じ じss うyおうかt尾

Vol.3
2014.4.23
教職大学院
100 クラブ、始まりました。
じ
<模擬授業について>
実習などで授業をする機会からしばらく遠ざかっていましたが、新年度を迎え、授業のあり方について改めて見つめな
じss
おし、実践する時期を迎えました。教採に向けては、100 クラブでの模擬授業の練習を通して分かりやすい授業のあり方を
研究していきましょう。
◆
問題文を慌てず、しっかり読んで、その意図を的確に把握することが大切
問題は平成 26 年度奈良県教採試験問題を使用します。形式は、概ね「■年生の○○の学習をしています。
『□□□』
の内容(課題)について、指導のポイントとなるところを明確にして授業を展開してください。
」となっています。問
題によって下線部が「興味関心を高める導入の」、「意欲を持たせる」、「その方法を考えさせる」「理解させる」「よさ
に気付く」
「分かったことをまとめる」などになっています。
ところが、実際の模擬授業に臨むと、焦りもあって、問題を「■年生の○○の学習をしています。
『□□□』の内容
(課題)について、指導のポイントとなるところを明確にして授業を展開してください。
」のように、留意(配慮)す
べき点(指導のポイントとなるところ)がどこかへ行ってしまって、
『□□□』についての説明や知識注入に陥り、指
示された留意事項に対する授業者の認識が感じられない「子ども不在の授業」になりがちな傾向が見られます。もち
ろん『□□□』についての的確な知識・理解が大切なことは言うまでもありませんが、こうした指示こそ、受験者が
子どもたちの授業参加を促し、どのように引きつけ、理解させることができる力を持っているのかを見るためのもの
なのです。
例えば、先日第 1 回の模擬授業で行った課題、「4 年生の国語の授業でスピーチする学習をしています。写真から読
み取ったことを基に、児童が意欲的にスピーチをしようとする授業を展開してください。
」を考えてみましょう。
『児童が意欲的にスピーチしようとする』
:これを受験者が模擬授業で形に表すとすれば、どんなことが考えられる
でしょうか。
① 一つには児童が興味を持って授業に参加している様子が見られること
(例えば、児童に身近な場面を想起させるなど導入の工夫。多くの児童が発表している様子が窺える授業の雰囲
気、板書に児童の発表を取り入れる工夫など)
② 二つ目には、児童の発表に対して教師や他の児童の共感が溢れていること
(例えば、一人一人の発表を積極的にほめたり、教師が改めて「~さんはこんな意見を言ってくれたよ」などと
紹介したりすること、また、授業では「友だちの発表はしっかり聞こうね」という雰囲気が感じられること)
③
三つ目には、児童が、今後、授業で実際に自分のスピーチをする機会があるという期待感が持てる、発表の場
の設定を予告するなど、意欲や期待感が継続するような工夫
その他、学習形態を工夫し、グループ学習で意見をまとめさせ、まとめた意見を発表させるという学び合いの工夫、
そして、グループ学習で机間指導を行いながら、個別の指導で学習支援を適切に行って意欲を高めるといった工夫が
あるかも知れません。
このように教採の模擬授業に臨む際には、①学習内容についての確かな知識・理解とともに、②子どもたちの発
達段階に応じてどのように意欲を高めるのか、また、子どもたちの体験を踏まえてどのように授業を展開するのか、
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抽象的な学習内容については身近な生活事象とどう結びつけながら理解を深めていくのかなどの対応力が求められ
ます。これからの模擬授業で、こうした力を磨いていきましょう。
教採を経験 し て
集団面接の質問事項(平成 26 年度奈良県教採)の概要は、100 CLUB FORUM
から
vol.1 と vol.2 に掲載しています。その対応法の一つとして、
「募集要項をしっかり読んで、求められている教師像を的確
に把握し、自らがどうそれに応えうる人間であるかを整理しておくこと」
、言い換えれば、原点にかえって、
「なぜ先生に
なりたいのか。
」ということを明確に整理しておくことが大切です。これに関連して、M2 の古谷さんが自らの体験を踏
まえて語ってくれています。
「『数学』の教員になりたいと思ったきっかけ」
教職大学院
M2 古谷
悠貴
新しい年度を迎え、教職大学院の雰囲気が次第に教員採用試験に向かってきていることをひしひしと感じてい
ます。昨年の私も過去問集を手に、問題をたくさん解いていたことを思い出しました。ただ、筆記試験の勉強を
することが大切なのは言うまでもありませんが、教員採用試験に臨むにあたってまず向き合わないといけない
のは「なぜ教師になりたいのか?」ということだと私は思います。
私は中学校の時に出会った先生に影響されて、高校入学時にはすでに教員になりたいと思っていました。しか
し、より具体的になったのは高校 2 年生のときでした。もともと数学が苦手だった私が「数学って楽しいのかも」
という姿勢になった瞬間を、先生は見逃さなかったのです。今思えば、この先生との出会いが私の人生のターニ
ングポイントでした。私は英語科に所属していたため、いわゆる理系数学の授業を取ることはできませんでした。
ですが、先生は放課後や自習時間を使って個別に指導をしてくださり、1 年間浪人したときにも変わらずご指導
をいただきました。面白い問題を教えてくださったり、日常生活に隠れている数学を教えてくださったりと、数
学への道をリードしてくださっていたように思います。
「あんたが試験に通るまでわしが面倒見る覚悟なんぞ、去年の春から腹くくっとるわい。
」
先生の姿勢が本当に嬉しく、そこまで言ってくださるのだから私も本気で頑張ろうと思えたのです。生徒を教
え導き、生徒とともにあるという姿勢に、教師という職業の魅力を感じました。そして、私もそんな先生になり
たいと思い、ずっと勉強に励んでいます。
今までのことを振り返りながら、自分と向き合って、自らの思いを言葉に起こしていくのはとても時間がかか
ります。ですが、教員という職業に向かって、基本的な姿勢ともいうべきひとつの芯を持っていると、面接でも
ブレずに柔軟に対応できると思います。これを機会に、じっくり自分と向き合うことを通して、ご自身の良さが
光る「芯」を見つけられることを心から祈っています。
≪ホームカミングレクチャーの案内≫
ホームカミングレクチャーとは、教職大学院の修了生が院に里帰りし、
在学院生等に対し、実際の教科書・教材に基づく授業実践を講義することにより、互いに授業等の実践力を高めようとする試みです。
二年目を迎える今年度は、授業研究に加え、第一回として奈良県教育委員会に勤務する修了生から、奈良県教育委員会の主な施策や取
組、加えて自らの教員としてのキャリア形成について話してもらう予定をしています。奈良県受験希望者は、是非参加してください。
1. 日時、場所
:
平成 26 年 5 月 2 日(金)15:30~17:00 「つばさ」
2. 内
:
「奈良県教育委員会の主な施策・取組について」と「自らの教職キャリア形成について」
容
(リーフレット「まなびの支援」
(平成 26 年度版)についての説明
(学校教育の指導の重点等にも触れてもらう予定です。資料提供も含む)
3.講
師
:
棚橋
浩一
氏(奈良県教育委員会事務局
企画管理室主査)
<あとがき>目標が定まり取り組み始めると、やるべきことがはっきりと見えてきます。教採まで、仲間と教育について時間を惜し
まず議論しましょう。「声に出し、他人に聞いてもらう形で自らの考えを整理していく」、こうした積み重ねが面接でも威力を発揮しま
す。それから、話すときの姿勢や言語(発音)の明確さ、話速は大丈夫でしょうか。面接では1分以内でと指定されることがありますが、
実際に1分でどの程度の話ができるのか、時間をはかって有効に使える練習をしておくことも役に立つのではないかと思われます。
(担当:松井秀史、竹田隼也、古川満里奈、古谷悠貴)