増 加すると,槽液内の気泡量の増加にともない,液面 Wh Wp/Dt= 0 . 1 Wc/Dt=0.05 Wc/Dt=0.05 Wh/Dt=0.03 Wi /Dt=0.2 b インベラー j 邪魔板 Wh/Dtニ 0 . 0 3 Wi/Dt= 0 . 2 図-8 邪魔板の概要 が上昇し,液面のみだれによって,ガス出口の高さ 6 1 只 ﹀ 区三日 ︹︺ パ斗 J ヌ3 a l i2 / 〆 一一一一一一一一ーー耳マーよbE 二 五j } i J 〆〆 血ー-Je 一一一~~~ 晶 I I-一一春一一一一曹 2 ス ) 。 。 4 「 J NFγ 〔 ← 〕 g c / ρ 1 1 ると } ¥ l F,との関係におよぼす邪魔板効果 図-9 p ( 1 2 7 ) 6 7 1 2 8 福田隆至・井戸川清・佐藤光二・安藤公二 7 E ま0.30.50.60.7 6 61. 口 ム 5 4 ↓ > ( t ,3 s Q " -可F E F ~ 可 () ι A 一• / 30Iel~I~I. v 司 て で 吋 〉 ミ =コ 1 0 c) [J 1 5 ~ マ /1; : ・ ふ : 一 上 ゴ 。 ム /r/JJJJJL 2 7_--~~ 戸 宅一一一 -~t----_ 。 2 3 (t 5 4 6 7 8 NF'[-) 図 10 pg c !puると N.Fかとの関係におよぼす に達した液滴が, ガスに同伴されることによって, εの影響(邪魔絞条件) ρ9c/PU告が急増すると考えられる。 した がって,ガス出口をよりと部に取り付けることにより, ε>0.6についても,安定な操作範囲と することが期待出来る。 邪魔板条件における気・液四分式でのガス吸収能力 6) は , 魔板のない場合の能力にほぼ等しく, JVFH 以下のブルード数では,邪 J V F J C以上のブルード数では, その能力が低下すること . "以下における吸収能力とフルード数との関係がそのまま延長される。したがって, なく ,NF, 邪魔板の取り付けにより, ρ σc / ρu るの小さい領域が N. F ,・の広い範囲に拡張され ,P9 , , /ρ 坊の小 さい領域,すなわち,ガス連続操作の百I 能な領域が,実用に耐え得るガス吸収能力の大きい国 作範罰を網羅することが可能となった。 I I I . 2 液連続操作における問題と対策 液ホールドアップ,すなわち,所定の液量率をいかに安定に保っかが,液連続操作のポイ ントである。 れ , N~F', が大きく, かつ液量率が大きくなると, これが出口液量の定量および制御を困難にする。 槽内液中の気泡が出口液に同伴さ 2 ) 連続運転の実験を行なった Ganzら1), の報告は,これ等の問題にふれていない。一方,美坂3) は,この点に苦心し,液出口高さを変 化させて,ホールドアップを変化させている。しかし,この場合のホールドアップは,同じ液 出口高さでも,羽根回転速度,液流量,ガス流量によって変化し,所定のホールドアップに保 つのではなく,操作条件によって規定さわしたホールドアップを測定して,それを実験条件とし ており,実用操作法としては不適当である。本実験では,出口液に同伴された気泡を 3 パルブ ( 1 2 8 ) 1 2 9 横型携狩槽の連続操作法に関する研究 ( 図1,l l ) に 入 る 以 前 に 図2に 示 し た よ う な 簡 単 な 仕 掛 け に よ り 取 り の ぞ き , 安 定 し た 出 口 液流量とホールドアップを得ることが出来た。なお,実用装置における気液連続操作の場合に は,より一層安定したホールドアップを保持するため,液の供給,排出方法について,さらに 改良する必要がある。 I V . 結 ー 日 横型撹持槽の気・液連続操作法を確立するため,連続操作の困難さと対応している通気側 の槽入口,出口聞の庄力損失を主として測定し,下記結果を得た。 1 ) 邪魔板のない槽に於いては,液量率の増加および撹伴羽根回転速度の増大とともに, 圧力損失が橋大し,ガス吸収能力の大きい実用の操作条件に至る前に連続運転が困難となる。 2 ) 槽 内 に 図 8に示したような邪魔板を取り付ける事により, 圧力損失を著しく小さく 出来た。また実用の操作条件に於いても連続運転が可能となった。邪魔板の形状,装置内への ガス入口,出口の位置等の改善により,連続運転の可能な操作範囲を,さらに広く出来る可能 性を示した。 3 ) 排出液中に同伴される気泡を,槽出口直後に分離する方法についての一知見を得た。 〔付記〉 本研究は,安藤が通商産業省工業技術院の流動研究員として招へいされ,北海道 工業開発試験所において行なわれたものである。本研究遂行のために御尽力いただいた北海道 掛 工業開発試験所第 3部長三井茂夫氏,ならびに御指導をいただいた北海道大学工学部教授 j (昭和 4 8年 5月 1 9日受理) 一夫先生に心から感謝いたします。 使用記号 撹ヂi~羽根直径 [ c m ] Dt: j 賢持槽直径 [ c m ] Di : [ c m ] d: ガス入口および出口管直径 2 [cm/sec ] g: 重 力 加 速 度 2 [g.cm/G.s巳c ] g c : 重力単位換算係数 [cm.Aq] マノメーターの読み [ c m ] L: 撹 持 槽 長 2 NF 慌'枠(液)ブルード数 ( n n/g) r: 1 N p ' r c・ ガス吸収能力極大の λ」 [一] [ l / s e c ] n: 撹持羽根回転速度 ρ : [-] 2 [G/cm ] 圧力損失 ( 1 2 9 ) 1 3 0 稲田隆至・井戸川清・佐藤光二・安藤公二 Re: レ イ ノ ル ズ 数 (D , ueP/μ叉は d μg p /μ ) Ue: ガス流速(槽断面積あたりの線速度) Ug : ガス流速(ガス出入口管断面積あたりの線速度) [一] [cm/sec] [cm/sec] 液量率(槽内液体積と槽容積の比) μ: ガス(空気)粘度 [g/cm'sec] ρ: ガス(空気)密度 [g/cm3] 文 献 1 ) 2 ) 3 ) 4 ) 5 ) 6 ) 7 ) 8 ) Ganz,S .N.: Z h .P r i l 王 国 K him.,3 0,1 3 1 1( 1 9 5 7 ) . .N. andM.A.Lokshin: Z h .Prik. lKhim.,3 1,1 9 1( 1 9 5 8 ) . Ganz,S 美坂康有: 北海道大学学位論文 ( 1 9 6 7 ) . 安藤公二・原 弘・遠藤一夫:化学工学, 3 5,1 3 7 9( 1 9 7 1 ) . 安藤公二・八柳正弘・内藤憲良・田保英明: 室工大研報(理工編), 7( 2 ) ,4 8 3( 1 9 7 1 ) . 安 藤 公 二 ・ 田 保 英 明 ・ 遠 藤 一 夫 J . Chem. E ng.J apan,5,1 9 3( 1 9 7 2 ) . 化学工学便覧(改訂三版), p .1 1 0 . 安藤公二・原 弘・遠藤一夫:化学工学, 3 5,4 6 6( 1 9 7 1 ) ( 1 3 0 )
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