日本 IBM の PM コミュニティー活動のご紹介 日本 IBM のプロフェッショナル制度 日本IBMではプロフェッショナル制度を採用し、 職種ごとの能力審査を実施しています。プロジェ クト・マネジャー職種の場合は、IBM標準のプロ ジェクト/プログラムマネジメント方法論とツールを 理解し、実践の場で適用した実績を持ってレベル を取得する仕組みになっています(図1) 。レベルは 5段階で定義されており、上位レベルを取得するた めには複雑な大規模プロジェクトやプログラムマネ 写真① 2014 第 1 回 PM セミナーには 500 名以上が参加。プログラムマネジメン トと Watson を活用したゲノム医療の先進事例を紹介。 ジメントの実績が必要となります。また、申請者は 必ず上位レベルのメンターから指導を受けることが 継 続 し て 知 識 習 得 の 機 会 を 提 供 す る の も、 義務付けられています。この制度はIBMコーポレー Japan PM/COEの活動の一つです。グローバル ション共通であり、レベルごとに定義されている要 共通の研修プログラムの他に、日本独自のイベン 件や運営プロセスも世界共通となっています。 トやセミナー、PMコンファレンスを定期的に開 催しています(写真①) 。 PM コミュニティー活動 また、国内外のプロジェクトマネジメント関連 IBM Japan PM Center of Excellence(以下 団体における活動も、ネットワークと知見を広め Japan PM/COE)は、組織を横断した日本IBM る上で有効と考えています。海外イベントにも毎 全体のPMコミュニティー活動をリードするバー 年積極的に優秀なPM人材を派遣し、参加者は帰 チャル組織です。エグゼクティブのサポートを得 国後に習得した知識と経験をPMコミュニティー て、PM プロフェッション・エグゼクティブ、PM 全体にフィードバックをしています(写真②) 。 プロフェッション・ リーダーを中心に、 各部門 の PM リーダーと研修担当者で構成されていま す。Japan PM/COEは日本IBMとグループ会社 上位プロジェクト・マネジャーによるギブバック活動 プロフェッショナル制度において上位レベルを取 に所属するプロジェクト・マネジャーのスキル育成、 得したプロジェクト・マネジャーは、年間で決めら プロフェッシナル制度のレベル取得推進、そして れた時間以上のコミュニティーへの貢献活動を業務 若手プロジェクト・マネジャーのパイプライン醸成 外で実施することが義務付けられています。IBM に取り組んでいます。 ではこれを「ギブバック活動」と呼んでおり、PM コミュニティーの活動はこれらのギブバック活動に 図 1. プロフェッショナル制度の 5 つのレベル Entry より支えられています。プロジェクト・マネジャー Foundation Experience Expert Thought Leader Associate PM Advisory PM Senior PM Executive PM 向け研修、セミナー、イベントの講師をはじめ、プ Executive ロフェッショナル制度における下位レベル申請者へ のメンタリング、そして審査もすべてギブバックに よるものです。 今号でご紹介している社会貢献の講師活動(P.28 参照)もギブバック活動の一つです。ギブバック活 動は、プロジェクト・マネジャーのみならず、す 26 P ROVISION No.82 / Summer 2014 日本アイ・ビー・エム株式会社 日本アイ・ビー・エム株式会社 PM Profession Executive PM Profession Leader 福本 伸昭 水井 悦子 Nobuaki Fukumoto Etsuko Mizui Professional)取得を目指す社員向けのコミュニ ティーを運営しています(写真③) 。週に一度開催 している勉強会は、講師のギブバックにより成り 立っています。また、コミュニティー・メンバー 同士が各自の学習計画を公開し、合格体験談を共 有することで、モチベーションの維持に役立って います。このコミュニティーから既に200名以上 がPMPを取得しており、今後も継続して活動し 写真② 2013 PMI Global Congress in New Orleans に参加したプロジェクト・ マネジャー。PMI Vice Chair の Steven DelGrosso 氏とネットワーキング。 ていく予定です。 プログラム・マネジャーの育成 べての職種によって実施されているIBMの企業文 近年IBMでは、グローバル・レベルでプログラ 化とも言えます。上位レベルのプロジェクト・マ ム・マネジャーの育成と強化に取り組んでいます。 ネジャーが後進の育成に積極的に取り組むことで、 Japan PM/COEでも、グローバルで開発された IBMのプロジェクトマネジメントの知識体系や経験 プログラムマネジメント研修の日本展開や、有識 が伝承され、PMコミュニティーが活性化すると考 者によるセミナーを開催し、 プログラム・ マネ えています。 ジャーの育成に取り組んでいるところです。プロ PMP合格コミュニティー グラムマネジメントの知識エリアはプロジェクトマ ネジメントとは異なり、ガバナンスを重視しプロ 2011年 よ り、PMI(Project Management フィットを管理するなど、よりビジネス視点での Institute)日本支部と連携して、PMIが主催する マネジメント力が求められます。お客様事業の成 世界で最も普及しているプロジェクトマネジメン 功に貢献できるプログラム・マネジャーの育成に トの認定資格であるPMP(Project Management 継続して取り組んでまいります。 写 真 ③ 2014 PMP 合 格 コ ミ ュ ニティー キックオフに 300 名 以上が参加。福本 PM プロフェッ ション・エグゼクティブのメッセー ジに真剣に耳を傾ける参加者。 P ROVISION No.82 / Summer 2014 27
© Copyright 2024 ExpyDoc