リアルタイムコラボレーション | IT導入事例

導入事例
HPがLyncによるグローバルコラボレ
ーションを促進
従業員の接続を容易にし、ビジネスの柔軟性、俊敏性、
応答性を高める統合コミュニケーション
プラットフォーム
業界
ハイテク
目的
従業員が地理的な距離やタイムゾーンの違いを超
えて、コラボレーションを強化し、意思決定を迅速
化できるようにする。.
アプローチ
インスタントメッセージングや「Click to」の音声/
会議/ファイル共有など、効率的で使いやすい機能
をサポートするグローバルな統合コミュニケーショ
ンプラットフォームを導入する。
ITでの成果
•通話開始などのタスクの効率化によってユーザ
ーはシングルクリック操作が可能となり、 電話
番号やパスコードの入力が不要に
•カンファレンスコールへの接続に要する平均時
間が45秒から1~2秒に短縮
•移動中でも携帯電話からワンクリックするだけ
で、シームレスなカンファレンスコールへの参加
が可能に
•登録済みの140,000名のモバイルユーザー全員
が利用可能
•電話およびカンファレンスコールの音質が向上
ビジネスでの成果
•コラボレーションが強化されたことで、ビジネス
価値への従業員による最大限の貢献が可能に
•HPの従業員は任意のデバイスからのコラボレー
ションとコミュニケーションが可能に
•意思決定と問題解決までの時間が短縮され、ビ
ジネスの柔軟性、俊敏性、応答性が向上
•1週あたり1,000万分のカンファレンスコールおよ
び1週あたり2,000万分の長距離電話が社内で行
われるようになったため、通信サービスプロバイ
ダーのコストが低減
「HPのLync UCプラットフォームを導入したことで、従業員は
情報交換や意思決定が必要になったタイミングで、どこに
居ても瞬時に接続できるようになりました」
– HP、音声ネットワークエンジニアリング&サービス担当ディレクター John Grillo
HPではハイテク業界で最も優秀な多くの人材が勤務してお
り、
今やMicrosoft® Lync®を利用したグローバルな統合コミュ
ニケーションプラットフォームにアクセスすることによって、
リ
アルタイムのコラボレーションとコミュニケーションを実現し
ています。
導入事例 | HP Lync
HPの従業員数は全世界で33万人を超えており、全
従業員が他の従業員とのコミュニケーションを必
要としています。
規模が大きいだけでなくグローバルに展開してい
るHPにとって、これは複雑な問題です。 HPの従業
員および約8万社のベンダー、パートナー、下請業
者の従業員は、事実上世界各国にいます。 地理的
に分散していて、タイムゾーンも異なるため、コラ
ボレーションを目的に従業員同士が常に直接会っ
て会議を行うことは非実際的であり、コスト面でも
無駄が多くなります。
そこでHPが頼りにしたのがテクノロジーです。 統
合コミュニケーション (UC) プラットフォームとして
Microsoft® Lync®の導入を決定しました。Microsoft
Lyncは、全従業員があたかも同じ部屋で仕事をし
ているかのように自然にそして瞬時にコラボレー
ションとコミュニケーションを実現してくれるソリ
ューションです。
第1のフェーズ: インスタント
メッセージングと
プレゼンス機能
HPがUC戦略を立て始めた当初、配備プロジェクト
の規模と複雑という大きな課題に直面しました。
そこでHPは、プロジェクトをいくつかの管理可能
なパーツに分け、テクノロジーの進化に合わせて機
能を段階的に配備しました。そして、パイロット環
境を使用して、問題の特定および使用状況追跡の
ためのベースラインデータの設定を行いました。
最初に導入することに決定した機能は、主に次の2
つをサポートしています。 1つは、HPネットワーク
上の別のユーザーがオンラインかオフラインかを
判断するプレゼンス機能です。もう1つは、インスタ
ントメッセージング (IM) 機能です。
「Lync統合コミュニケーショ
ンプラットフォームによってリ
アルタイムコラボレーション
が強化されたことで、HPは一
層柔軟性、俊敏性、応答性の
高い組織となりました」
– HP、音声ネットワークエンジニアリング&サービ
ス担当ディレクター John Grillo
HPがこれらの機能を最初に導入した理由の1つと
して、従業員自らがすでにこれらの機能を使用し
ていたことが挙げられます。 「従業員は自分がシ
ェアウェアとして購入またはダウンロードしたIM
アプリケーションをすでにインストールしていまし
た」と、HPの音声ネットワークエンジニアリング&
サービス担当ディレクターであるJohn Grilloは当
時を振り返ります。 「インスタントメッセージング
を利用すればリアルタイムで問題を解決したり判
断を下したりできるため、強力な生産性ツールだと
従業員は認識していました。 電子メールのように
時間差が生じることも、電話が行き違いになるこ
2
ともありません」
Grilloは次のようにも述べています。「自分以外の
HP従業員の一部にしかメッセージを送れないので
あれば、その価値は限定的です。 HPが掲げたビジ
ョンは、HPネットワークにログインすれば何時で
も利用できる単一のグローバルツールを提供する
ことでした」
プレゼンス機能とIM機能には、比較的単純である
というメリットもありました。 実際、第1フェーズで
このソフトウェアデリバリは、HPのExchangeチー
ムが実施したMicrosoft Exchangeの配備と非常に
似通ったものでした。
「Click to」サービスとVOIP
の追加
HPによるUC導入の第2フェーズは、若干異なる方法
で行われました。
HPは第2フェーズにおいて、同社が「Click to」サー
ビスと呼ぶ機能を追加することを決定しました。
「Click to Talk」を使用すると、Lyncにログインして
いるすべてのユーザーが、相手の名前をクリック
するだけで音声通話を開始できます。 「Click to
Conference」では、同じくカンファレンスコールを
開始するためのワンクリック機能がサポートされ
ています。 そして「Click to Share」では、デスクト
ップのファイルやプレゼンテーションなどの情報を
ユーザー同士が簡単に共有できます。
また、これらの「Click to」サービスには比較的堅牢
で標準化されたネットワークが必要ですが、 幸
いなことにHPにはその準備が整っていました。
「HPは、Lyncの導入を開始するかなり前から、通
信においてVoice over IP (VOIP) テクノロジーに移
行する戦略を立てていました」とGrilloは述べてい
ます。 グローバル通信グループは、その計画に便
乗しただけでした。 「社内ネットワークの変革に
合わせて、HPはこれらの領域にLyncの『Click to』
サービスを導入しました」
HPネットワーク自体は、HPのすべてのグローバル
ITインフラストラクチャと同様、強力なHPハードウ
ェアが搭載されています。 「私たちは『HPにHP
を』戦略を実践しています」とGrilloは話します。
Lync UCプラットフォームで主に使用されるHPネ
ットワーク機器には、音声ゲートウェイサービス
向けのMulti-Services Router (MSR) シリーズおよ
び Survivable Branch Communications zl Module
(SBM) や、世界中のオフィスにまたがる社内ネット
ワークを構成する数千台のHPNルーターとスイッ
チなどが含まれます。
Lyncの「Click to」機能では社外の電話番号にダイ
ヤルするにはHPシステムが必要であるため、HPの
IT部門は通信パートナーの各社と連携して、アーキ
テクチャーの通信インターフェイスを構築しまし
た。 「社外パートナーと協同で、
導入事例 | HP Lync
着呼と発呼の両方を処理できるシステムを確立し
ました」とGrilloは話します。 「80か国以上におけ
るグローバルカンファレンスコールのダイヤルイン
番号の配備においても、社外パートナーの支援が
ありました。 HPネットワーク外部の参加者は、こ
れらの番号にダイヤルすることで、社内でホスティ
ングされているLyncカンファレンスに参加できま
す。これはすべてのグローバルカンファレンスサー
ビスでサポートされるべき重要な機能です。
グローバルコラボレ
—ションをリアルタイ
ムで実現
HPは、Lyncの「Click to」サービスの展開をサポート
するため、もう1つの機器も管理していました。 そ
れはエンドユーザーのヘッドセットです。 HPは、
認定ヘッドセットへの資金提供と導入を行うこと
で、サービスを利用するユーザーが一貫した通話品
質を得られるようにしています。
第3のフェーズは、第2フェーズの機能に基づいたも
のです。 HPはさらなる機能を実現して、ボイスメ
ールをMicrosoft Exchangeシステムに統合しまし
た。 ピアツーピアのデスクトップビデオサービス
および定期的な電話会議サービスも追加されまし
た。 ビデオ会議の開催が容易になるなど、これら
の機能が追加されたことで、従業員のコラボレー
ションが強化されました。
利用を促進させるユーザート
レーニング
このLyncプロジェクトの第1フェーズとそれ以降
のフェーズでは、大きな違いがほかにも存在しま
す。 それはエンドユーザーのトレーニングです。
プレゼンス機能とIMを導入してしまえば、広範囲
にわたるユーザートレーニングはそれほど必要
ではありませんでした。 導入したアプリケーシ
ョンの機能は、極めて直感的でシンプルです。 一
方、
「Click to」サービスはもう少し複雑であるた
め、HPは万全なユーザートレーニングプログラム
を開始しました。 「HPはMicrosoftと協力し、Web
セミナーを提供しています」とGrilloは話します。
各セッションは専門のインストラクターが講師を
務め、最大500名の参加が可能です。 セッション
は録画されてHPのイントラネットにアップロード
されるので、当日参加できなかったユーザーは、各
自都合の良い時に再生することができます。
HP ITの音声サービスのWebページには、FAQ (よく
ある質問) に加えて、
「Click to」サービスを習得す
るのに役立つ一連のクイックリファレンスガイドも
掲載されています。
HPでは、機能面のトレーニングのほかに、
「Click
to」サービスのユーザーエクスペリエンスの最適化
に役立つセミフォーマルなエチケットガイドライン
も作成しました。 「Lyncカンファレンスコールの
音声通話は極めて良いため、通話中は『ミュート』
ボタンを使用するよう参加者に促すほどです」と
Grilloは話します。 「ミュートにしないと周囲の雑
音が気になってしまうこともあります」
通信コストの削減と従業員の
生産性の向上
Lync UCプラットフォームがHPにどのようなメリッ
トもたらしているのかをGrilloに尋ねたならば、目
に見えるメリットと目に見えないメリットの両方が
あると説明することでしょう。
「Lyncのおかげで、電話番号
とパスコードを入力する代わ
りにWebリンク経由でカンフ
ァレンスコールに参加できる
ようになっただけで、毎月50
万分以上が節約され、
その分
生産性が向上しています」
– HP、音声ネットワークエンジニアリング&サービ
ス担当ディレクター John Grillo
目に見えるメリットには、コスト削減も含まれま
す。しかも、相当な金額が削減されています。 現
在、HP社内のLyncプラットフォームでは、1週あたり
1,000万分を超えるカンファレンスコールと1週あた
り1,000万分の長距離通話が行われています。 こ
れらのカンファレンスコールと通話において、社外
の電話会議サービスプロバイダーのコストが削減
されました。
主な目に見えないメリットは、従業員の生産性の
向上です。 「従来型のカンファレンスコールの場
合、ダイヤルして参加するまでに平均45秒を要しま
す」とGrilloは話します。 HPと同規模の企業では、
その45秒が毎日数十万回発生していることになり
ます。 「Lyncのおかげで、電話番号とパスコード
を入力する代わりにWebリンク経由でカンファレ
ンスコールに参加できるようになっただけで、毎月
50万分以上が節約され、その分生産性が向上して
います」とGrilloは話します。
さらに、より流動的なリアルタイムコラボレーショ
ンが可能になるというメリットもあります。 「HP
のLync UCプラットフォームを導入したことで、従業
員は情報交換や意思決定が必要になったタイミン
グで、どこに居ても瞬時に接続できるようになりま
した。 これにより、ビジネス上の意思決定とビジ
ネスプロセスを加速させ、生産性を高めることが
可能になりました」とGrilloは語っています。
HPにとって重要なもう1つのメリットは、Lync UCプ
ラットフォームの導入により、統合コミュニケーシ
ョンソリューションをサイジング・設計・配備する
ための専門知識を強化する機会が社内のコンサル
ティング組織にもたらされるという点です。 この
ように専門知識が強化されれば、HPはUCベースの
コンサルティングとアウトソーシングのサービスを
強化し、お客様に提供することができます。
3
導入事例 | HP Lync
企業概要
ユーザーからの高い評価
ハードウェア
•Survivable Branch Communications zl
Module (SBM)
•MSR 30/40およびMSR 50/60
•リモートサイトに設置されたHPNルーター
•エンドツーエンドQoS (サービス品質) のた
めにトランスフォーメーション後の拠点に設
置されたHPNスイッチ
JHPの従業員がこのテクノロジーを高く評価してい
ることを踏まえると、Lync UCプラットフォームが
彼らの仕事に貢献していることは明らかです。 導
入の第1フェーズ以降、HP社内のプラットフォーム
ユーザーの数は着実に増えています。 第2フェーズ
後の6か月間で、1週あたりのアクティブユーザー数
は25%超増加しています。 どの週を見ても、HPの
UCプラットフォームにアクセス可能な41万ユーザ
ーのうちの4分の1から3分の1が、
「Click to」サービ
スを利用しています。
ソフトウェア
•Microsoft® Lync®
グローバル通信グループが集めたフィードバック
からは、コラボレーションが強化され、より柔軟性
の高い作業環境が構築されたことが分かります。
「グローバル企業で働く大半の人と同様に、私自
身も毎日世界中の多くの人とやりとりをします」と
HP Networkingのシニアマーケティングマネージャ
ー、Dragana Bearaは話します。 「私の上司は時差
が3時間ある場所におり、 9時から5時までの勤務
時間外に会議を開くこともよくあります」 HPのUC
プラットフォームによって、相手がどこにいても共
同作業が可能な柔軟性が実現しています。 「Lync
のおかげで、いつでも簡単に連絡を取り合うこと
ができます。 どのデバイスからでも、あらゆるフ
ォーマットで誰とでも直ちにコミュニケーションが
取れます。 ボタンを1回クリックするだけで、世界
中に散らばる同僚やパートナーに電話をしたり、カ
ンファレンスコールに参加したり、同僚から瞬時に
回答を得たりできるのです」
有機能のおかげで、カンファレンスコールが非常
に円滑に進むようになりました」とBearaは語って
います。
最大の強みである HP従業員
の活用
IHPは今後数か月の間に、UCテクノロジーの
最終的な機能拡張を継続的に行う予定で
す。 それが、PC電話サービスです。 Lyncプ
ラットフォームこの機能が追加されれば、HP
の通話に外部関係者が参加できるだけでな
く、社外からの通話にHP社内から参加できる
ようになり、従来からのデスク電話は不要に
なります。
他のLync機能と同様、この最後の機能強化に
よって、最も評価されているHPの特長の1つ
である従業員が、最大限に活用されることに
なるでしょう 。 Grilloは次のように結論付け
ています。
「HPでは、ハイテク業界で最も優
秀で勤勉な人材が何名も勤務しています。
HPのLync UCプラットフォームを実装したこ
とで、そうした人材はツールを活用し、これま
で以上に効果的な共同作業を実現していま
す。 一企業としてのHPにどれほどの価値が
もたらされているのかは、言っても言い過ぎ
ることはありません」
HPの従業員の間で、Lyncソフトウェアの機能性の
高さも称賛されています。 たとえばBearaにとっ
ては、音声通話中に誰が話しているのかが分かる
機能が便利です。 Bearaは次のように話します。「
これまでの音声通話では、後から参加するとスト
レスが募っていました。 それが今では誰が話して
いるのかが常に分かります」
「Lyncの導入により、背景の雑音がひどい回線を
検出し、その回線をミュートにできるようにもなり
ました」とBearaは続けます。 「その結果、音声品
質は大幅に向上しました」
このシステムの使いやすさは、ユーザーにとって
もう1つのメリットです。 「Lyncのデスクトップ共
メールニュース配信登録
hp.com/go/getupdated
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4AA5-1150JPN、2014年2月