関西電力管内における平成26年度夏の電力需給見通し

関西電力管内における平成26年度夏の電力需給見通し等について(概要)
平成 26 年 4 月 24 日
関西広域連合エネルギー検討会
電力需給等検討会議
関西電力管内における平成26年度夏の電力需給については、平成25年度夏と比べて、昨
夏の猛暑を踏まえた気温想定の引き上げなどによる需要の増加や、大飯原子力発電所の停止に
よる供給力の低下がある。
関西電力は、姫路第二発電所の更新の前倒しや、東京電力を含めた他電力会社からの融通の
増加などを図り、最低限必要とされる予備率3%は確保できる見込みである。
しかし、中西日本や全国の状況をみると電力需給は昨夏よりも厳しい状況であり、火力発電
所等の計画外停止が平成22、23年度と比較して平成24、25年度は全国的に増えている
ことからも、電力需給のひっ迫を回避するためには、関西電力管内はもとより、全国的にも節
電の着実な実施や、発電所のトラブル対策の推進、万一の需給ひっ迫時における供給力の追加
や需要の抑制の取組が重要であるとの結論に至った。
以下に電力需給見通しの検証結果を記載する。
1
電力需給の見通し
○ 国の検証では、関西電力管内の8月のピーク需要について、節電を▲263万 kW と想
定し、気温影響の増加や景気回復などを見込んで、2,873万 kW(昨夏の検証時の
想定2,845万kWから28万kW増加、昨夏の実績2,816万 kW)とした。
○ 供給力については、大飯原子力発電所 3、4 号機の停止(▲236万 kW)や姫路第二発
電所の新1~5号機の運転開始などによる火力の増加(+155万 kW)
、東京電力を含
む融通等の増加(+101万 kW)などにより、2,960万 kW(昨夏の検証時の想定
2,932万kWから29万kW増加)を見込んでいる。
○ その結果、予備力は87万 kW 、予備率3.0%を確保するとしている。
資料1 関西電力管内における8月の電力需給見通しの総括表 (万kW)
(内訳)
原子力
水力
火力
揚水
新エネ
他社
融通等
供給
予備力
2,960
0
209
1,633
414
0.3
537
167
87 (3.0%)
2,845
2,932
236
205
1,478
420
0.3
525
66
87 (3.0%)
+28
+29
▲236
+4
+155
▲7
±0
+12
+101
±0
需要
供給力
今夏
2,873
昨夏
差
出典:第 5 回電力需給検証小委員会 資料 5
○ 中西日本6社の状況をみると、昨夏の供給力と比較して、中部電力の上越火力発電所の
2-2号機の新設及び西名古屋火力発電所 3 号機の廃止により11万 kW が増加するほ
か、電源開発の松浦火力発電所 2 号機の定期点検中の事故により94万 kW が減少して
いる。
○ その結果、中西日本全体のピーク時の最大需要は9,429万 kW 、供給力9,753
万 kW(予備力324万 kW 、3.4%)となっており、昨夏の予備力548万 kW 、
予備率5.9%と比較すると、より厳しい状況となっている。
○ また、全国9電力のピーク時の最大需要は16,666万 kW 、供給力17,434万
kW(予備力768万 kW 、4.6%)となっており、昨夏の予備力1,040万kW、
予備率6.2%と比較すると、より厳しい状況となっている。
2
トラブルリスク
○ 震災以降、全国的に原子力発電所が停止している中で、多くの火力発電所において定期
点検の時期が延期されるとともに稼働率が高くなっており、計画外停止の件数は増加傾
向にある。
○ 関西電力は、計画外停止を防止するため、巡回点検の頻度の増加や経験豊かな OB 社員
の活用など、これまでから様々な対策を講じてきた。
○ しかし、対策を強化していてもトラブルは起こり得るものであり、トラブルが発生した
場合、電力需給はより厳しい状況に追い込まれる。
○ 例えば、昨夏の最大需要日には、舞鶴発電所1号機の計画外停止などで供給力が約 4%
低下したが、仮に今夏の最大需要日に同様のトラブルが発生した場合、電力需給はひっ
迫する。
○ また、関西電力の今夏の供給力の内訳をみると、他電力会社からの融通が昨夏よりも多
くなっていることなどから、他電力会社で発生するトラブルについても、関西電力管内
の需給に影響する可能性が高まっている。
3
電力需給対策
(1) 節電取組の推進
○ 今夏において、電力需給のひっ迫を避け、必要最低限の予備力を確保するためには、一
定の節電が前提となっていることから、国や関西電力とも連携し、府県民や事業者に対
して昨夏同様の節電の着実な実施をお願いしていく。
(2) 関西電力への要請
○ トラブルリスクの低減及びトラブル発生時の迅速な対応のため、日常からの巡回点検の
強化等により、計画外停止のリスク管理に万全を期すとともに、トラブルが発生した際
にも迅速に対応できる体制を整えること
○ 需給がひっ迫すると想定される場合には、卸電力取引所からの調達・他電力会社からの
緊急融通などによる供給力の確保や、瞬時調整特約の発動やネガワット取引の実施によ
る需要の抑制など、できる限りの対策を的確に講じること
(3) 国への要請
○ ピーク需要時における中西日本6社の予備率は3.4%、全国では4.6%となってい
るが、トラブルリスクを考慮するとかなり厳しい状況であることから、国民や事業者に
対して着実な節電を広く呼びかけるとともに、電力会社によるトラブルリスク低減の取
組や、電力需給ひっ迫の恐れがある場合の需要抑制の取組を促進すること