福島事故検証課題別ディスカッション 「海水注入等の重大事故の意思決定」 補足説明資料 平成26年8月4日 【Ⅱ-1-④-b】3月11日~12日9時頃までのベントに関する国とのやりとりについて 日時 号機 通報番号 第15条-10報 内容(要旨) 2 1号機のD/W圧力が600kPa(約6kg/cm )を超えている可能性があるため、詳細を確認中。(設計上の最高 使用圧力:427kPa) 「格納容器圧力異常上昇」(注:原災法第15条事象と判断) 3月12日 0:55 1号機 3月12日 1:30頃 1号機 2号機 3月12日 2:47 1号機 第15条-11報 1号機2時30分時点でのプラント状況 D/W圧力 0.84Mpa(840kPa) 3月12日 3:33 1号機 2号機 第15条-12報 3/12 2時50分現在のプラント運転状況 1号機 原子炉圧力 0.8MPa 原子炉水位(A) TAF+130cm D/W圧力 0.84MPa (B) TAF+50cm 2号機 RCICポンプが運転していることを確認 原子炉圧力 5.6MPa 原子炉水位 TAF+3600mm RCIC吐出圧力 6.0MPa 2号機で格納容器ベントした場合の被ばく評価結果 1時間後 希ガス 26mSv SE 0.28km 3時間後 希ガス 50mSv S 4.29km 5時間後 希ガス 50mSv S 4.29km 3月12日 4:01 1号機 第15条-13報 1号機で格納容器ベントした場合の被ばく評価結果 1時間後 希ガス 14mSv SE 0.28km 3時間後 希ガス 28mSv S 4.29km 5時間後 希ガス 28mSv S 4.29km 3月12日 4:55 構内 第15条-14報 発電所構内における放射線量が上昇したことを確認 1U中操 150μSv/h(4:00過) 免震重要棟入口 0.08mSv/h(4:03) モニタリングポスト 正門 0.59μSv/h(4:23) MP-8 0.23μSv/h(4:15) 3月12日 不明 1号機 第15条-15報 1号機 発電所構内における放射線量が上昇していること、およびD/W圧力も低下傾向にあることから「外部へ の放射性物質の漏えい」が発生していると5時14分に判断した。 D/W圧力 0.84MPa↓0.77MPa(5:09現在) 3月12日 不明 構内 第15条-16報 発電所正門付近でチャコールに放射性物質が検出 3月12日 6:50 1号機 3月12日 7:59 構内 第15条-17報 発電所正門付近および免震棟玄関前付近でチャコールに放射性物質が検出 1号機格納容器ベント操作に向けて電源を復旧するため仮設ケーブルの布設作業を実施中 3月12日 8:30 1号機 第15条-18報 1号機格納容器ベント操作に向けた準備を行っておりますが、9時00分頃より、格納容器ベント操作を実施する予 定です。なお、1号機の原子炉水位はTAF付近まで低下している状況(消火用ポンプ車で原子炉への注水を実施 中) - - 1号機及び2号機の格納容器ベントの実施について、内閣総理大臣、経済産業大臣及び原子力安全・保安院に申 し入れ、了解を得た。 原子炉水位 TAF+130cm(A系) TAF+53cm(B系) 経済産業大臣より法令に基づくベント実施命令(手動によるベント)が口頭で伝えられ、TV会議で共有された。 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 1 【Ⅲ-2-①-a】インターロック(ICの隔離機能について) ICの隔離機能について IC隔離弁の自動「閉」インターロックは下記の2種類がある。 ①配管等の破断検出によって自動的に隔離弁 外側隔離弁(MOー2A/B、3A/B) が「閉」。 直流電源より 制御電源 ②制御論理回路(破断検出回路)の電源喪失 によって自動的に隔離弁が「閉」。 MO 駆動電源 制御電源 駆動電源 内側隔離弁(MO-1A/B、4A/B) 制御電源 直流電源より 交流電源より MO 駆動電源 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 駆動電源 制御電源 2 【Ⅲ-2-①-a】ICの動作状況に対する関係者の認識について 混乱の中で ○中央制御室と発電所対策本部との連絡手段はホットラインのみ。 ○発電所対策本部は、1号機だけでなく、2~6号機のプラント状況も共有され対応を協議。 ○発電所対策本部は、TV会議でプラント状況報告、外部機関からの問合せ対応を実施。 イベント 原子炉自動停止 中央制御室 14時46分 地震によりスクラム 14時47分 制御棒全挿入 IC自動起動 14時52分 IC自動起動 15時16分 原子炉水位、圧力はICに 15時16分 IC動作中 て制御中 そのまま伝達 中央制御室と発電所対策本部間でICの動作状況に 対する認識の相違が起こり、発電所対策本部はIC が動作していると認識し続ける結果となった。 発電所対策本部発電班 発電所対策本部(円卓) 15時21分 IC動作中 そのまま伝達 津波到達(第1波15時27分 第2波15時35分) 全交流電源喪失(15時37分) 蒸気発生確認 2A、3A弁開 3A弁閉 DDFP起動 水位判明 3A弁開 現場線量上昇 16時44分 ICベント管を確認。左 側(A系)のベント管からモヤモヤ 蒸気が出ていることを確認 18時18分 IC MO-2A、3Aを開 18時20分 1号MO-2A、3A全 蒸気発生音と原子炉建屋越しに見え そのまま伝達 開とした。 正しく伝達さ た蒸気を確認 18時24分 1号IC(A)動作確認 れていない 18時25分 MO-3Aを閉 (冷却水であるIC胴側の冷却水がなく なっていることを懸念) 伝達されず 伝達されず 20時50分 DDFP起動 (原子炉圧力減圧後の代替注水のた 正しく認識さ め) れていない (復旧班がホットラインで連絡) 21時17分 消火系元弁開→1号 機DDFP起動 (IC水張りのためと解釈) 21時19分 1号水位が見えてきた。T AF+20cm程度。ICはDDFPにて補 給できるようライン形成する。 21時30分 MO-3Aを開 21時30分 MO-3A開 原子炉 蒸気発生音と原子炉建屋越しに見え 減圧開始 た蒸気を確認 そのまま伝達 21時34分 凝縮水噴き出し確認 正しく伝達さ (引続きIC作動中、DDFPで補給中 れていない と解釈) 21時51分 運転員の現場確認で、 APDの値がごく短時間で0.8mSv 現 場確認断念 発電所長はICの動 作状況に疑問を抱く D/W圧力 上昇確認 23時50頃 小型発電機をD/W圧力 計に接続 指示値600kPa[abs] 18時21分 ICラインナップ完了し注入 開始(弁を閉から開と発話せず) 18時25分 IC動作確認 21時35分 1号水位TAF+45cm。I CへDDFPにて補給中 22時03分 現場の放射線量測定の ために保安班2名を派遣 23時00分 現場の保安班から北側2 重扉1.2mSv、南側0.5mSvの報告 23時05分 発電所長 原子炉建屋入 域禁止指示 12日 0時06分 発電所長ベント準備 指示 無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 3
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