APC 無料クーポン「G OLD FOR GOLD」について

RSC(ROYAL SOCIETY OF CHEMISTRY)
APC 無料クーポン「GOLD FOR GOLD」について
2014 年 5 月 26 日
附属図書館情報管理課
RSC(Royal Society of Chemistry : イギリス化学会)より、論文を Open Access で掲
載する際の掲載料(以下、APC)が無料になるクーポンが発行されました。クーポンは
「希望者に先着順」でお配りします。
配布方法は別紙「RSC(Royal Society of Chemistry )APC 無料クーポン申込方法」で
ご確認ください。
以下に、RSC の APC 無料クーポン「Gold for Gold」についての説明を記載します。こ
の資料の後半には Open Access に関する用語集がありますので、まずそちらからお読
みください。
RSC GOLD FOR GOLD 概要
http://www.rsc.org/publishing/librarians/goldforgold.asp
【前提】

出版社:RSC(Royal Society of Chemistry: イギリス化学会)

OA のモデル:Gold OA、ハイブリッド型

通常、論文を掲載する際には経費はかからない(投稿料は無料)。

掲載論文を OA にしたい場合のみ、APC の支払いが必要。
【Gold for Gold】

電子ジャーナルのパッケージ契約をしている機関に対し、APC が無料になるク
ーポンを発行するとの申し出あり(RSC ではこのクーポンを「バウチャー」
と呼んでいる)。

専用申込フォーム(RSC の WEB サイトにあり)でクーポンのコードを入力す
ると、APC を支払うことなく、その論文は無期限で OA になる。

クーポンの枚数:パッケージ契約金額による。本学は34枚。

クーポンの有効期限:2014 年末

クーポンを使用できる論文の種類:すべての種類に使用可
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1
<参考情報>
RSC の APC 一覧(すべての雑誌で下記価格を適用)
論文の種類
APC(単位:英ポンド)
円換算
Communication
£1,000
¥175,640
Primary Paper
£1,600
¥281,024
Review
£2,500
¥439,100
Technical Notes
£1,000
¥175,640
* 換算レート:2014/5/26TTS レート
1 ポンド=175.64 円
用語集
1.
Open Access (OA)
学術雑誌に掲載された査読済み論文に対する制約のないアクセスのこと。Gold OA
と Green OA に大別される。
2.
Gold OA
学術雑誌に掲載された論文を誰もが無料で読めるようにする方式。出版社・学会等
が提供する電子ジャーナルは、通常、大学等で出版社・学会と契約して初めて利用
できるようになるが、OA の論文は契約しなくても読むことができる。
Gold OA のモデルは2種類ある。

掲載論文のすべてを OA にするモデル。いわゆる「オープンアクセス・ジャー
ナル」のこと。

著者が OA にするかどうか選択できるモデル。同一の雑誌の中で、OA 論文と
そうでないものが混在するハイブリッド型。
関連用語:Green OA
リポジトリと呼ばれるインターネット上のサーバに、研究者自らが自著論文を登録
(セルフアーカイブ)し、無料で公開する方式。
東大のリポジトリは「UT Repository」。http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/
3.
Article Processing Charge (APC)
論文の掲載料。論文を OA で掲載する際に、著者が支払う。
雑誌の出版経費は、通常、読者が支払う購読料で賄われていたが、Gold OA にする
と購読料を徴収できないため、APC で賄うモデルが増加。
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4.
OA の義務化
公的資金による研究の成果は一般に広く公開されるべきとの観点から、各国の研究
助成団体が OA を義務化する動きが顕著となっている。また、アメリカなどでは大
学が所属者の執筆論文の OA を義務化する動きもある。日本の科研費は未定。
参考:OA を義務化している助成団体の例

アメリカ NIH National Institute of Health(国立衛生研究所)

イギリス Welcome Trust(ウェルカム財団)
この場合は、著者は研究助成団体や大学が指定するリポジトリに自著論文を掲載す
ることが多い。
出版社・学会側はこの動きに対し、出版後ある程度の期間(これをエンバーゴ
embargo と呼ぶ。数か月から 1 年程度が多い)を経た論文の著者版をリポジトリ
に掲載することを承認する傾向にある。各社はその条件等を WEB サイトで公表し
ている。著者はその条件にそって(出版社・学会によっては所定の手続きを経て)、
リポジトリへ登録する。
参考:出版社・学会のリポジトリ掲載条件の検索サイト

国外の出版社・学会:
SHERPA/RoMEO : Publisher copyright policies & self-archiving
http://www.sherpa.ac.uk/romeo/

日本の学会:
SCPJ : 学協会著作権ポシリーデータベース
http://scpj.tulips.tsukuba.ac.jp/
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