1. 新古典派経済成長理論を考えよう。一人あたりの生産関数が

経済学 II 小テスト 2(2014/12/02)
1. 新古典派経済成長理論を考えよう。一人あたりの生産関数が y=f(k)で表されており,資
本の限界生産物は逓減すると仮定する。ただし,k は資本労働比率(一人あたり資本量)で
ある。また,固定資本減耗率をδ,人口成長率を n とすれば,この経済における臨界的投
資は(δ+n)k で表される。下の図はこれらの状況を表したものである。
(1)貯蓄率を 0.5 として,資本量 k と投資の関係を表すグラフを図に書き入れよ。
(2)この経済の定常均衡における資本労働比率を図に書き入れよ。
(3)他の条件を一定として,貯蓄率が上昇すると,定常均衡はどのように変化するか。
図に書き入れよ。
(問題訂正)
(4)
であれば,定常均衡における一人
あたり GDP はいくらか。
2. ある国の GDP は以下の式で表される。
Y=C+I+G+NX
ただし,Y は GDP,C は消費,I は投資,G は政府支出,NX は純輸出である。
また,この国の消費関数は以下の式で表される。
C=100+0.75Y
(1)この国の投資は 50,政府支出は 15,輸出は 10,輸入は 5 であるとすれば,均衡国
民所得はいくらか。
(2)公共事業により政府支出が 10 だけ増加すれば,均衡国民所得はいくら増加するか。
解答・解説
1.
(1)上図
生産量が f(k)で,そのうち 0.5 が貯蓄されるので,投資(=貯蓄)は f(k)の半分の
高さのグラフとなる。
(2)上図
・臨界的投資(δ+n)k は,一人あたり資本 k を維持するために必要な投資
・定常均衡は,一人あたり資本 k が変化しない状態
・したがって,定常均衡では,実際の投資 sf(k)と臨界的投資(δ+n)k が等しい
→sf(k)と(δ+n)k の交点が定常均衡
(3)上図
貯蓄率が上昇すると,sf(k)が上方にシフトする
(4)2
sf(k)=(δ+n)k となるような k が定常均衡における資本労働比率なので,
k=4
一人あたり GDP:
2.
(1)680
C=100+0.75Y,I=50,G=15,NX=輸出-輸入=5 を Y=C+I+G+NX に代入
Y=100+0.75Y+50+15+5
=170+0.75Y
→0.25Y=170
→Y=680
(2)40
乗数は 1/(1-0.75)=4 なので,10×4=40 だけ国民所得が増加する