平成26年度 技術検定実施日 甲種化学講習に係る 技術検定の解答のポイント 平成26年 5 月25日 ・模範解答ではありません。 ・問題を解くための主なポイントを示したものです。 ・電話等での解答に関する質問にはお答えできません。 学識 問1 (1) ln p2 V 1 1 = - - より、 p1 R T2 T1 V p323 = p351.7 × exp - R = 101.3 ×exp - 1 1 T - T 1 2 38600 1 × 8.314 323.0 - 1 351.7 = 101.3 × exp(- 1.173 ) = 31.3 kPa (2) ボイル-シャルルの法則より、 p345 = p323 × (3) 345 323 = 33.4 kPa 理想気体の状態方程式より、 p 323 V 31.3 × 103 × 1.00 n = = RT 8.314 × 323 = 11.7 mol 平成26年度 技術検定実施日 甲種化学講習に係る 技術検定の解答のポイント 平成26年 5 月25日 ・模範解答ではありません。 ・問題を解くための主なポイントを示したものです。 ・電話等での解答に関する質問にはお答えできません。 学識 問2 G ° = ( - 398.4) + ( - 1.827) - ( - 159.7) - ( - 221.4) (1) = - 19.1 kJ/mol (2) 平衡では、G = 0 なので、-G ° = RT ln K (3) 平衡に到達したときの H2 および CO2 の分圧を x [MPa]とする。 Kp = pCO2 p H2 x2 = = 81.0 2 p CO p H2O ( 1 - x ) x = (1 - x) 81.0 = 9.0 より、x = 0.9 よって、H2 の分圧は 0.900 MPa、CO の分圧は 0.100 MPa (4) シフト反応は、分子の数の変化しない反応であるので、反応後の全圧は 2.00 MPa で ある。 平成26年度 技術検定実施日 甲種化学講習に係る 技術検定の解答のポイント 平成26年 5 月25日 ・模範解答ではありません。 ・問題を解くための主なポイントを示したものです。 ・電話等での解答に関する質問にはお答えできません。 学識 問3 d [Cl] = - k1 [Cl][H2] + k2 [H][Cl2] dt (1) d [H] = k1 [Cl][H2] - k2 [H][Cl2] dt d [H] d [Cl] = 0 を解くと、 = 0 または dt dt (2) [Cl] SS k2 [Cl2] = [H]SS k1[H2] 題意より [H 2 ]= [Cl 2 ] であり、図から k1 ≒ 6.0×104、k2 ≒ 2.0×107 であるので、 (3) [Cl] SS = [H] SS 2.0 × 107 6.0 × 104 = 3.3 × 102 図から k2 /k1 は 温 度 の 上 昇 と と も に 小 さ く な る の で 、[Cl] SS/[H] SS も 小 さ く (4) なる。 (5) ア レ ニ ウ ス 式 か ら 2 つ の 温 度 T L、 T H に お け る 速 度 定 数 kL と kH の 比 は 、 k E 1 1 ln L = - a - となる。1/T = 0.003 で kL = 2 × 104、 kH R TL TH 1/T = 0.002 で kH = 2 × 105 なので ln(0.1) = - 0.001 Ea /R したがって、 Ea = - R ln(0.1) / 0.001 = 19.1 kJ/mol 平成26年度 技術検定実施日 甲種化学講習に係る 技術検定の解答のポイント 平成26年 5 月25日 ・模範解答ではありません。 ・問題を解くための主なポイントを示したものです。 ・電話等での解答に関する質問にはお答えできません。 学識 問4 (1) 爆発範囲の中にあるので爆発の可能性あり。 (2) 0 vol% (3) 燃焼反応の式は、 C2H4O + 5 O2 → 2 CO2 + 2 2 H2O したがって、化学量論組成の濃度 Cst は、 C st = (4) 100 5/2 +1 0.21 = 7.75 vol% 酸化エチレンの分解爆発であるので、以下の化学反応式から 1 つ答える。 C2H4O → C2H4O → C2H4O → CH4 + CO 1 C2H4 + CO + H2 2 1 1 C(s) + CH4 + CO + H2 2 2 平成26年度 技術検定実施日 甲種化学講習に係る 技術検定の解答のポイント 平成26年 5 月25日 ・模範解答ではありません。 ・問題を解くための主なポイントを示したものです。 ・電話等での解答に関する質問にはお答えできません。 学識 問5 (1) 最も適切な語句 ① 吸熱 ② ニッケル ③ 700 ~ 850 ④ 多管式 (2) LPガス 性 質 (2 つ) 無色、可燃性、電気絶縁性がよい、などから 2 つ 用 途 (2 つ) 家庭用燃料、工業用燃料、自動車用燃料、溶接用ガス、溶断用ガス、 化学工業用原料、などから 2 つ 工業的製造法 油田ガスや原油随伴ガスから圧縮冷却法、軽油を用いた吸収法、活性 炭を用いた吸着法などにより回収。製油所ガスからの回収。ナフサ分 (1 つ) 解生成物からの回収。これらなどから 1 つ アルゴン 性 質 (2 つ) 無色、無臭、化学的に不活性、 放電管に入れて放電させると青色に発光する、などから 2 つ 用 途 (2 つ) 電球や放電管用封入ガス、溶接用保護ガス、金属精錬、熱処理用保護 ガス、などから 2 つ 工業的製造法 空気液化分離装置の蒸留塔からアルゴンの多い部分を抜き出し、さら (1 つ) に、精留と精製を行い回収する、など 平成26年度 技術検定実施日 甲種化学講習に係る 技術検定の解答のポイント 平成26年 5 月25日 ・模範解答ではありません。 ・問題を解くための主なポイントを示したものです。 ・電話等での解答に関する質問にはお答えできません。 学識 (1) 問6 解答例1 (図による場合) 図1または図2を示す。 融解曲線 p p 固体 臨界点 pc 臨界点 液体 pc 蒸発曲線 T3 > Tc p 液体 飽和液線 T2 = Tc T1 < Tc 飽和蒸気線 三重点 蒸気 V 図1 解答例2 蒸気 昇華曲線 実在気体の pVT 関係( p - V ) T 図2 実在気体の pVT 関係( p - T ) (文章による場合) p - V 線図を考える。等温条件下で蒸気を圧縮し、体積を小さくしていくと、飽和蒸気 線にぶつかる体積のところで凝縮が始まり、気液 2 相の共存領域に入り、その後、次 第に液量が増えて、ついには飽和液線にぶつかるところで液相のみになる。気液 2 相 共存領域の体積幅は温度を上げていくと狭くなり、ついには無限小となる。この点を 臨界点と呼び、そのときの温度、圧力、体積をそれぞれ臨界温度、臨界圧力、臨界(モ ル)体積と呼ぶ。 温度一定であるから dT = 0 であり、したがって内部エネルギー変化 d U = nC m,V dT (2) =0 である。この関係を熱力学第一法則の関係 dQ = dU + dW に代入すると、dQ = dW となる。つまり、等温変化では系の得た熱量は系が外界にする仕事に等しい。 (3) 爆発範囲内の混合ガスの中を伝ぱする火炎は、あまりにも細いすき間は通り抜けるこ とができない。このすき間の限界寸法を消炎距離という。消炎距離は濃度に大きく依存 するので通常その最小値をもって議論する。消炎距離が小さいのは二硫化炭素、水素、 アセチレンである。最小発火エネルギーの測定を行う際に、電極に絶縁性のフランジを 付けて行うとフランジ間隔がある値以下になると最小 発火エネルギー が急激に大きく なり、発火が不可能になる。このときのフランジ間隔が消炎距離である。 (4) 空気から酸素を製品として得たい場合には窒素を比較的多く吸着する合成ゼオライト を吸着剤とし、窒素を製品として得たい場合には酸素を選択的に吸着する分子ふるい活 性炭を用いることが一般的である。合成ゼオライトを用いた吸着では合成ゼオライトに 対する窒素と酸素の平衡吸着量の差を利用しているが、分子ふるい活性炭では平衡吸着 量の差ではなく酸素と窒素の吸着速度の差を利用している。分子ふるい活性炭での酸素 と窒素の平衡吸着量はほぼ同等である。
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