Shinshu University Institutional Repository SOAR-IR Title Author(s) Citation Issue Date URL Rights Rh式血液型不適合による交換輸血の一症例と考察 吉沢, さち子 信州大学医学部附属病院看護研究集録 1971: 47-53 (1971) 1971 http://hdl.handle.net/10091/14295 産科 Rh式血液型不適合による 交換輸 血の一 症 例 と考察 発表者 富沢さち子 産 科 一 同 , 000人前後出生 してt hると推定 されてい る。脳性小 我 国における脳性小児麻捧患者は毎年 4 児麻梓の原因は産科的異常のほかに種々の ものがあ るが、最 も頻度 の高い ものの一つに母児間血液 型不適合による新生児溶血性疾患が上げ られてい る●血液型不適合は言 うまで もな く、 AB O血液 型不適合 とRh血液型不適合がある。 今回、母児間Rh血液型不適合 (以下 Rh不適合 と略す )に エb定期的に抗体価及び羊水分析測 定 を行 ない胎児の溶血状態を推測 し胎外生活可能を時点で帝王切開術に 上9児娩出、直 ちに交換輸 血を施行 し 良好に経過 した症例を経験 したので ここに発表する。 症例紹介 ○ 木 ○ 1)家 族 歴 子 28才 2回姫娠 1回経産、血液型本人 B型Rh(- )、夫 A型 血的 (図 Ⅰ参照 ) A B型 Rh糾 生後 5日目に交換輸血 2)既 往 歴 cを 2回受ける、 7 L ,ルギ-体質である 6才、腸チフスに擢患、 この時母 Rh川 より輸血 100c (ピリン疹が 出る) 5)月 経 歴 例 経 15才、 周期 28日順調、結婚 25才 ( S .40年 11月) 4)L 既往姫娠分娩歴 24才 (S41年 5月 ) S.xM. 助産院にて正常分娩、男児、体重 5470㌢ 生後 2日目 上 り黄症出現強度 とな り生後 5日目当院小 児科受診。血清 ビ1 )J t ,ビン値 50d L y /d e(正常乾 田4.21 -4 7- J J q/ d e - 2t81T y L y/ d e)にて交換 日血施行。予後良好。 5)今 回姓娠経過 最終月経 :845年 5月 20日∼ 4日間、予定 日 ;845年 12月 27日、 妊娠 5ケ月 に当科 初 診。妊娠 中期 エ9クームステス ト施行. 8月 7日 (19W4T)間接 クー ムスh 9月 9日(24 W5T)間接 クー ムストゝ 10月 7日 (28W2T)間接 クー ムストL 10月 26日 (51W2T) 間接 クー ムス (冊 )抗体価 128倍、 11月 2日 (52W2T)間接 クームス (冊 )抗体価 128 倍 、 11月 5日 (52W5T)羊水分析 nO4. Zone皿、11月 15日 (55W6T)抗 体価 256倍 に上 昇、羊水分析 の結果 早期娩出と決 定。 d)入院経過 入院 :S45年 11月 18日、 妊娠 9ケ月 (54W5T) 入 院時所見 ;身長 15 9α、 体重 58太 れ 腹囲 86 . 5r w、子 宮底 28価、BD154- 94mHT 尿蛋白出 浮嘘十1 児心音 14- 15-15 緊張良好 I1月 21日等水分析、 0 .05 zonOl l 、 11月 24日姫娠 9ケ月 (55W5T)子宮底 29L T W 腹 式狭部帝王切開術施行 と決定、 同 日 12時 25分陣痛誘発のためア ト- ン 05単位 +5虜ブ ドウ 糖 500c c点滴縄始、 12時 55分陣痛 鏑始、 14時 46分 、腹式深 部帝王 切開術にて児娩出、出 n C 、所要時 尚 :1時間 55分も 血量 8557 7)児 所 男性 見 . 44Dg、 身長 46 . 5c h t 性器不完爪 指頭 に逢す。 APgar 1D点、血液型 A ・ 体重 2 Rh什) 騎帯血所見 :直接 クームス (一 冊 )ビ1 )ル ビン値 5 . 9L J L y / de(正常範囲 tO5-5 .16) Hb1 2 . 9 g/ dA n t 57 . 5旬、R. 511×104 8)児 経 過 mム 所実時 娩 出後、直ちに交換輸血施行 (ダイヤモ ン ド方式 )、 使 用血液 O型 Rh卜人 640 尚 2昭 司21分、交換鎗血終了時 ビ I )ル ビy値 5 . Du g /( 玖 交換輸血 後直 ちに クぺ-ス収容、以下 図 皿参 照。 交換輸血後 の児の管理 につい ては特 に観 察及 び感染予防 に留意 して看護 したが、 図 J lの如 く唱出 は コー t =-残液秘吐物 少量 1回のみ。 -4 8- 図Ⅱ 暦 日 lL d 病 日 1 壇 酸 クぺ ケ1 ) 素1 ンウ ワ i y x シ2 ン 収容 5 彫 ' 0 2N N L Q g 処 25 2 26' 5 27 4 28 5 50 7 1 25 10 7ト ロ シ+ ンn L 2 L 5つ シ ギラ 線療法 トロ ノ シ ク ン シ n ■ C 2 f 5% コj . .ト ロ0 シ . ソ 12Rl ククク劣′ ;T L + + i { + + + / 10 17 ー5 22 ー8 25 コッ トへ ・ イ H J シ 、 ン b 児科 クL 分 ロ 10 ッ / . 4 プ キ 6 受診 ン I 1 J L V c c d 四 チア 肢ノーゼ 末 端 + + 十 士 - - - - - - 浮 腫 + + + 冊 冊 十 - - - - 腹 部膨 捕 + + - - - - - - - - イ 什 冊 - 1 什 - 冊 - + - - - - - 元気をし 良 良 良 良 良 良 良 症 咲 発 畷 吐 症 士 気 嫌 元気なし - 物 コヒエ磁 壁 元気をし 黄 痕は 2日目 よ 95日日位 まで、浮 瞳姓 4日目 5日E Iに非常 に強度 に認 め られたが 、 7日日頃 よ り hづ九 も消退、 チアノーゼ ・腹部膨満等 の異常所見は認 め られず版調に経過、生後 22日日小児科 受 診の際 に Ht )Ia6呼/deにてイyク L ,ミンシE ,,ブ処方、生後 248日体重 5005gにて産 科退院、以 後 1ケ月に l鑑 必ず小 児科検診を続けてい る。 こ 察 考 Rh不適合に エる新生児溶血性疾患発生機序 を要約するt、図 m参民 図取 こ こで注 目され る ことは、夫 婦間に Rh不適合があ って もRh不適合輸血 を受けてh なければ、 目こす ぎないが Rh不適合輸血 を受けた場 合は 48-50項 目こ発生す る、従 潜血性疾患の発生は 5項 って職血の際はAaO型異型輸血のみ な らず Rh型不適合 輪血 を受けない よう注意 しなけれ ば在 ら ない。 尚、 Rh不適合の輸血 を受けをい 限 り第 1子 に於いては、ほほ安全 とされている。 夫婦間 Rh不適合 に よる母 児間の不適合発生頻度 は、 図Ⅳの どと くR h陽性が同型接合体 の場合 は全ての児に Rh陽性である. 母 ㍗ ㌔ 島 i - . こ . ∵ ∴ 互 ∃ 巨 児 [ 可 基 音 ≡. 一二 日 司児 児 5 0 - 当科に於いては胎 児の溶血 状態 を把握す るために、母体中の間接 クー ムステス トを行 ない間 接 クー ムステ ス トが什虹 それば羊水分析 によ り児の溶血 に よる貧血 の状態 を推測 してい る。 本症例 におV> て も妊娠 8ケ月に入 って今 まで陰性 だ った間接クー ムステス トで抗体価が 128 倍 に上昇、妊娠 9ケ 月 (55W. 0. T)では羊水分析 zoneJ l(0 . 04)間接 クー ムスで抗体 価 が 256倍 に上昇 し児の危険匿が高 ま ってVl ることが推測され早期娩出にふみ き . ' 'ているo 当科 におけ る Rh卜杯適合 による交換輸血症例は表 1の どと くRhト扮 娩 65例中母児問Rh 不適合は 56例で あ る。そ の うち経産婦が 26例中 4例 に交換輸血が お こなわれてお 915 . 5 卓の の高率 を示 してV>る。 初産婦にお いては 1例 もをV, 。 ,107例中 11例 で Rh 参考 までに ABO不適合交換輸血例 を比較 してみると表 nのど と く4 ト坪 適合 よ9はは るかに少をい. また初回分娩 より交換倫血例の あることも Rh卜) と異 る点で あ る。 母 児問血液型不適 合、殊 に Rh不適合 に よる新生児溶血性疾患の場合は胎内にあ る内 よ り児の 溶血 更に全 身浮腫を来た L, 遂 には子宮内胎児死亡に至 る こともある。 しか し姫娠中充分 を管理 の下に定期的 に検査 を施行 L.検査結果に よっては児が体外生活 可能を時期 に早期娩 出、交換輸 血 を行 な うこ とに よ 9本 症例 の ように良好 な児の予後 を うることが可能で ある。Rhト) につ いて は マスコ ミで も多 くと9上げ られてい るが Rh不適合児の予後 につい て非常 に悲観的 な見方 をす る人が いるが、母 が RhH 児が RhM であ って も第 2子、 第 5子共 に何等異常のない人 も多 くあ Rh ることをつけ加え てお く。私共 は単 に母 体が RhH と云 うのみで不必要 を恐れ を もたぬ よう、 不適合分娩者 を通 して PRにつ とめてい る。 1 T 51- 当科 におけ る Rhト搾 適合 に よる交換 輸血 症例 年度 年令 夫血` 莱 液 型児 産 経 分娩 凪数 分娩形式 交換輸血適 応 刺 性 児 体重打 身良 M 品 死 仮 ビリ監 ル -J Lス 貧血 実施 日 予後 糾 1日日 良好 1 1966 50 Rh B糾 Rh Aト) Rh AB 叶) 1 57遇5日 帝王切開 抗体価 ×128 上昇 罪 5270 49 . 5 H 2 . 1 2 ー988 55 Rh A脚 Rh 0ト1 R0 王 1 叶) 5 59過 6日 帝王切開 抗体価上 ×128 昇 罪 51 55 48 . 0H 25 ・ 叶) 糾 1日日 良好 5 1969 28 Rh 0什) RAB 叫1 5 59週5日 帝王 切開 今回タ 藍 前回 にて死亡 児黄 ー ムス糾 症強 罪 2941 49 . 0 H 4. 1 H 1日目 良好 註 Rh A的 1965年 ∼ 1970年母 体 RhH 分娩 初 産婦 65例 59例 経 産婦 26例 症例数 帥 汁) 表皿 当科 に於ける A ち O不適合に エる交政輸血 症例 皮 年 年 秦 11 9 66 2 5 夫 血 A 21 96 7 50 AB 液 安 型 児 0 A 0 A 虚 経 分娩過激 0 D 0 40過 8日 交換輸血適応 自然分娩 ピ仙 ピン値 上 昇 体重gr 身長 c m 死 仮 吉 5520 51 . 0 25 吉 5485 49 . 0 日4 2957 5u5 22 . 0 5125 49 . 0 1 4 . 4 ビリ値 ルビン クームス 貧血 一 〝 0 41/ /50 J′ . g 1 4104. g / / 一 ク 千 辛 0 〟 去 2740 4 8 . 0 2&5 J V ∫ 早 2420 48 . 0. 25 . 0 5 5904/ V β ′ 0 苫 2910 47 . 0 25 . 9 1 5801/ V P 一 〝 早 2850 47 . 0 29 . 0 5702/ V 0 一 〆 早 2640 48 . 0 55 . 7 早 早 5555 5nO 皇2 . 9 5050 510 29 . 0 A 41 9 68 26 A 0A 0A 51 9 69 54 A 0 ノA 2 59/ /50 i1 r 9 70 52 A ち AB 0 4005/ / 7 0 54 AB 8 0 56 9 P 29 AB 0 ち 0 1 0 0 56 B 0 B 1 40〝2〝 J V : 0 1 0 22 A 0A 0 4105. V / / 一′ B 刺 性 児 4204/V 51 9 6 8 2 2 0a 0ら 分娩形式 証 1965-1970母体 Rh的 分娩症例数 4107例 . - + - + - + + - 施 実 日 2日目 良好 1py 0 2.v p Q 200 / V - + SOP - + 400 - + 200 + 508 + doy + 400 十 予後 5/ /o 0 P P P 0 P P
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