船体に及ぼす海氷荷重

北極海の航行安全に向けて
船体に及ぼす海氷荷重
金野祥久(工学院大学)
GRENE北極気候変動研究事業 特別セミナー
2014/11/17
自己紹介
• 金野 祥久
(こんの あきひさ)
• 工学院大学 工学部機械工学科 流体工学研
究室
本日の内容
• NSR航行で考慮すべきリスク(海氷荷重の
影響を中心に)
• GRENE課題7-1で行われている,海氷荷重
に関連した研究の紹介
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NSR航行で考慮すべきリスク
氷の圧力に負けて
前に進めなくなるリスク
(水路抵抗)
船体が氷により
破損するリスク
(局所氷荷重)
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プロペラや舵が
破損するリスク
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海氷に起因する船体損傷
Reduta Ordona, 1996
Zelada Desgagnés, 2012
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氷海で自力航行不能になった船舶
ロシアのタンカー
ベーリング海
http://www.cbc.ca/news/canada/north/ic
e-damages-hull-of-sealift-ship-neariqaluit-1.1230034
http://www.dailymail.co.uk/news/article2083542/Tanker-carrying-supplies-strandedAlaskan-village-gets-stuck-ice-flows-crossesfrigid-Bering-Sea.html
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カナダのRo-Ro船
Frobisher湾
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アイスクラス(船級)
Polar Class (IACS UR I)
• 極域を航行する船舶
を想定.
• PC 1~PC 7
Finnish Swedish Ice Class
Rules (FSICR)
• バルト海を航行する船
舶に適用.Sub-arctic
seaの基準からも参照さ
れる.
• IA Super, IA, IB, IC, II
PC 6  おおよそ対応  IA Super
PC 7  おおよそ対応  IA
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IACS Polar Class
Polar Class
Ice Description
PC 1
PC 2
PC 3
Year-round operation in all Polar waters
PC 4
Year-round operation in thick first-year ice which may
include old ice inclusions
PC 5
Year-round operation in medium first-year ice which may
include old ice inclusions
PC 6
Summer/autumn operation in medium first-year ice which
may include old ice inclusions (≒FSICR IA Super)
PC 7
Summer/autumn operation in thin first-year ice which may
include old ice inclusions (≒FSICR IA)
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Year-round operation in moderate multi-year ice conditions
Year-round operation in second-year ice which may include
multi-year ice inclusions
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Polar Class想定シナリオ:
Glancing Impact
Yu, SNAME UK COLLEGIUM, 2012
Pavg
w
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b
• ある区間(w×b)に圧
力Pavgが一様に加わる.
• w, b, Pavgの具体的な値は
– 船首部:船首形状と
クラスによって決ま
る.
– 船首以外:船体形状
とは関係なく,クラ
スで決まる.
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FSICR Required Engine Output
• 船舶には“brash ice channel”を自力で航行
する能力が求められる.
Brash ice channel
(小氷片密集水路)
商船
(アイスクラスの
耐氷船)
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砕氷船
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FSICRの水路抵抗評価式
RCH
3
LT

 Awf
2
2
 C1  C2  C3 H F  H M  B  C H F   C4 LPAR H F  C5  2 
B  L
(FSICR, 2010)
• “… RCH values based on more exact
calculations or values based on model tests
may be approved.” (FSICR, 2010)
• 現在の多くの船舶は,氷海水槽試験でRCH
を評価し,アイスクラスを取得する.
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GRENE北極気候変動研究事業・課題7-1で行われている研究を紹介
します.
海氷荷重に関する研究
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単独氷片との衝突
• 数値解析により氷片が船体に接触した際の衝撃
力を計算
• 衝突実験により妥当性を評価
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想定しているリスク
将来は,
• 北極海の氷が減少  航行
速度が増加?
• しかし,航路中の多年氷
や,氷河から脱落した氷
山は,むしろ増加する.
Titanic (movie, 1997)
単独氷片との衝突リスクを
検討する必要性?
Perino Moreno Glacier (Photo by Calyponte)
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単独氷片衝突:小規模模型実験
• 小型模型と模擬氷を用いた衝突実験(検証しやすく
するため,模擬氷の運動を制限)
• 衝突直前の,模擬氷の運動に着目
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単独氷片衝突:小規模模型実験
• 特に衝突直前の氷の運動に着目(船体が誘起す
る波と流れに起因する運動)  衝突時の相対速
度に影響
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単独氷片衝突:数値計算
• Solver: STARCCM+ v8
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氷の動きの比較
Displacement
in exp.
Displacement
in sim.
Velocity
in exp.
Velocity
in sim.
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鋼構造物損傷の解析(LS-DYNA)
今後の検証が必要
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氷片密集水路航行の解析
• 氷片が密集する水路を、船舶が航行する際
の荷重等を数値解析により評価する。
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氷荷重をFSICRモデル式と比較
FSICR[kN]
Resistance[kN]
Resistance[kN]
船首角度を変えてbrash ice channel中抵抗を比較
FSICR[kN]
• FSICR計算式と傾向が一致.定量的にも近い.
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まとめ
• 海氷荷重に起因するリスク:局所氷荷重,
水路抵抗 (プロペラ損傷も)
– IACS Polar Class
– Finnish Swedish Ice Class Rules
• GRENEにおける海氷荷重関連の研究紹介
– 単独氷片との衝突(小規模実験,数値解析)
– Brash ice channel中航行のシミュレーション
ご清聴ありがとうございました.
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