1.IPアドレスとは

1.IPアドレスとは
❒IPパケットを送受信するホスト( )に付与されるアドレス。
❒現状、32ビット構成(IPv4)。今後は128ビット構成(IPv6)に。
❒ネットワークAD部+ホストAD部 で構成される。
❒NWに収容できるホスト数に応じてA、B、Cの
ネットワーク
3クラスあり(※)。
NW#1
※他に、クラスD(マルチキャスト用):1110・・・、クラスE(Reserved):11110・・・
がある。
32ビット
8ビット
クラスA
クラスB
8ビット
(24)
ネットワークAD
ホストAD
(16)
(16)
110
ネットワークAD
(24)
ホストAD
(8)
NW#2
・・・
n
1
ホストAD数
ネットワーク
AD数
多い
少ない
クラスA
中
クラスC
NW#3
m
1
8ビット
・・・
・・・
ホストAD
0 ネットワークAD
(8)
10
8ビット
ホスト
k
1
多い
中
少ない
クラスB
クラスC
ホストAD部がオール0(0・・・0)やオール1(1・・・1)のパタンは、特別
な意味で使用され、コンピュータに付与するアドレスとして使用不可。
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
1
2.IPアドレスの表記法
❒8ビットずつに区切り、各々を10進数で。
ドット付き10進記法または小数点付き10進記法。
例
10001011 01010010 00010111 00001010
10進法:139.82.23.10
最初の
数字
・0(00000000)∼127(01111111)==>クラスA
・128(10000000)∼191(10111111)==>クラスB
・192(11000000)∼223(11011111)==>クラスC
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
2
3.クラスとネットワーク数・内部ホスト数
実際には、
これらの値-2個
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
3
4.クラスを意識しないIPアドレス表記法(現状)
(1)クラスレス方式という。注:従来のものはクラスフル方式。
(2)「IPアドレス/ネットワーク部ビット数」で表す。下図。
(3)クラス分けアドレス方式の利用効率の低さを改善したもの。
この数値は、クラスとは関係なく
自由に選べる
IPアドレス(通常の表現)
192.168.103.5/24
(8b) (8b) (8b)
ネットワークアドレス部(24b)
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
4
5.IPアドレスの管理
・同じものがあってはならない。
・グローバルIPアドレスと呼ばれる。(⇔プライベートIPアドレス,次スライド)
・世界的に管理されている(下図)。
・払い出しは有料( 93以降)。
ISOC (internet society、'92∼)
ICANN (the internet corporation for assigned named and
numbers、'98に発足、IANA:internet assigned
numbers authorityから引き継ぐ)
RIPE/NCC
(ヨーロッパ)
ARIN
(アメリカ等)
APNIC (アジアパシフィック)
JPNIC
(日本)
KRNIC
(韓国)
CNNIC
(中国)
ARIN:American Registry for Internet Numbers(北米、南米、カリブ海沿岸諸国、アフリカ南部)
RIPE/NCC:Reseaux IP Europeans Network Coordination Centre
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
5
※ IPアドレスの管理
❒階層的に管理されている。
地域インターネット
レジストリ(RIR)
国別インターネット
レジストリ(NIR)
北米など
ヨーロッパ・ロシアなど
アジア・太平洋
南米
アフリカ
ローカルインター
ネットレジストリ
(LIR)
プロバイダ
(ISP)
エンドユーザ
(EU)
IANA:Internet Assigned Numbers Authority
ICANN:the Internet Corporation for Assigned Named and Numbers
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
JPNICホームページより
Ⓒ増田 2014
6
6.プライベートIPアドレス
❒ローカルなNWに閉じて使用されるもの。外には出ていかない。
よって、グローバルIPアドレスとしては使用できない。
❒限られたグローバルIPアドレスを節約する目的で導入された。
❒プライベートアドレスとして、以下が規定されている。
クラスA:10.0.0.0∼10.255.255.255(1ネットワーク分)
クラスB:172.16.0.0∼172.31.255.255(16ネットワーク分)
クラスC:192.168.0.0∼192.168.255.255(256ネットワーク分)
インターネット
★
ルータ
(注)
●
ローカルなNWでやりとり
●
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
★:グローバルIPアドレス
ローカルなNW
●
●:プライベートIPアドレス
●
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
7
7.NATとPAT(IPマスカレード)
1)グローバルアドレス(GA)とプライベートアドレス(PA)
・GA:インターネット上で重複のないアドレス。申請して取得。
・PA:ローカルなネットワーク内でのみ重複しないアドレス。申請不要。
2)NAT(Network Address Translation)
3)PAT(Port Address Translation) (またはIPマスカレード)
グローバル:ローカル=1:1の変換。
ポートが異なれば同時に複数の
クライアントとの通信が可能
グローバル:ローカル=1:1の
変換。
同時には、複数のクライアン
ト間の通信は不可
ルータ
(NAT機能)
202.150.0.10
グローバル
202.150.0.10
ルータ
(PAT機能)
192.168.1.40
192.168.1.40
ローカル
192.168.1.10 192.168.1.20 192.168.1.30
192.168.1.10 192.168.1.20 192.168.1.30
ポート23
(TELNET)
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
ポート21
(FTP)
ポート80
Ⓒ増田 2014
8
※ NATの例
http://www.infraexpert.com/study/ip11.html
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
9
※ PATの例
変換テーブル
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
10
8.サブネットマスクとは
❒払い出しを受けた(あるクラスの)IPアドレスのネットワークAD部とホストAD
部の境界をユーザ側で変更できるようにしたもの。例えば、IPアドレスで与
えられたひとつのネットワークを複数のサブネットワークに分割したりで
きる。
❒サブネットマスクは、ネットワークAD部として使用したい範囲を 11・・・1 で
示す。
❒IPアドレスとセットで使用される。
IPアドレス
ホスト
NW
収容ホスト数は減っても、ネットワーク数を多くしたい
IPアドレス
NW SNW
ホスト
サブネットマスク 11・・・・・・・・・・1 00・・・・・・・・・・0
ネットワークAD部
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
ネットワークAD部を
11・・1で、ホストAD部
を00・・0で指定
ホストAD部
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
11
9.サブネットマスクの使い方
IPアドレス
ホスト
NW
収容ホスト数は減っても、ネットワーク数を多くしたい
IPアドレス
NW SNW
ホスト
サブネットマスク 11・・・・・・・・・・1 00・・・・・・・・・・0
例えば、ここが2ビットの場合
4パタン: 00 =#0
01=#1
10=#2
11=#3
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
4つのサブネットワーク
に分けて管理できる
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
12
10.サブネットマスクの具体例
NW#i
NW#i
最大254台
のホスト
サブNWあたりの
ホスト数は最大
32-2=30台
#i1
#i2
サブNW
に分割
・・・
#i6
5ビット
NW#iは6つのサブ
NWに分割
クラスC
サブネットワークAD
3ビット
IPアドレス:192.2.1.0
サブネットマスク値:255.255.255.0
110
ネットワークAD
IPアドレス:192.2.1.0
サブネットマスク値:255.255.255.224
ホストAD
110 00000 00000010 00000001 00000000
192
2
1
255
255
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
110
ネットワークAD
ホストAD
110 00000 00000010 00000001 ***00000
0
11111111 11111111 11111111 00000000
255
3ビット
192
2
1
0
11111111 11111111 11111111 11100000
0
255
流通経済大学
255
Ⓒ増田 2014
255
224
13
11.ネットワーク部の長さとサブネットマスク
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
14
12.サブネットマスクとネットワーク内接続台数
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
15
13.別なネットワークのあて先へはルータ経由
ネットワークAD:
192.168.1
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
16
14.IPアドレスによるパケットの配送
❒A→B:ルータ非経由。 A→C:ルータR1経由。 A→G:ルータR1及びR4経由。
❒各ルータは、入力パケットの宛先IPアドレス、経路表(ルーチングテーブル)を参照して中継を
140.10.20.1
140.10.20.9
140.20.10.11 140.20.10.20
140.30.1.10 140.30.1.20
行う。
A
・・
B
C
p
ネットワーク #1
140.10.0.0
q
R1
ネットワーク #2
140.20.0.0
R 1の経路表
宛先
出
ポ
ー
ト
次ルータ
E
D
・
・
・・
F
ネットワーク# 3
140.30.0.0
R2
r
ホッ
プ
数
NW #1
p
−
−
NW #2
q
−
−
NW #3
q
R2
1
NW #3
q
R4
2
NW #4
q
R4
1
NW #4
q
R2
2
R 4の経路表
s
出
ポ
ー
ト
次ルータ
NW #1
r
R1
1
NW #2
r
−
−
NW #3
r
R2
1
NW #3
s
R3
1
NW #4
s
−
−
宛先
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
R3
R4
ホッ
プ
数
流通経済大学
ネットワーク# 4
140.40.0.0
G
140.40.0.1
R1、R2、R3、R4:ルータ
・・ H
140.40.5.1
Ⓒ増田 2014
17
15.OSPFの概要
OSPF:Open Shortest Path First
❒目的までのコスト(ネットワーク管理者が決める値)の小さい経路が選ばれる
ようにルーティング表を作成。
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
18
16.RIPの概要
RIP:Routing Information Protocol
❒ホップ数(経由するルータ数)の少ない経路が選ばれるように
ルーティング表を作成
通ネ第11回0619・0620 IPアドレスとルーチング
流通経済大学
Ⓒ増田 2014
19