新製品紹介 4コア WDMノード 4 Core WDM Node ることで,ナローキャスト用に上り下り各々 4 波長を使用して, 1. はじめに 光ファイバ一心で双方向伝送が可能です。そのため従来のノー 近年インターネット情報量の増大と IP 電話の普及に伴い, CATV 事業者においては小セル化の必要性が増大しています。 ド範囲を 4 分割することができます。また従来から使用してい た光ファイバ 2 心を用いて,範囲を 8 分割することも可能です。 このため当社では,上り下り信号をそれぞれ 4 つの地域に分 割できる,4 コア WDM ノードを開発しました。 つまり,従来のノード位置を変えることなく小セル化が可能 となり,新たな光線路の布設工事をすることなく,安価でかつ 図 1 にこのシステムの優位性を示します。WDM 技術を用い 早期に小セル化を実現できます。 (1)既存のシステムと問題点 【センタ】 【クロージャ】 【光ノード】 下り O/E O/E 上り E/O E/O ▲光ファイバのロスが悪く余剰心線が足りない。 ▲ノードの分割ができない! (2)WDM ノードを使用して,光ファイバを余らせる方式 【センタ】 あまったファイバでさらに小セル化 (既設ファイバ!) 0ABJ 電話条件を 容易に達成! ! ノード A ノード B ノード C ノード D 【光ノード 2】 BC O/E NC O/E NC O/E NC O/E BC O/E E/O E/O E/O E/O 系統切替 WDM 波長多量を使って,既存の光ファイバでノード数を 8 倍に! 下り,上りの分割は段階的な分割が可能! ●PS,クロージャの位置の変更は,一切必要なし! ●ファイバは一切張りません! ● BC O/E NC O/E NC O/E NC O/E BC O/E E/O E/O E/O E/O 系統切替 WDM NC E/O NC E/O NC E/O NC E/O 上り O/E 上り O/E 上り O/E 上り O/E 【光ノード 1】 WDM NC E/O NC E/O NC E/O NC E/O 上り O/E 上り O/E 上り O/E 上り O/E WDM BC E/O & AMP 【クロージャ】 ノード E ノード F ノード G ノード H ● 図 1 4 コアWDMノードの優位性 The advantage of 4 core WDM Node. 古河電工時報第 129 号(平成 24 年 1 月) 28 新製品紹介 4コアWDMノード ト冗長が可能です。 2. システム構成 WDM ノードの WDM フィルタ部では,光線路の光波長は分 WDM センタ装置及び WDM ノードを用いたシステム構成を 離され,BC ユニットと 4 台の NC ユニット及び ONU ユニット 図 2 に示します。下りはナローキャスト(NC)ユニット 4 台か の光受信部に入力されます。BC ユニットの RF 出力は 4 分岐さ ら送出する 4 波長とブロードキャスト(BC)1 波長および主に れて,各 NC ユニットで NC の RF 信号と混合され,各セグメン ノード監視に用いる GEPON の光波長を WDM フィルタで合波 トの同軸ケーブルに出力されます。 し,光線路に送出します。NC の 4 波長は WDM フィルタ部に 上りの NC 信号も下りと同様の構成で,ノードの各 NC ユニッ おいて 3 dB カプラで分岐し,BC や GEPON の光波長とともに トで光信号に変換して,センター装置に伝送されます。このよ A ルート,B ルートを介して WDM ノードに伝送されます。ルー うな方式で,光ファイバ一心の双方向伝送により,セルの 4 分 トの選択はノードの各受信器により自動選択されるので,ルー 割化を実現しています。 【ヘッドエンド】 BCユニット ① ブロードキャスト用光伝送装置 (光送信器+光増幅器など) 分配 放送 (全セグメント) 【WDMノード】 ブロードキャスト用光伝送装置 (光送信器+光増幅器など) CPU 【伝送路】 A ルート/1心 通信 下り/上り (セグメント3) ナローキャスト Tx③ 上りE/O+SW 通信 下り/上り (セグメント4) ナローキャスト Tx④ 上りE/O+SW Port 3 (セグメント2) Port 4 (セグメント3) 混合 ナローキャスト Tx② 上りE/O+SW Port 1 (セグメント1) 混合 通信 下り/上り (セグメント2) NC ユニット ① 混合 ナローキャスト Tx① 上りE/O+SW 混合 通信 下り/上り (セグメント1) Port 6 (セグメント4) CPU W D M フ ィ ル タ 部 AM−FDM 専用光 ケーブル パッチ盤 W D M フ ィ ル タ 部 クロージャ NC ユニット ② CPU NC ユニット ③ CPU NC ユニット ④ B ルート/1心 CPU SV部 WEB SNMP 監視 OLT ONU ユニット SV ユニット AVR ユニット 分配 図 2 システム構成 The system block diagram. また WDM ノードの各ユニットの光入出力レベルや RF 出力 レベルのモニタ値や警報は SV ユニットで集約して,ONU ユ ニットからセンターの OLT に送信され,ローカルエリアネッ トワーク(Web)上にてノードの監視が可能です。 センター装置にも SV 機能があり,WDM ノード側と同様に Web や SNMP により監視できます。 3. システム主要諸元 コントロールして,所定のアイソレーションを維持しつつ低挿 入損失を達成しました。 WDM ノード側の NC 光入力レベルは –12 ~ –6 dBm である が,光 AGC を用いているため,RF 出力はほぼ標準出力となり ます。また BC ユニットはパイロット信号にて利得を制御して いるため,この光入力レベル範囲であれば設置時に調整する必 要はありません。 一方センタ側の光入力レベルは 0 ~ –15 dBm と広いため, 表 1 にシステムの主要諸元を示します。光ロスバジェットは こちらは,設置時に Web などからの制御により内部可変減衰 最大 10 dB であり,1550 nm 帯の光線路ロスを 0.35 dB/km と 器を自動調整することで,適切な RF 出力レベルを得ることが すると,約 30 km 伝送可能です。このロスバジェットを実現す できます。 るために WDM フィルタの低挿入損失化を図りました。この 光入力レベルは Web などでモニタできるので,従来調整時 WDM フィルタは NC が上り下りで合計 8 波長,BC が 1 波長, に必要であった,光パワーメータやスペクトルアナライザなど PON 用に 2 波長で合計 11 波長と,多くの波長を合分波するた の高価な測定器は必要なく,PC 一台で調整が可能です。 め,アイソレーションも問題となります。これは光ロスと相反 する関係にあります。この問題を解決するために反射波成分を センタ装置の電源は AC100 V が標準で,停電時などにバッ クアップ用の DC24 V に切り替える構成です。 古河電工時報第 129 号(平成 24 年 1 月) 29 新製品紹介 4コアWDMノード 表 1 システム主要諸元 The system specifications. 項目 下り仕様 ブロードキャスト信号 70 ~ 770 MHz ナローキャスト信号 70 ~ 770 MHz 上り仕様 入出力端子 独立 4系統 独立 4系統 冗長化機能 光入力信号を RF スイッチにより A 系、B 系を自動選択 伝送帯域周波数 光入力レベル (各ユニットでの入力レベル) 10 ~ 60 MHz ブロードキャスト信号 –6 ~ 0 dBmW ナローキャスト信号 –12 ~ –6 dBmW 0 ~ –15 dBmW 光出力レベル ナローキャスト信号 +6.5 dBmW +6.5 dBmW 光ロスバジェット 6 ~ 10 dB(光伝送路のロス) 光波長(主信号) ブロードキャスト信号 1558.98 nm ナローキャスト信号 1550/1570/1590/1610 nm 1450/1470/1510/1530 nm 光波長(監視用信号) 1490 nm 1310 nm バースト信号 伝送容量 ブロードキャスト信号 11 ch(アナログ),74 ch(デジタル) ナローキャスト信号 16 ch(デジタル) 4 ch(デジタル) 監視制御インターフェース SNMP,Telnet,Web データ速度(監視用信号 / 拡張ポート信号) 100 Base–TX/1000 Base–T 100 Base–TX/1000 Base–T 信号品質 CNR 48 d B 以上 CTB –60 d B 以下 CSO –58 d B 以下 - RF 入力レベル 76 dBµV 85 dBµV RF 出力レベル 100/105.2/108 dBµV(@70/451.25/770 MHz) 電源電圧 センタ装置 36 VA(@100 V) ,ノード 103 VA(@60 V) 消費電力 センタ装置 36 VA(@100 V) ,ノード 103 VA(@60 V) CNR: 信号対雑音比,CSO:複合 2 次歪,CTB:複合 3 次歪 4. 外観 図 3 に WDM センタ装置の外観写真を示します。 NC 信号の光送受信部である 4 つのセグメントユニットを前 面に配置し,背面には電源 /FAN ユニットおよび光入出力コネ クタ,RF 入出力 F コネクタ,LAN ポートやコンソールを配置 しています。 高さ 1U のサブラックに 4 つのセグメントユニット,WDM フィルタや監視制御部まで高密度に実装しました。 図 4 4 コア WDM ノード外観 4 Core WDM Node Outlook. 5. おわりに 従来型の位置ノード交換のために,光線路工事が不要な,小 セル化を実現できる WDM ノード及びこれに対応する小型の 4 コア WDM センタ装置を開発しました。 本製品は既に CATV 事業者で導入されており,好評を頂い ております。 図 3 WDM センタ装置外観 WDM Center Equipment Outlook. また, 本製品を用いた全体のシステム構成は, 当社ホームペー ジでもご確認頂けます。 図 4 に 4 コア WDM ノードの外観写真を示します。本筐体は 当社従来型のノードと同じ筐体を使用しています。 < 問い合わせ先 > 情報通信カンパニー ブロードバンド事業部 TEL: 0463-24-8446 FAX: 0463-24-8491 古河電工時報第 129 号(平成 24 年 1 月) 30
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