PRESS RELEASE 2014 年 11 月 25 日 会社名 : 株式会社ディスコ 代表者名 : 代表取締役社長 関家一馬 コード番号 : 6146 東証第一部 精密加工ツール 2 種を製品化 抗折強度※1 向上型ゲッタリング DP ホイール「DPEG-MZ」 高負荷な条件での安定加工を実現するハブブレード「ZH14 シリーズ」 株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家一馬)は、半導体ウェーハの裏面研磨に用いられるドライ ポリッシングホイール、及び、切断に用いられるダイシングブレードの新製品を開発しました。 本製品は SEMICON Japan 2014(12/3-5:東京ビッグサイト)に出展します。 【抗折強度向上型ゲッタリング DP ホイール「DPEG-MZ」】 ■開発の背景 当社は 2009 年に抗折強度とゲッタリング効果※2 の維持を両立※3 したゲッタリング DP ホイール DPEG シリーズ を開発し、メモリデバイス等の製造プロセスにおいて採用されています。 (2009 年プレスリリース記事:http://www.disco.co.jp/jp/news/press/20091125.html) DPEG シリーズは、厚さ 50 µm レベルでのゲッタリング効果の維持と高抗折強度の両立を可能としたものの、デ バイス低背化の流れを受け、さらなる薄化領域における抗折強度の向上が求められていました。 ■製品の特長 新開発 DPEG-MZ は、現行 DPEG と比較しさらなる抗折強度向上が可能となりました。 ウェーハ仕上げ厚さ 25µm の加工時でも十分な抗折強度を保ち、ダイボンディングなどの組立プロセスにおける 破損リスクを低減します。 20%UP 仕上げ厚さ: 25µm プロセス: DBG(Dicing Before Grinding) 研削装置: DGP8760 切断装置: DFD6361 ハーフカット仕様 三点曲げ※4 抗折強度比較 ※1 抗折強度 半導体チップの曲げに対する物理的強度のこと。主にウェーハを研削/研磨加工した後、そのウェーハをチップサイズにして破断試験にて 測定する。 ウェーハ裏面の研削は、ウェーハを破砕するような形で加工をおこなうため破砕層と呼ばれる加工歪みが残り、そのため抗折強度が落ち る。この破砕層をドライポリッシュや CMP などのストレスリリーフで除去することによって抗折強度を改善することが可能。 抗折強度を高めることで、切断後のチップ実装におけるウェーハの割れや欠けを低減し歩留まりを向上させたり、最終製品の信頼性を向 上させることが可能。 1/3 PRESS RELEASE ※2 ゲッタリング効果 シリコンの基板内(内部もしくは裏面)に、ゲッタリングサイト(結晶欠陥、歪みなど)を形成し、ここに汚染不純物を捕獲・固着することで、重 金属汚染によるデバイスの特性不良を抑制すること。 ゲッタリング DP は、ウェーハ裏面の微小な傷でゲッタリングサイトを形成し、重金属不純物を捕獲する。 ゲッタリング効果模式図 ※3 抗折強度とゲッタリング効果の維持を両立 一般に、ストレスリリーフで破砕層を除去すると、ゲッタリング効果が十分に得られなくなる ※4 3 点曲げ測定 チップに線状の荷重をかけ、チップが破壊された際の応力を測定する方法 2/3 PRESS RELEASE 【高負荷な条件での安定加工を実現するハブブレード「ZH14 シリーズ」】 ■開発の背景 デバイスの小型化・低背化を実現するため、バンプの付いたフリップチップ※5 などの採用が進んでいます。 これらのワークは、ダイシングの際ブレードに長い刃先出しが求められるため、蛇行や切れ曲がりが発生しや すいという課題がありました。 ■製品の特長 新開発の高剛性 V1 ボンドを採用することで、高速・深切り・長い刃先出しでのワンパス加工といった高負荷な 条件における破損や蛇行を抑制し、高品位な加工を実現します。 ・高速での加工品質向上 ブレード破損限界速度※6 が 20%上昇し、高速での安定加工が可能となり、加工品質が向上します。 150 cutting speed (mm/s) 20%UP 120 100 100 50 0 Conventional ZH14 ・加工品質の向上 深切りや長い刃先出しにおいても、切れ曲がりや蛇行なく加工が可能です。 (SEM 画像) 現行製品 ZH14 加工対象: シリコン (厚さ 2mm) 切り込み深さ: 1mm カッティングスピード: 110mm/s 回転数: 30,000min-1 使用ブレード: SD2000-**-50 カーフ幅: 25μm 刃先出し量: 1.28mm ※本評価は、意図的に薄く刃先出しが長いブレードを作製し、加工不良が発生しやすい条件下でおこなっています ※5 フリップチップ チップと基板をバンプ(突起状の端子)によって接続するデバイス。ワイヤで接続する従来の方式に比べ、実装面積を小さくでき、配線が短 いため電気的特性が良い。最終製品の小型・薄型化を実現するために半導体デバイスでの採用が進んでいる。 ※6 ブレード破損限界速度 加工速度を上げていった時にブレードが破損する速度 今後の予定 2014 年 12 月:SEMICON Japan 2014 出展 サンプル出荷:対応中 3/3
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