工業熱力学演習問題 平成 26 年 7 月 3 日 (木) 各問題は 10 点。 【問題 1】 熱効率が 45.0% のヒートエンジンが動作している。このサイクルをカルノー ◦ サイクルとして低温源の温度が 50.0 C の時,高温源の温度を求めよ。 【問題 2】 燃料を 1.20MW 消費して動力を得ている効率 28.0% の熱エンジンがある。こ のエンジンの出力でカルノーサイクルをするヒートポンプを運転した。この ◦ ◦ ヒートポンプが、18.0 C の高温熱源と-2.00 C の低温熱源の間で動作するとき、 このヒートポンプの暖房熱量は何 W か計算せよ。 【問題 3】 ある人がカルノーサイクルに似せた熱機関を作った。この熱機関は、温度 ◦ ◦ 250 C と 20.0 C の間で運転されるカルノー機関に対して、45.0% の機関となっ た。この熱機関の熱効率を求めよ。 今回は、少し易しい問題を先週に引き続き出題することにした。先週より少し 難しい。今までの演習でうまく解けない場合などは、 http://www.comb.kokushikan.ac.jp/~ken/subj/neturikiA/ を見て復習しておく必要がある。この工業熱力学は、復習と予習を必ず行い、理 解するようにすれば合格する。 工業熱力学演習問題解説 平成 26 年 7 月 3 日 (木) 【解説 1】 カルノーサイクルでは,T1 /T2 = Q1 /Q2 である。いっぽう、熱機関では、 η = W/Q1 である。カルノーエンジンサイクルの高温源温度 T1 は, T1 = Q1 Q1 1 1 T2 = T2 = T2 W T2 = Q2 Q1 − W 1−η 1 − ( Q1 ) として求められる。 ◦ 高温源の温度 314 C 【解説 2】 まず、題意より、 Qf = 1.20MW、 η = 28.0%、T1 = 18.0 + 273.15、T2 = −2.00 + 273.15 である。 右の図で示すように、燃焼した熱を Qf とし、熱機関の出力を W とすると、 熱機関 W = ηQf である。 ヒートポンプでは、W = Q1 − Q2 であり、カルノーサイクルであるので、 T1 Q1 = T2 Q2 である。暖房の熱は Q1 であるので、これらの式から求める。 ( W = ηQf = Q1 T2 1− T1 ) この式で Q1 について解けば良い。ここまで記号式で導くこと。 暖房の熱は 4.89MW である。 【解説 3】 T2 である。作っ T1 た熱機関の熱効率は問題では、このカルノー機関に対しての比率が示されて いるので、η = 0.450ηCarnot である。 カルノー機関は温度だけで熱効率が決まる。ηCarnot = 1 − 熱効率は 19.8%
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