「新世代治療導入後の未治療 NK/T 細胞リンパ腫における治療実態把握と 予後予測モデル構築を目的とした国内および東アジア多施設共同後方視的調査研究」 Next-Generation Therapy for NK/T-cell lymphoma in East Asia: A multi-institutional retrospective study (NKEA project) ★ 概要 目的 節外性 NK/T 細胞リンパ腫、鼻型 (ENKL) (WHO 分類)において新世代治療導入後の治療前背景因子・治療内容・予 後に関する国内および東アジア (韓国、ほか) 多施設共同後方視的調査研究を行い、治療実態を明らかにする。さら に、最初に日本国内研究の結果に基づき治療前予後予測モデルを構築し、次いで東アジアで同時期に診断された症 例のデータを用いてモデルの検証を行う。 対象 参加施設で 2000 年から 2013 年に診断されたすべての ENKL 症例。 ※ 2009 年の NK 腫瘍研究会による全国調査対象例でデータの二次利用が承諾された症例も本研究に含め、 治療の詳細、有害事象、生存および再発形式など新たに必要な項目に関して追加調査を行うこととする。 方法 以下の 3 つに分けて行う。本研究はヘルシンキ宣言および「疫学研究に関する倫理指針」に従って行われる。 介入研究および厚生労働省の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」が定める研究は行わない。 Part A: わが国で 400 例規模の後方視的調査研究を行い、治療実態の把握を行う。放射線治療に関しては放射線腫 瘍医が参加の上、治療計画の詳細 (GTV, CTV の診断と設定を含む)に関する調査を行う。RT-DeVIC 療法などの同時 併用化学放射線療法に関しては、治療中および遅発性の有害事象に関する情報も収集する。 Part B: 日本のデータにより新世代治療下での予後予測モデルを構築する。 Part C: 構築された予後予測モデルの有用性について東アジア共同研究で validation を行う。韓国の 1 研究グループ (Dr. Won Seog Kim, Samsung Medical Center)が参加を表明している。Part C は別途作成する邦文・英文プロトコールが 三重大学および海外参加施設の倫理委員会で承認された後に実施する。 Part A での調査項目 (1 例あたりの調査票: 本体 4 ページ、放射線治療関連 1 ページ) • 診断情報 (診断名、診断日、診断法、腫瘍細胞の免疫表現型) ※ 診断困難例に限り (1) H-E 標本 (2) 免疫染色済み標本 (3) 未染色標本 を収集する • 治療前患者背景因子、初回治療、化学療法の内容 • 放射線治療の内容 (本項は調査票を別とし、必要に応じて放射線治療計画関連の画像データを収集する) • 重篤な有害事象、遅発性有害事象の有無と内容 • 初回治療の総合効果、造血幹細胞移植に関する情報、再発/増悪に関する情報、生存情報 研究組織 (NKEA project) 本研究は、研究代表者/研究事務局、海外研究事務局/解析事務局、放射線治療研究代表者と、本研究の趣旨に 賛同した国内外研究者との共同研究である。 山口素子 (三重大学:研究代表者/研究事務局) 鈴木律朗 (島根大学:海外研究事務局/解析事務局) 小口正彦 (がん研究会有明病院:放射線治療研究代表者) 日本放射線腫瘍学研究機構 悪性リンパ腫・血液腫瘍委員会 放射線療法の品質に関するレビュー委員会 Won Seog Kim (Samsung Medical Center:海外参加施設代表者) 浅野直子 (長野県立須坂病院:病理中央診断担当) 片山直之 (三重大学:研究施設代表者) ※ 本研究にかかる費用は公的研究費により賄われる。製薬企業およびその他の営利企業との COI はない。 ※ 本研究では 2009 年の NK 腫瘍研究会による全国調査時のデータ二次利用を行うが、NK 腫瘍研究会とは 別個に行われ、NK 腫瘍研究会からの研究費支援はない。
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