Application Hints 日 本 語 版 Introduction to RAPID-TEST ノイトリック V 2.0 / Apr. 98 ラピドテスト・アプリケーションノート 代表的 なアプリケーションのご紹介 Vol.1 Introduction to RAPID-TEST ラピドテストについて ノイトリック社がご提案するラピドテスト測定器シリーズは、試験信号に先進 的 なマルチトーンを採用 しています。このマルチトーン技術により、ラピドテストは、複数のオーディオパラメータを 1 秒以内に 同時に測定することができます。さらに、正確なオーディオ解析性能を兼ね備え、生産工程の品 質検査 に導入することにより、 QC や生産スピードを大幅に向上させることができます。 マルチトーン信号解析について 従来のオーディオ試験では、試験用信号として単一の正弦波を使用してきました。これに対してラピドテス トのジェネレータ /アナライザは、複数の異なる周波数の正弦波信号から構成されるマルチトーン信号を使用し ます。下図 はマルチトーンを解析したものです。図 ほとんどノイズのようです。これに対し、図 1 の様 にオシロスコープで観測すると、マルチトーンは 2 のスペクトル解析では、いくつかの単一の周波数成分と して判別できます。 図 1: 3 つのマルチトーン信号のタイムプロット 図 2: 3 つのマルチトーン信号のスペクトラム マルチトーンの大きな利点 として、周波数が単一の正弦波に比べ(特に試験周波数ポイントが少ない場合)、人 の声や音楽信号のように現実の音に近 似している、ということがあげられます。 さらに、複数のオーディオ測定パラメータがワンステップで、1秒にも満たない短時間で測定できます。工場 の生産ラインに導入された場合、マルチトーンの非常に高速な測定スピードにより、現場でのボトルネックが 解消され生産性が飛躍的 に向上します。 マルチトーン信号解析は、どのようなアプリケーションについても、製品 やシステムのオーディオ伝 送特性の 評価に理想的 な形 で対応できます。 * ラピドテストシリーズには、アナログ解析専用の RT-2M と、アナログ /デジタル( ISDN)解析用の RT-2M があります。 V 2.0 2 / 10 Introduction to RAPID-TEST ラピドテストの代表的 なアプリケーション ラピドテストはアナライザに入力されたマルチトーンバーストから、レベル、歪み、ノイズ、クロストー ク、位相を同時に測定します。これらの機能は以下のようなアプリケーションに応用できます。 · 電話/携帯電話の送信、受信、呼出信号、マイク /スピーカーテストを含む品 質検査 · 電話/電話設備のDTMF (Double Tone Multiple Frequency) 信号解析 · 生産ラインにおけるマイクロフォン /スピーカー試験 · 電話機生産ラインにおける高速な品 質試験 · 放送ネットワークにおける自動測定 · 衛星放送における伝 送試験 以上のようにラピドテストは、電話機メーカー、 ォン、スピーカー、モデム、 CD プレーヤー、テープレコーダー、ミキサー、マイクロフ PC サウンドカード等のゼネラルオーディオ機器メーカー、放送事業者、電話会社、 録 音スタジオ、衛星放送事業者等のアプリケーションに最適です。 動作モード マルチトーンバーストの伝 送と測定を実行する際には、ラピドテスト測定ユニットから供給されるマルチトーン・ ジェネレータとアナライザが同時に必要です。さらに、別の場所に設置された2つのユニットをリモートコ ントロールしたり、外部ジェネレータ(例−携帯電話機)を使用して、その信号をラピドテストで解析するこ とも可能です。 マルチトーン信号は、複数(最大で 31)の周波数信号により構成されています。これらの周波数信号は、他の 信号コンポーネントと共に、マルチトーンバーストとして被測定器( DUT)へ伝 送されます。 マルチトーン信号出力の標準的 な信号時間は、 250∼960ms で以下の情報が含まれています。 1. トリガー信号: どのような信号がアナライザに入力されていても、マルチトーンバーストが入力された ことを知らせます。 2. 同期信号ブロック: アナライザをジェネレータ・クロックへ同期させます。 3. マルチトーン信号: アナライザで解析される部分。バースト信号は必要な場合、最大 5 回まで繰り返す ことができます。 外部ジェネレータを使用している場合、トリガー信号や同期信号ブロックは不要です。しかし、このモード ではレベル測定のみ可能で、歪み、ノイズ、クロストーク、位相測定はできません。 ラピドテストでは、マルチトーンバーストが受信されると伝 送経路の特性を評 価するために、直ちに入力信号 が解析されます。 3 / 10 V 2.0 Introduction to RAPID-TEST 以下の図 は、ラピドテストの動作モードを概略として表しています。 マ ルチ トー ン ジェ ネ レ ー タ L L L L R R マ ルチ トー ン アナ ラ イザ 被測定器 R R IEEE-488.2 または RS232 直線 /非 直 線 性 歪 LEFT LEFT 周波数 周波数 直線 /非 直 線 性 歪 RIGH T RIGH T 周波数 L ev e l (2 -C H ) vs. F req u e n cy 周波数 D isto rtio n (2 -C H ) vs . F re qu e n cy N o is e (2 -CH ) vs. F re q u e nc y In te rch . P H A S E vs . F re q u e n cy X TA L K (2 -C H ) vs. F re qu e n cy 図 3: ラピドテストの動作モード コントロール・ソフトウエア ラピドテストは、使用する目的 により、様 々なソフトウエアを選 択することができます。 · RT-EVAL はノイトリックが用意している測定器の動作を体験するためのソフトウエアです。平易に内 容を理解していただくよう、ラピドテストをコマンドなしでも動作させることができます。また、自 動測定環境のシステムにも対応して、コードジェネレータを供給しています。 · LabView® または LabWindows® ドライバライブラリが National Instruments™社 から供給される GPIB インターフェースボードにより使用でき、それぞれの言語によるプログラミングを容易にしていま す。 コミュニケーション・インターフェース 性能的 な理由から、ラピドテストとホストコンピューター間のコミュニケーションは、 IEEE-488 パラレルイ ンターフェースが使われています。 · IEEE( GPIB)インターフェースは、マルチトーン信号解析の測定スピードに関する利点 をフルに発揮させ ることができます。 · IEEE インターフェースは、最大で 31 台までの機器を 1 台のコンピューターからコントロールすること ができます。 この他、 RS232 シリアルインターフェースにより測定器をコントロールすることもできます。また、新し いバージョンのファームウエアを測定器にダウンロードする際にもこのインターフェースを使用します。 V 2.0 4 / 10 Introduction to RAPID-TEST アプリケーション例 1 携帯電話の品 質検査 用途 アナログまたは セッ トア ッ プ · ラピドテスト出力を携帯電話機の入力に接続します。 ISDN 電話の呼出音、 DTMF トーン等を含むオーディオ伝 送特性の評価。 · RF 復調器のオーディオ出力をラピドテストの入力に接続します。 R F M odulato r / D em odula to r A ud io O ut M icro Input IE E E -48 8 In put O utput Input Ou tput H ig h H ig h CH 1 H ig h CH 2 Low Low H ig h CH 1 CH 2 Low RA P ID -T EST Low Pow er Inte rfac e C alculating T rigger Ov erlo ad Error RT - IM I 0 TES T INS TR UM ENTS M ains 図 4: 電話試験の概観 測定手順 · 電話機の試験で使用される周波数帯域にマルチトーン信号を設定します。(通常 300Hz、 1kHz、 3kHz) · 電話機にバースト信号を伝 送し、 RF 復調器を経由してラピドテストに入力します。 · データ処理後、規定されている許容値 と比較します。 ヒント 送信/受信ともに同じ設定が適用できます。上記と逆の場合、ラピドテストの入力は電話機 のイヤーピースに接続し、出力は 5 / 10 RF 変調器の入力に接続します。 V 2.0 Introduction to RAPID-TEST 2 外部ジェネレータ信号(マルチトーン)の解析 用途 外部システムによる発振信号の電気音響解析。(例:携帯電話の呼出音、 DTMF トーン) こ れらの信号はシングルトーンやマルチトーンのタイプに関わらず解析できます。 このモードでは、ラピドテストのアナライザ部のみ使用されます。 · ラピドテストの入力に外部信号ソースを入力します。 セッ トア ッ プ · 被測定器は外部ジェネレータとラピドテスト・アナライザの信号経路間に接続します。 外部 信号 ジェ ネ レ ー タ IEE E 48 8.2 呼 び出 し音か DTMFト ー ン 被測定器 In p u t H ig h O u tpu t H ig h CH 1 CH 2 L ow L ow H ig h H ig h L ow L ow CH 1 CH 2 R A P ID -T ES T Po w er In t e rf a c e C a l cu la t in g T rig g e r O v e rlo a d E r ro r R T- IM I 0 T ES T IN S T R U M E N T S M a in s 図 5: 外部信号の解析 測定手順 · 外部ジェネレータ信号(マルチトーン)の定義 · 入力信号に対する、ラピドテスト・アナライザ部の基本 的 な設定(ブロック長、同期 等) · アナライザ部で受信した信号の測定と解析の開始。 ヒント 図 中の外部ジェネレータのシグナルソースに代わり、どのような製品 (電話機)についても 使用することができます。 V 2.0 6 / 10 Introduction to RAPID-TEST 3 スピーカー /マイクロフォンの評価試験 用途 マイクロフォンやスピーカーの電気音響パラメータの測定(周波数応答特性、歪み、ノイズ、位 相、クロストーク) セッ トア ッ プ · 無響室内の所定の位置に、予め特性の明らかになっている測定マイクロフォンとスピーカー (アクティブ)を設置します。 · ラピドテストの出力をスピーカー、入力にマイクロフォンを接続します。 リ フ ァレ ン ス スピ ー カー 外部 増 幅 器 被 測 定 マ イクロ フ ォン フ ァン タ ム 電 源 ( 無響 室 ) Inpu t H ig h O u tp u t H ig h CH 1 H ig h CH 2 Lo w Lo w CH 2 RA P ID -T EST Lo w Lo w RT - 2M P ow er I n t e r fa c e C a l c u la t in g T rig g e r O v e rlo a d E rro r H ig h CH 1 I 0 T ES T I N S TR U M EN TS Input 1 M a in s O utput 1 図 6: マイクロフォンの試験 被 測 定 スピ ー カ ー NEUTRIK 3382 測 定 マ イクロ フ ォン 外部 増 幅 器 フ ァン タ ム 電 源 ( 無響 室 ) Inpu t H ig h O u tp u t H ig h CH 1 H ig h CH 2 Lo w Lo w H ig h CH 1 CH 2 Lo w RA P ID -T EST Lo w RT - 2M P ow er I n t e r fa c e C a l c u la t in g T rig g e r O v e rlo a d E rro r I 0 T ES T I N S TR U M EN TS Input 1 M a in s O utput 1 図 7: スピーカーの試験 手順 · マルチトーン信号を適正な周波数帯域に定義 します。 · 必要とされる全てのオーディオ・パラメータを測定し、結果をリファレンスとしてスト アします。 · 測定するトランスデューサー( スピーカー/マイクロフォン )をリファレンスに代わり、所 定の位置に設置し、測定を繰り返します。 · 被測定器の特性を判定するために、測定結果とリファレンスデータの差を計算します。 7 / 10 V 2.0 Introduction to RAPID-TEST 4 任意のオーディオジェネレータ 用途 一定の期間、または継続的 な任意信号の発振。この動作ではラピドテストのジェネレータ部 のみ使用します。 セッ トア ッ · ラピドテストのチャンネル出力に被測定器を接続します。 プ 図 8: 任意のオーディオジェネレータとして使用 手順 · ラピドテストジェネレータの信号(マルチトーン)を定義 します。 · 希望の回数、または継続して信号を送出。 V 2.0 8 / 10 Introduction to RAPID-TEST 5 伝送経路の試験 用途 遠隔地までの無線信号送信を含む伝 送経路の測定。ラピドテストの出力は、伝 送ラインの送信 基地に設置します。ラピドテストの受信側とホストコンピュータは、希望する場所へ設置しま す。 セッ トア ッ · マルチトーン信号の定義 と伝 送ラインを経由した送出。 プ · ラピドテストの信号受信と、ホストコンピュータからの測定データの収集(例 .モデムリンク経 由)。 Inp ut Ou p t ut High High Low Low CH1 番組 放 送 CH2 High High Low Low CH1 CH2 R API D -T EST R T- I B Po wer Inter face Calculating Tri gg er Over load Er r or I 0 T ES TI N ST RU M EN S T Ma in s アナ ラ イザ 1 IEEE 4 8 8 I npu t Ou tp ut High High Lo w Lo w CH 1 CH 2 High High Lo w Lo w CH 1 CH 2 RA PID - T E ST Po wer I nter fa ce Ca lc ul atin g Tr igg e r Ov er lo a d Er ro r RT - I B I 0 T ES T I N S TR U M EN T S M ain s ジェ ネ レ ー タ Inp ut IEEE 4 8 8 Ou p t ut High High Low Low CH1 CH2 High High Low Low CH1 CH2 R API D -T EST Po wer Inter face Calculating Tri gg er Over load Er r or R T- I B I 0 T ES TI N ST RU M EN S T Ma in s アナ ラ イザ 2 IEEE 4 8 8 図 9: 放送中継ラインの試験 注) ラジオ放送の伝 送試験では、マルチトーンバーストを送信 /受信するため、放送番組を一時中断 させる必 要があります。 9 / 10 V 2.0 Introduction to RAPID-TEST ラピドテスト製品 概要 G PIB Bo a rd fro m Na tio na l Instrum e nts™+ RT-EVAL o r La b Wind o ws C VI o r La b Vie w d rive r lib ra ry o r a p p lic a tio n-sp e c ific Pro g ra m (C , BASIC e tc .) IEEE 4 8 8 Inpu t HI O utp ut HI CH 1 CH 2 LO LO HI HI LO LO CH 1 CH 2 RAPID-TEST P ow er Int erfac e C alc ulat ing Tr igger O ve r loa d E r ror RT- IM I 0 TE ST INST RUM ENT S M ain s RAPID-TEST Ap p lic a tio n No te s RT-1M A pplication RT-1M A pplication G e t Fa m ilia r w ith Writin g C o d e C e llu la r Ph o n e Te stin g RT-1M A pplication RT-1M A pplication C o m p a rin g C o n ve n tio n a l vs. M u ltito n e Te stin g Sp e a ke rs & M ic ro p h o n e s* (ask you r local N E UT RIK represen tative fo r a copy) RT-1M A pplication In tro d u c tio n *: to be rele ased V 2.0 10 / 10
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